☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

NEXXTREAM PRESS 「2ndシーズン開幕直前号」

 

f:id:pontsuka0729:20200928144751p:plain

◆開幕直前号

待ちに待ったNeXX2ndシーズンがいよいよ開幕する。
初年度はアレックス・バトラーがドライバー王者に、そしてピットブルが
チーム王者に輝き幕を閉じたNeXX。ドライバー、チームともにタイトル争いは
終戦までもつれる大混戦となり、見るものを最後までハラハラさせ
大いに楽しませてくれた1stシーズンだったが、2ndシーズンはチーム
ドライバーとも新顔が増え、ますますエキサイティングになること間違いなし!
今号では開幕を間近に控えたNeXXの直前情報を一挙公開。
全チームのエントリー情報に始まり、新シーズンのレギュレーション、運用の
変更点、そして開幕戦の舞台オーストラリアのサーファーズパラダイスについてなど
ホットな情報満載だ。どうぞお楽しみに!!

 

f:id:pontsuka0729:20200928144844p:plain
■2ndステージからの新規参戦チーム・ガジャック
             ついにドライバーラインナップを発表!!

アントネッティ、マルドゥークとともに2ndシーズンから参戦する
『第3のチーム』ガジャック。いまだドライバー陣容の発表がなかった同チーム
だったが開幕直前の2月になってようやく、2人のドライバーが発表された。
発表されたドライバーは大方のメディアの予想通り、2人ともフランス人。
プロフィールは以下の通りだ。

1stドライバー:セドリック・タンデイ(フランス) 31歳
         前所属:F1(ルノ○・チーム)
2ndドライバー:ファン・カレッジ(フランス)  21歳
         前所属:F2(エデ○・ジョー○ン・レーシング)

 

f:id:pontsuka0729:20201015210705p:plain  f:id:pontsuka0729:20201015210643p:plain
☝C.タンデイ   ☝J.カレッジ

1stシートに座るのはセドリック・タンデイ。F1でも活躍したベテランだ。
マク○ーレン、フェ○ーリといった強豪をドライブした経験があり、フェラ○リ
ではコンストラクターズ王者獲得にも貢献。昨年ル○ーに所属したのを最後に
F1を離れ、今回のガジャックからのオファーを受けての参戦となった。
2ndドライバーのファン・カレッジは、トップフォーミュラ経験の無い新鋭だ。
しかし前年はエデ○・ジョー○ン・レーシングからF2に参戦し、見事に
シリーズチャンピオンを獲得している期待のルーキーだ。
チーム組織は旧ルルーシュF1の首脳陣で固め、シャシーはシグマテック、エンジンは
ピジョン、タイヤはヴァシュロンを使用。そしてドライバーは二人ともフランス人。
これでガジャックチームは正真正銘の『純オールフレンチチーム』となった。
かつてF1でもオールフレンチでの王者をめざしたチームがあったが、達成される
ことなくチームは姿を消している。このNeXXではどうか?
ことさらナショナリズムを意識しがちなフランス人は、ガジャックチームに大きな
期待を注いでいるに違いない。


◆NeXX2ndシーズン、参戦全15チーム一挙紹介!!

開幕直前になってようやくガジャックチームのドライバー体制が発表され、
いよいよ全15チームの体制が整った2ndシーズンのNeXX。
それではここで、今季参戦の15チーム30台をここにすべて一挙紹介する。
ここではエントリーリストの記載順に、各チームのマシン・ドライバーなどを
紹介してゆく。間近に迫った開幕まであと少し。これを見て新シーズンへ向けて
大いにテンションを高めていってほしい。


1.ピットブル・エクストリーム・レーシング 
f:id:pontsuka0729:20200928151154p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015210911p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015210919p:plain

1stシーズンのチャンピオンチーム。オーストリアに本拠を置く、世界で最も
有名なエナジードリンクメーカーのチームだ。昨季はドライバー二人で予選PP6回
計5勝をあげた、最終戦の逆転劇で王座をもぎ取った。今季は当然連覇を狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015211006p:plain 12:ニコ・ラムダ(AUT)
ピットブルの動かぬエースはラムダ。昨季は前半戦で苦戦するも終盤に怒濤の追い込み
を見せたが、王座には一歩届かなかった。F1で3度王座に輝いた大ベテランは
今季35歳、なんとしてもNeXXでも王座を獲得したい。


f:id:pontsuka0729:20201015211351p:plain 30:ルドルフ・マイネ(GER)
寡黙な性格のため目立たないが、昨季は予選PP3回、1勝をあげピットブルの
チームタイトル獲得の原動力となった。今季も引き続きラムダとともに走る。
今季はラムダにも挑んでいきたい。チームの王座防衛には欠かせぬ存在だ。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:アシュトンバーキン ABR-DB122H 3.0L V12
タイヤ:ヴァシュロン


2.マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション

f:id:pontsuka0729:20200928151218p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015211817p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015211821p:plain

アイルランドに本拠を置く、1stシーズンのランキング2位チーム。
終戦で逆転されチームタイトルを逃したものの、エースドライバーのバトラーが
ドライバー王座を獲得。今季こそはチーム、ドライバーのWタイトルを狙う。

 

f:id:pontsuka0729:20201015211419p:plain 1(23):アレックス・バトラー(IRL)
NeXX初代チャンピオンドライバー。F1でくすぶっていたものの、NeXXへ
転戦し花開いた。予選での安定した速さと、雨のレースでの速さは特筆。狙うは連覇。

f:id:pontsuka0729:20201015211438p:plain 7:カーティス・マルケーナス(AUS)
昨季はトップフォーミュラ初参戦ながら1勝をあげるなど、速さを見せる。
シーズンオフのインタビューでは、バトラーには負けないとの発言も飛び出し
今季もやる気マンマンだ。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヴァシュロン


3.エヴァー・グラハム・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200928151245p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015211959p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015212002p:plain

オーストラリアに本拠を置くチームで、元F1ドライバーのマーシュ・エヴァーと
デイヴィッド・グラハムが立ち上げたチーム。往年のF1の名門の名を冠するも
昨年は苦戦。今季は巻き返しを図る。

f:id:pontsuka0729:20201015211457p:plain 2:アレン・バーンズ(AUS)
F1王者経験のある『F1四天王』。しかし昨季は四天王で唯一未勝利に終わる。
今季は初勝利、そしてあわよくば王座も狙っていきたい。

f:id:pontsuka0729:20201015211513p:plain 10:ジェストン・バロン(GBR)
イギリス出身のハンサムガイ。昨年はイギリスF3で3勝をあげランキング3位を
獲得。滑らかなドライビングとタイヤ使いのうまさに定評のある、期待の新鋭。

シャシー:レラ RNX-01Ref
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヨコスカ


4.トライアンフ・スクエアジャパン・レーシングチーム

f:id:pontsuka0729:20200928151307p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015212141p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015212145p:plain

日本は北海道の企業グループが母体のチームで、シャシー、エンジンとも日本製を
使う『純和製』チーム。昨季は日本人ドライバー日向俊郎が2勝をあげ、1st
シーズンを賑わわせた。今季はさらなるジャンプアップを狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015211528p:plain 15:日向 俊郎(JPN)
下位カテゴリで弱小チームを渡り歩き、『優勝請負人』として鳴らした風来坊。
昨季は2勝をあげ日本のレースファンを熱狂させた。今季は3勝が目標。

f:id:pontsuka0729:20201015211549p:plain 44:ジョー・S・カジワラ(USA)
かつての『自動車王国』デトロイト生まれの日系2世アメリカ人。昨季はストリート
コースで活躍したものの、日向には水をあけられた。今季は勝ちたい。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:カムイ RJK802 3.0L V8
タイヤ:ヨコスカ


5.アブラモビッチスタンフォード・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200928151333p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015212249p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015212253p:plain

イギリスに本拠地を構えるがロシア国籍のチーム。オーナーはロシアの実業家ロマン
アブラモビッチ氏。サッカー、イングランド・プレミアリーグの名門チェ○シーの
オーナーでもある。今季はドライバーを一新し、本気の体制で王座に挑む。

f:id:pontsuka0729:20201015212403p:plain 5:ジョンブル・チャップマン(GBR)
F1で『暴れん坊』として鳴らす、『大英帝国の愛すべき息子』。豪快さと繊細さを
あわせもつ、ファイティング・アーティスト。NeXX1年生だが早くも優勝宣言が
飛び出す。大物ルーキーだ。

f:id:pontsuka0729:20201015212426p:plain 6:フェリオ・デ・ランジェリス(ITA)
イタリアの貴族の家系に生まれた『リアル・ジェントルマン』。天才肌のドライビング
でF1でも活躍。NeXXでトップフォーミュラ初優勝を狙う。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヨコスカ


6.プルトン・オートスポーツ

f:id:pontsuka0729:20200928151352p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015213136p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213140p:plain

マレーシアの自動車メーカーを母体とする、東南アジア国籍のチーム。F1チームを
率いた経験もあるコニー・エルナンデスがチームプリンシパルだ。昨季は12チーム
中11位と不本意な結果に終わり、今季の巻き返しを期する。

f:id:pontsuka0729:20201015212446p:plain 8:アレンザンダー・カブロン(THA)
イギリスはロンドン生まれのタイ人ドライバー。昨季は戦闘力で劣るマシンを駆り、
2度3位表彰台に上る。今季は初優勝を狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015212506p:plain 17:トゥーリ・ヴィックス(EST)
エストニア出身。2017年のADCAF4チャンピオン。2019年F3マカオGP
では2位と活躍。昨季終盤3戦をドライブし7位入賞を記録。フル参戦の今季に期待が
かかる。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジンピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヨコスカ


7.スクーデリア・リナルディ

f:id:pontsuka0729:20201003173755p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015213344p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213347p:plain

かつてF1に参戦していた、イタリアの愛すべきプロヴィンチャーレ。昨季は小規模
予算で若手を重用し、シーズンランキング最下位に終わる。今季はビッグスポンサーを
獲得し、実力派ドライバーをそろえた。巻き返しに注目。

f:id:pontsuka0729:20201015211152p:plain 26:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
F1では名門フェラ○リ・ドライバーとしても活躍、優勝経験もあるイタリア人。
物静かな印象だがドライビングは熱い。チームリーダーとしても期待される。

f:id:pontsuka0729:20201015211201p:plain 34:スティラノ・シエナ(ITA)
F1では下位チームに甘んじたが、モナコGPで表彰台に上るなどの活躍を見せる。
F2王者経験もありその速さはホンモノ、『ラテンのスピードオタク』の異名をとる。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:カムイ RJK802 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン


8.クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング

f:id:pontsuka0729:20201003173805p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213512p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213515p:plain

イギリス国営放送BBCの人気番組『トップ○ア』の、元出演者3人組がオーナーの
チーム。昨季はエースD.ファングの働きでチームランキング5位と躍進。今季は
セカンドシートに期待の若手を迎え、トップ4入りを目指す。

f:id:pontsuka0729:20201015211204p:plain 11:デイヴィス・ファング(GBR)
昨季は2勝をあげランキング4位と活躍。一方で戦意喪失によるリタイヤを記録する
など良くも悪くも『気分屋』なところも。メンタルが安定すれば王者も狙える。

f:id:pontsuka0729:20201015211209p:plain 21:アリエル・ティルクム(GBR)
2018年のF3では選手権2位、そして17、18年とF3マカオGPを連覇した
英国期待の新鋭。まずはトップフォーミュラに慣れ、チーム王者に貢献するのが目標か。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:アシュトンバーキン ABR-DB122H 3.0L V12
タイヤ:ヨコスカ


9.ロムニ・ダキアオートスポーツ

f:id:pontsuka0729:20201003173953p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015213635p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213637p:plain

ルーマニアに本拠を置く東欧国籍のチーム。昨季は第16戦日本で優勝し、下馬評を
覆して見せた。ハンガリー人のZ.ゲラとルクセンブルク人のA.ファーシマスという
異色のコンビで臨む2年目。昨季の10位を上回りたい。

f:id:pontsuka0729:20201015212655p:plain 4:ゾルタン・ゲラ(HUN)
遅咲きのハンガリー人ドライバーは今年30歳。寡黙な仕事人タイプだが、昨季は
第16戦日本で初優勝をあげる。狙いは今季も優勝、そして上位チームのシートか。

f:id:pontsuka0729:20201015212715p:plain 33:アレオ・ファーシマス(LUX)
トップフォーミュラでは初のルクセンブルク人ドライバー。昨季は予選でフロントロー
獲得など速さも見せたが、出場停止3戦のペナルティも。「粗さ」解消が活躍のカギ。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジンピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン


10.チャイナドラゴン・レーシングチーム

f:id:pontsuka0729:20201003173929p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015213929p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015213931p:plain

中国に本拠を置くアジア系チーム。昨季は『F1四天王』J.セプターの活躍で1勝を
あげたが、シーズン終盤に1stドライバーK.アファルを成績不振で解雇。体制を
整え直した今季は、昨季を超えるランキングを狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015212733p:plain 0:宋 昇龍(中国)
昨季終盤戦に加入した中国人ドライバーで、F1○ノーチームの育成プログラムにも
所属していた経歴を持つ。昨季は最終戦で早くも初入賞を経験。今季に期待がかかる。

f:id:pontsuka0729:20201015212750p:plain 9:ジョリー・セプター(SAF)
南アフリカ出身のF1王者経験者『F1四天王』にして、NeXX1stシーズンの
開幕戦ウィナー。今季の目標はシーズン2勝以上、そしてNeXX王者獲得だ。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヨコスカ


11.ノルディック・モータースポーツ

f:id:pontsuka0729:20201003173827p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015214053p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214056p:plain
ミコ・ハンクネンとチチ・ソルベルグという、北欧出身のF1王者経験者の立ち上げた
北欧が本拠地のチーム。昨季は前半戦首位に立ちながら、最終的にはランキング3位に
終わる。今季は改めてチーム、ドライバーのWタイトル獲得が目標。

f:id:pontsuka0729:20201015211243p:plain 14:ケリー・ラスムッセン(DEN)
デンマーク出身のF1経験者。昨季は下馬評を覆し、最後までタイトル争いを展開した。今季は改めてタイトル獲得に挑む。

f:id:pontsuka0729:20201015211247p:plain 91:ミック・ハイデンフェルド(GER)
F1ザ○バー・チームで活躍したドイツ人。F1での優勝経験はないものの、安定した速さには定評がある。チームタイトル獲得が至上命題。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヴァシュロン


12.サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング

f:id:pontsuka0729:20201015214226p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015214257p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214301p:plain
3名のブラジル人実業家が共同で立ち上げたチーム。昨季は優勝こそできなかったが
抜群の安定感を誇る2人のドライバーの活躍で、チームランキング4位を記録しトップ
4入りを果たす。今季はまず初優勝が最大目標。

f:id:pontsuka0729:20201015211254p:plain 50:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
F1をはじめフォーミュラE、DTMでも活躍した経験豊富なポルトガル人。昨季は
未勝利に終わるもチームのトップ4入りに貢献。今季は初優勝を狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015211259p:plain 3:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)
新鋭ながらも昨季は2度の予選PPと、2度の表彰台を獲得し実力を証明。今季は初
優勝、そしてチームランクアップが目標か。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヴァシュロン


13.アントネッティオートスポーツ

f:id:pontsuka0729:20201015214358p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214423p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214427p:plain

今季から新たにNeXXに参戦する3チームのひとつ。アメリカに本拠を置きインディ
カー、フォーミュラEにも参戦するワールドワイドなレーシングチーム。アメリカの
レース一家アントネッティ家の威信をかけて参戦。

f:id:pontsuka0729:20201015211306p:plain 77:アレンザンダー・ロッソ(USA)
第100回インディ500を制したイタリア系アメリカ人。昨季はアブラモビッチから
参戦し1勝をあげ、ランキング7位に。今季は王座獲得を狙う。

f:id:pontsuka0729:20201015211309p:plain 57:デイヴィス・リンドホルム(CAN)
インディカー出身のカナダ人。インディ参戦時はアントネッティに所属しており古巣へ
返り咲く。昨季後半大失速し、ノルディックでは戦犯扱いに。汚名を晴らしたい。

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジンシェブロン B2H8 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン


14.マルドゥーク・レーシング・ドバイ

f:id:pontsuka0729:20201015214529p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015214552p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214555p:plain
今季から新たにNeXXに参戦する3チームのひとつ。UAEを構成する首長国の一つ
ドバイの王家、マルドゥーク家のダムハン皇太子が率いるチームだ。圧倒的な経済力で
NeXXに殴り込みをかける。狙いは参戦初年度でのチーム王座獲得。

f:id:pontsuka0729:20201015211313p:plain 27:ビル・リヴィエール(CAN)
カナダ出身のドライバーで、F1では跳ね馬をドライブした『華麗なるファイター』。
狙うはF1で獲得できなかったワールドチャンピオンだ。

f:id:pontsuka0729:20201015211316p:plain 18:ジャッキー・グーデリアン(USA)
アメリカ出身のファイター。インディカーとNASCARの参戦経歴を持ち、パワー
ボートでも活躍。レースと名の付く物ならなんでもござれの『ハイテクカウボーイ』だ。

シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジンシェブロン B2H8 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン


15.ガジャック・ルルーシュ・スポール

f:id:pontsuka0729:20201015214645p:plain
f:id:pontsuka0729:20201015214703p:plain

f:id:pontsuka0729:20201015214706p:plain
昨季プルトンよりドライバーとして参戦していたイワン・ガジャックが立ち上げた
『純オールフレンチ』体制のチーム。旧F1ルルーシュ・チームの首脳陣を招聘して
チームを組織。初年度からどこまでやれるか?

f:id:pontsuka0729:20201015210705p:plain 26:セドリック・タンデイ(FRA)
ルノ○やフェラー○でも活躍した元F1パイロット。中でも跳ね馬在籍時は2勝をあげ
タイトル獲得にも貢献。堅実なスタイルは1年生チームにうってつけだ。

f:id:pontsuka0729:20201015210643p:plain 16:ファン・カレッジ(FRA)
昨年F2で王座を獲得し、鳴り物入りでNeXXデビュー。アヴィニョン生まれも、
両親がシチリア生まれでイタリア人の血を引く。初年度から大暴れか?

シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジンピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン


以上参戦15チーム、30名のドライバーによる熱き戦いが、まもなく開幕する!!
こうご期待!!!!

 

■2年目のNeXXも混戦必至!変更されたレギュレーション!!

いよいよ2ndシーズンの開幕を目前に控えたNeXX。初年度は大盛況で幕を閉じたが、
2年目はさらに盛り上がること必至だ。今季からポイントシステムやペナルティなど
レギューレーションが一部変更・修正され、さらに混戦模様に拍車をかけることが
予想されるからだ。では、今季のレギュレーションの大きな変更点を見てゆこう。

◆変更点1:ファステストラップ・ポイントの導入
1stシーズンのポイントは、優勝~10位までのドライバーに与えられ、さらに
予選でポールポジションを獲得したドライバーにも与えられた。しかし2ndシーズン
はさらに、レース中ファステストラップを記録したドライバーにもポイントを付与する
ルールとなった。来季のポイントシステムは以下の通り↓↓↓

  優勝:25ポイント PP獲得:3ポイント  
  2位:18ポイント FL獲得:2ポイント
  3位:15ポイント
  4位:12ポイント
  5位:10ポイント
  6位: 8ポイント
  7位: 6ポイント
  8位: 4ポイント
  9位: 2ポイント
 10位: 1ポイント

このように今季は、FL獲得で2ポイントが付与される。つまり予選PP、決勝レース
優勝、決勝レースFLと完勝すると、1レース最大30ポイントが得られる計算だ。
またPPポイント同様FLポイントも、選手権の有効ポイントに換算されるため、
タイトル争いにおいてPP、FLがより重要なポイントとなってくる。タイトル争いは
大詰めになるほど1ポイントの重みが行方を左右しかねない。今季はより、順位以外の
ポイントも重要となってくるのだ。

◆変更点2:「Did Not Qualify」(予選落ち)の発生
今季から参戦チームが3チーム増え、15チーム30台エントリーとなったNeXX。
しかし、決勝グリッドに並べる台数は26台と定められている。つまりは毎レース必ず
4台の「予選不通過」が発生するのだ。1stシーズンでは実力者が予想外に下位
グリッドに沈むことも多々あった予選。
参戦台数がさらに増加した今季は、上位チームの実力者とてうかうかしていられない。タイトル争いの真っ只中のレ―スでの「予選落ち」なんて事態は絶対に避けたいところだ。

◆変更点3:グリッド降格ペナルティの導入
F1をはじめとする多くのレースではすでに導入済みの、「グリッド降格」ペナルティ
を今季から導入。スポーティングレギュレーションに対しての導入となるが、今季からはレーススチュワードが危険、もしくは悪質、反スポーツマン的とみなした予選、レース中の行為についてはレーススチュワードより、当該レースの翌レースにおいて5、ないしは10グリッド降格のペナルティを科す場合がある。
昨季は出場停止やレース後のタイム加算などが発動したが、このグリッド降格制度の採用で選手権はよりスリリングになる。 


以上が大きなルール、レギュレーションの変更点だ。いずれも今季のレースをより
スリリングにする要素ばかりである。今季は昨季以上にハラハラする展開が、最後の
最後まで続くことだろう。


■2ndシーズンも開幕戦の舞台はオーストラリア!
        開幕戦の舞台となるサーファーズパラダイスを徹底解説!!

f:id:pontsuka0729:20201015214935j:plain   f:id:pontsuka0729:20201015214953p:plain
サーファーズパラダイス       ☝コース図

開幕戦の舞台は昨年に引き続きオーストラリア。クイーンズランド州の世界的に有名な
観光スポット『ゴールドコースト』にある『サーファーズパラダイス』の公道を仕切って行われる市街地サーキットだ。ゴールドコーストは世界有数のサーフスポット。東側のビーチは南北57kmにわたって広がり、そのおビーチ沿いの公道をサーキットとして使用する。1周4.47kmのコースは表裏のロングストレートにそれぞれ2つずつ
シケインが設置され、他いくつかの速いセクションがある。速度域は比較的高く、当然
ながら路面のミューも低いため滑りやすい。オーバーテイクポイントは1stシケイン
そして、ビーチ沿いの通りへ折り返すターン3か。ビーチ沿いのバックストレッチ途中
にある3rdシケインも抜きどころか。しかし十分な加速で迎えるコーナーが少ないため追抜きは容易ではない。特に1stシケインはアクシデントの発生ポイントとなる。
昨季は8番手スタートのJ.セプターが優勝。地元のK.マルケーナスが予選でフロントローにつけ、決勝は4位入賞とトップフォーミュラデビュー戦で衝撃の活躍。今季は
果たしてどんなレースになるのか!?

 

f:id:pontsuka0729:20200928151031p:plain

 

f:id:pontsuka0729:20201015214226p:plain
・SLO、3rdシーズンからヨコスカタイヤへチェンジか?
 昨季、そして今季とフランスのヴァシュロンタイヤでNeXXを戦うSLO。しかし
 3rdシーズンからはヨコスカへチェンジするとの噂が出ている。それも、チームの
 共同オーナーである3人のブラジル人の一人リカルド・オリベイラが、ヨコスカの
 株式の約25パーセントを取得したからだ。日本のタイヤメーカーであるヨコスカは
 海外市場への本格的進出を目指しているが、現在世界での販売額シェアは第8位だ。
 ヨコスカの事業範囲は現状日本とアジアが中心で、ドイツのタイヤメーカーとの事業
 提携を2016年に解消したのち、本格的な世界進出の足掛かりとして南米での市場
 規模拡大を企図していた。そこに目を付けたのがオリベイラオリベイラは南米に
 ヨコスカの現地法人を設立し、ヨコスカは中南米全体での販路拡大を目指すという。
 またSLOの3人のブラジル人オーナーは、自分たちのビジネスパートナーとして
 日本企業とのパートナーシップを深めたいという思惑があり、今後もしかすると
 SLOはNeXXでもより日本との関係強化を図っていく可能性があるとも噂されて
 いる。SLOは初年度に続き2ndシーズンも日本のレラシャシーを使っており、
 TDのエンリケ・スカボローニエはレラシャシーに好感触を得ている。
 3rdシーズン 以降もレラシャシーを継続使用するようであれば、タイヤサプラ
 イヤーをヨコスカへチェンジすることで日本とのつながりもさらに深くなる。
 また、ブラジルのカリスマF1ドライバー、アイルトン・セナに憧れた世代だという
 3人のオーナーは、大の日本びいきでパドックでも有名。最終的にはエンジンサプラ
 イヤーとしての『アキュラ』を担ぎ出すのが彼らの野望だと、まことしやかに語る
 ジャーナリストもいる。
 NeXXで活躍する日本企業が増えるのは、日本のレースファンにとってはうれし 
 い限りだが。ひとまず今後のSLOの『ジャパナイズ』の行方に注目しよう。

 

f:id:pontsuka0729:20201015214358p:plain
・新規参戦もドライバーは二人とも経験者、参戦初年度からのタイトル争いに自信
 今季からNeXXに参戦するアメリカのアントネッティ。NeXX1年生の今季だが
 チーム代表のドナルド・アントネッティは、参戦初年度にも自信をのぞかせる。
 「確かに参戦初年度での活躍は簡単なものではないけれどね、それでも我々はこの
 カテゴリでもかなりやれると思っているよ。我々には様々なカテゴリで戦ってきた
 経験がある。そして我々の二人のドライバーも、圧倒的な経験値を有している。」
 自信の裏付けは今季のドライバーラインナップだ。1stシートにアレンザンダー
 ロッソ、そして2ndシートにはデイヴィス・リンドホルム。二人とも、インディ
 カー時代にアントネッティチームで戦い、ロッソは2016年第100回のインディ
 500を制している。リンドホルムにしてもインディカー通算5勝をあげており、
 戦力としては申し分のないラインナップではある。またロッソは昨季1勝をあげ、
 NeXXにも適応できていることを示した。「アレン(ロッソ)の実力はもはや
 語るまでもないよ。彼はアメリカで大きな成功をつかみ、NeXX初年度でも優勝
 を経験した。リンディ(リンドホルム)も、やってくれると信じている。私も彼ら
 とともにアメリカでは大きな成功をつかみ、この組織をフォーミュラEをはじめ
 世界でグローバルにレースを戦えるビッグチームへと発展させた。今季我々は
 ファーストグレード(一年生)だけどすでに戦う準備は整っているよ。」と語る。
 「我々はNeXXチームとしてはファーストグレードだけど、すでに1シーズンを
 経験した二人をドライバーとして迎えている。彼らが存分に力を発揮できる環境を
 整えることが我々の使命だ。そうすればおのずと結果はついてくるよ。」アメリカが
 世界に誇るレース屋は、1年目から本気だ。

 

f:id:pontsuka0729:20201015214529p:plain
・ファン・ドット「私はこのチームを勝てるチームにするために呼ばれた」
 かつてはスポーツカーレースピジョンを、そしてF1ではフェ○ーリチームを常勝
 チームへ仕立て上げた「敏腕指揮官」が、今季からNeXXに参戦する。「優勝請負
 人」ファン・ドットその人だ。ル・マンではピジョンを、F1ではフェラ○リを常勝
 軍団にしFIAの会長まで上り詰めた成功者は、一転今季から活躍の場をこの若い
 カテゴリに移した。「私はFIAの会長職の任期が終わる最終年に、ドバイのマル
 ドゥーク家のダムハン皇太子から声をかけられていたんだ。「我々は新しいカテゴリ
 に打って出る。そしてあなたのために指揮官の椅子をあけてある」ってね。
 この2年ほど熟考に熟考を重ねたよ。しかし、私が答えを渋っているうちにNeXX
 が開幕した。そして殿下は昨年私に「準備は全て整っている。あとはあなたが首を縦
 にふるだけだ。」と言った。殿下は私がオファーを承諾するまで参戦を待ったんだ。
 これに答えなければ男ではないと思った。」と、ダムハン皇太子からの熱烈なオファ
 ーがあったことを告白した。また「正直もう今のF1には限界を感じていた。」とも
 語った。「F1は史上最も大きな転換期を迎えていた。もはやテクノロジー
 頭打ちで、その中でも抜きん出るためには莫大な開発予算を捻出できなければなら
 ないし、そんなチームはもうF1には数えるほどしかないんだ。ある1社が一度優位
 に立ってしまえば、覆すことは容易じゃない。チームがコンストラクターでなければ
 ならないというF1の理念は、F1からスペクタクルを奪ってしまった。しかし、
 F1はそれを否定した時点でF1ではなくなってしまう。これは酷いジレンマだ。」
 とF1に対する複雑な想いを吐露。「私には新しいチャレンジが必要だと思った。
 もう無茶をできる年齢ではないが、もう1度新たな舞台で何かを構築する喜びを
 味わいたいと思ったんだ。私はこのチームを勝てるチームにするために呼ばれた。」
 と意気込みを語る。栄光と苦難を味わっ「闘将」が、最後の舞台に選んだのが
 このNeXX。「男の中の小男」は、その小さな体に大きな熱意を滾らせている。 
 

f:id:pontsuka0729:20201015214645p:plain
・カレッジ、F1チームのオファーを蹴っての参戦に「ワクワクするね」
 今季から参戦する3つの新チームのうち、「オールフレンチ」体制で臨むガジャック
 のセカンドシートに座るのが、「驚異の新人」と噂されるファン・カレッジだ。
 昨年のF2王者である彼はF1チームの育成プログラムには所属しておらず、今どき
 では珍しく独力で道を切り開いてきたドライバーだ。カレッジにはF1のとある中堅
 チームからオファーがきていたそうだが、自身の将来を考えたときにNeXXへ参戦
 する方が有益と考えガジャックと契約したという。「昨季のオフ、僕は2つのF1
 チームから誘いを受けていたんだ。でも僕はNeXXを選んだ。それはNeXXに
 大きな未来を感じたからだ。NeXXは現時点でF1よりも進んだフォーマットを
 使用しているし、本当の競争も存在する。それに僕がオファーを受けていたチームは
 中堅以下のチームだった。今のF1では何年やってもトップチームに行けない場合
 があるし、そのリスクは決して小さくない。自分がレーシングドライバーとして脂の
 乗っている時期に中堅チームで燻るなんて御免だよ。だからNeXXに来た。」
 と語った。現在のF1ではビッグチームは皆ドライバー育成プログラムを持っており
 育成プログラム出身のドライバーを優先的に起用する傾向が強い。そのためカレッジ
 のような「後ろ盾」を持たないドライバーがのし上がるには、今のF1は非常に過酷
 なカテゴリとなっている。「僕はジュニアフォーミュラの段階から、自分の力のみを
 信じて戦ってきた。でもそれがF1での活躍に支障をきたすとは考えもしなかった。
 けどおかげでこんなに魅力的なカテゴリに出会えた。今から開幕が待ちきれないよ 
 ワクワクするね。」と語り、開幕に向けて準備は整っている様子だ。1年生チームで
 戦う1年生ドライバーだが、カレッジは「侮れない1年生」だ。


□次回はいよいよ待ちに待った『開幕戦・オーストラリアGP号』だ!
 

NEXXTREAM PRESS 「シーズンオフ・新年号」

 

f:id:pontsuka0729:20200928144751p:plain

◆シーズンオフ・新年号

1stシーズンはひとまず大成功裏に終わったNeXX、いよいよ年も明け
2シーズン目に向け各チームの準備も整いだしてきた。また、NeXX自体も
2ndシーズンの運営に向けて、さまざまな準備・改変を進めている。
シャシー、エンジンなどの各サプライヤーは当然、自身の提供するプロダクツに対し
来季に向けて様々な改良を施しており、各チームも続々と新体制を整えつつある。
チーム数も3つ増えカレンダーも一部変わり、新コースが名を連ねた。
今号は、そんな2ndシーズンに向けての多くの注目点の中から大きく2つの
トピックスを取り上げ徹底的に掘り下げてみたいと思う。

今回大きく取り上げるのは以下の2つだ。
・日本で初の公道レース開催!小樽GP徹底解剖!!
シャシー&エンジン大特集!!

ほかにも、開幕に向けたNeXXのホットな情報満載だ。
ぜひお楽しみください!!

 

f:id:pontsuka0729:20200928144844p:plain


■日本で初の公道レース開催!小樽GP徹底解剖!!

※これから紹介するコースは、あくまで私が個人的な妄想で考案したものです。
 実際のFIAの開催基準、特に安全性に対して神経過敏な現在の基準にはおそらく
 適合しないものと思われます。また『観光資源』として見たときのことも考え、
 倉庫ばかりで見栄えのしない港湾地区ではなく、観光スポットの多い運河沿い、
 堺町本通りをレイアウトに組み込んでいます。ここは相当に道幅が狭く、
 建物もひしめき合うように立っている地区なんですが、モナコの終盤セクションの
 密集度もなかなかのもので、バクーの旧市街なんかも驚くほど狭い道を走ります
 ので、「いけんじゃね?」と思い作りました。小樽の地理をご存知の方や、在住の方
 などが見ると「そりゃねえわww」と思うと思いますが、それも含めて
 フィクションですので、ご容赦頂ければと思います。

※また、小樽での公道レース開催にあたっては、実際に組織の一員として動かれていた
 方の過去ブログなども拝見させていただきました。そのうえで、こんなバカげた
 フィクションを創作しています。北海道民として、札幌在住のモータースポーツ
 フリークとして当時『小樽GP』に私がどれほどの期待を抱いていたか。
 それを少しでもご理解いただければ幸いです。

◆プロローグ

『小樽グランプリ』構想の起点を探ると、基は1990年代中頃まで遡る。
その頃小樽市民の間で「公道を使ったレースができないか?」という話が漠然と
出ていたが、『北海道みちとくらしと未来のネットワーク』という委員会誕生により、
話は加速する。組織は2002年に設立、組織を支援するのは国土交通省だった。
ここに、この委員会の2003年の活動指針を掲載する。それが

“北海道の未来を見据えたとき、私たち道民の「みち」はどうあるべきか?
というテーマをもとに、本来の「みち」の果たす役割をしっかりととらえ、
道民一人ひとりに広くその価値を認識してもらう”(原文ママ

というものだ。
北海道の『未来』と『みち』のありかたを考え、見直し、
道のあるべき姿や、本来の果たす役割にどのように価値を付加するか。
低迷する北海道経済に対し、明るい『未来』への『みち』を探求する
そんな思いから立ち上がったプロジェクトだった。
また北海道の民間放送局HTB北海道放送は、番組制作においてこの
『北海道みちとくらしと未来のネットワーク』との連結を図り
当時深夜帯で放送されていた番組『南平岸未来道』という番組で、
『北海道での公道レース』開催を目指しマカオロケも敢行するなど
コアなレースファンの間で人知れず『小樽グランプリ』気運は高まりを見せていた。
そこへきて2003年に北米最高峰のフォーミュラレース『CART』が倒産し、
その資産を引き継ぎ新オーナーとなったケビン・カルコーベンという人物が、
新シリーズのカレンダーに『日本でのストリートレース』を加えたいと
望んだことにより、『小樽グランプリ』構想はにわかに活気づく。

※HTB『南平岸未来道』という番組では、前述のとおり『北海道での公道レース』
 開催を目指しマカオロケも敢行。前身の『南平岸bizカフェ』時代から継続し、
 このテーマに取り組んでいた。深夜番組でしたが私は毎週見てました。
※構想の具体化の発端はF1フォトグラファーの通称『けんさわ』こと澤田賢志さんと
 YOSAKOIソーラン祭りの創始者長谷川岳さんの出会いです。
 けんさわさんは、小樽とロケーションの非常によく似たモナコを比較し
 『小樽モナコ化計画』を発案。長谷川さんがパーソナリティをされていた
 ラジオ番組でその構想を語ったのが大元です。

その後は『小樽グランプリ推進協議会』と関係各者・各省との協議・調整が行われ
一時は時の内閣総理大臣小泉純一郎氏のお墨付きまで頂戴。
そしてCARTを引き継いだ北米の『チャンプカー』シリーズの
コースデザイナーが視察に訪れ、小樽グランプリ開催はいよいよ現実味を帯びてきたかに見えた。しかし07年、当初8月に予定していた
チャンプカーのデモンストレーション走行を、日程調整がつかずに断念。
その後08年のカレンダー入りを目指したものの、いつのまにか計画は
自然消滅してしまい、その後10年以上再燃することはなかった。

しかし今回、小樽は再び立ち上がった。
新たなカテゴリ『NeXX』の設立に合わせ、日本から参戦したトライアンフ
チームとその母体である『SJBグループ』が発起人となり、北海道の政財界の有志
をつのり『小樽グランプリ推進委員会』を組織。関係各省、北海道知事など
各方面に働きかけをおこない、ついに『日本初の公道レース』開催にこぎつけたのだ。
※この構想を練っている間の2020年9月20日に、島根県江津市の公道で
 カートレースが行われ、NeXXは『日本初の公道レース』ではなくなってしまい
 ました汗汗。でも喜ばしいことです、日本のモータースポーツにとって大きな
 『第一歩』でした。

コースに設置されるガードレール、コンクリートブロック、セーファーバリアは
全てFIA基準のもの。またコースとして使用される路面は全面舗装のやり直しを
行い、マンホールのフタはモンテカルロロングビーチのように溶接を施し
マシンが踏んでも飛び上がらないようにした。レイアウトは比較的民家の少ない
エリアを通るが、それでも名所、観光スポット、歴史的建築物も多いため
近隣住民ほか関係各所の理解を得るため、委員会は奔走した。
そうしてようやく、構想から20年以上を経て『小樽グランプリ』開催は実現した。
当時の関係者も含め、このプロジェクトに携わったすべての人の思いが、
今結実したのだ。

◆コース徹底解説
筆者のこのプロジェクトへの思い入れがあまりに強すぎた為、非常に前置きが
長くなってしまったが、いよいよその『小樽市街地コース』の全容を明らかにしたい。

f:id:pontsuka0729:20201003171432p:plain

メインとなるのは二つの大きな幹線道路で、それを結ぶのが駅前の大通りと寿司屋、
ガラス工房、菓子工房など、小樽を象徴する店々の集まる中小路で構成される。
コースは1周3.65kmの左回り。前半区間は片側3車線で分離帯のある幹線道路
を使用するため、交差点に仮設シケインをおいたり、分離帯の切れ目をシケイン
とし、それを基点にレーンチェンジをするようなレイアウトとなっている。
また、終盤区間『堺町本通り』はモンテカルロのヨットハーバー側(ヌーベルシケイン
~ラスカス間)やバクー旧市街なみにコース幅が狭く、2ワイド走行も
不可能な難所だ。
さらに、前半の海側区間は平たんなものの、小樽駅から寿司屋通りまでの区間
比較的山寄りのため上り下りがある。起伏に富んだアンジュレーションと、
歴史のある町ならではのロケーションが楽しめる、『日本のモンテカルロ』。
それではセクションごとにコースの特徴と、周囲の景観などを紹介していこう。


1.第1セクター(ホームストレート~1stシケイン

f:id:pontsuka0729:20201003171442p:plain

ホームストレートは『道道17号線』と呼ばれる大きな幹線道路。
進行方向でいうと札幌側から入り、余市方向へ向かうこととなる。スタート位置は
ほんの少し左にカーブしており、市街地特有の景観となる。(モンテカルロ
ロングビーチは右にカーブしている。)道道17号線は片側3車線の大きな通りで、
最終コーナーの立ち上がりから最初のコーナーまでは左レーンを走る。
ピットガレージは右レーンに設置され、さらに右奥の倉庫街の駐車場が各チームが
モーターホームを設置するスペースとなる。
コース左側には小樽を代表する洋菓子メーカー『ルタオ』の本店や、ガラス工芸で
有名な『北一硝子』の『北一ヴェネツィア美術館』などが並ぶ。

f:id:pontsuka0729:20201003171719j:plain   f:id:pontsuka0729:20201003171806j:plain
ルタオ               ☝ヴェネツィア美術館
 

f:id:pontsuka0729:20201003171444p:plain

スタートして250m地点に最初のターンがある。大きな交差点には
仮設のシケインが設置される予定だ。サーファーズパラダイスのように、路面に
打ち付ける即席の縁石で作られることになる。最終コーナーの立ち上がりから
900m付近になるため、重要な追抜きポイントになるのではないだろうか。
また、スタート直後に混乱が発生する可能性も高いだろう。このあたりから
コース右脇には『小樽運河』が見え始め、このシケインで走るレーンが右側に
なるため、第2ターンまでドライバーは、右に運河を見ながら走ることとなる。
もっとも、ドライバーに景色を楽しむ余裕などないだろうが。

コースはスタート地点を含む『海側』の直線区間が長いため、このセクションで
最高速を記録するだろう。シケイン手前のホームストレートでは激しい
オーバーテイクショーが見られそうだ。


2.第2セクター(第2ターン~寿司屋通り)

f:id:pontsuka0729:20201003171503p:plain

1stシケインを立ち上がり、左手に『ホテルソニア小樽』と『ホテルノルド小樽』
という二つの大きなホテルが見えてくると、いよいよ第2ターンだ。大きな交差点を
左に曲がり『中央通り』に合流、中央分離帯右側のレーンに入る。そしてすぐに訪れる
十字路が2ndシケイン。ここをクリアするとレーンは左側へ。そこから350mほど
直進し訪れる十字路でまた右レーンへ入る(3rdシケイン)。『中央通り』には
500m前後の区間に分離帯を利用したシケインが2つ設置される。また通りは
ここから山側へ向かうため、緩やかな上り坂になっている。
3rdシケインをクリアすると目前に『JR小樽駅』が現れ、『中央通り』は
ここで『国道5号線』と交差する。コースはここで『国道5号線』を左へ。
片側2車線で分離帯のない『国道5号線』は、計4車線分の道路幅を目いっぱい
コースとして使う。山寄りの地形であり、ここまで『中央通り』を上って来たため
『海側』へ戻る後半コースにはぐっと沈み込む下り坂がある。

『国道5号線』を500mほど進んだあと、コースは十字路を左に折れ
小樽名物の『寿司屋通り』へ。200m前後の通りに10件以上の寿司屋が
軒を連ねる、文字通り『スシ・ストリート』だ。このあたりからコース幅は
マシン2台が並ぶことも苦しいほど狭くなってゆく。そして右手にコンビニ(青い)
が見えて来たら右へターン。ここからはこのコースでもっともタイトな
セクションへと入ってゆく。

f:id:pontsuka0729:20201003172535j:plain
☝JR小樽駅 


第3セクター(堺町本通り~最終ターン)

f:id:pontsuka0729:20201003171505p:plain

『寿司屋通り』から『堺町本通り』に合流すると、そこは小樽を代表する
店々が軒を連ねる観光スポットだ。歴史を感じさせる町並みは2002年の土木学会
デザイン賞において優秀賞を受賞している。エキゾチックな景観を有するセクション
だがコース幅が非常に狭く、最も狭い個所の7.2m(目測w)は、バクーの
旧市街地区間の7.8mをも下回る。最終ターン付近ではもう少し広くなるものの
2ワイド走行不可能であろうこの区間が、これといったコーナーもないまま
700m弱続くのだ。現在FNOは、レースでのこの区間について『追い越し禁止
区間』に設定する方向性で協議を進めている。

『堺町本通り』を抜けると十字路で、そこが最終ターンの一つ手前だ。
コース外脇に有名な『オルゴール堂』を望み、最終ターンを立ち上がりホーム
ストレートの『道道17号線』へと戻ってくる。

終盤のこのセクターには小樽の誇る歴史的建築物や、観光名所が集中している。
ルタオ本店』、『北一ヴェネツィア美術館』、『オルゴール堂』の他にも
『大正硝子館・本館』や『旧百十三銀行』など挙げればきりがない。
下記のコース図には、コース近辺の主だった名所を列挙した。
もしレース観戦にいかれる際は、小樽めぐりの参考にでもしていただきたい。

f:id:pontsuka0729:20201003172554j:plain f:id:pontsuka0729:20201003172501j:plain
☝百十三銀行        ☝大正硝子館・本館

★観光名所入りコース図

f:id:pontsuka0729:20201003172936p:plain

4つのシケインとコース幅の狭い区間など『低速域』も多くもあるが、
『海側』は全開率が高く第2セクターまでは非常に速度域の高いバトルが繰り広げ
られるだろう。コースの性格としてはハイスピードに分類されるのではないだろうか。
直角ターンと分離帯シケインが主なコースの構成要素だが、舗装をやり直したとはいえ
北国の荒れたアスファルト路面、モンテカルロやバクーのような狭い区間、そしてF1
が走ったロングビーチのようなアップダウンと、難コースたる要素を多分に内包した
テクニカルトラックである。

実に20年以上にも及ぶ関係者の苦闘の末実現した『小樽グランプリ』。
しかも2ndシーズンも第16戦での開催と、カレンダーとしてはタイトル争いの
激化した状態での開催となることは間違いなく、盛り上がること必至。
今から『小樽グランプリ』が待ちきれない!!

 

■NeXX参戦チームの最も重要なファクター!
              シャシー&エンジン大特集!!

NeXXはF1とは違い、チームはコンストラクターではない。
むしろチームはコンストラクターであってはならない。これは、特定の
チームが技術的な優位性を確保してしまうと、パワーバランスの均衡が崩れ
公平なコンペティションが成立しないというF1が抱える問題点を鑑み
NeXXが決定したルールだ。現状F2やF3他下位カテゴリやインディカー
はては日本のスーパーフォーミュラなどもシャシーワンメイクで、全チームが
コンストラクターでなければならないのは世界中のモータースポーツカテゴリに
おいてF1だけだ。それによりF1は前述したとおり戦力の不均衡と
開発予算の高騰という問題を抱えてしまい、現状改善への身動きが取れない状態だ。

「技術開発」と「競技としての公平性」を両立させるには、各チームが
コンストラクターである、すなわちマシンから何からレースに必要なものは全て
チームが用意しなければならないのでは、戦力の均衡は保てない。
そして戦力の均衡が保てなければ、レースにスペクタクルは生まれないのだ。
とはいえ、シャシー・エンジンがワンメイクでは各チーム・マシンに個性が出にくい
ことも考慮しNeXXでは現状シャシーは2社、エンジンは5社の競合を許す状態で
運営されている。またレギュレーション上では最大シャシー3社、エンジンは6社
までの参戦を認めている。
現段階ではシャシーの3社目について詳細な言及はないものの、現在参戦している
2社の他にもFNOはいくつかの交渉を行っているようだ。近い将来、3社目の
シャシーデベロッパーの参戦があるかもしれない。

ともかくも、現状NeXXにはフランスのシグマテックと日本のレラという
2社のシャシーメーカーが参戦している。さらにエンジンについていえばこれまで
参戦していた5社に加え、来季からは新たに1社が加わり6社競合となる。
エンジンについてもF1のようにワークス契約は認めず、全チームがカスタマー
としてエンジンをメーカーから『買う』ことにより、戦力バランスの崩壊を
招かぬようにレギュレーションで配慮がなされている。

つまり、シャシーやエンジンはチームの『力』そのもの。少しでもメーカーが
他チームと差別化を図り『特別』をつくった時点で、チーム間の戦力バランスは
崩壊してしまう重要なファクターなのだ。今回は2ndシーズンを戦う
シャシー、そしてエンジンについて紹介していこう。

シャシー

1.シグマテック

f:id:pontsuka0729:20201003173452p:plain

f:id:pontsuka0729:20201003173454p:plain

NeXX供給の初代シャシー『S-TEC01X』はご存じのとおりの
『ハイスピードシャシー』で、高速域ではめっぽう早く高速型のエンジンとも
抜群に相性が良かった。半面コーナリング時のダウンフォース不足と回頭性の悪さ
から中低速トラックではやや苦戦を強いられた。それでも全18戦中15勝をあげた
ことから、総合力は高かったと言っていい。高速型エンジンとの組み合わせでは
低速トラックで苦戦ししたものの、中低速域の得意なエンジンとの組み合わせは
バランスのいいマシンパッケージを生んだ。
今季各チームに供給する改良版『S-TEC01X/B』はその点を考慮し、
前後のダウンフォースバランスを改善するべくフロントウイング形状を改良してきた。
フロントウィングは全体的に大型化されフラップも曲線主体の大きなものに変更。
また翼端板上部のタイヤ前に貼りだしたフラップも、初代よりも大型化されている。
これはより多くのダウンフォース獲得と相反して発生するフロントタイヤ前のドラッグ
の解消、双方を考慮したデザインだろう。また、フロントタイヤ上部には、
ブレーキポッドから伸びた整流フィンも付く。
それ以外で見て取れる大きな変更点は、モノコック横のバージボードの形状と
シャークフィンの形状の変更だ。特にシャークフィンの形状変更は注目すべき点で
フィン下部をややえぐり後端を伸ばしたことにより、リヤウィングに当たる気流の
量を増やすことを企図。これは、フロントで増大するであろうダウンフォース量の
バランスをリヤで取ろうとする試みだろう。
いくつかの改善点は見られるが、全体としてはやはり2ndシーズンも「直線で速い」
クルマというのがシグマテックのマシン特性だろう。ホイールベーストレッド
など回頭性に直接起因する個所に変更はなし。やはり最高速重視がシグマテックの
ポリシーなのかもしれない。来季は現行参戦6チームに加え、アントネッティ
ガジャックが新たにシグマテックを使用。アントネッティアメリカのシェブロン
エンジンとのパッケージ、対するガジャックはロムニ・ダキア同様のピジョンとの
パッケージだ。シェブロンとの相性は未知数だが、ピジョンとの相性の良さは
ロムニ・ダキアが1勝をあげたことで証明された。
とにかく来季も高速トラックでは矢のような速さが見られるのは間違いない。

 

2.レラ

f:id:pontsuka0729:20201003173623p:plain

f:id:pontsuka0729:20201003173626p:plain

日本の雄レラは初年度、苦戦を強いられた格好だ。全18戦中シグマテック勢が
15勝と、圧倒的に水をあけられてしまった。コーナリング特性がクイック過ぎて
「乗る人を選ぶクルマ」になってしまっていたのが原因だ。その特性からツイスティな
低速コースでは抜群の速さを見せるものの、高速コースでシグマテック勢に置いて
行かれる場面がしばしば見られた。特に高速域でのパワー不足を指摘されたピジョン
とのパッケージだったプルトンは大苦戦を強いられた。
2ndシーズン用に改良を加えてきたマシンRNX-01Refは、一見大きな
変更点はないように見えるが、細かい部分での改良が随所にみられる。まずは
フロントウィングの大型化だ。これはシグマテックと同様で、メインウィングを
大きな弓なり形状のものへと変更してきた。今季のマシンは2社ともフロントの
慢性的なダウンフォース不足を抱えていたが、まずはシグマテック同様それを解消する
ため大きなウィングを用意してきた。また、フロントウィング中央部の後端が、ノーズ
下面の奥、コーンの継ぎ目あたりまで延伸されており、ノーズ下面の整流を企図して
いる。モノコックの左右に設けられる、アンダーパネル下面に気流を流し込む
エアトンネルは健在で、同じく今季も健在のダブルデッキ形状のサイドポンツーンは
リヤタイヤ内側の整流フィン付近のえぐれがさらにタイトなものになっている。
フロントノーズ下部からアンダーパネルへ、そしてマシン側面下部からディフーザー
への気流をより意識した作りを見ると、レラシャシーの基本設計思想はやはり
ハイダウンフォースありきなのだろう。モノコック横、サイドポンツーンのエア
スクープ部、ちょうどバックミラーの下部に新たに設置された整流フィンにしても
それが見て取れる。
シグマテックよりもホイールベースの長いクルマながら、直線ではややナーバスな
挙動を示し、逆に「コーナリングマシン」との評価を得るほど低速コースでは
クイックは挙動を示したRNX-01。今回の改良は1stシーズンややピーキー
だったマシン特性をよりマイルドにし、全速度域に満遍なく対応できるように施した
改良のように見える。この改良でどう生まれ変わるか?


◆エンジン

ご存じのとおりNeXXでは、マシンの動力機構として新開発の水素エンジンを
採用している。水素を燃料とすることのメリットは今更語るまでもないが、環境に
対する負荷を最小限に抑えられることは、燃料としてもそして燃料としての水素の
生成過程においても同様だ。
2017年1月のダボス会議において発足した『水素評議会』は、産業レベルで発生す
る余剰水素とCO2を使った合成液体燃料である『e-fuel』の開発を推進しており
それはすでに実用化の最終段階にきている。産業において『無駄を出さずにCO2も
出さない』という『カーボンニュートラル』社会、そして『カーボンニュートラル
なモーターレース実現のため、NeXXと『水素評議会』は日夜研究をかさねている。

現状のNeXXのエンジンは、ガソリンエンジンと同様の構造で動いている。
燃料は液体水素。排気量既定は3.0リッター。エンジン形式、気筒数に制約はないが
最高出力は800馬力以内と定められている。


1.アシュトンバーキン AMR-DB02H V12
イギリスの老舗スポーツカーメーカーのエンジンは、参戦6社中唯一のV12だ。
これは2013年のニュルブルクリンク24時間で、同社が初めて水素エンジンを
持ち込んだ時と同様だ(このときは水素とガソリンのバイフューエル。排気量は6.0
リッターだった)。特性としては超高速高回転型で、高速域のパワーは随一。半面
中低速トルクが不足しており、低速コースでは勝負にならなかったことも。
とはいえ1stシーズンのレッドブルをチームタイトルに導いたエンジンだ。
2ndシーズの供給先はレッドブルとクラークソンの2チームで変わらず。

2.スプレンダー GL102hy V10
オーストラリアの老舗プライベートビルダー。創始者はマーキュリー・チームの
TDを務めるG.ライフソン。厚みのある中低速トルクと高回転域のパワーを両立
させた、高次元でバランスのとれたエンジンだ。最高出力ではアシュトンにやや
劣るものの、V10にしてはコンパクトなエンジンはマシンの軽量化にも貢献する。
バトラーのタイトル獲得に貢献し、マーキュリー、ノルディックがチームランキング
2、3位となった1stシーズンは、マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
今季もマーキュリー、エヴァー・グラハム、ノルディックの3チームに供給。

3.DMW 82H30 V10
ドイツの老舗は自らをクルマ屋ではなく、『エンジン屋』と自称する。2017年の
ダボス会議における『水素評議会』の結成メンバーだ。エンジン形式はV10を採用。
スプレンダー同様に、高速域のパワーと中低速域のトルクの厚みを両立させた
ハイクオリティなV10だ。シャシーを選ばず良績を残しており、シグマテックと
レラ両方のシャシーで勝利をあげた唯一のメーカーだ。1stシーズンはランキング
3位。最終戦でアシュトンに逆転され2位から転落する。今季はマニュファクチャラ
ーズタイトルを狙う。供給先はアブラモビッチ、チャイナドラゴン、SLOの
3チームでこちらも変わらず。

4.ピジョン A4/H V8
フランスの雄は、『水素評議会』結成メンバーであるトタルとともに水素エンジン
開発を進めてきた。コンパクトなV8はパワーで劣るものの、中低速域のトルクに
優れピックアップの良いエンジンだ。しかし、レラシャシーとの合いが悪く、プルト
チームは苦戦を強いられた。ただ、シグマテックシャシーとの相性は悪くなく、
開発が進んだ第16戦日本GPで優勝を飾る。しかしタイトル争いはランキング
最下位に。しかもカムイに僅か1ポイント上回られての最下位だった。2ndシーズン
での巻き返しに期待だ。プルトンとロムニ・ダキアの2チームに加え、今季からは
新規参戦のガジャックにも供給する。

5.カムイ KRJ02 V8
日本から参戦するプライベーター。日本の大企業グループ『神コーポレーション』が
バックアップする。1stシーズン参戦5社中最軽量のV8は非常にコンパクトで
マシンの軽量化、低重心化に大きく貢献する。エンジンとしての出来はよく、全速度域
に満遍なく対応できるポリバレント性を持つ。それが故に大きなストロングポイント
が見当たらないのが弱点。レラシャシーとは合いが良く、中低速サーキットで2勝を
あげる。2ndシーズンも引き続きトライアンフとリナルディの2チームに供給。

6.シェブロン B2H8 V8
2ndシーズンより新規参戦のアメリカの雄。インディカーでは長くサプライヤー
を務める老舗だ。インディカーでは長くV8ターボで戦ってきたが、NeXXでは
現在水素燃料の過給機は開発段階のため、自然吸気V8で勝負する。エンジンの実力
は未知数だが、オーバルから市街地まであらゆる条件で戦ってきたアメリカの雄は
間違いなく戦えるエンジンを仕上げてくるはず。参戦初年度は新規参戦のアント
ネッティの他、ドバイのマルドゥークにも供給する。


以上、2ndシーズンは2社のシャシーデベロッパーと6社のエンジンサプライヤー
でチャンピオンシップが争われることになる。各々のパッケージによって、マシンの
正確は千差万別であることは、今シーズンの戦いで明らかになった。
そして来季はシャシー、エンジンともに各車とも大きく改良を加えてくるはずである。
引き続き来季の戦いに注目だ。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151031p:plain

◆チームトピックス

f:id:pontsuka0729:20201003173851p:plain
・ニニアディスには2年後の復帰を期待。今季は中堅二人で戦うリナルディ
 2ndシーズンに向け、ドライバーラインナップを一新したリナルディ。しかし
 首脳陣は、1stシーズンにドライブした二人のうち、ギリシャ人ドライバー
 イオリディス・ニニアディスには近い将来の復帰を期待してる。ニニアディスは
 1年前までF2を戦っていたが、今シーズンのNeXXを経て再びF2へと戻ること
 になる。予算規模を絞っての参戦となったリナルディチームは12チーム中ラン
 キング最下位で初年度を終えたが、そんな中二度の6位を含む4度の入賞を記録。
 入賞回数でチームメイトのジョバナルディには及ばなかったものの、獲得ポイント
 は24ポイントでチームメイトを上回った。また第12戦ルーマニアでは予選5番手
 につけ、リナルディチームの予選最上位を記録。粗さやムラも目立ったものの、
 速さの片鱗を見せた。来季からF2へ戻るニニアディスは、リナルディチームの
 オーナー企業でもある世界的パスタメーカーの支援を受けて来シーズンのF2
 を戦うようだ。レース界でも珍しいギリシャ人ドライバーであるうえ、来年24歳の
 若者にはまだまだ伸びしろもある。数年後にまた、このNeXXで彼を見られるよう
 来季のF2での活躍に期待したい。また来季チームはポルボローネシエナという、
 F1経験のある中堅クラスのイタリア人2人を起用。参戦チームも3つ増える。
 来季は最下位脱出を図りたい。


f:id:pontsuka0729:20201003174019p:plain
・クラークソンがチーム独自のドライバーペナルティリストを作成
 クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング(以下クラークソン)のチーム代表
 ジェレミー・クラークソンが、チームの所属ドライバーに対しチーム規律を乱したり
 チームに不利益を与える行為をした際の、チーム独自のペナルティリストを作成した
 と、公式プレスリリースを発行した。クラークソン代表は「ドライバーは孤高の
 存在か? 彼ら本人はそう思っているかもしれないが、我々はチームで仕事をして
 いる。ドライバーにもチームのために守らねばならない規則があって当然だ。」
 と語り、リストの項目に抵触した場合は所属ドライバーから罰金を徴収するらしい。
 これは表向きには対象を「所属ドライバー」とぼやかしているものの、直接の対象
 はファングであることは明らかだ。目の覚めるような速さで2勝をあげた1st
 シーズンのファングだが、その自由すぎる行動にチームが手を焼いていたのも事実。
 第10戦スウェーデンの決勝レースで、低速コースでのマシンの戦闘力があまりに
 低く戦意を喪失した彼が、勝手にピットインしたうえマシンを降りてリタイヤした
 事件はあまりに有名だ。それ以外でも金曜のフリー走行でセッション中に30分以上
 姿をくらまし、モーターホームの陰でファンの女性と事に及んでいたところを
 チームスタッフに発見されるといったことが、幾度かあったとの噂もある。
 「あいつはちょっと自由すぎるんだ、生まれてきた時代を間違えたことは同情に
 値するが、チームの規律を乱されるのは困る。この私がそんなことを気にかけなけ 
 ればならないなんて。。。」破天荒でならしてきたTVスターを悩ませるほどの
 破天荒さを発揮したファング、来季はもっとレースにぶつけてほしいものである。

 

f:id:pontsuka0729:20201003173953p:plain
・ペナルティを食うごとに罰金? 『逆出来高制』を課されたファーシマス
 クラークソンが、所属ドライバーに対するチーム独自のペナルティリストを作成
 したが、ロムニ・ダキアでも同じような事態が起こっていたようだ。ただしこちらは
 「所属ドライバー」にではなく、「アレオ・ファーシマス」に対し、と対象が明示
 されている。今季、度重なる接触事故で4度のペナルティ、3レースの出場停止処分
 を受けたことを重く見たチームは、来季ファーシマスに対し独自の罰金制度を策定。
 契約更新時にこれを提示されたファーシマスは、しぶしぶ同意したという。
 ペナルティは接触事故の場合に限定されているとのことだが、FNOから公式に
 ペナルティが課されるたびにFNO側の処分とは別にチームに罰金を支払わなければ
 ならないことになっており、支払い額はペナルティを課される度倍額に膨れ上がる
 ルールだという。「確かに今季僕は事故が多かったけれど、上位を狙うためには
 リスクを冒さなければならないし、慎重に走るのは僕の性に合わないんだ。でも
 この契約を飲まなければシートを失いかねないからね、しょうがないよ。」と語る
 ファーシマス。「でも来季は少し気を付けながら走るよ。チームのへ罰金が僕の
 サラリーを上回ってしまったらシャレにならないからね。」光る速さは持っている
 だけに、荒さがなくなれば上位進出も可能だが、来季の走りに注目したい。

 

f:id:pontsuka0729:20201003173929p:plain
・あの『クルマ好き』で有名な世界的アクションスターがオーナーに!?
 中国・珠海に本拠を置くチャイナドラゴンチームのオーナーに、香港出身の世界的
 アクションスター、ジャッキー・チュン氏(無天老師様ではない)が名を連ねる
 ことになりそうだ。ジャッキーと親交のある現オーナー李舜英は、チーム体制、主に
 財政基盤の強化とチームイメージの拡散を企図し、ジャッキーを共同オーナーに
 招き入れるとしている。ジャッキーのクルマ好き、レース好きは有名で、現在
 WEC(世界耐久選手権)とアジアン・ルマンシリーズには『ジャッキー・チュン
 DCレーシング』というチームを率いて参戦しているが、NeXXに参戦する
 中国系チームをサポートしたいとのことでジャッキー側が直接、李舜英へと話しを
 持ち掛けたという。実現した場合のジャッキーの立ち位置は李との共同オーナーで
 李は「ジャッキーは言わずと知れた世界的スターだからね。チームのブランド
 イメージへの影響は計り知れないよ。また現状我々は中国系のスポンサーばかりと
 パートナー シップを結んでいるが、ジャッキーが入ることによりそれもグローバル
 化が図れると期待している。我々は中国のチームであることを誇りに思っているし、
 自国の企業とともに成長したいと思っている。しかし、常に世界を見ることも忘れて
 はならない」と語る。この共同オーナー構想はかなり具体的な提案がなされる段階
 まで進んでおり 早ければ2ndシーズンの途中には体制変更の発表があるかも
 しれない。

 

f:id:pontsuka0729:20201003173908p:plain
・ハイデンフェルド「ノルディックのマシンはグッドバランス」
 来季の2ndドライバーに、F1ザ○バーチームなどで活躍したドイツ人、ミック・
 ハイデンフェルドを起用したノルディック。今季チームタイトルを逃した要因として
 後半戦に大失速したデイヴィス・リンドホルムを放出したチームは、安定して力を
 発揮できるドライバーとして実力派と名高いハイデンフェルドに白羽の矢を立てた。
 そのハイデンフェルドはシーズンオフ入り直後のプライベートテストで早速マシンを
 ドライブ、シグマテック+スプレンダーの最強パッケージともいえるノルディックの
 マシンに太鼓判を押した。「最初に乗った時からフィーリングはとてもよかったよ。
 マシンには変なクセがないし、エンジンもよく吹ける。低速コーナーで少しフロント
 が抜けるような感覚もあったけど概ね問題ない、グッドバランスだ。」と語る。
 チームにもすぐに溶け込んだ様子で「チチ(ソルベルグ)やミコ(ハンクネン)など
 F1で見知った顔がいるのもやりやすいね。それにチームは北欧出身者が多いけど
 ドイツ人もいるんだよ。僕のエンジニアチームはエンジン担当がドイツ人なんだ。
 細かいニュアンスもきっちり拾ってくれるし、彼は昨季までF1メル○デスチーム
 にいたそうなんだよ。チチが僕のために気を使ってくれたのかな(笑)。」チームの
 オーガナイズについても好印象を抱いているようだ。「ケリーはとても速いドライ
 バーだけど僕も負けられないよ、F1では優勝できなかったけどNeXXでは勝ち
 たいね。」『クイック・ミック』は静かに闘志を燃やす。


□次回はいよいよ『開幕直前号』だ!
 いまだ未発表のガジャックのドライバー陣容含め、全チームの体制紹介や
 2ndシーズンからの新レギュレーションなど、開幕直前の情報を一挙お届け! 
 お楽しみに!!

F-NeXX改め『NeXX』 NEXXTREAM PRESS「オフシーズン号」

さてさて、1stシーズンも終わり、
1stシーズン総括も終わり、オフシーズンです☆★☆
いや実は、もう2ndシーズン開幕の準備はほぼほぼ終わってるんですが、
モータースポーツというのはシーズンオフの動きも重要www
1stシーズンを踏まえて各チーム、ドライバー契約を見直したり
移籍、ニューカマーのデビューなど様々に動いています。
また、来季は新規参戦チームもありますし、カレンダーにも
若干の変更があります。

今回からはまた少し、ゲームを盛り上げる様々な
ファクターをゴシップとして紹介し、新シーズンへ気持ちを高めて
行きたいと思います☆★☆

今回からだいたい3回を予定していますが、、、、

・オフシーズン号
・開幕前号
・開幕直前号

みたいな感じでwwwww
まぁ完全に私の妄想・創作・独りよがりなんだけども
2ndシーズン開幕へ向けて、創作記事をあげていきます。
2ndシーズンからは基本的に、一部少数を除いて
『フェイクネーム』(伏せ名)を採用していきます。
モデルは誰、とか公表する時もあるし、○○○のあの人ですみたいに
におわす時もあると思いますwwwww
まああくまでも、私の妄想上の設定ですので、細かい突っ込みなどは
ご容赦ください。では今回はまず『オフシーズン号』をお送りします。
それでは・・・・・・

 

f:id:pontsuka0729:20200928144751p:plain
◆1stシーズン『オフシーズン』号

 

f:id:pontsuka0729:20200928144844p:plain
■NeXX2ndシーズンのカレンダー発表!!

激戦のうちに幕を閉じた1stシーズンのNeXX。
シーズン終了と同時に早速、FNO(F-NeXX運営統括機構)は
来季の確定カレンダーを発表した。来季も今季同様全18戦を戦う。

 開幕戦 オーストラリアGP  サーファーズパラダイス市街地
 第2戦 インドネシアGP   セントール
 第3戦 ドバイGP      ドバイ
 第4戦 ブラジルGP     サンパウロ市街地
 第5戦 メキシコGP     エルマノス・ロドリゲス
 第6戦 イギリスGP     ブランズハッチ
 第7戦 フランスGP     ポールリカール
 第8戦 イタリアGP     ムジェロ
 第9戦 オランダGP     アッセン
第10戦 スウェーデンGP   アンデルストープ 
第11戦 チェコGP      ブルノ
第12戦 ルーマニアGP    ブカレストリンク
第13戦 アゼルバイジャンGP バクー市街地
第14戦 タイGP       チャーン
第15戦 マカオGP      ギア
第16戦 日本GP       小樽市街地
第17戦 カナダGP      エキシビジョンプレイス市街地
第18戦 アメリカGP     ロングビーチ市街地

大きな変更点は3点。
1つは第3戦の舞台だが、今季はアブダビで開催していたレースを
来季はドバイで開催する。両国とも同じくUAE(アラブ首長国連邦)を
構成する首長国の一つだが、かねてからドバイの王家であるマルドゥーク家が
レース招致を進めていた。アブダビの開催もひとまず1stシーズンの単年で
あったため、翌2ndシーズンから5年の開催契約を締結した。

2つ目は第5戦のアルゼンチンGPからメキシコGPへの変更だ。
舞台はレースファンにはおなじみのエルマノス・ロドリゲスになるのだが
このサーキットはF1の他フォーミュラEも開催され人気を集めている。
しかし、F1の開催については高騰する開催権料の関係で今後の開催は
不透明な状況になっており、NeXXが先手を打った形だ。

3つ目はヨーロッパラウンドの日程だ。今季第8戦だったフランスと
第9戦だったイタリアGPが1戦前倒しになり、第9戦にオランダGPが入った。
これは現状チームやドライバーにスペイン人がおらず、むしろ東欧に近い
オランダでの開催を望む声が大きかったことが要因にあげられる。
また開催されるサーキットは、F1での開催予定があるザンドフールトではなく
TTサーキットアッセンにての開催となる。

f:id:pontsuka0729:20200928145413p:plain      f:id:pontsuka0729:20200928145455p:plain
☝メキシコ、エルマノス・ロドリゲス ☝オランダ、アッセン

 

他には来季の第8戦のイタリアGPの開催地がムジェロであること。
これは、2ndシーズン以降の6年間でイモラとの隔年開催となる契約のためだ。
また、今季同様第16戦に配置された日本GPは、来季から北の大地
北海道は小樽の市街地コースで行われる。
公道でのレース開催に高いハードルのあった日本だが、ついに歴史上はじめて
日本で公道レースが開催される。かつてはチャンプカーの招致活動なども
おこなっていた小樽。長い時間がかかったものの、関係者の悲願が結実した。

f:id:pontsuka0729:20200928150212j:plain   f:id:pontsuka0729:20200928150231p:plain
☝イタリア、ムジェロ      ☝小樽

今から来季の開幕が待ちきれない!!


■来季の新規参入は3チーム! 15チーム30台の戦いに!!

かねてから参戦計画を公表し、いち早く2ndシーズンからの参入を発表した
アメリカの『アントネッティオートスポーツ』に追随し、なんと2チームが
2ndシーズンからの参戦を発表。年内にエントリーを済ませそうだ。
参戦を発表したのはフランス国籍、そしてUAE国籍の2チーム。
『ガジャック・ルルーシュ・スポール』と『マルドゥーク・レーシング・ドバイ』だ。

1.ガジャック・ルルーシュ・スポール

f:id:pontsuka0729:20200928150452p:plain   f:id:pontsuka0729:20200928150510p:plain
☝イワン・ガジャック     ☝ジェロームルルーシュ

チームオーナーはなんと、今シーズン終盤でプルトンを解雇となった
イワン・ガジャック。F1参戦経験のあるジェロームルルーシュを監督に迎え、
チームマネージャーにリッシェル・メス、TDにジェロームブルゴーニュ
ルルーシュチームのお歴々を迎えチームを組織したようだ。マシンは当然
シグマテック+ピジョンエンジンのパッケージ。
タイヤはヴァシュロンを使用することも発表済みで、ドライバーのメンツ次第では
『純・オールフレンチ』の陣容での参戦となる。
自身はNeXXに爪痕を残せなかったガジャックだが
フランスでも有数の資産家の家系である彼(架空設定)は、ドライバーとしてではなく
チームとしてF-NeXXに殴りこんできた。はたしてどのような成績を残すか?
まずは年明けに発表されるというドライバーラインナップに注目だ。

2.マルドゥーク・レーシング・ドバイ

f:id:pontsuka0729:20200928150659j:plain
☝マルドゥーク家、ダムハン皇太子

UAEはドバイの王家、マルドゥーク家がトップフォーミュラに参戦する。
マルドゥーク家といえば競馬が有名だろう。自国に競馬場を持ち、世界規模の
大レースを開催。王家の競争馬は欧州を主戦場にしているが、実はマルドゥーク家は
かつて、フォーミュラカーの国別対抗戦『A-1GP』を主催していた経歴がある。
2005~10年の6年間のみ開催されたカテゴリだが、それ以来のレース界
参入となった。チームはマルドゥーク家三男のダムハン皇太子名義となる。
シャシーはレラ、そしてエンジンはなんとこちらも初参戦の
アメリカのシェブロンと契約。アントネッティ以外のシェブロンユーザーとなった。
また注目はドライバーのラインナップで、No.1には『華麗なるファイター』と
呼ばれるカナダ人のヴィル・リヴィエールを起用。そしてパートナーにはアメリカの
『ハイテクカウボーイ』ジャッキー・グーデリアンを招聘と、
いずれも華のあるファイタータイプの二人を揃えた。来季のレースぶりに期待したい。

これにアントネッティを加えた3チーム6台が新たに加わる。
今季参戦した12チームは、いずれも撤退なく継続参戦がすでに決まっている。
FNO(F-NeXX運営統括機構)は当初、アントネッティの参戦で13チーム
26台となったエントリー数を上限とする考えを示していたが
一転、15チーム30台のエントリーを認め、これを上限とする旨を
来季のレギュレーションに書き加えるとした。
しかし決勝レースのグリッドに並ぶ台数の上限は26台から変更はなく、
30台で戦う予選は毎レース4台の『予選落ち』が出る格好となる。
新規参入チームには厳しい条件となるが、今シーズンは上位チームでも下位の
グリッドに沈むことはよくあり、今季の上位チームとて油断はできない。
来季は予選段階から生存競争が繰り広げられる、スリリングなレースとなりそうだ。


■完全新型シャシーの投入は4thシーズン以降に延期でデベロッパー2社が合意

現在NeXX参戦各チームにシャシーを供給するシグマテック、レラの
シャシーデベロッパー2社はこのほど、完全な新型プラットフォームを使用した
シャシーの投入を、当初の3rdシーズンから4thシーズンへ延期することで
合意したと発表した。
2社はシーズン中盤頃から次期新型シャシーの投入時期について会談・調整を繰
り返しており、このほど暫定的に4thシーズンからの新型投入で合意に至った。
また、今後の新型投入時期は、2社間でずれが生じないようにしていくべきだとの
見解も示した。
新型の導入時期を1年先送りにした理由については、レラ・エンジニアリングの
森崎智恭氏は新型開発にはまだまだ多くのデータ収集が必要である旨をあげている。
「我々はこのカテゴリの準備段階で、マシン作成のため数多くのテストを繰り返して
きました。今年1年戦った全18戦のデータももちろん新型の開発に生かされます。
しかし、FNO側の「2年ごとに刷新」するペースでは開発コストが高騰しすぎます。
我々はシグマテック側とその部分では意見が合致しており、その旨をFNOに伝え
今回の決定に至りました。」と語り、今後も継続して試算を重ねていくが、その結果に
よっては新型投入のサイクルにもさらなる変動があることも示唆した。
シグマテックのビショップ・ミノー氏も「FNOの我々への要求はいささか急ぎすぎて
いる。今回我々はそれを指摘したうえで、適正な開発期間と予算の提言を行った。
ひとまず今のコンポーネンツは3rdシーズンまで使うが、今後の協議次第ではもう
少し後ろ倒しになる」と述べている。新型投入までの間は、現行モデルにシーズンごと
にリファインを加え提供していくとのことだ。


ニュージーランドがNeXX開催に名乗り!オセアニア2か国での開催はあるか!?

NeXXの初年度、記念すべき開幕戦はオーストラリアで行われたが、
世界有数の観光地であるゴールドコーストサーファーズパラダイスでの開幕戦は
大盛況のうちに幕を閉じた。その後第2戦はインドネシアへと転戦した今季の
NeXX。来季も開幕2戦は同様のカレンダーであることがすでに発表されている。
しかし、もしかすると近いうちにそのスケジュールに変更があるかもしれない。
オーストラリア大陸から東に2000km離れたニュージーランド
NeXXの招致に向け動いていることを発表したのだ。
ブルース・マクラーレン・モータースポート・パークを運営するMITデベロップ
メントと同地のプロモーターががこのほど、ニュージーランド政府のバックアップを
受け招致活動を開始したことを発表した。

f:id:pontsuka0729:20200928150926j:plain

ブルース・マクラーレン・モータースポート・パーク

ニュージーランドの北島、タウポにある同トラックは、2006年の開業。
A1GPやフォーミュラ・フォードなどのフォーミュラレースをはじめ
ポルシェカップや、はてはD1GPなども開催されたトラックで、当初は地名をとって
『タウポ・モータースポーツ・パーク』という名称だったが、2015年に
同国出身の元F1ドライバーのブルース・マクラーレンへのオマージュから
現在の名称に改称した。コースは1周3.5kmの全面フラットなショートコースで
前半区間はツイスティなテクニカルセクションが続くが、後半区間はほぼ直線。
全長830mのバックストレッチではドラッグレースも開催される。
NeXXのカレンダーはF1などの世界選手権と同様、移動距離が各チームに与える
負担が最小限であること、そして開催地の開催時期の気候が適切であることを考慮の上
組まれているが、以上のことを踏まえると、もし開催が実現すればオーストラリアの
前後に差し込まれることが濃厚だ。
オーストラリアGPの開催契約は5年で、その間は全て開幕戦であること
が契約条項として盛り込まれているため、ニュージーランドは第2戦になるだろう。
そうなると現在第2戦に設定されているインドネシアが動くこととなる。
直後の第3戦か、あるいは第14戦タイ近辺に移動するのか?
FNOによると他にもNeXX招致に動いている国はいくつかあるとのことで
現在のカレンダーから外れる国も出るかもしれない。
いずれにせよまだ正式に開催が決まったわけではなく、招致のためにはサーキットの
一部改修、そして10~13億円程度と言われる開催権料の支払いが必要となる。
はたして今後のカレンダーはどのように変わってゆくのか?

f:id:pontsuka0729:20200928151031p:plain

f:id:pontsuka0729:20200928151154p:plain
・ピットブル、来季のマシンは赤と白に?
 2ndシーズンのピットブルは、マシンカラーをガラッと変えてくるかもしれない?
 ピットブルのTDニコ・バウムガルトナーは、今季前半シグマテックのエンジニア
 をチームに帯同させなかったことについて「我々はすでにF1で培ったチームオーガ
 ナイズのノウハウを持っている。彼らが現場にいなくとも問題はない」と話して
 いたが、チームはその体制は誤りだったとし連携体制を見直した。チームの広報担当
 はシーズン終了後の会見でそれについてこう語った。「チームは常に最善の方法を
 模索しており、不備があったと判断すれば即座に対応してきた。我々はどんな指摘
 にも柔軟に対応する姿勢を持っている。変わらないのは我々のブランドイメージ
 だけだ」。そして記者から飛んだ「ではこれからもマシンのカラーリングは変えない
 のか?」との質問には、「では来季は赤と白にでもしてみようか?」と答え
 (コカ・コーラカラー)笑いを誘った。F1では「本家」と「分家」でカラーリング
 を使い分けてきたピットブルだが、NeXXでは当面現行カラーでいくようだ。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151218p:plain 
・1年フォーミュラを経験したカーティス、来季は選手権争いを
 「今季は本当にくたびれた。アタマもカラダもクタクタだよ。」と語るのは
 マーキュリーのカーティス・マルケーナスだ。オーストラリア出身の彼はその
 キャリアを通じて一度も国外に出ず、地元でレースを続けてきた。10代の頃に
 1シーズンだけフォーミュラ・フォードを戦ったことがある彼だが、その後は
 V8スーパーカー・シリーズやカレラ・カップといったハコ車をメインに戦って
 おり、事実上初体験のトップ・フォーミュラには相当苦労したようだ。
 「挙動は繊細、Gもスゴイ。おかげで1年で首が2cmも太くなった」と笑う。
 「タイヤ戦略とか、アタマを使うことも多かったし、本当に疲れたな。でも、今季
 アレックスと走った1年は非常に有意義だったし、ある程度自信もついた。優勝
 できるなんて思っていなかったからね。今季はオレのせいでチームタイトルを
 逃したようなもんだ。来季は負けないよ。それはアレックスに対してもね。」
 1年で大きな手ごたえをつかんだ様子のカーティスに注目だ。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151245p:plain
・新鋭バロン、チームとの関係は良好。バーンズとも「うまくやれる」
 来季からエヴァー・グラハムのステアリングを握る英国の新鋭、ジェストン
 バロンは早くもチームに溶け込めているようだ。オフシーズンに入ってすぐ
 行われたチームのプライベートテストでは3日間で1000kmを走り込み
 エンジニアたちとも積極的にディスカッションをするなど、早くも存在をアピール
 している。「チームの雰囲気はすごく良いよ。僕も積極的にアプローチするよう
 心がけているけれど、メカニック達は僕の言うことをひとつひとつ丁寧に拾って
 くれる。とても仕事がしやすいね。」対してTDのフィル・デンハムも「彼は若い 
 けど、レーシングドライバーにとって不可欠なものをすでに持っている。それは
 「速さ」と「コミュニケーションスキル」だ。彼はとても滑らかにコーナーを
 クリアし、とてもクイックに立ち上がる。理想的な走りだね。タイヤの使い方も
 いい。それに、エンジニアとも積極的にコミュニケーションを獲り、フィード
 バックも正確だ。我々は来季に向けて、素晴らしい「原石」を手に入れたよ。」
 と語る。今回のプライベートテストにはエースのバーンズは参加しなかったが、
 バロンは「はやく彼と仕事をしたい。F1王者の彼からは学ぶことは多いはず
 だからね。豪快な人だと聞いているけれど、うまくやれると思うよ。」
 と自信をのぞかせた。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151307p:plain
トライアンフ日向、来季は3勝が目標
 今季日本から参戦し、欧州のビッグチームらと渡り合ったトライアンフ
 エースドライバーの日向俊郎はシーズン2勝をあげたが、来季は今季以上に勝利に
 こだわると語る。「勝てると思ってなかっただろうって? 冗談! オレは
 いつだって勝つつもりで走ってるし、勝てると思ってやってるよ。」と日向は
 あっけらかんと語る。「確かにトップと比べると金もないし、マシンも高速域が
 苦手でハンデはあるけどね。でも今のF1なんかより各チームの戦力差なんて全然
 ないし、低速コースは速いよ。すげーコーナリングマシンだねありゃ。要はやり
 ようなんだよね。苦戦しそうなとこで必要以上に踏ん張っても、それ以上なにも
 出てこないし、クルマがフィットするとこで全力を出しゃいい。力の入れ方だよね。
 だから今季はクネクネしたとこに絞って勝ちに行った。ただ信頼性がまだまだ
 低かったし、俺もポカが多かったね。それは反省ww 特に予選ね。」日向は
 今季の自身のスタンスに言及、レラ+カムイのパッケージは充分戦えたとの見方を
 示し 同時に今季、自信のミスが多かったことも認めた。
 「でも来季はさ、エンジンは新型が来るけどシャシーは今季のがベースでしょ?
 信頼性はあがるよね。今季の終盤だって結構よかったし。だから来季は今季よりも
 多く勝ちにいくよ。」と自信をのぞかせた。
 「あー、んでもあんまりデカいこと言ってポシャったら 叩くでしょ? 
 だから今季よりプラ1コって言っとくわ。3勝ね、3勝!!」
 相も変わらずお気楽な日向だったが、速さがホンモノであることは見せた。
 来季に期待だ。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151333p:plain
・チャップマン、「NeXXはエキサイティングだ」
 ロシアの大富豪、ロマン・アブラモビッチ氏率いるアブラモビッチスタンフォード
 レーシングは、来季ドライバー二人を一新する。そしてエースドライバーとなる
 のが、F1では暴れん坊で知られたジョンブル・チャップマンだ。チャップマンは
 オフシーズン入り直後のプライベートテストで初めてアブラモビッチのマシンを
 ドライブし、好感触を得たようだ。今季、急遽クラークソンからスポット参戦し
 NeXXデビューを果たしたチャップマンは、そのデビュー戦でいきなり6位入賞し
 速さをアピールした。「NeXXはとてもエキサイティングだね。ここにはF1が
 失ってしまった「本当のレース」がある。各チームの力は拮抗しているし、水素
 エンジンの爆音も素晴らしい。魂を揺さぶられるね。」と語る。また「以前乗った
 クラークソンのクルマはとても直線が速かったけど、コーナーの立ち上がりが
 悪かった・中低速トルク不足でね、シケインの脱出なんかノロノロだったもんな。
 でもこのチームのマシンは中低速域からパワーがある。DMのエンジンは万能だね。
 どの速度域でも満足の行くパワーが出ているよ。」と語り、「来季が楽しみだ。
 俺はもう表彰台の真ん中しか見ていないよ。」と早くも自信たっぷりだった。

 

f:id:pontsuka0729:20200928151352p:plain
・大株主ペトロナスと、トタルの間で揺れ動くプルト
 現在プルトンチームはフランスのピジョンエンジンを使用しているが、3rd
 シーズン以降はカムイエンジンになるかもしれない。プルトンの大株主である
 ペトロナスが、NeXXにおいてプルトンの名を冠したチームが他社燃料を使用
 することに難色を示している。当初プルトンは、自社との事業提携先を探しており
 ピジョンがその有力候補に挙がっていた。NeXXのサプライヤー契約はその
 一環として進められたが、結局は提携先にピジョンではなく中国の吉利を選択。
 提携話はご破算になってしまったのだ。そうなると前述したとおりペトロナス
 という石油会社が大株主のプルトン、ピジョンとのサプライヤー契約はもちろんの
 こと、燃料供給をトタルから受けていることにもケチをつけてきたようだ。
 現状NeXXは、チームが独自に燃料サプライヤーを選択することはできず、
 エンジン供給元が契約した燃料サプライヤーを使わざるを得ない。そうなると
 現状ペトロナスの燃料を使用しているのはカムイだけ。来季はそのままピジョン
 を使わざるを得ないものの、3rdシーズン以降のエンジン変更の可能性は高い。
 しかし、3rdシーズンもレラシャシーを使うならば、レラ+カムイは悪い
 パッケージではない。翻って今季のプルトンは、パワー不足のピジョンエンジンに
 苦しめられた感がある。果たして3rdシーズンはどのような選択をするだろうか。


◆次号NeXX Exxtream Press『開幕前号』
・2ndシーズンシャシー、エンジン仕様徹底解説
・ついに日本で公道レースが実現!小樽GPコース徹底解説
ほか こうご期待!!

Formula NeXXtream 1stシーズン チーム総括・2

☆★☆チーム総括☆★☆
今回は1stシーズンのチーム総括パート2。
バリラ・マルティニ、クラークソン、ロムニ・ダキア
チャイナドラゴン、ノルディック、SLOという残り6チームの総括です。

◆スクーデリア・バリラ・マルティニ

f:id:pontsuka0729:20200924123219p:plain

1stシーズンのランキング最下位は、ある意味予想通りである。
予算規模もそれほど大きくなく、各サプライヤーもリーズナブルな方をチョイス。
またドライバー二人も、サラリーが安くて20代前半と若いドライバー。
特にNo.2のシートに座ったニニアディスは、レース界では珍しいギリシャ
ドライバーだ。トップフォーミュラで戦えるかは二人とも未知数だったが
このチョイスはらしいといえばらしい。かつてF1で『愛すべきチーム』と言われた
ミナ○ディにゆかりの深いパウロバリラとピエロルイジ・マルティニのチームは
まるでF1でのミ○ルディを見ているかのような戦いぶりだった。
それでも、ジョバナルディは6回の入賞を記録。7位以上がないものの
堅実にポイントを稼いだし、ニニアディスは2度の6位入賞でポイントでは
チームメイトを上回った。惜しむらくは二人とも今季でシートを失ったことだが
来季はビッグスポンサーを獲得しポルボローネシエナという実力派の
イタリア人が加入した。パフォーマンスは間違いなく上がるだろう。
しかし問題は今季の開発のメインをエンジンに振ったこと。シャシーは今季の
アップデートを来季も引き継ぐが、エンジン性能はシーズンごとにリセットされる。
今季の合同テスト3度をどう振るかも、考えどころである。
レラ+カムイのパッケージの相性の良さは、トライアンフの日向が2勝したことで
証明されている。来季の飛躍は二人のイタリア人にかかっているか。


◆クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200924123245p:plain

1stシーズンの各チームの成績は、往々にしてNo.1ドライバーが活躍し
No.2は期待外れに終わる傾向が強いが、クラークソンもそのパターン。
No.1のファングはなんだかんだと2勝をあげ、ランキングも4位で終えたが、
No.2のヴァッセルは23ポイントでランキング19位と下位に沈んだ。
各チームとも初年度はエースドライバーの確保が最優先と考え、No.2には
若手・新鋭を起用したのが原因だが、トップ4のようにNo.2も共に活躍した
チームもある。逆に言えばトップ4はNo.2が活躍したからこそトップ4に
なったわけであるが、クラークソンは「その他大勢」と同様の結果となってしまった。
ヴァッセルは第14戦タイで3位表彰台にあがるも、それを含めても入賞は
3度にとどまった。残念ながらヴァッセルの実力不足は否めなかった。
また、マシンパッケージがシグナテック+アストンという超高速寄りのパッケージ
だったことも戦績に影響している。事実第10戦スウェーデンでは、あまりの
戦闘力不足にやる気をなくしたファングが自主的にマシンを降りるという
前代未聞の事態を引き起こしている。パッケージ自体はレッドブルと同じものだが
スポンサー交渉が不調に終わり、開幕前に十分な資金を確保できなかったのも
大きく響いている。オーナーのジェレミー・クラークソンが、マネージャーの
マット・ティモンズをシーズン終了後に更迭するという噂も出たほどだ。
しかし来季に向けてはすでにビッグスポンサーを確保したとのこと。
マシン開発予算については心配なさそうだ。問題はNo.2ドライバー。
今季の失敗に学ばなかったのか、あるいはそれ以上のポテンシャルを感じたのか。
来季も若手を起用。トップカテゴリ初挑戦のティルクムの双肩にかかる期待は大きい。


◆ロムニ・ダキアオートスポーツ

f:id:pontsuka0729:20200924123306p:plain

ルーマニアの実業家ミルセア・トゥドールという人物が立ち上げたチーム。
スイスの大富豪ランキングトップ3にランクインする起業家だが、レースに対して
どれだけの情熱とお金を注ぎ込めるのか、あるいはどれだけ本気で勝ちに来ているのか
開幕前からチームのスタンスが不明瞭だったため、評価は未知数の域を出なかったが
トゥドール氏曰く「反政府運動で混乱、疲弊したそんな国民達に希望を与えたい。
初めから勝ち負けできるとは思っていない。」とのことで、そういう意味では
ある程度の成果は出したといえるのではないか。このチームも開幕前のスポンサー交渉
が不調に終わったクチで、ドライバーは二人ともがトップフォーミュラ初挑戦の
若手・新鋭だった。それでも遅咲きのゲラは第16戦日本で初優勝を遂げ、
チームメイトのファーシマスは、荒さが目立ち3戦の出場停止処分も受けたが
予選での一発の速さを見せ、決勝でも度々上位を走行し実力の片鱗を見せた。
非力と言われたプジョーエンジンだったが、シグナテックとのパッケージ、そして
TDのジャンクロード・ジャリエ(架空)はじめとするエンジニア陣のアップデート
もあり、終盤にはトップチームと互角に渡り合う進化を見せた。
来季もドライバーラインナップは変わらず。ハンガリー人とルクセンブルク人という
異色の組み合わせが、来季はどんな活躍をみせるか。


◆チャイナドラゴン・レーシングチーム

f:id:pontsuka0729:20200924123325p:plain

1stシーズンをチームランキング6位で終えられたのはひとえに
No.2ドライバーのセプターのおかげである。セプターはチームの全ポイント
148のうち実に128を稼ぎ出したのだ。反対にNo.1のカタル・アファルは
入賞3回18ポイントに終わり、ほとんどのレースにおいてテールエンダーだった。
オーナーの李舜英がモロッコ政府と太いパイプを持つため(架空設定)、王族と遠縁
であるアファルをNo.1に起用したのだが、さすがにこの成績ではフルシーズン
を全うできず「お坊ちゃんの道楽」は第15戦で終焉を迎える。もともと
WTCCやブランパンシリーズなどハコ車レースに参戦していたアファル(架空設定)
フォーミュラの下位カテゴリ経験もなくトップデビューは無理があった。
まあ本人はいたって真摯な姿勢でレースに臨んでいたが、さすがに李舜英も
看過できなくなってしまったようだ。第16戦からは若手中国人ドライバー宋昇龍に
シートチェンジしている。チームとしては資金的に余裕のなかった序盤開幕戦で
セプターが上げた勝利が大きかった。大きなアップデートはできなかったものの、
セプターの順位賞金をやりくりしながらこまかなアップデートを繰り返し、
全18戦を戦い切った。アレン・シェーキーズをTDに据えたことには各メディア
から一様に疑問の声もあがったが、ひとまずうまく戦えるクルマに仕上げること
には成功したようだ。来季は今季終盤戦と同様の体制のまま宋、セプターで臨む。
宋は最終戦で9位入賞し将来性を示した。セプターは抜群の入賞率で
チームに貢献した。来季はもっと上を狙いたい。


◆ノルディック・モータースポーツ

f:id:pontsuka0729:20200924123341p:plain

第6戦でチームランキングトップに立ったものの、最終的には3位で
シーズンを終えたノルディック。実は開幕前の下馬評はそれほど高くなく、
中堅的な位置取りになると目されていたが、ふたを開けてみれば最後までドライバー
チームともタイトル争いに絡んでいったのは予想外だった。エースのラスムッセン
活躍がなによりも大きな驚きだったのはドライバー総括でも述べた通り。
F1参戦時は年々落ちてゆく評価とともにドライビングにも荒さが目立ち、
いわゆる「プッツンドライバー」のようにも言われたが、F-NeXXにきて
生まれ変わった感がある。マシンパッケージはマーキュリーと同様シグナテック+
スプレンダー+ミシュラン、戦闘力の高いマシンであることは証明されている。
エースのラスムッセンはマシンポテンシャルをうまく引き出した。チームとしても
中盤戦に入るころには「いける」という手ごたえをつかんだろう。チームタイトル逸の
原因はNo.2のリンドホルムの後半戦の停滞だった。前半戦は優勝こそないものの
予選PP1回、2位表彰台2回と滑り出しはラスムッセンよりもリンドホルムの方が
良かったのだ。しかし第7戦スペインの8位以降最終戦までで、入賞は第12戦
ルーマニアでの4位1回きり。実に7回ものリタイヤを記録した。総合的な戦闘力の
高いマシンだったが、欠点をあげるとすれば中低速コースでのパフォーマンスで、
中低速トラックの多かった後半戦でリンドホルムは苦戦を強いられたのだった。
予選でもなかなか前方に進出できず、レースでは中団で事故に巻き込まれるケースが
多かった。リンドホルムの後半戦での不振がタイトル逸の原因と考えたチームは、
リンドホルムと来季の契約を更新せずドイツ人のベテラン、ハイデンフェルドを招聘。
確実性を重要視しまずは、チームタイトルを獲りに行く構えだ。その中でラスムッセン
は、今季以上に来季エースとして大きな期待を背負うことになる。来季彼は、
今季見せた「生まれ変わった姿」がホンモノだということを、ドライバー王座を
獲得することによって証明したいはずだ。

 

◆サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200924123639p:plain
このチームについては開幕前から未知数な部分が多かった。
ブラジル人実業家3名(架空)が立ち上げたというチーム基盤、本拠地を
自国においたこと、また首脳陣を全て南米出身者で固めたことなど。
チームスタッフも基本的にブラジル人が多く、パドックの雰囲気は
陽気そのものなのだが、「戦う集団」として機能するのか?
メディアの注目は、どのファクターにおいてもそれ1点につきた。しかし、F1経験者
のリカルド・ロセットを監督に据えマネジメント陣、エンジニア陣ともに彼らは
我々の想定を覆す真摯さと勤勉さを見せ、表彰台の真ん中には届かなかったものの
なんと最終戦でランキング4位をモノにした。ラ・ポルタ、フィリオという
2人のドライバーは、それぞれ2度表彰台に上がり、フィリオに至っては予選で2度
PPも獲得して見せた。ポイントもラ・ポルタが89に対しフィリオは81と、
2人のドライバーが拮抗し、各々きっちりと仕事をした数少ないチームであった。
チャイナドラゴンもそうだが、レラとBMWのパッケージは非常にバランスが良い。
全速度域のトラックに無難にフィットすることができる。彼らの戦績を見れば
どのコースにおいても満遍なく対応できていることがうかがえる。ただ、対応力は
高いものの、突出したパフォーマンスも見えてこないのが弱点か。来季もパッケージは
変わらないため、エンジニアチームがどこまで性能を引き出せるかが
来季躍進のカギとなる。ドライバーラインナップも変わらず。今季はベテランの
ラ・ポルタが、若いフィリオと密に連携を取りフォローアップしている姿をよく
見かけた。チーム組織として、もしかすると12チーム中いちばんまとまりが良かった
のはSLOかもしれない。来季は悲願の初優勝を狙う。

 

以上、これにて1stシーズンの総括記事を終了します。
次回からは3回ほど、シーズンオフ号(?)をお届けしそれ以降は
いよいよ2ndシーズンに入っていきたいと思います。
2ndシーズンはレースの経過をブログでお届けするような試みも考え中☆
こうご期待!!

 

 

 

Formula NeXXtream 1stシーズン チーム総括・1

F-NeXX 1stシーズン

☆★☆チーム総括☆★☆

前回は、1stシーズンのドライバートップ10について
総括しましたので、今回はチームごとの総括に移ります。
チームは全部で12なので、全チーム振り返って総括します。
まず今回は前半、レッドブル、マーキュリー、ウェバー・ブラバム
そしてトライアンフチェルシープロトンの6チームから☆

レッドブル・エクストリーム・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200924120325p:plain

高かった前評判通り、チームタイトルを獲得したレッドブル
オーナー企業がメインスポンサーという体制はF1とかわらず、さすがの資金力で
開幕前からいち早く盤石な体制を整えた。しかし、それにしてはシーズン中は
幾分苦しんだように見える。チームタイトル争いは最終戦に逆転しての王座獲得
というドラマチックな展開となったが、その原因は序盤から中盤にかけてのラムダと
終盤戦のマイネのマイナートラブルの続発が原因である。
テクニカルディレクターのニコ・バウムガルトナー(架空)に言わせれば
「シグナテック側とのリレーションの問題」がおもな原因だそうだが、
レッドブルは序盤指揮系統の煩雑化を嫌って、
シグナテック側のエンジニアをレースに帯同させなかった。
その結果ファクトリーに持ち帰った情報を共有する過程で、シグナテック側と齟齬が
発生したとしている。これはいささか驕った考えであった。
中盤から終盤にかけては、サプライヤーとのリレーション問題は
解消されたものの今度はチームのエンジニアリングの比重がラムダに偏ってしまい、
それが終盤のマイネの失速の原因になったとの見方もある。来季もこのように
片方が良い時にもう片方にトラブルが起きるようではタイトル防衛は難しい。
またシャシー、エンジンともに中低速を苦手とするパッケージなのも原因か。
特にマイネはマシン特性の影響をモロに受け、下位に沈むレースも少なくなかった。
ラムダにしてもよく戦ったが、結果ドライバーズタイトルを逃している。
ディフェンディングチャンピオンとして臨む来季、連覇の為には信頼性確保が
求められる。F1ではルノーと関係をこじらせたことで知られるレッドブルだが
サプライヤーとの協力体制は改めて見直さなければならないだろう。
またドライバー二人の注力の比重問題も、F1での経験を活かしきれていない。
セバスチャン・ヴェッテルマーク・ウェバーのチーム内での対立を
経験してきたチームとも思えない。チームのオーガナイズ、そして
サプライヤーとの協力体制の見直し。連覇のカギはそこにあるか。


◆マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション

f:id:pontsuka0729:20200924120424p:plain

1stシーズンは非常によく戦ったといってよい。チームランキング2位は
望外の結果であったろう。最終戦に逆転されタイトルを逃すという
劇的な敗北を喫したものの、マシンのクオリティは高く、終盤にゆくにつれ
熟成度は増していった。スプレンダーの創始者であるゲドラフ・ライフソンの
エンジニアリングの賜物であろう。F1で頭打ち状態だったバトラーも
解き放たれたかのように本来の速さを見せ、経験の浅いマルケーナスも
No.2としてうまく機能した。フォーミュラ未経験のマルケーナスは
いくつか未熟さを見せるレースもあったものの、初勝利もあげチームに貢献した。
またシグナテック+スプレンダーのパッケージは、1stシーズンの
ベストパッケージでもあった。ノルディックが3位に続いた事がそれを証明している。
ドライバー間でも目立ったトラブルは起きず、二人は非常に良い関係を保ったまま
シーズンを消化したように見える。今季の敗因は二人のドライバーの「若さ」だろう。
バトラーは初めてトップフォーミュラでタイトル争いをし、終盤戦で脆さを露呈。
マルケーナスもムラが激しく、好走と凡走のギャップが非常に大きかった。
チームタイトルを逃したのは、最終戦での二人の走りが原因なのは言うまでもない。
自身のタイトルもかかったバトラーは序盤でフェードアウトし、
マルケーナスは何もできず下位に沈んだ。今季の苦い経験が二人を大きくするだろう。
チーム体制に問題は見えない。来季のタイトル奪取に期待だ。


◆ウェバー・ブラバム・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200924120522p:plain

元F1ドライバーでGPウィナーのマーク・ウェバーが、同郷の
デイヴィッド・ブラバムと立ち上げたチームだ。当然ながら大きな注目をあびて
スタートを切ったシーズンだったが、期待は失望となって返ってきた。
『F1四天王』のひとりアレン・バーンズをエースに据えたのだが、
そのバーンズの苦戦がまず予想外だった。1980年のF1王者は開幕から
凡走を繰り返し、シーズン通して2度表彰台に上がったものの、ついぞ1勝も
できなかった。スプレンダーエンジンの素性の良さは開幕前から評判になっており
レラシャシーについても、高速コースでやや不安定な挙動を示したものの
中低速では滑らかな動きをすることで評判だった。パッケージに問題があったとは
思えない。しかしバーンズは自身の不調の原因に「シャシーのクイックすぎる挙動」
をあげた。シーズン後半、開発が進むと戦績も若干安定したところをみると
バーンズの言うこともあながち嘘ではなかったのかもしれないが。
またチームメイトのモンテローザの経験不足も影を落とした。予選で1度
フロントローを獲得したように、一発の速さはあったものの、タイヤ戦略など含めた
「レースの組み立て」ができなかった。第13戦からはワーノックがシートに
収まりデビュー戦で予選PPから2位表彰台を獲得するも、それ以降は音無し。
TDのフィル・デンハムは来季に向けてマシンの開発・修正は進んでいると
語るが。。。No.2に若手のジェストン・バロンを迎える来季。
せめて今季の結果(9位)を上回り、初勝利をあげたいところ。


トライアンフ・スクエアジャパン・レーシングチーム

f:id:pontsuka0729:20200924120628p:plain

日本期待の「オールジャパン」パッケージのチームとしては
1stシーズンは非常によくやったと言ってよい。ランキングは惜しくも
トップ6に届かなかったものの、2勝をあげランキング7位は上出来だ。
F1での実績や財政基盤で上回るチームが集う中、チーム体制は非常にコンパクト。
札幌に本拠を置く企業グループ「SJBグループ」(架空)が母体のチーム、
監督の山本つかさが「自動車サークルの延長」と笑いながら嘯く
「日本のレース屋一世一代のサークル活動」なのだ。そんなチームが世界選手権で
2勝をあげた。日本のファンの来季への期待は大きい。しかし、来季は今季ほど
うまくいくだろうか? 他チームは今季の弱点、反省点を洗い出し、
本格的に是正・改善、そして戦力強化に臨むだろう。来季を戦い抜くには
今季の戦闘力を持続するだけでは置いて行かれる。また日向、カジワラの2人の
ラインナップはムラが大きい。日向は終盤戦の第12戦以降で5連続入賞を
はたすものの、第11戦までで言えば2勝をあげたが、
それ以外では5位入賞が2度あるだけだったし、カジワラが速さの面で日向に大きく
差をつけられているのは言うまでもない。来季も同様のラインナップで臨むが
場合によっては、今季を下回ることも十分にありうる。
カニカル的な部分でいうと、レラ+カムイのマシンに力があるのは間違いないが、
やはり適正は中低速域であることは明白。高速コースでの戦い方も思案のしどころだ。
しかし、日向には「雨で速い」、カジワラには「市街地に強い」という長所がある。
二人が確実性を増し、ストロングポイントを発揮できればあるいは・・・


チェルシーアブラモビッチ・レーシング

f:id:pontsuka0729:20200924120705p:plain

ランキング8位は果たして想定内か否か。オーナーのロマン・アブラモビッチ氏は
初年度にどのようなシナリオを描いていたのだろうか? オーナーの資金力と
ドライバーの力量を考えたときに、少なくとも12チーム中6位以上にはいたい
と踏んでいたのではないか。第100回インディ500のウィナーを招聘したのだから
それくらいは望んでいたに違いない。そのロッソが序盤に躓いたのも誤算なら
No.2のグリエコの不振は大誤算だろう。結果ロッソは1勝をあげ105ポイント
をあげたのに対し、グリエコはなんとたったの11ポイントにとどまったのだから。
二人は序盤の7戦で揃って5度のリタイヤを喫し、大きく出遅れた。
グリエコは前半戦、予選で速さを見せたものの決勝では踏ん張り切れず、
後半戦に入ると下降線をたどった。第10戦以降は入賞すらない。代わって後半戦は
ロッソが第10戦以降すべて予選で1ケタグリッドを記録し、1勝を含む表彰台3回。
チームは公にはしないが、後半戦は完全にロッソに注力する体制になっていった。
マシンは前半信頼性不足に悩まされ、度々アクシデントに見舞われる不運もあったが
シグナテック+BMWのパッケージは、戦闘力は高かったように思う。
序盤の躓きがなければ、もう少し上位でシーズンを終えただろう。
来季はドライバーが二人とも変わる。F1で『暴れん坊』でならしたチャップマンと
イタリアの貴族であるデ・ランジェリスのラインナップ。奇しくもF1ロー○スで
チームメイトとして戦った二人だ。心機一転で新シーズンに臨みたいが、
ドライバーを二人ともチェンジした影響は、はたしてどう出るか?


プロトンオートスポーツ

f:id:pontsuka0729:20200924120751p:plain

開幕戦でカブロンが3位表彰台に上がったときは、今季の台風の目になるか
と思われたプロトンだが、終わってみればランキングは下から2番目で終えた。
カブロンは2度3位表彰台にあがるも、ガジャックは入賞2度にとどまり
ほぼシーズンを通してテールエンダーだった。レラ+プジョーのパッケージが
中高速サーキットでほぼ勝負にならなかったことが苦戦の原因の一つだが、
大きな原因はやはり資金の確保がうまくいかず、序盤で開発ができなかったこと。
それを証拠にマシンに手が入った後半戦ではカブロンの入賞率もあがっている。
しかし、開発を中低速域でのシャシーバランスに絞ったため、結局高速コース
では勝負にならなかった。またNo.2のガジャックが、最後まで戦力に
ならなかったのも痛かった。ドライバー決定の際も、序盤での資金不足が大きく
影響している。終盤の3戦をドライブしたエストニアの新鋭ヴィックスが
終戦に7位入賞したのは、来季に向けて明るい材料だ。シャシーサプライヤー
シグナテック、レラともに3シーズン目での新型投入を発表しており、
来季は改良型の投入となるが、今季チームに許された範囲でのアップデートは
そのまま引き継がれる予定だ。つまり高速域で苦戦する現実は来季も変わらない。
カブロンとヴィックスの若手二人で戦う来季、かつて耐久レースでジャガー
常勝に導いた監督ティム・ウォーキングの手腕が試される。

Formula NeXXtream 1stシーズン ドライバー総括

F-NeXX 1stシーズン

☆★☆『ドライバー』TOP10☆★☆

ハイ! えー長々とブログでつづってきました、
F-NeXX1stシーズンプレイバック、いかがだったでしょうか?
我ながらゲームとしての完成度はなかなか高くて、
さらに『トップフォーミュラ』の1カテゴリとしても、
コンペティションとしての完成度はすごく高かったと思います。
なんせ選手権争いがドライバー、チームとも最終戦までもつれもつれて大混戦の
状態でいきましたからねーwww どうでしょう??
インディカーくらい優勝者も多数出ましたし、非常に白熱しました!
終戦、ポイントリーダーのバトラーがリタイヤしたとこなんぞ
自分でサイコロ振ってて『あーーっとぉぉぉっ!!??』て叫んでましたからねwww
どうです? 今のF1なんて目じゃないくらい面白いですよ??

てことで、ひとまず1stシーズンが終わったので、
ここからは2ndシーズン開幕までの間にドライバー、そしてチームの
1stシーズンの戦いぶりを総括したいと思います。
今回はドライバー編ということで、ランキングトップ10のドライバーと
ランク外だったものの来季に期待の選手、そして今季期待はずれに終わった選手
12人を写真付きで紹介いこうと思います。
また長い記事になりますがお付き合いください☆

ではまずは、栄えあるチャンピオンから順に紹介します↓↓↓


◆年間ランキング1位

f:id:pontsuka0729:20200919113723p:plain

1位:アレックス・バトラー(マーキュリー)
獲得ポイント:188ポイント
出身地:アイルランド
年齢:27歳
1st優勝回数:3回
1stPP回数:4回
1st出走回数:18回
<戦評>
開幕前の下馬評を覆し、F-NeXXの初代王者に輝いたバトラー。
開幕前に王者候補に挙がったのはラムダ、ファング、セプター、バーンズといった
F1で実績のあるベテラン勢だったが、予想を覆しての王座獲得だった。
マーキュリーというチームとともにF1から戦いの場を移したバトラーだったが、
パワーバランスの狂った現在のF1に限界を感じての新カテゴリ参戦は、結果的に
大成功だったと言える。戦闘力の拮抗したマシンを扱い、優勝3回を含む8度の表彰台
は圧巻。また予選の速さは特筆もので、18戦中実に14戦でシングルグリッドに
つける驚異の安定感を発揮。2ケタグリッドの4戦も、うち2戦は10番手だった。
これは1stシーズン参戦ドライバーの中で文句なしのNo.1の数字である。
優勝回数ではラムダに負けたものの、シーズン通して安定した速さを発揮し
堂々の王座戴冠だ。一方で、途中第11戦チェコから第14戦ルーマニアまで
4戦で3回のリタイヤを喫し、雨のチェコや王座のかかった最終戦もライバルを
けん制してミスを犯すなど、勝負どころで脆さを見せることも。
中盤トラブルに祟られ苦しんだラムダに、最終戦までもつれこむ接戦に持ち込まれた
要因はそこにあるのかも。しかし、18戦3勝、PP4回、表彰台8回、入賞10回は
堂々たる戦績だ。胸を張っていい。来季は追われる立場となる。
来季もマーキュリーで戦うバトラー。目指すは2連覇、そしてチームタイトル奪取だ。


◆年間ランキング2位

f:id:pontsuka0729:20200919113741p:plain

2位:ニコ・ラムダ(レッドブル
獲得ポイント:178ポイント
出身地:オーストリア
年齢:34歳
1st優勝回数:4回
1stPP回数:3回
1st出走回数:18回
<戦評>
『走る精密機械』と言われたラムダも、初開催となるカテゴリに苦しんだ。
新たな可能性を求め新カテゴリに参戦してきたものの、F1で3度王者となった男を
以てしてもF-NeXXは一筋縄ではいかなかった。優勝回数4回はシーズン最多。
PPも3度獲得した。第12戦ルーマニアから第15戦マカオまでの4戦で
3勝を上げた追い込みも圧巻だった。しかし、ラムダは中盤戦マイナートラブルに
悩まされた。第3戦アブダビから第8戦フランスまでの6戦で4度のリタイヤを喫し、
入賞したレースも7位、5位にとどまった。またラムダが復調したあとは
チームメイトのマイネにトラブルが頻発。開幕前からタイトルを有力視されたが
チームとしては決してうまくいったシーズンとは言えないだろう。
それでもラムダは、最後まで王座を争った。第10戦スウェーデンからの
後半戦は9戦3勝、PP2回、完走8回、入賞7回と、怒濤の追い込みを見せ
若いバトラーにプレッシャーをかけ続けた。来季35歳を迎えるラムダ、
大ベテランは自身のキャリアについても考えを巡らせる。
3度の王座を獲得したF1を捨て、この年齢で新しいカテゴリへ挑戦したのだ。
F1王者としては、このF-NeXXでも挑戦した証を残したい。
来季は全力を以て、王座奪回を狙う。


◆年間ランキング3位

f:id:pontsuka0729:20200919113804p:plain

3位:ケリー・ラスムッセン(ノルディック)
獲得ポイント:178ポイント
出身地:デンマーク
年齢:27歳
1st優勝回数:2回
1stPP回数:2回
1st出走回数:18回
<戦評>
バトラーの初代王座獲得が予想外なら、このドライバーが王座を争ったことも
大いに予想外だった。ケリー・ラスムッセンがここまでやるとは、正直誰もが
予測しなかったであろう。F1では名門マクラ○レンでデビューし、
初戦で2位表彰台に登壇した実力者ではある。しかしここ数年の彼は、中堅ハ○ス
でもがいていた。次第にデビュー当時の印象は薄れ、「荒さ」と「粗さ」だけが
目立つ「二戦級ドライバー」に成り下がったように見えた。しかし、F-NeXXに
新天地を求めた彼は「開花」した。いや、F1デビュー当時の彼に「回帰」した
というべきか。序盤こそチームメイトと同士打ちなどもあり、荒さの抜けない
姿を見せたものの、最終戦で見せたように調子に乗ったときは手の付けられない
速さを発揮する。安定感にはかけるものの、一発の速さという魅力を
見せつけたのだ。ドライビングがやや荒っぽい印象は今もぬぐえないが、
18戦中13戦で完走、入賞11回、表彰台は2勝を含む7回と以外に安定度は高い。
だが来季はドライビングにさらなる安定感を求められる。
なんせ初年度からタイトル争いを展開した、チームのエースドライバーなのだ。
ポイントではラムダと同点となりながらも、優勝回数で負けたことも悔やまれる。
来季こそは安定したレース運びで、王座をもぎ取りたい。


◆年間ランキング4位

f:id:pontsuka0729:20200919113822p:plain

4位:デイヴィス・ファング(クラークソン)
獲得ポイント:130ポイント
出身地:イギリス
年齢:32歳
1st優勝回数:2回
1stPP回数:1回
1st出走回数:17回
<戦評>
正直本人はこの結果に納得がいっていないのではないか。
何度も言うが開幕当初、王座争いを繰り広げるであろう候補筆頭に挙げられて
いたのがこのファングを含めた、『F1四天王』だったから。
当のファングを含めラムダ、バーンズ、セプターとF1王者経験者が揃って転戦して
きたのだから、皆の注目がそちらに集まるのも当然だろう。
しかし蓋を開けてみれば、若手・新鋭も交えての選手権争い。そしてこのファングは
終盤で大きく順位を上げたものの、ついぞ直接タイトル争いには絡めなかったのだ。
PP1回、優勝2回とさすがの速さは見せたものの、予選ではほとんど中団以下に
沈み、18戦中シングルグリッドを獲得したのはなんと僅か2回だ。
中低速が苦手のマシンパッケージに手を焼き、戦意喪失でのリタイヤもあった。
しかし、本人は思いのほかこのカテゴリを楽しんでいるようだ。
マシンの性能差で大方の力関係が決まってしまう現代のF1に比べれば
はるかに勝負のし甲斐があると感じているのか。相変わらずムラは多いが
2勝をあげ戦える手ごたえもつかんだ。来季は本気で王座を獲りに来るだろう。
往年のラムダとのバトルを、この舞台でももっと見たい。


◆年間ランキング5位

f:id:pontsuka0729:20200919113836p:plain

5位:ジョリー・セプター(チャイナドラゴン)
獲得ポイント:128ポイント
出身地:南アフリカ
年齢:31歳
1st優勝回数:1回
1st予選最高位:2位
1st出走回数:18回
<戦評>
注目の集まった『F1四天王』のひとりにして、栄えあるF-NeXX
1stシーズン開幕戦のウィナーだ。しかし、結局開幕戦以来の2勝目をあげる
ことはできなかった。滑り出しが良かっただけに、本人も不本意だろう。
思いのほか予算がカツカツだったチーム体制もあり、終盤までマシンのアップデート
が進まなかったり、チームがNo.1ドライバーでモロッコ王族の遠縁である
アファルに注力せざるを得なかったのも響いた。それでもランキングは5位、
チームランキングも6位で終えたのは驚異的。チームはほぼセプターひとりで戦って
いたような状態だ。予選はそれほど早くなく、半分以上が2ケタグリッド。
しかも16番手以下の下位に沈むこともしばしばだったが、19番手または22番手
スタートでの4位入賞も記録しており、抜群の戦略性も発揮している。
18戦中13完走、入賞12回、入賞率.923は驚異的だ。
F1で『跳ね馬』の騎手として王者に輝いたプライドもある。来季は黙っていない。


◆年間ランキング6位

f:id:pontsuka0729:20200919113853p:plain

6位:ルドルフ・マイネ(レッドブル
獲得ポイント:115ポイント
出身地:ドイツ
年齢:32歳
1st優勝回数:1回
1stPP回数:3回
1st出走回数:18回
<戦評>
数ある驚きの中でもこの人の活躍が、一番のサプライズかもしれない。
マイネは28歳まで下位カテゴリを戦い、F1ではメルセ○スに一方的に契約を
破棄され新興チームで燻っていた苦労人だ。それがレッドブルのシートにおさまり
PP3回、優勝1回をマークしたのだ。寡黙な本人は多くを語らず、しかし
F-NeXXでの成功は望外の喜びであったことは間違いないはずだ。
優勝含め表彰台には5回登壇し、予選での一発の速さも見せつけた。
レッドブルのチームタイトル獲得の片翼をになったことは言うまでもない。
しかし、一方でムラの多さも見受けられた。全てがアクシデントではないものの、
実に8回ものリタイヤを記録し、マシンが決まらない予選では20番手以下の
グリッドに沈むこともあった。厳しい言い方をすれば、レッドブルがチームタイトルを
盤石なものにするためには、マイネにさらなるポイント獲得が期待される。
来季はさらなる安定感が求められる。そしてチームメイトにも挑んでいきたい。


◆年間ランキング7位

f:id:pontsuka0729:20200919113911p:plain

7位:アレンザンダー・ロッソ(チェルシー
獲得ポイント:106ポイント
出身地:アメリ
年齢:26歳
1st優勝回数:1回
1st予選PP:1回
1st出走回数:18回
<戦評>
初年度はややフラストレーションのたまる結果に終わったのではなかろうか。
第100回インディ500の覇者も、序盤はアクシデントやマシンの信頼性の低さに
泣かされた。予選では一発の速さも見せ、第3戦では早くもPPを獲得して見せたが
初優勝までには10戦かかった。序盤の9戦で5度のリタイヤを喫し、
タイトル戦線では完全に水をあけられた。後半に見せた速さがロッソの真の実力だ。
優勝した第10戦スウェーデン以降は、全予選でシングルグリッドを獲得。
9戦中6度の完走、完走した6戦すべてで入賞を果たす。インディで見せた速さは
ホンモノだ。来季はそのインディ時代の所属チーム、アントネッティの参戦に合わせ
チームを移籍。戦いなれた環境で来季は本格的に王座を狙う。


◆年間ランキング8位

f:id:pontsuka0729:20200919113930p:plain

8位:日向 俊郎(トライアンフ
獲得ポイント:103ポイント
出身地:日本
年齢:25歳
1st優勝回数:2回
1st予選最高位:2位
1st出走回数:18回
<戦評>
インディカーで活躍する佐藤琢磨に次いで現れた、「世界選手権で勝てる日本人」。
日向の速さはホンモノだった。開幕戦で幸先よく5位入賞をはたしたかと思えば
第3戦アブダビでは早くも初優勝を飾った。我々日本人も日向に大きな期待をかけた。
第11戦チェコでも優勝し、シリーズ2勝をあげた実力は大いに評価できる。
しかし、1勝目と2勝目の間の7戦は5位入賞が1度あるだけで、4度のリタイヤを
喫した。第13戦以降は5連続入賞を果たしたものの、レースに安定感はなく
なにより予選で下位に沈むことが目立ったシーズンだった。
来季、日向には「速さ」とともに「強さ」も求められる。我々日本人としては
甚だ贅沢な話ではあるが、日向は勝てる。そして勝ちを積み重ねれば王座にも
手が届く。そのためには「強く」ならなければならない。
日向は我々日本のレースファンの悲願を背負っている。


◆年間ランキング9位

f:id:pontsuka0729:20200919113946p:plain

9位:カーティス・マルケーナス(マーキュリー)
獲得ポイント:97ポイント
出身地:オーストラリア
年齢:25歳
1st優勝回数:1回
1st予選最高位:2位
1st出走回数:18回
<戦評>
カーティスは(ここでは親しみを込めてあえて「カーティス」と呼ばせてもらう)
欧州や北米に転戦せずに、ずっと母国オーストラリア国内で
ハコ車レースを戦っていた変わり種。初めてフォーミュラカーをドライブする彼には
半信半疑の視線が注がれた開幕戦だが、そんな彼がフロントローを獲得したのが
F-NeXXが我々に提供した最初のサプライズだった。事実上フォーミュラ初体験の
シーズンだったため戦績にムラはあったものの、第8戦フランスでは初優勝も飾った。
しかし、チームは惜しくも最終戦でポイントを逆転され、タイトルを逃した。
終戦のカーティスは予選21番手、決勝はリタイヤにおわったのだ。
ポイントは惜しくも100に届かず、リタイヤも7度を記録。また、完走したものの
ポイント圏外で終えることも2度あった。来季彼に求められるのは安定感。
1年間きっちりとフォーミュラを経験した。来季はさらなる飛躍の年だ。


◆年間ランキング10位

f:id:pontsuka0729:20200919114004p:plain

10位:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(SLO)
獲得ポイント:89ポイント
出身地:ポルトガル
年齢:34歳
1st決勝最高位:3位
1st予選最高位:2位
1st出走回数:17回
<戦評>
トップ10のランカー中唯一未勝利なのが彼。DTMフォーミュラe、はては
F1チームのテストドライバーを務めた彼を以てしても、F-NeXXで優勝する
のは難しかったか。各チームの戦闘力が拮抗する中、抜きんでるのは実力者を以て
しても厳しいということ。それでも序盤からコンスタントに入賞をかさね、
2度の3位表彰台含む9度のポイントゲット。予選でも9度のシングルグリッドを
獲得しており、実力は存分に発揮している。また、No.2の若手サントス・フィリオ
をよくサポートし、後半に2度表彰台に上がったフィリオはラ・ポルタにつぐ
ランキング11位、81ポイントを獲得。チームランキング4位に大いに貢献した。
来季は自身、チームともに初優勝を目指す。

 


☆来季のさらなる活躍に期待!!

f:id:pontsuka0729:20200919114018p:plain

13位:ゾルタン・ゲラ(ロムニ・ダキア
獲得ポイント:73ポイント
出身地:ハンガリー
年齢:29歳
1st優勝回数:1回
1st予選最高位:4位
1st出走回数:18回
<戦評>
開幕前から下馬評の低かったチームにあって、貴重な1勝をもたらした実力者。
寡黙な彼は不言実行、まさに「男は黙って~」を地で行く職人タイプのドライバーだ。
予算の関係で開発の進まなかった序盤戦は苦労するも、3度目の合同テストを終えた
第12戦ルーマニア以降目に見えて速さが増し、第16戦日本で初優勝。
相方のファーシマスが暴れまくって計3戦の出場停止をくらったチームにあって
黙々と仕事をこなし、優勝の他に2度の2位表彰台など73ポイントをもたらした。
来季はチームに残留するも、戦績次第では翌々シーズンの移籍も有り得る?


★今年期待を裏切った!!

f:id:pontsuka0729:20200919114033p:plain

14位:アレン・バーンズ(ウェバー・ブラバム
獲得ポイント:73ポイント
出身地:オーストラリア
年齢:32歳
1st決勝最高位:2位
1st予選最高位:5位
1st出走回数:18回
<戦評>
『F1四天王』で唯一未勝利に終わったバーンズは、今シーズン期待を裏切った
ドライバーNo.1だ。開幕から2戦は予選で19、24番手と低迷。それ以降も
中団より前に大きく進出することはなく、2度の表彰台を獲得した決勝レースも
それ以外で目立った成績は残せなかった。奇しくも来季期待のドライバーとして
紹介したゲラと同ポイントだが、期待値が高かった分裏切られた感が大きい。
シーズン序盤はモチベーションの低下を疑われたほどだ。レラ+スプレンダーの
パッケージはこのチームだけだが、パッケージに問題があったようにも思えない。
しかし実際の戦績は、バーンズの実績を考えると「体たらく」と言わざるを得ない。
来季はNo.2にジェストン・バロンという、イキの良い若者を起用することが
すでに決まっている。成績如何によっては・・・

 

以上、まず1stシーズンのドライバー総括を終わります。
次回は全12チームの総括します。お楽しみに!!

 

 

Formula NeXXtream 1stシーズン・18

『Formula NeXXtream』

□第18戦 アメリカ ロングビーチ市街地

f:id:pontsuka0729:20200918113853p:plain

 1周:3.17km
 特性:「低速」「市街地」
 ターン数:24(96周)
 
3月のオーストラリアで開幕した選手権も、ついに11月のアメリカで終幕。
ドライバーズ、チーム両タイトルともここ最終戦ロングビーチで決着する流れとなる。
ドライバーズはバトラー188、ラムダ168と20点差。
ラムダがタイトルを決めるにはバトラーが8位以下でなければならず、
しかもそれにはラムダの優勝は絶対条件だった。
(※ラムダが予選PP獲得の場合は別条件)
チームタイトルはマーキュリーがレッドブルを17ポイントリード。
こちらは十分逆転可能なポイント差だ。いずれにしてもF-NeXX1stシーズンの
タイトル争いはドライバー、チームともに最終戦まで決着がつかず、
沸点を維持した状態で最終決戦を迎える、大盛況の展開となった。

タイトル決定の舞台となるのがアメリカ、西海岸カリフォルニアのロングビーチだ。
古くからレース使用されているこのコースは、前戦カナダのエキシビジョンプレイスと
同様、ロングビーチコンベンションセンターやショッピングモールの敷地を利用し、
付近の公道もコースの一部として使用するストリートコースだ。
1976~83年まではF1が開催され、84年以降は現在までインディカー
開催されている。F-NeXXで使用するのはインディカー使用時と同様の
レイアウト。F1開催時のものより短縮された3kmちょっとのコースだ。
コーナー数も11と少なく、大きく右にカーブしたしたホームストレートと
バックストレートエンドがオーバーテイクポイントだ。
また噴水の周りを大きく回り込むクランク型シケインのターン2、ターン3や
大きな幹線道路の中央分離帯の切れ目を利用したタイトなヘアピンなど
難所も多く存在する。
かつて「西海岸のモナコ」といわれたロングビーチ
タイトル決定の舞台にうってつけだ。泣いても笑ってもこの1戦が最後。
ここロングビーチで、F-NeXX初代王者が決定する!!

 <予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918112550p:plain

f:id:pontsuka0729:20200918112601p:plain

PP:ケリー・ラスムッセン(ノルディック)

予選は、タイトル争い決着の舞台にふさわしい結果になった。
ポールポジションは最後の最後でタイトル争いから脱落したラスムッセン
そして2番手にバトラー、3番手にラムダと、今季の主役が一堂に会したのだ。
4番手には開幕戦の覇者、驚異的な入賞率を誇るセプターが続き、
地元のカジワラが5番手と久々に躍進。その直後7番手にはマイネが付ける。
かたやマルケーナスは21番手と後方に沈み、チームタイトル戦線に影を落とす。
そして最終戦の決勝レースは、衝撃のアクシデントで幕を開ける。

<決勝レース>
PPのラスムッセンはスタートをうまく決めたものの、
その後ろでアクシデント発生。3番手ラムダの追抜きを防ごうとしたバトラーが
なんとターン1で単独スピン。タイヤバリアに激突しレースを終えてしまったのだ。
さらに後方ではリンドホルム、バーンズ、ロッソの多重接触も発生。
レースは序盤からセーフティカーが出動する展開となる。
圧倒的に有利な状態で最終戦に臨んだバトラーがまさかのリタイヤ。
この時点でラムダは3番手、最後の最後逆転王座に向けて、
状況は一転しラムダに味方する。しかしバトラーとラムダのポイント差は20。
2位では18ポイントと届かない。ラムダが王座獲得の絶対条件は優勝である
ことに変わりわない。ここからどう攻めるか。

セーフティカー明けのリスタートでは大きな混乱はなく
先頭ラスムッセン、2番手セプター、3番手ラムダ、以下マイネ、ファング、
カジワラと続く。しかし5tn目に1台脱落、
日本GPの勝者ゲラが電気系トラブルでリタイヤした。
ラムダはリスタートで3番手につけるもその後はややペースが上がらず
5番手で静観する。レースはラスムッセンが引っ張る展開
そして序盤からペースのいいファングが2番手に浮上する。

<5ターン終了時点のトップ10>
 1.ケリー・ラスムッセン
 2.デイヴィス・ファング
 3.ジョリー・セプター
 4.ルドルフ・マイネ
 5.ニコ・ラムダ
 6.ジョー・S・カジワラ
 7.アンドレアス・サントス・フィリオ
 8.ダニエル・グリエコ
 9.アレオ・ファーシマス
10.トゥーリ・ヴィックス

ハードタイヤスタートのラムダは、ソフトスタートのマイネを先に行かせて
5番手でレースを進める。10tn終了時点でトップは相変わらずラスムッセン
タイトル争いのプレッシャーから解き放たれたかのようにびのびと先頭を快走する。
そして2番手には今季2勝でランキング5位のファング。
マイネが先にピットインしたためラムダは再びポジションを3番手まで回復していた。

その後11tn目にファングがタイヤ交換でピットイン。
ラムダはここで2番手に浮上する。新品ハードでスタートしたラムダは、
13tn目のタイヤ交換を予定しており、その後はソフト→ユーズドソフトと
つなぐ作戦だった。そしてラムダは予定通り、13tn目にピットイン。
タイヤ交換を済ませ3番手でコース復帰する。序盤ハードでペースの上がらなかった
ラムダだが、残り2セットはソフト。
ラムダはグリップ性能の高いミシュランのソフト使いに定評があり、
また本人も自身があった。ここからラムダは逆転王座へ向けて
一気にスパートをかけるつもりであった。

しかし、14tn目に目を疑うようなアクシデントが発生。
なんとバトラーがマシンを止めたのと同じターン1で、
ラムダがエスケープにコースアウトしていた。ラムダは熱が入り切らない状態の
タイヤで、オーバースピードでターン1を直進。
ベテランらしからぬまさかのミスによりラムダはなんと順位を13番手まで
落としてしまう。ラムダの逆転王座の夢は、このアクシデントで大きく遠ざかる。

<15ターン終了時のトップ10>
 1.ケリー・ラスムッセン
 2.デイヴィス・ファング
 3.ルドルフ・マイネ
 4.ジョリー・セプター
 5.ジョー・S・カジワラ
 6.トゥーリ・ヴィックス
 7.宋 昇龍
 8.ダニエル・グリエコ
 9.アンドレアス・サントス・フィリオ
10.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ

レースは15tnを過ぎ、後半に入ってもラスムッセンがトップをキープ。
ファングが猛追するもそれを寄せ付けない。3番手にセプター、その後ろマイネ、
カジワラと続く。前方には実力者が連なり、ラムダにとってはこの上なく
厄介な状況だ。この日のラスムッセンは速く、ファングをもってしても
とらえきれない。トップと2番手は後続を引き離し、
さらに互いの差も縮まらない状態だ。
ラムダも意地を見せ20tn終了時点で7番手まで浮上するが、
もう1度タイヤ交換が必要のため21tn目にピットイン。
11番手から最後の4tnにかける。

最後のタイヤ交換で11番手まで落ちたラムダだが
残り4ターンで猛烈な追い上げをかけ、最終的に5番手まで順位を挽回。
しかし時すでに遅し、レースはラスムッセンが独走でポールトゥウィンを達成。
この時点で、このレース1周もできずリタイヤしたバトラーの年間王者が決定した。
2位には2勝をあげシーズンを沸かせたファング、ランキング4位で
シーズンを終えた。3位にはマイネが入り、15ポイントを持ち帰る。
これによりチームタイトルはレッドブルで決定を見た。
さらに4位にはセプター、5位ラムダと、タイトル戦線をにぎわせたタレント勢が
終戦を締めた。6位には地元アメリカのカジワラが入り、
7位ヴィックス、9位宋昇龍とルーキー二人がともにデビュー3戦目にして初入賞。
将来性を示して見せた。

最後の最後までもつれたタイトル争いはドライバータイトルをバトラー
チームタイトルはレッドブルが獲得、初代王者となった。
レースの序盤でポイントリーダーのバトラーがリタイヤする大波乱の展開も、
追いかけるラムダもスピンアウトで後退。結果5位まで挽回したものの
あと一歩届かなかった。そして、レースを完璧なポール・トゥ・ウィンで制した
ラスムッセンとラムダが、最終的に178と同ポイントで並ぶ。
優勝2回のラスムッセンに対し、4勝をあげたラムダが既定により2位となったが
大混戦のシーズンを象徴するような結果だった。

チームタイトルは中盤戦までノルディックがトップをゆくも、
後半に入りバトラー、ラムダといった決定力のあるエースを擁したチームが抜け出し、
最終的に大逆転でレッドブルが初代王者となった。
予選でPP、決勝で1-2フィニッシュできれば1レースで最大46ポイントが
加算される選手権で、レッドブルとマーキュリーの最終的なポイント差は8。
こちらも最終戦まで白熱したタイトル争いだった。

最終リザルト↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113334p:plain

f:id:pontsuka0729:20200918113353p:plain

f:id:pontsuka0729:20200918113401p:plain

優勝:ケリー・ラスムッセン(ノルディック)

ラップチャート画像

f:id:pontsuka0729:20200918113438p:plain

f:id:pontsuka0729:20200918113448p:plain

ドライバーズランキング↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113512p:plain

チーム・マニュファクチャーランキング↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113535p:plain


年間王者(ドライバー)↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113556p:plain

1stシーズン王者:アレックス・バトラー(マーキュリー)

年間王者(チーム)↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113635p:plain

1stシーズン王者:レッドブル・エクストリーム・レーシング

年間王者(マニュファクチャラー)↓↓↓

f:id:pontsuka0729:20200918113714p:plain

1stシーズン王者:スプレンダー

 

3月に開幕し11月の閉幕まで、白熱のまま終えた全18戦の選手権。
ガソリンエンジンに代わるあらたな動力機構で、世界選手権を戦った1シーズン。
ひとまず新カテゴリのスタートしては大成功といっていい。
マシン、エンジンともにトップカテゴリとしては十分な戦闘力を発揮し、
世界各地での開催も滞りなくしっかりと進行した。王座争いも白熱し、
開幕前はF1から転戦してきた実力派のベテラン勢が有力とみられていた選手権には
若手やF1では不遇をかこっていた者たちが食い込んできた。
最終的にはアレックス・バトラーという新鋭が王者となったのだ。
チームタイトルはレッドブルが持って行ったものの、マーキュリーやノルディック
といったモータースポーツ界の新鋭が最後まで王座を争った。
来季はカレンダーにやや変更が加わり、さらにルール・レギュレーションも修正され、
よりエキサイティングなチャンピオンシップとなることだろう。
2ndシーズンの開幕まで、しばしの休養だ。

2ndシーズンもお楽しみに!!