☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

NeXXtream Press 開幕直前号(3)

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開幕直前号(3)

■エントリーリスト

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■参戦チーム紹介(3)

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チーム監督:ミコ・ハンクネン
マネージャー:チチ・ソルベルグ
TD:オラ・トイヴォネン

シャシー:シグマテック S-TEC01X/C
エンジン:スプレンダー GL103hy V10
タイヤ:ヴァシュロン

ミコ・ハンクネンとチチ・ソルベルグというフィンランド出身のF1王者二人が
率いるチーム。昨季は初年度同様ドライバーズタイトル、チームタイトル争い共に3位で終え、トップ3としての地位を維持した。
しかし、ドライバーランキング3位のケリー・ラスムッセンは結局未勝利に終わり
No.2のミック・ハイデンフェルドが1勝をあげたもののチーム、ドライバー共にトップ2に水をあけられての3位に甘んじた。
捲土重来を誓う今季だがチーム体制、ドライバーラインナップ、そしてマシンパッケージ全て変わらず。2nd新規参戦チームやクラークソン等が台頭してくることが予想され、下手をすればトップ3陥落ということも十分にあり得る今季だ。
特にエースのラスムッセンは昨季未勝利に終わったことに対して、チームのサポート体制に不満を抱いており、実際チームのミスで優勝を逃したレースもあった。
一方チーム側はラスムッセンの昨季通してのパフォーマンスに満足しておらず、
チームとエースドライバーの信頼関係は微妙なものとなっている。
チームは4thシーズンから新規参戦するエンジンサプライヤーロンバルディアと供給契約を結んだことを先ごろ発表しており、トップ3としての戦力を担保して戦えるのは今季までかもしれない。
初年度にタイトル争いを経験したラスムッセンは、今季タイトル争いに絡めなければ移籍も辞さないだろう。またハイデンフェルドも昨季1勝をあげたものの、
表彰台はその1度のみ、獲得ポイントはラスムッセンの半分以下にとどまっている。今季はチームとしての正念場を迎える。

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14:ケリー・ラスムッセン
初年度はランキング2位のニコ・ラムダと同ポイントで3位と、最後までタイトルを争ったが昨季は未勝利とフラストレーションの溜まるシーズンを送ったラスムッセン。チームのミスなどに足を引っ張られたのも事実だが、自身のパフォーマンスにも満足はしていない。今季はもう一度タイトル戦線に食い込みたい。

91:ミック・ハイデンフェルド
昨季エースが未勝利に終わる中、ノルディックに虎の子の1勝をもたらしたハイデンフェルド。しかし彼の昨季のハイライトはその1勝のみで、ノックアウト方式の予選に苦戦し決勝でも中位以下に甘んじることが多かった。今季はエース、ラスムッセンを食う速さを見せたいところ。

 

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チーム監督:ハウルモーゼル
マネージャー:マット・ティモンズ
TD:エンリケ・スカボローニエ

シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:DMW P82H30/3 V10
タイヤ:ヨコスカ

SLOは今季から使用するタイヤをヨコスカタイヤへと変更した。
3名の共同オーナーのうちの一人、リカルド・オリベイラ氏がヨコスカの主要株主となりブラジルに現地法人を設立したことに端を発するものだが、所属ドライバーが
2人ともタイヤ使いに定評のあることからこのタイヤチェンジはSLOにとっては
戦略の幅を広げる選択になると見られている。
新規参戦チームが大活躍した昨季は、SLOのような中堅チームにとって苦しい展開と
なったが、そんな中でもアイウトン・フィリップス・ラ・ポルタとアンドレアス・
サントス・フィリオの二人は計4回表彰台に上がった。ラ・ポルタは第13戦
アゼルバイジャンでSLOに念願の初優勝をもたらし、フィリオも初の小樽市街地での
開催となった日本GPで2位表彰台をゲットした。
しかし、優勝を記録したラ・ポルタは初年度とほぼ変わらない80ポイントを記録した
ものの、サントス・フィリオは41ポイントで初年度の半分と苦戦。
ノックアウト方式の予選では二人とも度々20番手以下に沈むなど全体的に苦戦した。
今季36歳を迎えるベテランのラ・ポルタには引退の噂もあったが、オフにチームと
単年契約を結び今季もSLOから参戦することが決定。
ラ・ポルタとサントス・フィリオの師弟タッグは3シーズン目を迎える。
初年度に4位をマークしたチームランキングは昨季、8位へと後退した。
今季は8位からの浮上を目指したい。

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50:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
今季36歳を迎えるポルトガル人のラ・ポルタ、昨季限りで引退の噂もあった彼だがひとまず今季もSLOから参戦することが決定した。昨季は入賞5回と大苦戦するも、シングルグリッドスタートのレースは確実に入賞に繋げて初優勝もあげた。今季は入賞回数を伸ばし100ポイントの大台越えを目指す。

3:アンドレアス・サントス・フィリオ
初年度81ポイントをあげランキング11位を記録したサントス・フィリオも、昨季は41ポイントと大苦戦。新規参戦チームの台頭に割を食い入賞も5度に止まった。しかしそんな中でも2位表彰台を1度記録、展開さえハマれば優勝できる力を持っていることを証明した。ラ・ポルタに次いでの初優勝が今季の最大目標。

 

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チーム監督:ドジャー 蓮川
マネージャー:ボブ・ローマス
TD:フランツ・ガーニー

シャシー:シグマテック S-TEK01X/C
エンジン:シェブロン B3/H8 V8
タイヤ:ヴァシュロン


NeXXは度々我々ファンや関係者にサプライズを提供してくれるが、昨季の
サプライズは開幕戦にこのチームからもたらされた。昨季から新規参戦をはたしたこの
アントネッティのアレンザンダー・ロッソが、ポールトゥウィンを達成したのだ。
アントネッティは世界的なレーシングコンストラクターとして有名だが、とはいえ
参戦初戦でのポールトゥウィンは大きなサプライズだった。
ロッソとデイヴィス・リンドホルムのラインナップは、2人で1勝ずつ計2勝をあげ
表彰台も7度登壇。リンドホルムが前半絶不調をかこっていたが、彼がコンスタントに
入賞を重ねていればチームランキングはノルディックを逆転し3位に食い込んだはずだ。2シーズン目となる今季はエースのロッソに加え、昨季"驚異の新人"と騒がれた
ファン・カレッジを獲得。戦力はより一層アップしている。
ロッソ、カレッジともややムラのあるタイプだが、うまく機能すればタイトル戦線に
絡んでくることは間違いない。またムラのあるタイプとは言っても二人は昨季
NeXXにおいても数少ない予選落ち未経験ドライバー。
優勝含め6度表彰台に上がったロッソと、昨季ガジャックチームでパワー不足のマシンに苦戦しながらも2位表彰台、予選PPまで獲得したカレッジのラインナップは
大いに活躍が期待できる布陣だ。
今季はピットブル、マーキュリーの2強に加えトライアンフ、クラークソンなどが
戦力を大幅に強化してきているが、このアントネッティも充分タイトル戦線に
食い込める力を持っている。

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77:アレンザンダー・ロッソ
初年度はアルバノビッチから参戦したロッソ、前半は信頼性不足で苦戦したものの後半に入り第10戦スウェーデンで初優勝。昨季は開幕戦でポールトゥウィンをやってのけ、大いに活躍した。予選でもシングルグリッドを9回記録、安定感が増してくればタイトル戦線へ名乗りを上げてくる存在だ。

16:ファン・カレッジ
昨季は非力なガジャックのマシンで5度の入賞を記録。2位表彰台、予選PPをそれぞれ1度記録した"驚異の新人"だ。デビュー2戦目のインドネシアでいきなり初入賞。それも雨の予選でセカンドロー4番手を獲得しての入賞で、将来性の高さを示した。今季は初優勝もあるぞ。

 

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チーム監督:ファン・ドット
マネージャー:ボス・グラウン
TD:ロビー・ハーン

シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:シェブロン B3/H8 V8
タイヤ:ヴァシュロン


昨季新規参戦を果たした3チームのうちの一つマルドゥークは、
アントネッティと並んでNeXXに大きなサプライズをもたらした。
ドバイ王族であるマルドゥーク家が率いる同チーム。以前にA1GPを主催していた
ことはあるものの、レーシングチームを率いるのは初めて。しかし昨季は
所属ドライバーのビル・リヴィエールとジャッキー・グーデリアンがそれぞれ1勝をあげ既存チームを押しのけてアントネッティに続くランキング5位を記録した。
今季はグーデリアンに替わり新生シュトロゼックからゾルタン・ゲラを引き抜き。
さらにアルバノビッチからテクニカルディレクターのロビー・ハーンまで引き抜き
万全の体制を築いた。チーム監督にファン・ドット、マネージャーにボス・グラウン、
そしてTDにロビー・ハーンという体制は、F1でフェラ〇リを常勝軍団に仕立て上げた首脳陣。そこに昨季1勝含む3度の表彰台を記録したリヴィエールと、
弱小ロムニ・ダキアにあって1勝をあげ2シーズンで132ポイントをあげたゲラが
加入しコンビを組む。
クラークソンやトライアンフが体制を強化してシーズンに臨む今季、混戦模様が
予想されるチームタイトル争いだがこのマルドゥークはかなりの戦力でこれに臨むこと
となる。参戦2戦目でのタイトル奪取も充分考えられる状態だ。
潤沢な資金力に物を言わせ、一気にタイトルを狙える体制を整えてきたマルドゥーク。
アントネッティと共に来季のタイトル戦線を賑わすことは間違いない。

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27:ビル・リヴィエール
昨季F1から転入してきたカナダ人のリヴィエール、序盤はNeXXへのアジャストに苦労したようだが4戦目にして初入賞で3位表彰台を記録。第6戦イギリスからは6戦連続入賞を記録し、その間第10戦スウェーデンで初優勝を記録した。"華麗なるファイター"の異名は、今季もNeXXに轟く。

4:ゾルタン・ゲラ
ロムニ・ダキアで2シーズン苦しいシーズンを戦ったが、そんな状況においても初年度に1勝をあげ2シーズンで132ポイントを獲得。その実力はファン・ドット監督がオーナーのダムハン皇太子に獲得を直訴したほど。戦えるマシンを手にしたハンガリーの異能に今季は大きな注目が集まる。

 

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チーム監督:ジェロームルルーシュ
マネージャー:リッシェル・メス
TD:ジェロームブルゴーニュ

シャシー:シグマテック S-TEK01X/C
エンジン:ピジョン A6/H V8
タイヤ:ヴァシュロン


初年度にプルトンからNeXXに参戦していたフランス人ドライバー、
イワン・ガジャックがみずからチームを立ち上げ滑り込みでエントリーを果たした
ガジャック。旧F1ルルーシュ・チームの首脳陣をそのままチーム首脳として迎え、
急ごしらえで参戦を果たしたが、新参3チームにあって唯一苦戦を強いられた。
"オールフレンチ"を標榜し首脳陣、ドライバー、そしてシャシー、エンジン、はては
タイヤまで全てをトリコロールに染め抜いて参戦したが、開発競争で後れを取っている
ピジョンエンジンに足を引っ張られ大苦戦を余儀なくされた。
信頼性も上がらずシーズン通してセドリック・タンデイ、ファン・カレッジの
2人のドライバーで計15回のリタイヤを記録。
それでもF1で"跳ね馬"のタイトル獲得に貢献したタンデイと、"驚異の新人"カレッジはそれぞれ1度表彰台に上がり、ウェットコンディションとなった日本GPの予選では
カレッジがPPを獲得するなど随所で光る活躍を見せた。
カレッジをアントネッティに奪われた今季だが、堅実なドライビングが信条のタンデイは今季も残留。そしてF1から期待の若手ベルギー人ティモシー・ルーツェンを獲得。
昨季は開幕まで時間がなくドタバタでの参戦となったが、充分に準備に時間が取れた
今季は昨季以上の活躍が期待される。
懸案事項は、開発競争で後れを取るピジョンエンジンか。

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25:セドリック・タンデイ
F1でフェラー〇のコンストラクターズタイトル獲得に貢献したタンデイ、今季32歳を迎える彼はベテランの域に入る。カレッジをパートナーとして戦った昨季同様、今季もチームリーダーとしての働きを期待されるタンデイ。今季もルーキーにその背中を見せながら、昨季を上回るポイント獲得を目指す。

19:ティモシー・ルーツェン
ベルギー出身のルーツェンはF1で既に2年半戦ってきた。〇ロウズという弱小チームにあって昨季は4度の入賞を記録、うち1度は2位表彰台という期待の若手だ。ピジョンエンジンで苦戦するチームは、今季も苦しい戦いが続くことが予想される。物静かな青年の内に秘めたる速さに期待大だ。

 

さて、いよいよ参戦15チーム全ての陣容が整って、開幕まで待ったなし状態となった
NeXX。開幕戦まではあと少し!!

 

 

 

NeXXtream Press 開幕直前号(2)

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開幕直前号(2)

■エントリーリスト

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■参戦チーム紹介(2)

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チーム監督:ティム・ウォーキング
マネージャー:シリル・テルアビブ
TD:セルジオ・リーンランド

シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:SUGO-カムイ SG-XX803 V8
タイヤ:ヨコスカ

初年度は12チーム中11位、そして昨季は15チーム中最下位に終わったプルトン。
マシンの心臓部である水素エンジン開発競争で後れをるピジョンエンジンが足かせと
なり思うように成績を伸ばせずにいる。しかしそのプルトンは今季密かに注目を集めている。プルトンは今季からはエンジンをSUGO-カムイへとスイッチ、レラシャシーとの相性が良いエンジンの獲得は戦闘力アップに大きく貢献するはずだ。
また、今季プルトンが注目されている理由は、メロディ・パトリシア・ノーマンという
ドライバーの加入にある。彼女は、そう"彼女"はNeXX初の女性ドライバーなのだ。
今季プルトンはトゥーリ・ヴィックスとノーマンというフレッシュな体制で臨む。
マレーシアの自動車メーカーであるプルトンは、自動車事業での業務提携を想定して
ピジョンとパートナーシップを結んでいたが、その話が昨季の早い段階でご破算となり
SUGO-カムイへのエンジンスイッチを決断した。しかしそれ以外でチーム体制に大きな変更はなく、現体制は3季目に入る。
初年度はアレンザンダー・カブロンの活躍もあり表彰台にも登壇したが、昨季は新規参戦チームの加入、活躍もありプルトンの立ち位置はかなり苦しいものとなった。
今季はフレッシュなドライバーラインナップ、そしてエンジンチェンジによって躍進が期待されるが、はたしてどうか?
アジア圏のモビリティ産業、そしてモーターレーシング活性化のため、SUGO-カムイはトライアンフプルトンとのトライアングル体制を強化させたいと考えている。
我々日本のファンも、プルトンの躍進を応援したい。

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17:トゥーリ・ヴィックス
実質のルーキーイヤーとしてNeXXでフルシーズンを戦った昨季。ヴィックスはまずまずのインパクトを残した。苦しい状況にあって4度の入賞を記録し、第13戦アゼルバイジャンでは表彰台まであと一歩と肉薄した。マシンの戦闘力が上がると見られる今季は、初めての表彰台が目標か。

55:メロディ・パトリシア・ノーマン
昨季インディ・ライツで3勝をあげた才女は、トップフォーミュラへの到達点としてインディカーではなくNeXXを選んだ。10歳からカートを始め各カテゴリで結果を出してきた彼女が、はたしてどんな走りを見せるのか。『ダニカ・パトリックの再来』と言われるノーマンの活躍に注目だ。

 

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チーム監督:パウロリベロ・ラルディニ
マネージャー:佐々木 正史
TD:アドリアーノ・デ・コンスタンツ

シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:SUGO-カムイ SG-XX803 V8
タイヤ:ヴァシュロン

F1参戦時からかわらず親しみを込めて"プロビンチャーレ"と呼ばれるリナルディ。
しかし昨季はなんと、F1でもついぞ手が届かなかった表彰台の真ん中に立つことが
叶った。母国イタリアGP、ムジェロでミケーネ・ポルボローネが初優勝をあげたのだ。イタリア人のポルボローネにしてみれば、ムジェロは勝手知ったる自分の庭。
見事なポールトゥウィンだった。
しかしそれ以外の成績については、"プロビンチャーレ"そのものだった。
ポルボローネと、そしてスティラノ・シエナの二人は要所で速さを見せたものの
それぞれ入賞は3回にとどまり、ランキングも12位と"らしい"結果に終わった。
ポルボローネは優勝以外に6位と9位が1度ずつ、対するシエナは6位、7位、8位。
唯一勝利を挙げたのはポルボローネだったが、しかし予選結果ではシエナが圧倒。
第11戦チェコで獲得したPPを含めシングルグリッドを6度記録した。
完走率では決勝でのポルボローネが上、しかしシエナはリタイヤこそ多かったものの
予選落ち2回と、決勝出走率ではポルボローネを上回る。
チームの運営体制故安定した上位進出は望めないものの、バランスのいいラインナップは随所で見せ場を作った。
リナルディは来季ガヤルドとエンジン供給契約を締結した旨を発表、SUGO-カムイ
とのパッケージは今季が最後となる。しかし今季大幅な性能向上が噂されるSUGO-
カムイ、ラインナップの変わらないリナルディだが昨季の二人の走りを見る限り
今季はさらなる活躍が期待できそうだ。
偉大なる"プロビンチャーレ"リナルディには、今季も選手権をかき回してほしい。
プロビンチャーレ=規模の小さい地方都市のスポーツクラブを差すイタリア語。

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26:ミケーネ・ポルボローネ
かつてF1で"跳ね馬"を駆りチャンピオン争いを演じたこともあるポルボローネは、ポールトゥウィンでチームに勝利の栄光をもたらした。しかし入賞はと言えば優勝含め3度に留まり、苦戦した予選ではチームメイトの後塵を拝した。マシンの戦闘力が上がる今季はもっと上位に顔を出したい。

34:スティラノ・シエナ
チームメイトと変わらず3度の入賞を記録したが、優勝には手が届かなかったシエナ。予選ではPP含む6度のシングルグリッドを記録も、表彰台にも手は届かなかった。決勝では9度のリタイヤを喫しながら、DNQ2回と予選では安定した速さを発揮。決勝での安定感が増せば初優勝も見えてくるはずだ。

 

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チーム監督:リチャード・デヴィッズ
マネージャー:スティラノ・ドミニコル
TD:エイドリアン・オールドロード

シャシー:シグマテック S-TEK01X/C
エンジン:アシュトン・バーキン ABR-DB123H V12
タイヤ:ヨコスカ

今季のクラークソンは本気だ。マネージャーの交代に始まりチームスタッフ
50人規模での入れ替えを実施。さらのこのオフにNeXX最強エンジンと名高い
スプレンダーとの契約にこぎつけ、極めつけは『F1四天王』ジョリー・セプターの
獲得である。チーム監督のリチャード・デヴィッズと新マネージャーの
スティラノ・ドミニコルがチームの実権を握り、チーム改革の大ナタを振るったのだ。
初年度すでに『F1四天王』の一人デイヴィス・ファングを擁していたチームはこれで
四天王の二人をコンビとして抱えることとなった。
エースのファングは2シーズンをこのチームで戦ったが、初年度4位、昨季は6位と
年間ランキングでは今一歩タイトル戦線に絡めず。初年度は2勝をあげたファングも昨季は未勝利に終わり、シーズン終盤にはオーナーのジェレミー・クラークソンと
ひと騒動起こしている。フラストレーションの溜まるシーズンを送っていたファングに
しても、このチーム体制強化は大きな転機のはずだ。
シグマテックとスプレンダーのパッケージは、現在おそらくNeXX最強と言って
差支えはない。そこに『F1四天王』のうち2名が加入し、さらにF1で"跳ね馬"を
率いたドミニコルも加わったクラークソンは、体制発表会でセプターが公言したとおり
まさに"最強"の布陣を揃えたと言って過言ではない。
チーム力ではチームタイトル連覇のピットブルと比較しても遜色ない。
あとはデヴィッズ監督はじめとする首脳陣が、それをどうまとめ率いるかが問題だ。
うまく機能すればピットブルからのタイトル奪取、そしてファング、セプターの
いずれかのドライバーズチャンピオン獲得も夢ではない。

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11:デイヴィス・ファング
2シーズンをこのチームと共にした『F1四天王』のひとりファング。2年連続で直接タイトル争いに絡めなかった彼だが、今季は有力なタイトル獲得候補となる。現在望みうる最強のパッケージを手に入れた今季は、大きなチャンスだ。と同時にチーム内にも強敵を抱えることになる。ファングにとっては正念場だ。

9:ジョリー・セプター
チャイナドラゴンチームで2シーズン3勝をあげながらも、移籍を余儀なくされた今季。しかし彼にとってこの移籍は大きくプラスに働きそうだ。最強パッケージのマシンを手に入れた『F1四天王』の一角は、本格的にタイトル獲得へ動くだろう。最大のライバルはチームメイトか。

 

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チーム監督:アンドリウス・ザイグル
マネージャー:ココ・フォルツ
TD:デイヴィス・カー

シャシー:シグマテック S-TEK01X/C
エンジン:ピジョン A6/H V8
タイヤ:ヨコスカ


『ロムニ・ダキア』のチーム名で戦った昨季までとは、大きく体制が変わる今季。
ドイツのシュトロゼックの買収を受け、今季は共同経営体制で選手権を戦うことになった。しかし、ロムニ・ダキア時代の首脳陣はそっくりチームを離れ、新首脳陣は全て
シュトロゼック側の人選で組織されている。共同経営とは名ばかりの実質上は"シュトロゼック体制"といってよく、今季のロムニ・ダキアはまったくの新チームという様相を呈している。
関係者の間ではチーム名の『シュトロゼック・ロムニダキア』の頭文字を取った
『SSRD』が、早くも通称として用いられている。
組織体制は変わったもののマシンパッケージは変わらす、シグマテック+ピジョン
戦う今季は昨季同様苦戦は免れないだろう。エンジン開発で後れを取っている
ピジョンには今季も劇的な戦闘力アップは望めない。
また今季はドライバーラインナップが一新され、初年度に戦闘力の劣るマシンで
1勝をあげたゾルタン・ゲラはマルドゥークへと移籍してしまった。
替わりにマルドゥークより加入したジャッキー・グーデリアンと、F1より転入の若手
バットアス・バーガーに期待がかかるが、2人とも高速コースが得意なドライバー。
低速寄りの性格であるエンジンで苦戦の続くチームでどう戦うか?
体制はビッグコンストラクターの"それ"となり、ビッグスポンサーも獲得した今季を、
チームは来季以降への準備期間としてとらえている。
苦戦が予想される今季、若いドライバー二人は見せ場を作れるだろうか。

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18:ジャッキー・グーデリアン
ファイタータイプのアメリカンは、マシンを振り回しながらのアグレッシブな走りが魅力。そのスタイル故タイヤ使いに苦労した昨季だったが、第15戦マカオではセーフティカー出動を利して初優勝をあげた。今季は苦戦が予想されるが、ルーキーがチームメイトとなるため、チームリーダーとしても期待される。

28:バッドアス・バーガー
NeXX1年生のバーガーだが、F1では昨季フルシーズンを経験した。なかなか走らぬア〇ウズのマシンを駆って2度の入賞を記録、能力の片鱗を見せた彼だがNeXXでもマシンの戦闘力面では苦労しそうだ。無類の高速コース好きと言われるバーガー、その才能が発揮されるのはいつか?

 

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チーム監督:ホータン・ピン
マネージャー:ウィニーエバ
TD:アレン・シェーキーズ

シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:DMW P82H30/3 V10
タイヤ:ヨコスカ

香港を代表するアクションスターのジャッキー・チュン氏(無天老師様ではない)を
共同オーナーに迎え、李舜英氏との二巨頭体制で3rdシーズンを迎える今季。
チームは名称を『チャイナドラゴン』から『ドラゴンフォース・チャイナ』へと変更し
新たなスタートを切る。
エースには若い中国人ドライバー宋昇龍(ソン・シェンロン)を据え、2ndシートには新生シュトロゼックを追われたアレオ・ファーシマスが加わった。
チームは4thシーズンへ向けて、自国のエンジンメーカーとの協力体制をとるとも
言われており、よりナショナリズムをアピールして行きたい思惑があるようだ。
これまで3勝をあげた『F1四天王』ジョリー・セプターと契約を更新しなかったのも
そこに要因があるもよう。オーナーの一人である李舜英は宋とファーシマスを高く
評価しているが、共に来季25歳という若い二人のラインナップには疑問を唱える
関係者も少なくない。
エースの宋は昨季開幕戦で表彰台に上がるも、その後は経験不足を露呈し失速。
またファーシマスは元来の荒っぽさが懸念材料だ。昨季はロムニ・ダキアとの契約に
クラッシュによる罰金規定を盛り込まれ、事故は減ったものの物足りない走りに終始した。それでもファーシマスは3シーズン目、NeXXでの経験では宋に勝る。
昨季は僅か1ポイントに終わったものの、苦戦するロムニ・ダキアにあって予選落ち
は1度のみ。決勝は17戦中15完走と高い安定感を示した。
予選では二人ともそれぞれ度々シングルグリッドを記録する速さは示しており、
今後の成長が楽しみなラインナップではある。しかし昨季までは期待できた優勝は
今季は望めないだろう。昨季のランキング維持が現実的な目標か。

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0:宋 昇龍
初年度の終盤戦にデビューし、実質昨季がフル参戦ルーキーイヤーだった宋。開幕戦でいきなり予選4番手、決勝2位表彰台に登ったが、その速さをフルシーズン通して発揮することはできず。5度の入賞に留まり予選落ちも4度喫した。セプターを放出した今季、宋にかかる期待は大きい。

33:アレオ・ファーシマス
ロムニ・ダキアで"暴れん坊"として鳴らしたルクセンブルク人も、昨季は意気消沈のシーズンを送った。移籍により罰則規定から解放される今季は、初年度に見せた一発の速さが甦るか? 初年度より2シーズンNeXXを戦っているファーシマスには、今季チームリーダーの立場も期待される。


次回は残りの5チーム・・・

・ノルディック・モータースポーツ
・サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
アントネッティオートスポーツ
・マルドゥーク・レーシング・ドバイ
・ガジャック・ルルーシュ・スポール

以上をご紹介します。

 

 

 

 

 

NeXXtream Press 開幕直前号(1)

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開幕直前号

■エントリーリスト

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■参戦チーム紹介(1)

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チーム監督:ウォルフ・ファイアジンガー
マネージャー:ヘルムート・マルコリーニ
TD:ニコ・バウムガルトナー

シャシー:シグマテック S-TEC01X/C
エンジン:アシュトン・バーキン ABR-DB123H V12
タイヤ:ヴァシュロン

F1やMotoGP、DTMなど様々なカテゴリに参戦するピットブル。
いまやレーシングコンストラクターとしては世界随一の規模を誇るこのチームは
NeXXでも強さを見せチームタイトルを2連覇して見せた。
F1で3度の王座を獲得したニコ・ラムダをエースに据え、そのラムダは2年連続で
ドライバーズタイトル争いを演じた。惜しくもタイトルを逸しているものの
2年連続で最終戦までもつれ込むタイトル争いを演じ、NeXXのトップコンテンダー
としての地位を揺るぎないものにしている。しかし、盤石に見えるチーム体制にも
問題がないわけではない。初年度はシャシーサプライヤーのシグマテック陣営を
レースに帯同させなかったことで開発やトラブルシューティングなどのリレーションに
問題をきたし、今季は序盤戦で発生した深刻なギアボックストラブルを解決するのに
時間を要するなど、ビッグチームらしからぬところも垣間見せる。
一方で昨季は2ndドライバーのマイネが開幕から不調に陥り、中盤戦を越えても
復調する気配がないと見るや第13戦から期待の若手、ミシェル・ボナパルトへと
ドライバーチェンジを断行。結果的にチームタイトル防衛を果たした。
今季は昨季後半同様ラムダとボナパルトでシーズンイン。2年連続タイトル逸のラムダは悲願のタイトル奪取に執念を燃やしており、またチームもボナパルト含め全力で
ラムダの初戴冠をサポートする覚悟だ。2ndシートに座るボナパルトも昨季終
盤6戦で入賞3回、3位表彰台2回を記録。最終戦では2連覇を狙うマーキュリーのバ
トラーの前に立ちはだかり、彼を大いに苦しめポテンシャルの高さを示した。
シグマテックとアシュトンバーキンのパッケージは3年目。
マシンとしての熟成度も高い。
今季も当然タイトル戦線の主役を演じるだろう。狙うはチームタイトル3連覇、そして
ラムダの悲願の初戴冠。Wタイトル獲得だ。

f:id:pontsuka0729:20211024212533p:plain12:ニコ・ラムダ
昨季は5回の予選PP、そして決勝4勝をあげながら僅か3ポイント差でタイトルを逃
したラムダ。序盤にギアボックストラブルで大きくポイントを失ったが、入賞11回中9回で表彰台に上がるという戦いぶりで王座にあと一歩まで迫った。今季は宿敵バトラーを倒しての悲願の初戴冠を狙う。

8:ミシェル・ボナパルト
昨季第13戦アゼルバイジャンよりチームの2ndシートに座ったフランス人。F1参戦時から評価の高かった彼だが、シーズン途中いきなりの参戦で3位表彰台を2度記録。最終戦では王者バトラーを大いに苦しめた。今季は全力でラムダの初戴冠をサポートするか。実力的にはタイトルも狙えるレベルだ。

 

f:id:pontsuka0729:20211024212615p:plain

チーム監督:ブライアン・マーキュリー
マネージャー:イアン・アンダーソン
TD:ゲドラフ・ライフソン

シャシー:シグマテック S-TEC01X/C
エンジン:スプレンダー GL103hy V10
タイヤ:ヴァシュロン

アイルランドの中規模コンストラクターだが、エースのアレックス・バトラーが
ドライバーズタイトルを2連覇。F1で中堅以下だったチームがNeXXに転戦し一躍
チャンピオンチームとなった。初年度は2ndシートに座ったカーティス・マルケーナスも1勝をあげる活躍をし、チームタイトル獲得まであと一歩と迫ったが、
昨季はそのマルケーナスが開幕から不調で、結局2年連続でピットブルに
チームタイトルを持っていかれた。
チャンピオンドライバーを擁するチームながら、ピットブルに比べると
「中規模コンストラクター」の域を出ないマーキュリー。今季はエヴァー・グラハムへ
移籍したマルケーナスに替わり、昨季途中でクラークソンを離脱した若手のアリエル・
ティルクムを2ndドライバーに起用したが、バトラー優先主義のチーム体制では
ティルクムの活躍は望めず今季もチームタイトルを逃すだろうというのが大方の見方。
NeXX最強ドライバーを抱えつつも、チームとしてやや未成熟な部分が目立つ
マーキュリー。マーキュリーがチームタイトルを目指すならば、組織力の強化にお金を使うべきだとの声も。
昨季はバトラーが4勝をあげながら、パートナーのマルケーナスは一度も表彰台にすら
上がれなかった。この戦績の不均衡をドライバーの実力と見るべきか、チームのサポート不足と見るべきか。
マシンはシグマテック+スプレンダーの、NeXX最強パッケージ。
3年目のマシンパッケージには不安はない。それを駆るのがNeXXチャンピオンと
F3マカオを連覇した期待の若手だ。ドライバーラインナップも決して悪くはない。
あとは組織力だ。ピットブルをはじめとするトップチーム達が着々と体制を強化する中、今季もトップチームの地位をキープできるか。マーキュリーのNeXXでの立ち位置は、実はそれほど盤石ではない。

f:id:pontsuka0729:20211024212813p:plain1:アレックス・バトラー
ラムダをして「理屈で説明できない強さを持っている」と言わしめた"魔術師"は、昨季最終戦で奇跡の逆転タイトルを決めた。18戦中17完走入賞15回は驚異の安定感で、まさに「王者の走り」をシーズン中体現し続けた。今季はラムダの他にファングやセプターなどもタイトルを狙いに来る。"魔術師"と言えど3連覇は容易ではない。

21:アリエル・ティルクム
昨季途中、第12戦ルーマニアを最後にクラークソンを離脱したティルクム。期待の若手もサポート不足にモチベーションを失い、6度の予選落ちを記録した揚げ句の途中離脱。F3マカオを2連覇した逸材も、大きく評価を落としてしまっている。未だ見ぬ彼の真の実力は如何に。マーキュリーのサポート体制にも注目が集まる。

 

f:id:pontsuka0729:20211024212850p:plain

チーム監督:マーシュ・エヴァ
マネージャー:ピーター・ウォーニング
TD:フィル・デンハム


シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:DMW P82H30/3 V10
タイヤ:ヨコスカ

かつてF1で活躍した名門の名を冠したチームだが、開幕から2シーズンはやや
期待はずれに終わっている。『F1四天王』のひとりアレン・バーンズを擁したものの
結局バーンズは2シーズンで1勝も挙げられず、ピエトロ・モンテローザ
ジェストン・バロンといった若手も思ったほどの活躍はできていない。
昨季のチームランキングは10位と、中堅以下の位置に甘んじているのが現状だ。
昨季はバーンズが序盤からコンスタントに活躍し、初PPを獲得する等期待が高まったが後半戦に失速。2ndドライバーのバロンもアジャストに時間がかかり、タイヤ使いの巧さなどを随所に見せたものの入賞は5度にとどまった。
マシンはスプレンダー+レラというパッケージで2シーズンを戦った。しかしNeXX最強と謳われるスプレンダーを心臓に据えながらも、シャシーがそれを活かしきれていない状態。
それゆえチームは今季、エンジンをスプレンダーからDMWへスイッチするという
選択をした。今季は2シーズン期待はずれに終わったバーンズがアルバノビッチへ移籍し、かわりにマーキュリーからカーティス・マルケーナスが加入。エースに抜擢した。
しかし今季1シーズンは様子見のシーズン、大きな戦績アップは見込めないのではないか。
エヴァー・グラハムの躍進のチャンスは、来季まで持ち越しとなるだろう。
今季加入するマルケーナスには、そうした状況でどれだけ確実にポイントを持ち帰れるか期待がかかる。またバロンよりも年長のためチームリーダーとしての期待も。
まずは来季へ向け、昨季のランキング10位を上回ること。それが今季の目標だろう。

f:id:pontsuka0729:20211024213719p:plain7:カーティス・マルケーナス
マーキュリーから参戦した初年度は、実質初のトップフォーミュラ参戦で初優勝をあげたマルケーナスも、昨季は表彰台にすら上がれず。チームのサポート体制に不満を抱いての母国チームへの移籍だけに、今季はある意味真価が問われるシーズン。チームの手厚いサポートトを受け、実力を発揮できるか。

10:ジェストン・バロン
バロンも昨季が実質トップフォーミュラ初体験のシーズン。クセのあるマシンバランスに手を焼きつつも、随所で戦略性の高さとタイヤ使いの巧さを見せる。18戦12完走と安定感はあるものの3度の予選落ちを喫し、シングルグリッドも僅か1度だけ。予選順位が改善されれば入賞圏内の常連に。

 

f:id:pontsuka0729:20211024213120p:plain

チーム監督:真田 幸治
マネージャー:ミア・ドーラン
TD:林 研吾


シャシー:レラ RNX-01/03
エンジン:SUGO-カムイ SG-XX803 V8
タイヤ:ヨコスカ

トライアンフは今季、躍進が期待されるチームの一つだ。日本期待のこのチームは
今季もNeXX通算3勝の日向俊郎を擁し、さらに2ndシートにピットブルと決別したドイツ人ドライバー、ルドルフ・マイネを起用。ここまで日向に大きく水をあけられていたジョー・S・カジワラが離脱し、マイネが加入したことにより戦績の大きな飛躍が期待されている。そもそもこれまで2シーズンのトライアンフのポイントは
9割が日向によるもの。そこに初年度1勝予選PP3回で115ポイントを獲得した
マイネが加われば、単純計算でタイトル争いに加わるだけのポイントを獲得する戦力を
有したことになる。またレラ+カムイのマシンパッケージも、今季大きな飛躍が期待される要因だ。昨季マシンバランスを大きく改善してきたレラシャシー、そしてカムイエンジンは今季日本の大手モビリティ企業SUGOと業務提携しSUGO-カムイとなった。ここまで報じられている情報によれば、SUGO-カムイエンジンはかなりのポテンシャルを秘めているとのこと。レラ+カムイのパッケージはトライアンフの他にも昨季、リナルディのポルボローネが優勝しておりベストパッケージであることは実証済み。そこにNeXX優勝経験のある2人のドライバーが乗るとなれば、いやがおうにも期待が高まる。
今季トライアンフはこれまで監督業を兼任していたオーナーの山本つかさ氏がオーナー業に専念、マネージャーの真田幸治が監督に昇格し、マネージャーにはスポーツカーチームでストラテジスト経験のある女性エンジニア、ミア・ドーランを招聘。本格的にチーム体制強化に乗り出している。エース日向は昨季ランキング4位に食い込んだ。トライアンフは着実にタイトル戦線に割って入るポテンシャルを秘めている。

f:id:pontsuka0729:20211024213737p:plain15:日向 俊郎
昨季はチェコGPで通算3勝目をあげた日向。また18戦中16完走で入賞11回と、課題だった安定感も身についてきた。中低速テクニカルコースの巧い日向とレラ+カムイのパッケージは相性抜群。高速サーキットでの戦績が改善されれば獲得ポイントももっと伸びるだろう。今季はトップ3に絡みたい。

30:ルドルフ・マイネ
昨季、開幕戦で新予選方式の餌食となってしまったのが、マイネの不運だった。もともと主張の少ないタイプのマイネは、あれ以降ピットブルでの居場所を失ってしまった。しかし初年度115ポイントでタイトル獲得に貢献、昨季も不調と言われたものの参戦12戦で54ポイントを獲得した仕事人。トライアンフは最高のNo.2を手に入れた。

f:id:pontsuka0729:20211024213408p:plain
チーム監督:ヴィタレリ・フェドロフ
マネージャー:ニコライ・ボルコフ
TD:ターベイ・ロストネルフェイト

シャシー:シグマテック S-TEC01X/C
エンジン:DMW P82H30/3 V10
タイヤ:ヨコスカ

昨季、長期的な開発体制構築のためにテクニカルディレクターにロビー・ハーンを招聘、エンジニアリングの方向性のリセットに伴う苦戦を、甘んじて受け入れたアルバノビッチ。しかしそのロビー・ハーンをマルドゥークに引き抜かれた今季は、またゼロからの体制構築を余儀なくされている。代わりにマルドゥークからは交換トレードという形でターベイ・ロストネルフェイトを獲得した。ロストネルフェイトが有能なエンジニアであることはレース関係者ならば誰もが知るところだが、ハーンに託した開発プランが無に帰してしまったことには変わりはない。アルバノビッチは単純に1年の停滞をそっくり無駄にしてしまったのだ。
今季は昨季同様苦戦を免れないだろう。マシンパッケージも変わらないし、ドライバーに関してはジョンブル・チャップマンに加えエヴァー・グラハムから『F1四天王』の一人アレン・バーンズを獲得したものの、チームはこのほどシャシーとのマッチングを考えた結果の、4thシーズンからのエンジンチェンジを発表したばかり。マシンに関していえば今季は、言葉は悪いが「捨て」のシーズンと位置付けたも同然だ。
また新加入のバーンズは、若手のチャップマンの2ndシートに甘んじることになり
待遇面や戦闘力への不満などでのモチベーションの低下が心配されている。
またバーンズはそもそも『F1四天王』にあってこれまでたった一人の未勝利者・・・バーンズには既に往時の力はないと見る向きもある。
No.1シートに座るイキの良い若手チャップマンが、唯一の光明のように見える。
苦境のチームにあって昨季は3度の入賞。予選で6度シングルグリッドを記録し
そのうち一度はフロントローだ。安定感さえ増せば本来の速さを発揮するだろう。
昨季の停滞が無為ではなかったと証明するためにも、2人のドライバーの奮起に期待したい。

f:id:pontsuka0729:20211024213759p:plain5:ジョン"ブル"・チャップマン
26歳でF1よりNeXXに転戦してきたチャップマン。F1では2度表彰台に上がったがNeXXのデビューシーズンはほろ苦いものとなった。しかし予選アタックでは光る速さを随所に見せ、レースでは主にチェコやカナダといったテクニカルコースで実力の片鱗を見せた。今季は目指せ初表彰台だ。

2:アレン・バーンズ
『F1四天王』では最も苦戦しているのがバーンズ。2季在籍したエヴァー・グラハムでは未勝利に終わり、今季アルバノビッチに拾われた格好だ。今季も苦戦が予想されるチームにあって、しかし本人はチーム強化に粉骨砕身する覚悟を語る。果たしてバーンズはこのままチャップマンの控えに甘んじるのか?    

 

次回は・・・

プルトン・オートスポーツ
・スクーデリア・リナルディ
・クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
・シュトロゼック・ロムニダキア・AS
ドラゴンフォース・チャイナ・レーシングチーム

以上をご紹介します☆

 

 

 

 

NeXX3rdシーズン 変更・修正点 2

3rdシーズンでの変更点・追加

■トラブル判定の「2-6」の項、内容変更

3rdシーズンからの『エクストリーム・ブースト』導入に合わせ
トラブル判定の「2-6」の内容を以下の通り変更しました。

2ndシーズンまで → ECUトラブル
3rdシーズンから → ブーストトラブル

■チーム名・人名変更 

これまで実名で出していたチーム、人名をフェイクネームへ変更します。

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
→ アルバノビッチ・スタンフォード・レーシング

ロマン・アブラモビッチアブラモビッチチーム・オーナー)
→ ラモン・アルバノビッチ

今回の変更点は以上です。
では開幕まで今しばらくお待ちください☆

NeXX3rdシーズン 変更・修正点

さてさて、私の脳内妄想から始まったこの世界
NeXXも2ndシーズンが終わり、まもなく3rdシーズンが始まります。
久しぶりにレース記事やゴシップ記事の類ではなく、私自身の言葉で
日記をアップします☆

つい最近、このブログを見ていてくれた方から、このゲームをプレイする為に
私がデータやらルールやらをまとめたExcelファイルが欲しいという
ご依頼をいただきました。こんな妄想バリバリのブログを読んで頂いて
Excel欲しいと言われるなんて嬉しすぎて差し上げました☆★☆
なんだか最近毎日数人の閲覧があり、いっとき閲覧数が168を数えた時は
何があったかと思い慄きましたがwww 
何のタグ付けもしてないので、ホントに不特定多数の人の目には極めて触れにくい
と思っていたので驚きでした。

ということでもしかすると何人かの方が定期的に見ていただいているのかと思うと
3rdシーズンもゲームとして、そして「世界」として面白く
プレイしていかなければいかんなぁと思う今日この頃のぽんつかです☆

で、前回2ndシーズン開幕時も変更点云々を記事にしたんですが
2シーズンプレイしてきての改良、改善、そしてバランス的な修正を今回は
結構な数加えましたのでここに報告します。
そこを踏まえて3rdシーズンのプレイ記事を見ていただければ
なお楽しいかと思いますので、ここに記しておきます。


<変更・修正点>

■インターミディエイト、ウェットタイヤのライフ値変更

インターミディ、そしてウェット、つまりは「雨用」タイヤのライフを以下のよう
に変更しました。

・インターミディ
       ライフ グリップ    ガケ ダウン値
ヨコスカ    12   ±2  8、10    2
ヴァシュロン  10   ±2   6、8    2

・ウェット
ヨコスカ    15    0 10、12    1 
ヴァシュロン  15    0  8、12    1

よく考えたらウェットタイヤにライフの概念がないというのは現実的ではない。そし
てインターミディも15ターンでは少しライフが長すぎかと感じ修正しました。この
間のF1トルコGP観ていただければお分かりいただけるかと。
NeXXは22~28ターンで行われるので、全ターンハーフウェットならばインタ
ーミディで2回の交換が必要になります。このバランスがベターかなと。
インターミディ、ウェットそれぞれガケは2回。インターミディは1回目のガケで
グリップが0になり、2回目のガケで▲2。
ウェットはもともとグリップ補正がないためガケが来るたびに判定値はマイナスに
なります。
また雨用タイヤではヨコスカに若干のアドバンテージを与えてみました。


シャシー、エンジンの「信頼性数値」の導入

走行判定時の1ゾロでマシン系のトラブルの場合、1Dを振り各メーカーの
信頼性基準を超えればトラブルが回避できる。

・2-〇 パワーユニット系 → エンジンメーカー
・3-〇 ミッション系   → シャシーメーカー
・4-〇 メカニカル系   → シャシーメーカー

それぞれA、B、Cで設定。A=3、B=4、C=5 で1Dでこの数値以上を
出せばトラブルの回避が可能。
同系トラブルが2回出た場合は回避不能、3回でた場合は一発リタイアになります。
例えばミッション系トラブルが1ドライバーにつき2回発生した場合
1回目は回避できても2回目は回避できません。
1回目も回避できていなかった場合は、2回目が発生した時点でリタイヤになります。

※1ゾロ時は回避が出来ても出来なくても、そのターンは進めず燃料が1消費します。


■ドライバーの「ブロック能力値」の導入

各々のドライバーに「0」~「2」でブロック能力値を設定します。
後続車とのバトル時に自身の判定値にブロック能力値をプラスできます。


■ドライバーの「危機回避能力値」の導入

シャシー、エンジンの信頼性同様、1ゾロの回避を目的とした数値です。
それぞれA、B、Cで設定。A=3、B=4、C=5 で1Dでこの数値以上を
出せばアクシデント(事故系トラブル)の回避が可能。
ドライバーの場合は走行判定時のほか、バトル判定時の1ゾロも対象です。

※1ゾロ時は回避が出来ても出来なくても、そのターンは進めず燃料が1消費します。
※信頼性数値と違い、ドライバーの場合は何度でも回避できます(但し燃料は減ります。)


■予選セッション時の天候判定追加

これまで予選の天候はセッション開始前に判定し、その天候のまま終えていましたが、
3rdからはQ1とQ2の間に1度天候判定を行います。
セッションの途中での天候改善、悪化を再現するためのルールです。


■サーキットにより「抜きにくさ」を再現する為「アドバンテージ値」を導入

サーキットによっての抜きやすい、抜きにくいを再現する為、各サーキットに
アドバンテージ値を設定しました。「0」~「2」で設定します。
ドライバーのブロック能力値同様、バトル時に前を走る車が判定値に加算できます。

Ex.ブロック能力値「2」のドライバーが、アドバンテージ値「2」のサーキット
   でバトルをする場合、自身の走行判定値に「+4」加算しバトルをします。

ブロックの巧いドライバーが抜きにくいサーキットを走っている場合は
バトル時常に走行判定値に「4」が加算され、"ブロック無双"状態になります。


■「エクストリーム・ブースト」の導入

バッテリーに蓄電した回生エネルギーを、レース中3回までブーストとして
解放できるデバイスです。
使用時は搭載燃料を「1」消費し、走行判定値に「+3」できます。
これはバトル時のみならず、通常走行時にも使用可能です。
つまり、バトルに勝つための他前車とのマージンを詰めたいとき、
また後続とのマージンを引き離したいときにも使用可能です。
ただ、燃料を「1」消費するため、トラブルなどで搭載量が総ターン数を下回る際は
使用できません。使用してしまった場合は最終的に燃料切れとなります。


■先頭車の走行判定値基準を修正

2D加算前の走行判定値が「20」以上のドライバーが、先頭にいる場合の
進める、進めないの基準値を修正しました。

・判定値「20」未満のドライバー        
  24以下→動かない。25以上→1進む、30以上→2進む。6ゾロ→3進む。                        
・判定値「20」以上のドライバー        
  24以下→動かない。25以上→1進む、35以上→2進む。6ゾロ→3進む。    

走行判定値が「20」以上のドライバーは、判定値+2D合計が「35」を超えないと
2マス進めません。これは昨季第17戦カナダで、ラムダがとんでもない独走劇を
演じたことに対する対抗措置です。


■ペナルティの内容を一部修正

レース続行中のドライバーに出されるペナルティの内容を一部修正。
1D「6」の項目を「ピットスルー」から「レース後のタイム加算」へ変更しました。
「タイム加算」ペナルティの場合、当該ドライバーの順位はレース後
マージン10後退させた順位で確定とします。


■トラブル判定の「1-1」についてトラブル内容を変更

1ゾロの1ゾロ、つまりトラブル判定の「1-1」の内容を変更しました。
これまではレース中のどんな条件であれ、「1-1」が発生したら
「該当ドライバー含め前後マージン2までのマシンが事故対象」でしたが、
ケースによって以下のように変更しました。

・スタート、リスタートターンに発生
  「1-1」を振った該当ドライバー含め「前後」マージン2の範囲のマシンが対象
・通常走行ターンに発生
  「1-1」を振った該当ドライバー含め「後続」マージン2までが対象

該当範囲のドライバーは一発リタイヤとなる。

レース中の事故で前後含め5台のクラッシュというのは、オーバルでもない限り
考えにくいため修正しました。


■セーフティカーの出動ルールを修正

セーフティカーの出動ターン数、そして出動時のピットイン可能なタイミングを
修正しました。

 ・1ターン1周のサーキット
   出動ターン含め3ターン。出動の次のターンからピットイン可能。
 ・2ターン1周のサーキット
   出動ターン含め4ターン。出動ターンがピットインOKターンの場合
               →セーフティカー出動3ターン目までピットイン不可
               出動ターンがピットイン不可ターンの場合
               →出動ターンの次のターンでピットイン可能

2ターン1周換算のサーキットの場合、出動ターンがピットインOKターンでも
出動ターンはピットクローズのため次のピットインOKターンまで
待たなければいけない。


■ルーティンストップの際のマージンロスト値を変更

 出目   従来ロスト値  新ロスト値
 2      10     12
 3-5     6      8
 6-8     5      7
 9-11    4      6
 12      3      5

※ゾロ目で12を超える場合は「12」扱いは変わらず


■レースファステストラップの決定方法を変更

これまで、レース中最も多く6ゾロを振った(ディフェンス6ゾロを除く)
ドライバーをレースファステストとしてきましたが、3rdからはそのレース中
一番最後に6ゾロを振った(ディフェンス6ゾロを除く)ドライバーを
そのレースのファステストラップ記録者と変更します。

 


以上が今回の変更・修正点です。
これらを踏まえてお楽しみいただければなと思います。
では、開幕まであと少し! このあとはNeXXtream Pressの
開幕直前号で全チームプレビューをやって3rdシーズンに入っていく流れになります。
ちょっとここからは開幕まで時間かかるかなと思いますが
ご期待ください!!

 

 

 

 

 

NeXXtream Press 「新年号」

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◆3rdシーズン・新年号

いよいよ新しい年が明け、3シーズン目を迎えたNeXX。今季は昨季以上にドライ
バーを中心とした人事異動やエンジン変更の動きが活発で、エンジンが新フォーマッ
トに変わる来季を見据えての動きの多いオフシーズンとなっている。開幕まであとも
う少し、これ以降は各チームとも体制発表会を控え、開幕準備に余念がない。では今
号も引き続き、その3rdシーズン以降に向けた各チーム、そしてFNO自体の動き
も含めて見ていこう。


◇NeXXが将来的な独自のブランディング計画を発表!
         5thシーズンをメドにNeXX直下の下位カテゴリ設立へ!!

FNOは年が明けて1月12日、3rdシーズンとそれ以降の運営体制や様々な計画
についての発表会を行った。発表会は本部のあるパリで行われ、4thシーズン以降
の開催計画や今季型シャシーのお披露目などが行われたが、その中で今後5thシー
ズンをメドとしてNeXX直下の下位カテゴリを設立するというビッグニュースがあ
わせて発表された。
発表会にはFNOのラックス・ロズレイCEOやデイトン・ビル運営統括部長をはじ
めとするお歴々が出席、この計画は発表会の終盤にロズレイCEOの口から明かされ
場内は大きなどよめきに包まれた。
NeXXは現在独自の下位カテゴリを持たず、参戦するドライバーは殆どがF1やイ
ンディカーなど他のトップフォーミュラからの転入組だ。しかし、発足から2シーズ
ンが経過して参戦チームも増え盛り上がりを見せるNeXXには、独自の若手ドライ
バー発掘手段が必要だとFNOは考えたようだ。
フォーミュラレースの下位カテゴリといえば、最も有名なのはF1に対するF2、F
3といったカテゴリだろう。これらは全てFIA(国際自動車連盟)の所管で行われ
ているが、それ以外にもFIA直下ではないジュニアフォーミュラなどのカテゴリは
世界中にたくさんある。各自動車メーカー主催のものや日本のスーパーフォーミュラ
直下の『スーパーフォーミュラ・ライツ』、北米インディカー直下の『インディ・ラ
イツ』などもそうだ。また現在ではFIAによって下位カテゴリの統廃合が進み、か
つてはドイツやイタリアなど各国にあったF3クラスはFIA-F3に。そしてその
上、つまりF1直下のクラスは時代によりGP2やF3000と名称を変えながら続
いて来たが、これについても現在はFIA-F2に統合されている。しかしこのF1
直下のカテゴリは現在F1チームの育成プログラム所属ドライバーが優遇されており
育成プログラムに属していないドライバーのF1昇格はほぼ見込めない状況。毎年F
1に昇格できなかった優秀な若手ドライバーが、ツーリングカーやインデイカーに流
れて行く状態が続いている。そういった優秀な若者たちの受け皿になり、やがては若
いドライバーが望んでステップアップのチャンスをNeXX側に求められるような下
位カテゴリにしたいというのがFNOの思惑だ。
発表された計画はまだ全体的な構想段階のもので詳細については明らかにされなかっ
たが、FNOが考える現時点での大まかな構想は以下の通りだ。

1.FIAのスーパーライセンス発給対象カテゴリとして認定を目標
2.欧州を中心に1シーズン10戦程度の開催(2レース制を採用)
3.基本的にはNeXXのサポートレースとして開催
4.参戦中のドライバーのNeXXでのリザーブ起用が可能
5.シャシー、エンジン、タイヤはワンメイク
6.NeXXレギュラーチームが下位カテゴリで2ndチームを持つことは禁止

などが挙げられた。
FNOは5thシーズンをメドに、遅くとも6thシーズンまでには発足させる見通
しだという。これはNeXXがブランディング的な見地からもF1と比肩するカテゴ
リとなるための、大きな事業だとロズレイCEOは語る。選手権直下の下位カテゴリ
を持つ世界的なフォーミュラレースは現在F1と北米のインディカーだけ。
NeXXの壮大な計画はまだ動き出したばかりだが、実現すればフォーミュラレース
を取り巻く状況は大きく変わる可能性がある。モーターレースの裾野の拡大とNeX
Xのブランド力強化のため、この計画はぜひ実現してもらいたい。

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NeXXの”下位カテゴリ”は5thシーズンをメドに設立する見通し。インディ・ライツ(写真左)のような
トップカテゴリやF1などと密接につながった関係を目指す。写真右は現行のFIAーF3のシャシー


◇明暗分けた新規参戦チームの1年目、『1年生チーム』の通信簿

昨季3チームの新規参戦があり、15チーム30台でのチャンピオンシップとなった
NeXX。既存の12チームも含め、群雄割拠となったシーズンでは新規参戦チーム
も活躍し。選手権を大いに盛り上げた。そんななかでも明暗分かれた新参3チームだ
が、昨季の活躍ぶりはどうだったか? 昨季の戦いを振り返り評価を下してみよう。

アントネッティオートスポーツ  評価・・・A+

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忙しく世界を飛び回るチーム会長のドナルド・アントネッティに代わっ
監督代行としてチームをまとめたドジャー蓮川。今季も監督業を担う。

昨季、開幕戦でビッグサプライズをおこしたのがこのアントネッティだった。米国よ
り参戦したこの1年生チーム、アントネッティのアレンザンダー・ロッソが開幕戦で
ポールトゥウィンを達成したのだ。これはファンにとっても我々関係者にとっても純
粋な驚きだった。アントネッティというチーム自体はインデイカーのチームを母体に
フォーミュラeや豪州スーパーカー選手権など、様々なレースカテゴリに参戦するグ
ローバルなレーシングチームだ。組織も大きくマネジメントもしっかりしている。し
かし、それでも参戦初年度のチームが開幕戦でPTWをやってのけたというのは、た
だただ驚きでしかなかった。チームは元インディカードライバーで、引退後は主にス
ポッターをつとめたドジャー蓮川を中心にまとまり、アレンザンダー・ロッソとデイ
ヴィス・リンドホルムというNeXX経験者を揃えた。彼らはインディカー時代にア
ントネッティで走っていたことのあるドライバーだ。シャシーも既存のシグマテック
を採用。1年生チームとしては揃えられるだけの環境を揃えて、最良の体制で臨んだ。
とはいえエンジンは共に新規参入したシェブロンで、実戦での戦闘力は未知数。レー
シングチームとしてはプロ集団だがNeXXは1年生状態ということで、はたしてど
こまでやれるのかという我々の心配をよそに、エースのロッソは開幕から立て続けに
表彰台に上がった。No.2のリンドホルムが前半戦絶不調だったものの、後半戦に
は復調し第14戦タイで初優勝をあげる。終わってみれば168ポイントでシーズン
4位、初年度の数字としては驚異的と言っていい。
来季はリンドホルムが抜け、“驚異の新人”と騒がれたカレッジが2ndシートに座
る。アントネッティは参戦2年目にして既に、タイトルを狙える可能性を秘めている。

●マルドゥーク・レーシング・ドバイ  評価・・・

タイトルに近いという点で言えば、このマルドゥークも負けてはいない。序盤のマル
ドゥークは、アントネッティに対し完全に後れを取っていた。マルドゥークはアント
ネッティとは違い、組織としてモーターレースの経験もなく、ドライバー2人もNe
XX初参戦だった。開幕から3戦ノーポイントレースが続き、2人のドライバーもや
やNeXXへのアジャストに苦労していた様子がうかがえた。しかし第4戦ブラジル
でリヴィエールが3位、グーデリアンが9位とW入賞を果たして波に乗り始める。リ
ヴィエールは第6戦から第11戦まで6戦連続入賞し、途中第10戦雨のスウェーデ
ンで初優勝を飾る。グーデリアンはリヴィエールに比べアジャストにやや時間がかか
り、安定感を欠いたものの第12戦ルーマニアでは初PPを獲得、第15戦マカオ
初優勝を飾った。結果144ポイントでアントネッティに次ぐシーズン5位、これは
レーシングチームとしての経験値などを考えるとある意味アントネッティ以上に驚異
的な数字と言える。総合評価がアントネッティを上回ったゆえんだ。

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F1では名門フェラ〇リを常勝軍団に育て上げたファン・ドットは
新参チームを”戦う集団”としてまとめ上げた。今季はタイトルを狙う。

とはいえチーム監督にはファン・ドット、マネージャーにボス・グラウンとF1を含
めこの業界の酸いも甘いも噛分けた2人がいたことが、このチームを“ごく普通の新
参チーム”ならざる存在たらしめた要因か。今季は2ndシートにゾルタン・ゲラを
迎えることが決定。将来性のアントネッティに対し、マルドゥークは“今すぐにでも
タイトルを獲りに行ける”体制となった。マルドゥークは今季、トップチームたちに
とっての大きな脅威になるだろう。

●ガジャック・ルルーシュ・スポール  評価・・・

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ドライバーとしては目が出なかったイワン・ガジャックだが
率いたチームは、準備不足でのエントリーにも関わらずそこ
そこの力を見せた。今季は躍進なるか?

昨季、期限ギリギリで駆け込みエントリーを果たしたガジャックは、3チームの中で
最も苦労したチームだ。しかし、F1など他カテゴリに置き換えて考えてみれば、こ
れでも健闘したと言って差し支えないだろう。所属ドライバーは2人ともそれぞれ1
度表彰台に上がっており、カレッジに至っては第16戦日本での雨の予選でPPも獲
得している。入賞回数で言えばタンデイが3回、カレッジが5回と少ないが系47ポ
イントはシーズン13位。新規参戦ながら既存チームのアルバノビッチとプルトンを
上回って見せた。チームはオーナーのイワン・ガジャックはじめ主要スタッフ全員を
フランス人で固めた“オールフレンチ”体制、シャシー、エンジン、はてはタイヤま
でも全てをトリコロールで染め抜いての参戦だった。しかしエンジンをピジョンにし
たのは誤りだったか。現状エンジン開発競争で成果の上がっていないピジョン勢は苦
戦しており、ガジャックも例外ではなかった。またチームも旧F1ルルーシュチーム
の首脳陣で組織したとはいえ、駆け込みエントリーだったこともありNeXXチーム
の運営に対して充分な準備が出来ていなかったことが、苦戦の要因になっていること
は明白だ。今季は開幕まで十分に時間があり余裕をもって準備できる。そしてカレッ
ジを手放しはしたものの、F1からティモシー・ルーツェンという期待の若手を獲得。
今季は躍進が見られるか?


今季、アントネッティやマルドゥークはさらに強固な体制づくりに着手、現実的にタ
イトルを狙える位置まで来ている。ガジャックは他2チームにやや水をあけられた格
好だが、充分な準備期間を経た今季は巻き返しが期待される。今季の3チームの躍進
に期待して開幕を待とう。

 

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■NeXX Topix


◇現行シャシーラストイヤーへ向けて
        シャシーサプライヤー2社の3rdシーズンモデルがお披露目!!

FNOは1月12日、3rdシーズンとそれ以降の運営体制や様々な計画についての
発表を行い、今季3rdシーズンをもって最後となるシグマテック、レラ両メーカー
の現行最終型シャシーのお披露目をおこなった。現在のシャシーは両メーカーが初年
度に投入した初期型にアップデートやリファインを加えながら使用され、来季デンプ
シーの参入を受けて既存2メーカーが新型を投入するため、今季が使用最終年となる。
お披露目されたシャシー名はシグマテックが『S-TEC01X/C』、レラは『R
NX-01/03』と発表され、それぞれ大きなアップデートを施してきたことが外
観からすでに見て取れた。

<シグマテック・S-TEC01X/C>

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全長:4935mm
全幅:1780mm
ホイールベース:2995mm

今回はシグマテック、レラともにレギュレーションの既定値いっぱいに合わせリアウ
ィングの形状をこれまでのものよりも大きなものへ変更してきたため、それぞれ全長
が15mm延伸された。リアウィングのメインウイング前端は後方車軸から450m
m後方まで後退し、メインウィングは大型化。メインウイングとフラップは中央部が
やや膨らんだ形状をしており、リアウィングで発生させるダウンフォース量を増大さ
せることを企図した形状となっている。全幅は既定値いっぱいのため昨季型と変更は
なし、リアウィングの後退に伴いホイールベースを25mm拡大した。
そしてシグマテックの今季型の大きな特徴は、トレードマークともいえるリアタイヤ
カバー部。昨季型は後輪へ向けサイドポンツーンが末広がり形状で、ボディ上面の気
流はリアタイヤの上を通るように、ボディ両側面下部周りの気流はサイドポンツーン
下部の溝を通ってリアタイヤの外側へと誘導されるような形状だった。しかし今季型
リアタイヤカバーはそのまま残しつつ、サイドポンツーンはコークボトルフォルム
で後方へ絞り込んできた。リアタイヤカバーとサイドポンツーンの間には空気の通り
道を設けディフューザー上面、そして大型化したリアウィングへと気流を誘っている。
サイドポンツーンのエアインテーク付近には、これまでのバージボードに加えブリッ
ジ状の整流板を追加。これが今回刷新したボディ側面の気流をリアエンドへ導くため
の入り口となっている。


<レラ・RNX-01/03>

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全長:5070mm
全幅:1745mm
ホイールベース:3025mm

レラはリアウィング形状変更によって全長が10mm延伸した分、バランスを取るた
ホイールベースを15mm拡大させた。シグマテック、レラともに本当に微調整の
レベルだが、大型化させたリアウィングとのバランスを取るためには必要な調整だっ
た。またリアウィングについてはシグマテックよりも一歩踏み込んだアプローチをし
ており、翼端板のメインウィングより下の位置にスリットを入れ、スリットの下部は
内側に角度をつけて絞り込ませるような形状にしてきた。これは翼端板まで導かれた
気流を、最後まで剥離させずに車体後方に流す工夫だ。他に目立つアップデートと言
えばフロントタイヤ後部とリアタイヤ前部に追加された大型フィン、そしてサイドポ
ッド入り口の二重の整流板だろう。二重の整流板の一つはカウル内部に効率よく空気
を取り込むもの、そしてその外側に新設されたもう一つはサイドポンツーン側面に当
たる気流を剥離させないためのものだ。フロントタイヤ後部の大型フィンで気流をボ
ディ側面に導き、リアタイヤ前部の大型フィンでディフューザー後端上面へと流す。
そうしてボディ周りに流す気流の流量とのバランスを調整する為、サイドポッド前部
に設置されたヴェンチュリ効果を狙ったエアトンネルは小型化された。またフロント
ノーズ上面、ハロの支柱手前に小さなサブウィングを追加するなど、細かい工夫が見
られる。

ほかにも2社ともにリアウィングの形状変更に合わせ、シャークフィンの形状にも変
更を加えたりハロの形状も微妙に変えてきたりと、アップデート・リファインに余念
がない。果たして今季はどのようなパフォーマンスを見せるのだろうか?


◇FNOが4thシーズンの暫定カレンダーを発表!!

FNOは1月12日に大々的な発表会を行い、今季の改良型シャシーのお披露目など
と合わせて今季の正式なカレンダー、そして来季4thシーズンの暫定カレンダーの
発表を行った。今季のカレンダーは開催サーキットが変わるGPがあるものの、基本
的には昨季と同じ。カレンダー発表では主に4thシーズンのスケジューリングが話
題となった。

<3rdシーズン公式カレンダー>

 開幕戦 オーストラリアGP  サーファーズパラダイス市街地
 第2戦 インドネシアGP   セントール
   <ポール・リカール合同テスト>
 第3戦 ドバイGP      ドバイ・オートドローム
 第4戦 ブラジルGP     サンパウロ市街地
 第5戦 メキシコGP     エルマノス・ロドリゲス
   <エストリル合同テスト>
 第6戦 イギリスGP     ブランズハッチ
 第7戦 フランスGP     ポール・リカール 
 第8戦 イタリアGP     イモラ
 第9戦 オランダGP     アッセン
第10戦 スウェーデンGP   アンデルストープ
第11戦 チェコGP      ブルノ
   <ホッケンハイム合同テスト>
第12戦 ルーマニアGP    ブカレストリンク
第13戦 アゼルバンジャンGP バクー市街地
第14戦 タイGP       チャーン
第15戦 マカオGP      ギア市街地
第16戦 日本GP       小樽市街地
第17戦 カナダGP      エキシビジョンプレイス市街地
第18戦 アメリカGP     インディアナポリス・GPコース


<4thシーズン暫定カレンダー>

 開幕戦 オーストラリアGP  サーファーズパラダイス市街地
 第2戦 インドネシアGP   セントール
   <ポール・リカール合同テスト>
 第3戦 ドバイGP      モーターシティ市街地
 第4戦 ブラジルGP     サンパウロ市街地
 第5戦 メキシコGP     エルマノス・ロドリゲス
   <エストリル合同テスト>
 第6戦 イギリスGP     ブランズハッチ
 第7戦 フランスGP     ポール・リカール
 第8戦 イタリアGP     ムジェロ
 第9戦 ドイツGP      ホッケンハイム
第10戦 オランダGP     アッセン
第11戦 ルーマニアGP    ブカレストリンク
   <ホッケンハイム合同テスト>
第12戦 デンマークGP    コペンハーゲン市街地
第13戦 スェーデンGP    アンデルストープ
第14戦 カザフスタンGP   ソコル
第15戦 マカオGP      ギア市街地
第16戦 日本GP       小樽市街地
第17戦 カナダGP      エキシビジョンプレイス市街地
第18戦 アメリカGP     インディアナポリス・GPコース


□ついにドイツGPが待望のカレンダーイン!
                 ルーマニアではなくチェコとの隔年開催へ!!

発表された4thシーズンのカレンダーで、集まった関係者が一様に首を傾げた個所
があった。それはドイツGPとルーマニアGPが同一カレンダー内に存在しているこ
とだ。当初ドイツGPはルーマニアGPとの隔年開催になると見られていた。シュト
ロゼックのロムニ・ダキア買収がその根拠で、シュトロゼックはのちのちロムニ・ダ
キアを完全買収しドイツGPも毎年のレギュラー開催にすることを目論んでいると大
方のメディアは見ている。そのためゆくゆくはロムニ・ダキアのホームGPであるル
ーマニアがカレンダーから押し出されると見られていた。しかしこの暫定カレンダー
を見ると、どうやらその推測は正しくなかったようだ。では代わりに4thのカレン
ダーから外れたのはどこか? それがチェコGPだ。ドイツGPは今後当面のあいだ
チェコGPとの隔年開催になることがFNOから発表された。

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ついにNeXXのカレンダー入りを果たしたドイツGPはホッケンハイム(写真左)での隔年開催。
そのドイツとの隔年となるのはブルノ(写真右)で行われるチェコGPだった。開催権料の高騰が
隔年開催の理由というチェコGPは、このままカレンダーから外れてしまうのか?

チェコGPは初年度、2ndと連続してGPを開催し3rdにもカレンダーイン、興
行収入実績も好調で今後も毎年の継続開催になると見られていた。しかしネックにな
ったのが開催権料だという。現在噂にあがっているだけでもNeXXの誘致活動をし
ている国はモロッコニュージーランド、トルコ、シンガポールなどいくつかある。
競合が多くなると影響を受けるのが開催権料で、チェコGPの主催者側はこのままだ
と毎年のレギュラー開催は難しいという判断を下した。そこに隔年開催の提案を持ち
込んだのがドイツGPだったという。NeXXの開催権料高騰問題が影響を及ぼした
のはチェコだけではなく、今季まで第14戦にカレンダーインしているタイGPも、
当初の5年契約を2年残しての開催打ち切りとなっている。
何にせよ市街地での超高速バトルが見られると人気のルーマニアが、レギュラー開催
継続となったことは喜ばしいことだ。しかし逆にNeXXで最も追い抜きのしにくい
低速テクニカルコースのブルノが毎年見られないのはやや寂しい限り。先にも挙げた
ようにNeXX開催を希望している国はほかにいくつもある。今後もまた頻繁にカレ
ンダーの書き換えが行われるだろう。
ひとまずドイツGPは4thシーズンから、F1でもお馴染みの“新しきオールドコ
ーズ”ホッケンハイムで行われる。


□ドバイに続きコペンハーゲンも、暫定コースレイアウトを公表!!

これまで噂にあがっていたデンマークGPが4thシーズンの暫定カレンダーとして
発表されたことに合わせ、FNOは昨年末に公開した『ドバイ市街地コース』の仮レ
イアウトに続き、『コペンハーゲン市街地コース』の仮レイアウトも公開した。昨季
の終盤に降って涌いたかの如く唐突に浮上した話だったが、早くも4thシーズンの
暫定カレンダーに名前が載るほど計画は具体的に進行していたようだ。
公開されたレイアウト図はデンマークGP組織委員会から提出されたもので、そこに
FNO側が求めるいくつかの修正を加え、FNOの開催基準に準拠させた形となると
いう。発表会見を行ったFNOのマネージングディレクター、ハーディー・フラッシ
ュによればその修正はほんのわずかなものだという。

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組織委員会から提出された”コペンハーゲン市街地コース”のレイアウト。確かに
フラッシュのいう通り、全長5kmを超えるコースとしては極端にコーナー数が
少ない。仮設縁石によるシケインの追加などが修正策か?

「先に話した通り、私はデイトン(・ビル運営統括部長)と二人で既に何度かコペン
ハーゲンを訪れ、組織委員会の面々と話している。デンマークGPは元々F1の開催
を想定した計画だからね、開催計画についてはほぼ問題ないレベルだったよ。あとは
コースレイアウトだ。このレイアウトはヘルマ〇・テ〇ルケによってデザインされた
ものだ。コースのロケーションとしては非常によく考えられているよ、コペンハーゲ
ンのランドマークの多くがレイアウトに取り入れられている。クリスチャンスボー城
や王立図書館なんかがね。ドライバーはまるでお伽話のような、とても美しい景観の
中を走ることになるだろう。あとは一つ二つどこかに修正を加えてGPサーキットに
したい。これをデザインしたティ〇ケは、どうしたら退屈さを吹き飛ばせるかを考え
ていたんだろう。今のままではあまりにも全開区間が長すぎる。あと1、2か所低速
コーナーを加えたいね、まあここは最終的に技術委員会が判断を下すことになるだろ
う。」と話した。
「私は、いや私だけではない、NeXXの関係者のみんながデンマークGPに大きな
期待を寄せている。デンマークはドイツやポーランドベネルクスにも近いし北には
スカンジナビア各国がある。欧州のどこからだって来られるんだよ。欧州でも市街地
レースは数少ないし、開催されれば大盛況はまちがいないだろうね。」と語るフラッ
シュ。デンマークGPに寄せる期待の大きさは我々メディアやファンも一緒だ。4t
hシーズンのNeXXは今以上に華々しいものとなるだろう。

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写真左はクリスチャンスボー城デンマーク政府や王室の迎賓館として使われ、国会議事堂や内閣府
最高裁判所なども置かれる。また”ブラックダイヤモンド”と呼ばれる王立図書館の新館(写真右)は近代
的な建築で、ライトアップされた夜の外観はまさに二つ名に相応しい景観を誇る。歴史的な景観と新しさ
が混在した美しい街、それが『北欧のパリ』コペンハーゲンだ。


インドネシアGPは5thシーズンが最後?
               6thシーズンから第2戦はマレーシアGPに??

現在第2戦として行われているインドネシアGPだが、将来的には近隣の他国に取っ
て代わられるかもしれない。現在“東南アジア枠”として開催されているインドネシ
アだが、インドネシアGPもまた主催者側が開催権料の高騰に頭を抱えているようだ。
またセントールサーキットの施設老朽化も大きな問題のひとつで、改修費用プラス開
催権料の支払いが主催者側にとって大きな負担になることから、契約最終年である5
thシーズンで開催を打ち切るのではとの噂がある。さらに6th以降この第2戦に
はマレーシアがカレンダーインするのではないかとも囁かれている。
インドネシアは現在ASEAN最大の自動車市場であり、EVやバイオディーゼル
といったいわゆる『環境車』の普及を推進している。またお隣のマレーシアのチーム
プルトンがNeXXに参戦していることでインドネシアGPには隣国マレーシアのフ
ァンも大挙して詰め掛ける。インドネシアとマレーシアは何かと仲の悪さが指摘され
るが、レースシーンにおいてはファンや関係者共々皆比較的仲良くしているようだ。
また実はNeXX発足当初からマレーシアも開催地候補に挙がっており、FNOと現
地主催者側との話し合いも何度か持たれていたらしい。しかし、舞台となるセパン・
インターナショナル・サーキットも9年にわたるF1開催で施設の一部が老朽化、N
eXXの開催基準、そして安全基準に準拠させるためには大規模な改修工事が必要で
インドネシアに先を越されたという経緯がある。
しかし、NeXXに参戦するプルトンは本来自国マレーシアでの開催を望んでおり、
現在改修中のセパンの工事が終わり次第NeXXマレーシアGPの誘致に乗り出す構
えのようだ。

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5thシーズンでひとまず契約を打ち切ると見られているセントール(写真左)。大規模改修工事が
間もなく終わりそうなセパン(写真右)に、”東南アジア枠”を明け渡すことが濃厚だ。


また、第2戦に入るのは開幕戦の舞台オーストラリアからほど近いニュージーランド
ではないかとの噂もあるが、第14戦タイが4thのカレンダーから外れるという現
在の状況では、FNOが東南アジアでの開催を完全に無くすことは考えにくいと見る
向きもある。またニュージーランドは早い段階から誘致に動いていたものの、主催者
側が開催資金の調達に苦労している状況が伝えられており、近い将来での開催は難し
いと見られている。
こういった状況を踏まえると、6thシーズン以降の第2戦はセパンでのマレーシア
GPになる可能性が高い。前半戦随一の高速サーキット、セントールでのレースが見
られなくなるのは残念な限りだ。しかし来季第3戦の舞台としてカレンダーに加わる
予定の『ドバイ・モーターシティ』はなかなかの高速レイアウト、セパンとの釣り合
いは取れそうだ。

 

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■PADDOCK PRESS


ロンバルディア、エンジンサプライヤーとして正式にNeXX参戦発表!
                   新たなサプライヤーはイタリアからも!!

かねてからNeXX参入の噂が挙がっていたカナダの重工業コングロマリット、ロン
バルディアがついに正式にNeXX参戦を表明した。4thシーズンからはなんと、
北欧に本拠を置くノルディックチームにパワーユニットを独占供給するという。また
時を同じくして、小型スポーツカーを中心に販売するイタリアの自動車メーカー、ガ
ヤルドもNeXXへの参入を表明。こちらは4thシーズンから同郷のリナルディに
パワーユニットを独占供給する。
ロンバルディアの参戦が正式発表されたのは年明けの1月5日、モントリオールにあ
る本社で会見を開き社長であるフェリック・ラーテル氏自らNeXXへのエンジンサ
プライヤーとしての参入を発表した。ラーテル社長は会見で「我々は新しい挑戦を始
めます。それは我々にとって大きな意味と価値を持ち社会に大きなイノベーション
もたらすものとして、我々が挑戦する意義のあることです。我々はFormula
NeXXteamの為のパワーユニットの開発に着手します。それは今後我々が持続
可能な社会を、より強固な構造で構築発展させてゆくために重要なことです。我々は
いちモビリティ企業として、この技術が人類社会の持続可能性に大きく寄与するもの
と信じ、また自社の技術発展のためにもNeXXへの参戦を決定しました。」と語り
パワーユニット開発は今後、自社の航空機やレクリエーションモービル開発のための
技術に転用できると、参戦のメリットを語った。
驚いたのはその供給先だ。会見の途中で進行役に促され姿を現したのはミコ・ハンク
ネンとチチ・ソルベルグの二人。つまりロンバルディアパワーユニットの供給先と
してノルディックチームと契約を結んだのだ。ラーテル社長に促され話し始めたのは
珍しく、ノルディックのチーム監督ハンクネンだった。
「我々はこの世界的な重工業企業であるロンバルディア社と、4thシーズン以降の
パワーユニット供給契約を締結したことを大きな喜びをもってここに報告します。4
thシーズンからパワーユニットを変えるということは我々にとって大きな挑戦です。
そしてロンバルディアがNeXXに参入することも大きな挑戦でしょう。我々は新た
な挑戦を共有し、NeXXを共に戦います。」と語り契約締結の喜びを表わした。N
eXX最強エンジンと謳われるスプレンダーと今季で離別するノルディック。彼らの
新たな挑戦は少なからずリスクを孕んでいるが果たして・・・。ノルディック側から
の正式な発表は、1月下旬に予定されている体制発表会でなされる模様。
一方でイタリアからも、エンジンサプライヤーの新規参入の報が届いた。自動車メー
カー、ガヤルドがリナルディとのパートナーシップで4thからNeXXに参入する
という。リナルディは本拠地ファエンツァのチーム施設でガヤルド側と会談を持ち、
4thからの供給で合意に達したとガゼッタ紙やコリエレ紙といった国内各スポーツ
紙が伝えている。

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ついに参入を正式表明したロンバルディア(写真左)の供給先は、驚きのノルディック。両者にとって大きな
挑戦となる。またイタリアからはガヤルド(写真中央)がリナルディと組んでの参入を表明。695(写真右)は、高度の改造で国際レースを席捲し『ピッコロモンスター』と称されたガヤルドの代表的な存在。

ガヤルドは1949年に設立の老舗。フ〇アット車をベースにチューンナップしたレ
ーシングカーで、当時のレースシーンを席捲したメーカー(というよりも当時はチュ
ーナーだった)だ。現在ではフィ〇ット参加に入り、伊・仏メーカーを中心とする多
国籍自動車製造企業テスランティスの子会社となっている。日本でも人気の〇ィアッ
ト500(チンクエチェント)をベースに、ガヤルドがチューンナップを施した59
ガヤルド、695ガヤルドや、マ〇ダ・ロードス〇ーとコンポーネンツを同じくす
るライトウェイト・オープンスポーツ、124ガヤルドなどが人気を集めている。
テスランティスはイタリアのフィア〇ト・クライス〇ー・オートモービルと、フラン
スのグループPSAの折半出資で設立、既にNeXXに参戦しているフランスのピジ
ョンも実はこのグループ企業である。
リナルディとガヤルドで行われたファエンツァでのトップ会談は、ガヤルド社のラル
フレード・アルタミラ社長ほかFCA側の人間が数人と、リナルディ側はオーナーで
元F1ドライバーのカルロ・バニラ氏、チームマネージャーの佐々木正史氏などが同
席したということだ。
イタリアのメーカーは総じて水素エンジン車の開発には非積極的な印象だが、フル電
動化についても積極的な印象はなく、そもそも『環境車』というジャンルに対するリ
アクションが薄いところがあり、自動車業界全体においても今後の方向性が注目され
ていた。EU内においては現在も、電気自動車を優遇し普及を図るような国策を取っ
ている国は多いが、例えばイギリスやドイツなどは電動化の“その後”を見ている。
元々水素エンジンに早い段階で可能性を見出していたDMWやアシュトンバーキン
母国であるこれらの国は既に、電気自動車と水素エンジン車のクルマ社会における各
々の適正を見出しており、用途により各々を使い分ける“共存”策に動きつつある。
それに伴い環境車分野では遅れをとっていたイタリアが、導き出した答えの一つが水
素エンジン車の開発だったのだろう。セルバンティスグループにはラマンチアやマテ
ラツィ、アルタミラノといったイタリア車メーカーがあるが、これらの高級志向寄り
のメーカーに先んじてまずは大衆層に近いメーカーであるガヤルドが動いた格好だ。
ロンバルディアガヤルドいずれもパートナーシップを結んだ各チームの体制発表会
で改めての参入表明があるという。これで4thシーズンに参入するエンジンメーカ
ーは、現行の6社に新たな2社が加わり計8社となる。4thシーズン以降はより一
層激化する“パワーユニット戦争”が見られるだろう。今から4thシーズンが楽し
みだ。


◇体制模索中のアルバノビッチ、4thシーズンから
              パワーユニットをアシュトンバーキンにスイッチ!!

メーカーの新規参戦の話題の次は、既存チームのエンジン変更のニュース。新エンジ
ンフォーマットとなる4thシーズンに向けて、これまでの体制を見直すチームが増
えている中で、今季苦戦をしいられたアルバノビッチも4thからエンジンサプライ
ヤーをスイッチすることがわかった。2月頭に予定されている体制発表会を前に、チ
ームマネージャーのニコライ・ボルコフが我々の取材に答え明かした。
アルバノビッチは今季の中盤あたりからいくつかのエンジンメーカーと接触しており
新規参入メーカーも含め新たな可能性を探っていたという。その結果彼らが4th以
降の供給契約を結んだのがアシュトンバーキンだった。
アルバノビッチは昨季、初年度に起用したジョン・オクスレイド=ライアンからロビ
ー・ハーンへとテクニカルディレクターをチェンジ。ハーンを中心とした今後のより
長期的なビジョンでの強化計画を立てており、その中でエンジン契約の見直しも議題
としてあがっていた。アルバノビッチは現在DMWユーザーだが、DMWエンジンは
どちらかというとレラシャシーとの相性が良い。DMWがコンパクトなエンジンで、
トップスピードよりもピックアップ、トルク重視であることがその要因だが、昨季チ
ームのTDハーンはトップスピード重視と言われるシグマテックシャシーへの搭載を
想定した場合、ややパワー不足感のあるDMWではシグマテックのシャシー特性を活
かしきれていないという結論に行きついた。そこで今回のエンジン変更に至ったとい
うわけだ。

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初年度から使用してきたDMWからのエンジンチェンジを決断したアルバノビッチ。しかしヘンジン
チェンジをチームに具申したロビー・ハーンはすでにいない。ロストネルフェイト(写真右)はどの
ようにアシュトンエンジン(写真左)を活かしてゆくか、来季へ向けて準備が進む。

しかし、エンジン変更が妥当との判断を下したハーンはもはやチームにはおらず、今
季からTDに就任したターベイ・ロストネルフェイトがどのような方向性で今後の開
発を進めるかが、大きな問題となってくる。果たしてこのエンジン変更はアルバノビ
ッチにとって吉と出るか凶と出るか。ハーンありきでのエンジン変更だったとするな
ら、そのハーンが既にチームを離脱した今アルバノビッチの策は支離滅裂な様相を呈
してしまっている。果たしてここからアルバノビッチはどう軌道修正をしてゆくのだ
ろうか? ロストネルフェイトは今後、開発においてやや難しいい舵取りを迫られる。
まずは現行パッケージ最終年となる来季をどう戦うのか、注目が集まる。

 

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■Hot Stove League

□ピットブル・エクストリーム・レーシング
 No.12:ニコ・ラムダ(AUT) 
 No. 8:ミシェル・ボナパルト(FRA)

□マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション
 No. 1:アレックス・バトラー(IRL)
 No.21:アリエル・ティルクム(UK)

エヴァー・グラハム・レーシング 
 No. 7:カーティス・マルケーナス(AUS)
 No.10:ジェストン・バロン(UK)

トライアンフ・スクエアジャパン・レーシング
 No.15:日向 俊郎(JPN)
 No.30:ルドルフ・マイネ(GER)

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
 No. 5:ジョンブル・チャップマン(UK)
 No. 2:アレン・バーンズ(ASU)

プルトン・オートスポーツ
 No.17:トゥーリ・ヴィックス(EST)
 No.55:メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)

□スクーデリア・リナルディ
 No.26:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
 No.34:スティラノ・シエナ(ITA)

□クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
 No.11:デイヴィス・ファング(UK)
 No. 9:ジョリー・セプター(SAF)

□シュトロゼック・ロムニダキア・アウトシュポルト
 No.18:ジャッキー・グーデリアン(USA)
 No.28:バッドアス・バーガー(AUT)

ドラゴンフォース・チャイナレーシング
 No. 0:宋 昇龍(CHI)
 No.33:アレオ・ファーシマス(LUX) 

□ノルディック・モータースポーツ
 No.14:ケリー・ラスムッセン(DEN)
 No.91:ミック・ハイデンフェルド(GER)

□サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
 No.50:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
 No. 3:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)

アントネッティオートスポーツ
 No.77:アレンザンダー・ロッソ(USA)
 No.16:ファン・カレッジ(FRA)

□マルドゥーク・レーシング・ドバイ
 No.27:ビル・リヴィエール(CAN)
 No. 4:ゾルタン・ゲラ(HUN)

□ガジャック・ルルーシュ・スポール
 No.26:セドリック・タンデイ(FRA)
 No.19:ティモシー・ルーツェン(BEL)

         

◇残留報道から一転、ゲラ電撃移籍!
            グーデリアンとのトレードで衝撃のマルドゥーク入り!!

セプターのクラークソン入りで移籍市場のサプライズは終了したかに見えたが、最後
の最後で大きなどんでん返しが待っていた。当初様々な噂があがりながらもシュトロ
ゼックに残留すると見られていたゾルタン・ゲラの、マルドゥーク移籍がこのほど電
撃的に発表された。マルドゥークは年明け1月4日、ファクトリーのあるリーフィー
ルドで今季の体制発表会を行いゲラ獲得を発表した。
発表会には監督のファン・ドットを始めボス・グラウン、そして今季から加入するテ
クニカルディレクターのロビー・ハーンらチーム首脳が顔を揃え、更にはチームオー
ナーのダムハン殿下も出席した。また今季もNo.1シートに座るビル・リヴィエー
ルとゲラに加え、リカルド・イセクソンとサイード・アルシャハラムという2名のリ
ザーブドライバーも出席。オールキャスト総出の発表会となった。会見で第一声を発
したのはダムハン殿下だった。「本日は我々の体制発表会にお集りいただき誠にあり
がとうございます。我々はまず、我々にとっての2シーズン目を戦うにあたり2人の
新たな戦力を迎えられたことを心より嬉しく思います。我々のチームは今季これによ
り組織の技術力も、戦闘力も大きく進化を遂げることでしょう。これもファン・ドッ
ト監督をはじめチーム全体が同じ方向を向いて1シーズンを戦い通した成果です。こ
こにいるドット監督は就任時私に「3年でタイトルを狙えるチームにする」と言いま
した。そして我々は2年目にして既にそこに近いところにいる。私は今から開幕が待
ちきれません。我々は獲れるものは貪欲に獲りに行く。何もタイトルに手をかけるの
は必ずしも3年目である必要はありません。今季の我々の活躍をご期待下さい。」と
今季への並々ならぬ期待を語った。

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発表会では第一声を発したダムハン殿下(写真左)は、昨季の成績に大いに満足の様子。早くもタイトルとい
う言葉が飛び出す。かと思えばドット監督(写真中央)は自身の「3年で~」という発言を上方修正。2nd
シートにゲラ(写真右)を獲得したチーム首脳はホクホク。当然チームの士気は高い。

続けてマイクを持ったドット監督も「今季我々は昨季以上に皆を驚かせるだろう、そ
の準備は既にできている。今季まず我々は、テクニカルディレクターにロビー。ハー
ンを獲得した。これはチームがタイトルを狙う上で欠かせないピースの一つだった。
私と彼はF1で戦っていたころから“ワンチーム”だった、もちろんボス(・グラウ
ン)も含めてね。私は彼がどういう人間でどういう才能を持っているかを誰よりも熟
知している自負がある、彼も同じだろう。このチーム組織はロビーにとって最も仕事
のしやすい環境だと思うよ。私のわがままも通りやすくなるしね(笑)。ロビーが我
々のオファーに応じてくれたことに心より感謝する。そして、ゾルタン・ゲラはもう
一つの大きなピースだった。彼はこのNeXXにおいて最も計算のできるドライバー
だと私は思っている。だから私が殿下に獲得を望んだんだ。チームとしてタイトルを
獲るには彼のようなドライバーが不可欠だ。ファイティングアーティストのビル(リ
ヴィエール)と仕事人のゾルタンは理想的なパッケージだ。殿下が言った通り、我々
は既にタイトルに手がかかっていると私も思っている。よって私は自身の発言を訂正
しなければならない、我々は「3年でタイトルを狙えるチームになる」のではなく、
「2年でタイトルを獲る」。今季既にその準備は整った。」と、昨季を上回る活躍を
誓うと共に、4thシーズンでのタイトル奪取も公言した。
また、普段は寡黙なことで知られるゲラも、マルドゥーク加入の喜びを次のように語
った。「私のようなドライバーを高く評価してくれたマルドゥークチームに大変感謝
している。私のレースキャリアは別段華のあるものではないし、ここに至る実績にし
ても凡庸そのものだ。トゥドール氏(ロムニ・ダキアオーナー)にフォーミュラカー
に乗らないかと誘われなければ私はここにはいなかっただろう。ロムニ・ダキアで戦
えた2年間と、私をフォーミュラレースに導いてくれたトゥドール氏に心から感謝し
たい。そしてこの2年間があったからこそ、私はこの新進気鋭のマルドゥークチーム
の一員になれた。これは私のレースキャリアにとって最も大きな挑戦だ。このチーム
はデビュー2年目にして既に王座を狙える力を持っている。私は普段からあまり感情
が表に出る方ではないんだが、今日はすこしばかり顔が緩んでいるかもしれないね。
心の底から湧き上がるワクワクを抑えられないんだ(笑)。」と自信が言ったように
普段は言葉少ななハンガリー人が、珍しく饒舌に自身の想いを語った。
ゲラはこれまで今季もシュトロゼックに残留すると見られていた。しかしゲラ獲得を
強く望んだドット監督がダムハン殿下を動かした。ゲラは既にシュトロゼックとの契
約で合意に達していたと見られ、ゲラとの交換トレードでシュトロゼックへ移籍した
グーデリアンもマルドゥークと残留で合意間近と言われていた。しかしドット監督の
強い要望が、この時期になってのサプライズトレードという形で実現した。
しかし、先ごろマルドゥークはアルバノビッチからTDのロビー・ハーンを引き抜い
たことで物議を醸した。今回のゲラ獲得も双方合意間近の状況からのやや強引なドレ
ード劇で、ある種の引き抜きと言えなくもないことから、関係者たちは一様にマルド
ゥークの“やり方”に警戒感を強めている。
ともあれこれでマルドゥークは、参戦2年目ながらタイトルを狙える位置に浮上して
きたのは間違いないだろう。来季、NeXXのパワーバランスは大きく変わってゆく
かも知れない。来季の開幕が今から待ちきれない。


◇ついに全チームの陣容が固まる! 最後まで空いていた
         マーキュリーの2ndシートには昨季途中離脱のティルクム!!

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驚きの人事はここでも!? マーキュリーの2ndシートに座ることに
なったのが昨季途中離脱のティルクム。チームの大きな期待に今季こそ
応えられるだろうか? 他チームの評価は割れている。

2年連続でドライバー王座を獲得したアレックス・バトラーを擁するにも関わらず、
最後の最後まで2ndドライバーが決まらずに奔走していたマーキュリーチームだっ
たが、年が明けてようやくその空きシートに座るドライバーが決定した。昨季途中で
クラークソンを離脱したアリエル・ティルクムと単年契約を結んだ旨が、マーキュリ
ーから発表されたのだ。この発表は年明け1月4日に更新されたマーキュリーのチー
ムサイトで発表されたもので、他の多くのチーム同様1月末ごろに行われる体制発表
会で大々的に発表される。
チャンピオンドライバーを擁するチームの2ndドライバーがこの年明けまで決まら
ずいたことも驚きだが、決定したドライバーが昨季途中離脱したティルクムというの
も驚き。マーキュリー側はチームサイトでの掲載分の中でティルクムがマカオF3を
連覇している若き実力者であること、今季24歳とまだまだ伸びる可能性のある年齢
であること、クラークソンの旧体制下のものである昨季の戦績には全く参考に出来ろ
がないことなどを挙げ、チームとして大きな期待を持ってティルクム獲得したことを
強調している。
しかし、ティルクムに対する評価はNeXX参戦チームでも様々で、トップフォーミ
ュラで通用するか否かは未だ大きく見解が分かれているところだ。いかにチームのサ
ポートが手薄だったとはいえ12戦で6度の予選落ちを喫したことと、モチベーショ
ンを失った後半戦でのレースに臨む態度が各チームの評価を微妙なものにさせている。
また、2ndドライバーのサポート体制ではマルケーナスの流出を招いた昨季のマー
キュリーの体制も決して褒められたものではなく、若いティルクムの才能を活かしき
れるのか疑問の声も。最近のパドックでは実質“中規模プライベーター”とでも呼ぶ
べき運営体制のマーキュリーでは、チームがバトラーに注力する分No.2は旧体制
下のクラークソンよろしく冷遇されるとも囁かれている。
それにここまで2ndドライバーの決定がズレ込んだ揚げ句に、獲得したドライバー
が昨季途中離脱したティルクムという決定には、どうしても“間に合わせ”感が拭え
ない。昨季はバトラーの連覇とあわせ、チームタイトルの獲得も目標として掲げてい
たマーキュリー。しかし結果昨季は後半戦、実質チームに“ネグレクト”されたマル
ケーナスは失速し、チームタイトルには手が届かなかった。
マーキュリーはまずチャンピオンドライバーを擁するチームとして、チーム体制の強
化に動くべきだと指摘する声もパドックにはある。要するにチームの“格”をあげる
ためにお金を使うべきという意見で、これに賛同する関係者は少なくはないのだ。は
たして来季バトラーとティルクムのラインナップで、マーキュリーはタイトルに手が
届くのか? 来季のマーキュリーと、そしてティルクムの戦いぶりに注目したい。

              

次号はいよいよ開幕直前号だ。準備万端の15チームの今季体制、そして今季の展望
をお伝えしたい。では次号もご期待ください!!

 

NeXXtream Press「オフシーズン号」

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◆オフシーズン号

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■NeXX Topix


◇現行シャシー最終年の来季、最後のマイナーチェンジでどう変わる?

4thシーズンからアメリカのデンプシーが参入し3メーカーとなるNeXXのシャシ
ーデペロッパー。それにあわせて現行2社は4thシーズンからシャシーを完全刷新、
新型を投入することで既に合意済みだ。ということは来季3rdシーズンが現行シャシ
ーの最終年となり、2社とも現行シャシーに最後のリファイン・アップデートを施すこ
ととなる。果たして来季シグマテック、レラの2社は現行シャシーにどのように”手を
入れて”くるだろうか?

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来季は現行シャシー最終年。2社ともラストアップデートを施してくるはずだ。

これまでのレースからあげられる2社のシャシーのざっくりとした特徴は、「シグマテ
ック=中高速型」、そして「レラ=中低速型」。そしてシグマテックが直線で速いマシ
ンであるのに対しレラはいわゆる”コーナリングマシン”と言われてきた。1stシー
ズンは特にその傾向が強く、レラのあげた勝利はサーファーズ・パラダイス、ヤス・マ
リーナ、ブルノといった中低速テクニカルコースばかりで、その他のコース、特に高速
コースではシグマテックが速さを見せつけた。シーズン全体の勝利数でもシグマテック
15勝に対しレラ3勝とシグマテック勢が圧勝。初年度のレラシャシーピーキーなコ
―ナリングマシンで、乗りこなすのが難しいマシンとされた。
しかし2ndシーズンへ向けてレラはシャシーを大幅に改良してきた。前後のダウンフ
ォース両のバランスを調整し、フロアパネル上に整流板を追加しボディ周りの気流を整
えた。またフロントパネルの前端、左右サイドポッド手前の位置に配されたヴェンチュ
リ効果を狙ったエアトンネルを小型化し、リアディフューザーとのバランスを調整する
など空力を徹底的に見直した。その結果ピーキーだったコーナリング特性がマイルドに
なりドライバビリティの改善に成功。それにより今季は7勝をあげる活躍を見せた。中
でもポルボローネが優勝したムジェロやラ・ポルタが優勝したバクー、そしてグーデリ
アンが優勝したマカオなど、テクニカルな中高速コースでの勝利が増えレラが、ベース
にある”コーナリングマシン”というストロングポイントをスポイルせずに、ウィーク
ポイントをしっかりと潰してきた様子がうかがえた。
一方のシグマテックはトップスピード重視のコンセプトを変えずに戦った。全体的なマ
シン特性としては今季も変わらず”直線番長”、ポール・リカールやサンパウロ市街地
ブカレストなどロングストレートを有する高速コースを中心に速さを見せつけた。また
エンジンや補器類搭載時のマシンバランスにおいてのユーティリティ性が高く、各メー
カーのエンジン搭載時のマシンバランス変化が少ないことから”どのメーカーのエンジ
ンでも載せられる”という点での優位性が隠れた強みだった。半面ピットブルの2台が
バクーで大苦戦したように、天候や路面状況などの諸条件とセッティングによっては全
く戦えなくなってしまうこともあった。全18戦の中で特に風の影響が大きいことで知
られるバクーでは、ピットブル勢は2台揃って予選で後方に沈み決勝ではラ・ポルタが
優勝、2位日向、そして4位にヴィックスとレラ勢が上位を独占した。
2ndシーズンを終えての2社のシャシーはレラに大きな改善が見られたが、基本的な
マシンの性格は概ね変わっていない。しかしレラが今季ムジェロやバクーなど、比較的
速度域の高いサーキットで強さを見せたことは忘れてはならないだろう。純粋なハイス
ピードコースでは未だシグマテック勢が優位であるものの、速度域の高いテクニカルト
ラックでの速さは拮抗している。来季は2社ともそのあたりを念頭においてリファイン
・アップデートを施してくるはずだ。果たして来季のマシンはどのようなビジュアルで
どのような性格のマシンになるのか、来季シャシーの合同発表会は年明けの1月12日
だ。


◇シュトロゼック正式参戦で4thから、ドイツGPがルーマニアGPとの隔年開催へ

現在F1カレンダーからも外れトップフォーミュラの世界選手権が開催されていないド
イツだが、この度NeXX4thシーズンのカレンダー入りが決定したようだ。ドイツ
自動車クラブ(AvD)のリュック・ライツ・リンデルンがアウトモートア・ウント・
シュポルト誌の取材に対して語った。FNO側からは年明けにも正式発表があるという。
NeXXでのドイツGP開催はカテゴリ発足当初から既に検討されていたが、現地プロ
モーターやその他開催地候補との調整の関係で棚上げされていた。
状況が変わったのは2ndシーズンの開幕直後で、ロムニ・ダキア買収に動いたシュト
ロゼックがAvDに働きかけGP開催の話が再び動き始めた。当初の開催計画はホッケ
ンハイムを舞台としたもので、その後はニュルブルクリンクやオッシャースレーベンで
開催する案なども上がったが、当初の計画通りホッケンハイムでの開催に落ち着いたよ
うだ。また開催は当面の間毎年ではなく、4thシーズンからルーマニアGPとの隔年
開催となるという。計画通りならドイツGPの最初の開催は4thシーズンとなるため
偶数シーズンはドイツGP、奇数シーズンはルーマニアGP開催というスケジュールに
なるようだ。
また現在ルーマニアGPは第12戦に設定されているが、ドイツGP開催シーズンはカ
レンダーに調整が加えられヨーロッパラウンドの前半戦、つまり第6~9戦あたりに組
み込まれるのではないかという。これは欧州内の移動経路にカレンダーを準拠させるた
めである。また4thシーズンからは第13戦の舞台がアゼルバイジャンからカザフス
タンへと変更になり、デンマークGPのカレンダーインの噂と同時にチェコGP開催終
了の噂もあり、このあたりのスケジュール調整は簡単ではないがFNOははたしてどう
対処するつもりなのだろうか。ひとまず年明けの正式発表を待ちたい。
ドイツGPの舞台となるホッケンハイムは、ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク
州にあるサーキットで、1932年開設という伝統のオールドコース。”黒い森”シュ
バルツバルト内に敷設されたコースは当初全長12kmというロングコースだったが、
度重なる改修が加えられ現在は1周4.574kmの中高速サーキットとなっている。
中でも1965~2001年までF1ドイツGPが開催された1周6.8kmのレイア
ウトは、4本のロングストレートを3つのシケインで繋いだ超高速レイアウトで、数多
くの高速バトルを生んだ当時のレイアウトが改修されたことを惜しむ声は根強い。
何はともあれドイツGPの名がトップフォーミュラの世界選手権に戻ってくるのは喜ば
しいいことだ。カール・ベンツがガソリンエンジンを搭載した”世界発の自動車”を生
み出してから早1世紀半。水素+電気モーターとフォーマットは変われど、”自動車”
は生き続けている。そんな自動車”発祥の地”ドイツでのGP開催は、NeXXにとっ
て大きな意味を持つ。FNOは難しい調整を迫られるが、ぜひともヨーロッパの自動車
大国での永続的な開催につなげていって欲しい。

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ついに4thシーズンからカレンダーに加わることが正式決定しそうなドイツGP。伝統
オールドコース、ホッケンハイム(写真左)での開催はシュトロゼック(写真右、本社ビル)
が後押し。


◇4thから舞台を移す予定のドバイGP、市街地コースの仮レイアウトを発表!!

4thシーズンからの市街地でのGP開催を目指すドバイだが、このほどドバイの主催
者側がFNOに提出したレイアウト案が明らかになった。FNOのマネージングディレ
クター、ハーディー・フラッシュへの取材で明らかとなった。
以前、第4戦ブラジルGPの舞台であるサンパウロに姿を現したマルドゥークチームの
オーナーにしてドバイ王家の皇太子ダムハン殿下は、その時の囲み取材で市街地レース
開催への想いを熱く語っていたが、同時にすでにコースとして使用する区画もめぼしを
付けていると語っていた。そして今回ドバイGP主催者であるマルドゥーク家の関連会
社から暫定のレイアウト案が提出されたそうだ。

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上図が主催者側から提出された”ドバイ・モーターシティ・サーキット”の全体図だ。前半区間はロータリーを
使ったクランク型シケインや直角ターンの多い中低速区間だが、後半はほとんどが全開区間


レイアウトは以前殿下が語った通り、『モーターシティ』と呼ばれる区画と『スタジオ
シティ』と呼ばれる区画を結んだ5.5km前後の区間。現在ドバイGPに使用されて
いるドバイ・オートドロームに隣接する区画で、ゴーカート場を囲むように敷設される
ことになる。緑豊かな住宅街として知られる『モーターシティ』は、周辺には高級住宅
街として有名なジュメイラ地区があり、他にも大きなショッピングモールやバーベキュ
ースポットなどもある住民の憩いの場。『スタジオシティ』区画にはシネマコンプレッ
クスや円形劇場、乗馬クラブなどがある。さらに足を拡げるとポロクラブゴルフコース
や様々なスポーツ施設のある『スポーツシティ』という区画も。
レイアウトは全長5.5km、コーナー数は12となり、全開区間が多い中高速トラッ
クになるとみられる。コース前半はターン1からスタジオシティの区画に入り、交差点
やロータリーをシケインとして利用したテクニカルセクションとなり、ゴーカート場の
外周を走る『デトロイト・ロード』と呼ばれる約1.2kmの全開区間がメインとなる
コース後半は超高速区間となる。前述のとおりドバイ・オートドロームに隣接した区画
のため、周囲の町並みは関係者にはお馴染みだがそこをNeXXマシンが駆け抜けると
なると期待感は高まる。レースが行われるとなれば“ナイトレース”となることが確実
視されているためなおのことだ。

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今季ドバイGPが行われたドバイ・オートドロームは、モーターシティ・サーキットのすぐ隣の
区画。まさに”砂漠のメトロポリス”を駆け抜けるエキゾチックなGPになる。


1970年代以降に大きく発展を遂げたドバイは豪壮で近代的なビジネス区画の町並み
と、美しく整った住宅地区の町並みが溶けあった“砂漠のメトロポリス”だ。開催が正
式に決定すれば全18戦中7戦が市街地のNeXXに、カレンダー中最もゴージャスな
ストリートレースが加わることになる。さらに4thシーズンにはコペンハーゲン市街
地でのデンマークGPの開催も予定されており、さらにゴージャスさに拍車がかかるこ
とになる。4thシーズンのカレンダー発表が今から待ちきれない。

 

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■PADDOCK PRESS


◇クラークソンが驚きの来季チーム体制発表!
                スプレンダーとセプター獲得で来季は大躍進か!?

もしかするとこの発表はオフシーズン最大のトピックスかもしれない。シーズン途中の
2ndドライバー解雇に始まりチームマネージャーの交代、そして50名以上のスタッ
フの入れ替えを行うなど随所で話題を振りまいているクラークソンが、NeXX最強エ
ンジンと名高いスプレンダーと元F1王者のジョリー・セプターの獲得を発表した。ク
ラークソンは彼らのファクトリーがあるミルトンキーンズで、クリスマスの一週前の日
曜に来季の体制発表会を行いこの事実を公表した。
会見の際にはオーナーであるジェレミー・クラークソン、チーム監督のリチャード・デ
ヴィッズ、新マネージャーのスティラノ・ドミニコルの他に、珍しく共同オーナーのジ
ェームズ・メイ、リチャード・ハモンドも同席。さらにはエースドライバーのデイヴィ
ス・ファング、チーム加入が決まったジョリー・セプター、そしてスプレンダー開発チ
ーム総責任者のニール・ライフソンが出席し華々しい会見となった。
第一声を発したのはデヴィッズ監督だった。「我々クラークソン&メイ・ハモンド・レ
ーシングは今日ここに、スプレンダーと来季の供給契約を結んだことと、そしてかつて
”跳ね馬”でF1の頂点を極めたドライバー、ジョリー・セプターが加入する旨を発表
したい。」と切り出したデヴィッズ監督は続ける。「スプレンダーは言わずと知れたN
eXX最強エンジンだ。バトラーを2度ドライバー王座につけマーキュリー、ノルディ
ックの躍進の文字通り原動力となっている。我々はスプレンダーのような優秀なエンジ
ンビルダーを求めていたんだ。これまでの我々はマシン特性上低速コースやツイスティ
なコースで苦戦してきたが、スプレンダーはどんなコースでも持てるポテンシャルを最
大限に発揮できる、高次元でポリバレントなエンジンだ。我々はこれまで2年間共に戦
ってきたアシュトンバーキンに感謝の意を表すとともに、スプレンダーが来季より我々
のパートナーとなることに大きな喜びを感じている。」と話し、スプレンダーのライフ
ソン開発総責任者へと水を向けた。ちなみにニール・ライフソン氏はマーキュリーチー
ムのテクニカルディレクター、ゲドラフ・ライフソン氏の孫にあたる。
「私たちもクラークソンチームと新たなパートナーシップを結べたことを大変嬉しく思
っています。また来季も3チームへの供給体制が確保できたことも喜ばなければなりま
せん。今デヴィッズ監督から「最強エンジン」との言葉がありましたが、これは我々に
対する最大級の賛辞であり、同時に我々が2年間このNeXXで築き上げてきた実績に
対する相応の評価であると自負する所です。我々は意欲あるチームと共に高みを目指し
続ける、そしてこのクラークソンチームからは意欲というか野心といか、そんなものを
感じました。だから今回の契約締結に至った。来季のチームの躍進を期待していてくだ
さい。」と語ったライフソン氏。
このクラークソンとスプレンダーの新たなパートナーシップが第一のサプライズだとす
れば、次なるサプライズはセプターのクラークソン加入だ。「クラークソンは今大きな
改革を実行している。それは選手権に勝つための改革だ。私が加入したのもその一環で
クラークソンは来季本気でタイトル獲りを狙っている。そんな意気軒高なチームに加入
できて大変嬉しく思っている。このチームからは新しい風を感じるし闘志を掻き立てら
れるんだ。他にもいくつかオファーはあったが、私を興奮させるようなビジョンを提示
したチームはなかった。世間じゃ私が法外な報酬を求めていると言われているが(笑)
私にとって重要だったのはチームのビジョンさ。私はチャイナドラゴンで3勝をあげた
が、チャイナドラゴンは私との契約更新はしないと言った。それは彼らの未来図に私は
入っていなかったからだ。さっきも言ったがこのクラークソンというチームは今、野心
的な動きをしていて本気でタイトルを獲りに行こうとしている。絶対的なエースには彼
(ファング)がいるけれど、私もまだ彼には負けないという自負があるし共にF1王者
経験もある。来季のNeXXでは我々の陣容が“最強”と言っていいと思っているよ。
とにかく、職にあぶれそうだった私を拾ってくれて感謝しているし(笑)、ここに来た
からには全力を尽くすよ。」と来季の抱負を語ったセプター。
またこれを受けてファングも「ジョリーが来てくれたのは嬉しい限りだよ。俺たちはF
1時代から見知った仲だし、激しいバトルを繰り広げてきた戦友でもある。優秀なチー
ムメイトがいることはチームにとっても俺にとってもプラスにしかならない。」と発言。記者からの「セプターとはうまくやれる?」の問いには「問題ないよ。このオーナーとこの監督のもとでやれているんだ、ジョリーと問題なんて起きようはずがないね(笑)」と語り会場を笑わせた。いみじくもセプターが言ったようにクラークソンは来季、“元F1王者コンビ”という“最強”の陣容でシーズンを戦うこととなった。

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サプライズ連発の来季体制発表会、デヴィッズ監督(写真左)は意気揚々と来季への展望を語る。シート
喪失の危機から土壇場で”ドリームチーム”のNo.2となったセプター(写真右)は、クラークソンの来季
の陣容を”最強”と形容。エースのファング(写真中央)とのジョイントも前向きだ。


クラークソンはこれまで、ファングが2シーズン続けて100ポイント以上を獲得し、
チームランキングではトップ3を狙える位置につけている。それも歴代サポート不足と
いわれたNo.2ドライバーが満足に戦えない状態でだ。つまりクラークソンの年間ポ
イントのほとんどは、ファングが一人で稼いでいたのだ。しかし来季はそこにセプター
が加入する。セプターはNeXXではファングを上回る3勝をあげており、今季はやや
ムラがあったものの初年度は安定感のあるレース運びで驚異的な入賞率を誇った。No
.2に計算できるドライバーが加入しただけでもクラークソンの総合力は大きく上がっ
たと言っていい。そこへ来てさらに来季スプレンダーエンジンが乗るのだ。こうなると
クラークソンの評価はもはやトップ3に食い込むどころではなく、一躍タイトル争いの
主役候補というステージまで浮上する。クラークソンが使用するシグマテックシャシー
とスプレンダーエンジンの相性は、マーキュリーとノルディックの活躍を見ればわかる
通りだ。クラークソンは文字通り大きな“武器”を手に入れたのだ。
来季、ディフェンディングチャンピオンのピットブルは体制盤石、しかしマーキュリー
は未だNo.2が決まらずやや焦りの色を見せている。またノルディックも今季、ラン
キングは3位であったもののトップ2に大きく水をあけられた。来季クラークソンが割
って入るスキは十分にある。またマーキュリー、ノルディックに不安要素があるという
ことは、クラークソンがチームとしてうまく機能すればスプレンダーユーザーの中でも
No.1に立てるということだ。
それにしてもシーズンオフ直後からあれこれバタバタと働いていたクラークソンは、と
んでもない“クリスマスプレゼント”を投下してきた。以前デヴィッズ監督の言ってい
た“サプライズ”とはこのことだったのだ。来季、クラークソンが大きく躍進するのは
間違いないだろう。あまりにドラスティックに事を進めている為、本当に来季開幕まで
に組織としてまとまれるのかという懸念もあるが、“最強エンジン”+“元F1王者コ
ンビ”とくれば期待の方が勝ってしまうのは当然。また来季はシュトロゼックの参戦や
トライアンフの体制強化など、現在のパワーバランスが崩れかねない要素を他にもいく
つか内包しているNeXX。ともかくもこれで来季も群雄割拠のシーズンとなることは
間違いなしだ。来季のクラークソンの戦いぶりには大いに期待したい。


◇SLOが来季からヨコスカユーザーに! ブラジル期待の若手セラの加入も発表!!

SLOことサントス・ロコ・オリベイラ・レーシングは、来季3rdシーズンからヨコ
スカタイヤを使用することを発表した。SLOは12月15日付で関係各位に電子メー
ルによるプレスリリースを発行、この旨を報告した。
SLOは3人のブラジル人実業家が共同運営するチームだが、そのうちの一人リカルド
オリベイラ氏が昨年ヨコスカの株式の1/4を取得。地元サンパウロ現地法人を設
立するに至り、これに合わせチームの使用タイヤもヨコスカへと変更するのではないか
との憶測が早い段階で飛び交っていた。
プレスリリースはリカルド・オリベイラ氏、パウロ・サントス氏、カルロス・ロコ氏の
3名の共同オーナーの連名で出され、ヨコスカタイヤと3rdシーズン以降の供給契約
を締結した旨が記されており、リリースの一文には「我々の活動がヨコスカ社の世界的
な成功と繁栄の一助となることを望んでいる。」と、オーナーの一人がヨコスカの大株
主であることをうかがわせる文言も。これでSLOは来季、7チーム目のヨコスカユー
ザーとなった。NeXXはご存知の通りフランスのヴァシュロンと日本のヨコスカとい
う2社がタイヤメーカーとして参戦している。初年度は参戦12チーム中ヴァシュロン
とヨコスカのユーザー数は6対6でちょうど半分だったが、今季から新規参戦の3チー
ムは全てヴァシュロンと契約を締結。ユーザー数ではヨコスカ勢6に対しヴァシュロン
勢が9チームとなっていた。

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SLOのタイヤスイッチは早い段階から噂されていたこと。タイヤ使いの巧い二人のドライバーを起用
するチームとしてはアドバンテージとなる可能性第。またブラジルのみならず世界が注目する若手ドラ
イバー、セラ(写真右)のリザーブ起用も発表。


ヨコスカのタイヤはヴァシュロンに比べ”ロングライフ。ローグリップ”傾向と言われ
今季前半は各ユーザーとも特にハードタイヤでの予選スプリント走行で苦戦。ヨコスカ
側はシーズン終盤に急きょ新しいコンパウンドを採用した『改良ハードタイヤ』を投入
するなどしていた。一方でタイヤライフの長さとグリップの落ちが緩やかなことについ
ては評判が良く、状況によっては決勝でハードを使わない『オールソフト作戦』を選択
できるなど、戦略性の高さを評価する声も多く上がっていた。SLOのドライバーはラ
・ポルタ、サントス・フィリオともタイヤ使いの上手さには定評があることから、SL
Oのタイヤスイッチには早くも関係者から期待の声が上がっている。
またSLOは合わせて3rdシーズンから、チームのリザーブドライバーにブラジル期
待の若手アントニオ・セラを起用することも公表した。セラは今最も将来を期待されて
いる若手ドライバーの一人で、昨季イギリスF3において20戦12勝という最多勝
録を樹立。チャンピオンに輝くと同時にマカオF3も制した逸材だ。
SLOは先ごろNeXXチームの体制変更と共にIMSAへの参戦を発表、更に5年以
内のル・マン24時間への挑戦もぶち上げており、チームはNeXXのみならずグロー
バルにレースシーンへの展開を図っている。今季はラ・ポルタがNeXX初勝利もあげ
た。来季は新体制で躍進を狙う。


◇カナダの航空機メーカーロンバルディア
    新フォーマットに合わせ4thからエンジンメーカーとしてNeXX参戦!!

4thシーズンからエンジンを含めた動力機構を、水素ターボエンジンと回生機構を組
み合わせた『パワーユニット』と呼ばれるコンポーネントへと移行するNeXX。その
NeXXを統括するFNOはそれに合わせて、現在6社としている参戦メーカー枠の上
限を撤廃するが、このほどカナダの航空機製造を中心とする重工業企業ロンバルディア
が、エンジンサプライヤーとしてNeXXに参戦することがわかった。
NeXXのエンジンは4thシーズンから最大排気量上限2.4L、6気筒以下(形式
は問わず)のターボエンジンとなり、それにエネルギー回生機構を組み合わせたパワー
ユニットとなるが、この「水素エンジン+回生機構+電気モーター」という水素ハイブ
リッドのフォーマットは自動車メーカーだけでなく、世界のモビリティ企業から大きな
注目を集めており、4thシーズンからはいくつかの新規参戦メーカーが現れることが
予想されていたが、参戦メーカーに関する確度の高い情報として取り上げられたのはロ
ンバルディアが初めてだ。
ロンバルディアはカナダ、ケベック州モントリオールに本拠地をおく、重工業を主とし
コングロマリット企業。現在は主に航空機や鉄道車輛を製造している。自動車専門メ
ーカーではないが、総合的モビリティ企業としては鉄道部門で世界最大の生産設備を保
有し、民間航空機部門では世界第4位を誇るグローバル企業だ。またスノーモービル
ついては車輛製造のほか運航制御システムなどの保安設備に至るまでの製造を手掛けて
いる。エンジンメーカーとしてのNeXX参戦は比較的早い段階から噂があがっており、今回の情報は関係者筋の、それも上層部の人間の話ということで情報の信憑性はかなり高い。
自動車専門メーカーではない企業としては既に来季、カムイと手を組んで参戦を果たす
日本の総合モビリティ企業SUGOの存在があるが、SUGOは自車が開発する『水素
ジェット』への技術転用を目的としてNeXXを開発の場に選んだ。ロンバルディア
世界第4位の航空機メーカーとして『水素ジェット』の自社開発に着手しており、さら
に前述のスノーモービルなどへの技術転用も想定しての参戦と見られる。
こうなってくると気になるのはその供給先だが、なにしろ信憑性の高い情報とはいえま
だ正式発表されていない情報だ。現段階でそれを予測するのは難しい。同郷のチーム、
もしくはドライバーのいるチームという線はなきにしもあらずだが、現在NeXXには
カナダ国籍のチームはなく、カナダ人ドライバーのビル・リヴィエールはドバイ王族の
率いるマルドゥークに籍を置く。今季シェブロンとのパッケージで参戦初年度とは思え
ぬ大活躍をしたマルドゥークが、新参メーカーへと契約をスイッチすることは考えにく
い。マルドゥークチームの監督ファン・ドットがリヴィエールを気に入っており、現状
ではリヴィエールが4thシーズンに移籍するとも考えにくい。またカナダからの新規
参戦の噂もなく、供給先は現在参戦している15チームのいずれかになるだろうが、こ
の時点ではまだ予測がつかない。
このニュースを最初に報じたのはフランスのモータースポーツ専門誌『オト・エブド』
誌、情報の出どころは先述の通りロンバルディア社上層部の人間だと言い、近く正式発
表があるとも記されている。しかしその際に来季パートナーシップを結ぶチームの発表
があるかはわからないとのことだ。
今後様々なメーカーの開発の舞台となりそうなNeXX、今後ロンバルディアに続くメ
ーカーの参戦表明も期待される。

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日本では航空機メーカーというイメージの強いロンバルディアだが、鉄道車輛などの製造でも
世界有数。なかでもスノーモービルでは長年世界的なシェアを誇っている(写真右はスノーモ
―ビルのエンジン部)。


◇ノルディック、来季もタイトル逸ならば4thはチーム大改革か!?

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今季のノルディックの伸び悩みの原因と反省の弁をひたすらに語ったソルベルグだが
その口から具体的な改善策などは出ず。はたしてノルディックは来季もタイトルに絡
むチームとしての立ち位置を守れるのだろうか?

 

2季連続で選手権3位に終わっているノルディックチームは、来季もタイトルを逃すよ
うなことになれば大幅なチーム改革が必要だと考えているようだ。
北欧はスウェーデンに本拠を置くノルディック・モータースポーツ(ファクトリーはド
イツ・ハイデルベルグ)は、1998、99年のF1王者ミコ・ハンクネンと82年の
F1王者チチ・ソルベルグを中心として結成された“純・北欧”のチーム。F1ではデ
ビューレースで2位表彰台を記録したデンマーク人ドライバー、ケリー・ラスムッセン
をエースに据え“オール・ノルド体制”で2シーズンを戦った。昨季はそのラスムッセ
ンが2勝をあげドライバー、チームともに最後までタイトルを争ったが、今季はバトラ
ーとラムダ、そしてピットブルとマーキュリーに大きく水をあけられた。結果過去2シ
ーズンともドライバー、チームともにランキング3位と健闘したが、今季の“2位に大
きく離された3位”という結果に、チーム首脳は危機感を抱いている。
「今季我々はピットブルとマーキュリーの“トップ2”に大きく差をつけられてしまっ
た。それだけではなくマルドゥークやアントネッティと言った新参にも肉薄された。来
季はトライアンフも大きな脅威になる。来季の我々は本当に気が抜けない状態なんだ。」とチームマネージャーのソルベルグは険しい顔で取材に応じた。「今季我々は決して戦闘力が低いわけではなかった。しかしやるべきことをやって勝てるべきレースを勝ったかというと、それはノーだ。ケリー(・ラスムッセン)は結局今季1勝もできなかった。
彼にももっとやれることがあったと思うが、我々チーム側としてもそれは同様だ。ケリ
ーに対して万全のサポートが出来たかと言えばそれは否だ。ミック(・ハイデンフェル
ド)が辛うじて1勝してくれたけどね、でも彼はそれで終わってしまった。今季の我々
は各々がしなければならなかった最大限を各々が為せなかった。結果我々の体制は全て
において万全ではなかったと言わざるを得ない。」と今季を振り返ったソルベルグ
「我々はもちろん初年度からタイトルを獲るつもりで体制づくりをし、結果タイトルに
は届かなかったもののそれに相応しい力を持っていると思えるような成績を残した。し
かし初年度とほぼ同様の体制で臨んだ今季、我々は思いのほかタイトルに近いところに
いなかった事が判った。我々は決して何かを怠ったわけではないと思っているが、今季
の成績は我々にその認識は誤りであるという事実を突きつけている。我々は来季もう一
度現体制でタイトルへのチャレンジを試みるが、その結果次第では大きな改革が必要だ
ろう。」と4thシーズンへ向けてチーム体制を抜本的に改革する可能性も考えている
ことを吐露した。
「正直アントネッティやマルドゥークといった新規参戦チームが、あそこまでやるとは
思っていなかった。そこが我々の甘さといえばそうだったのかも知れないね。新規チー
ムの参戦でNeXXのパワーバランスは、1シーズンにして大きく変わったよ。我々は
今後長期にわたってこのNeXXで、タイトル戦線の中心的存在でありたいと考えてい
る。その為には来季、我々がこのままで良いのかを見極めなくてはならない。我々は4
thシーズンより先を見据えながら、来季は全力で2人のドライバーをサポートする。」
ソルベルグは、いかに危機感を抱いているかをかなりの言葉数をもって語ってくれた。
しかし彼の口からは何を問題点として把握し、どう解決してゆくかの具体的なビジョン
が語られることはなかった。果たして彼らは、どこまで問題の本質と打開策を見いだせ
ているのだろうか? 一部のメディアは、彼らは自分たちがどこまでやれるのか判らな
い状態で参戦し、初期戦力で当初の想定を超える活躍をしてしまい、自らの戦力を見誤
ったのだとの見方をしている。ここまでのソルベルグの話を聞く限りでは、それもあな
がち間違いではないのではないかという気もしてしまう。
4thシーズンからはデンマークGPがカレンダーに加わる可能性が高い現状、北欧を
本拠とするノルディックのNeXXにおける存在価値は決して小さくない。しかしそん
な北欧でのNeXXに対する盛り上がりとは裏腹に、やや迷走を始めたのではないかと
も思えてしまうノルディックチームの内情。一部では4thシーズンからエンジンメー
カーをチェンジするとか、ラスムッセンの後釜にスウェーデン人のF1パイロット、ト
ニー・ペーダーセンを招聘するのではないかなど、様々な噂がささやかれるようになっ
たが、果たしてソルベルグの考える“抜本的なチーム改革”とはどういったものか?
ともあれ来季はドライバーやマシンコンポーネンツ含め現体制で臨むノルディック、彼
らがは来季、4thシーズン以降を見据えながらどう戦ってゆくのか、注目していきた
い。

 

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■Hot Stove League

□ピットブル・エクストリーム・レーシング
 ◎No.1:ニコ・ラムダ(AUT) 
 ◎No.2:ミシェル・ボナパルト(FRA)

□マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション
 ◎No.1:アレックス・バトラー(IRL)
 △No.2:アレンザンダー・カブロン(THA)??
 ×     ジョルディ・ヴァッセル(ENG)??
 ×     アリエル・ティルクム(ENG)??

エヴァー・グラハム・レーシング 
 ◎No.1:カーティス・マルケーナス(AUS)
 ◎No.2:ジェストン・バロン(UK)

トライアンフ・スクエアジャパン・レーシング
 ◎No.1:日向 俊郎(JPN)
 ◎No.2:ルドルフ・マイネ(GER)

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
 ◎No.1:ジョンブル・チャップマン(UK)
 ◎No.2:アレン・バーンズ(ASU)

プルトン・オートスポーツ
 ◎No.1:トゥーリ・ヴィックス(EST)
 ◎No.2:メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)

□スクーデリア・リナルディ
 ◎No.1:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
 ◎No.2:スティラノ・シエナ(ITA)

□クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
 ◎No.1:デイヴィス・ファング(UK)   
 ◎No.2:ジョリー・セプター(SAF)     

□ロムニ・ダキアオートスポーツ(シュトロゼック)
 ◎No.1:ゾルタン・ゲラ(HUN)
 ◎No.2:バッドアス・バーガー(AUT)

ドラゴンフォース・チャイナレーシング
 ◎No.1:宋 昇龍
 ◎No.2:アレオ・ファーシマス(LUX)

□ノルディック・モータースポーツ
 ◎No.1:ケリー・ラスムッセン(DEN)
 ◎No.2:ミック・ハイデンフェルド(GER)

□サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
 ◎No.1:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
 ◎No.2:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)

アントネッティオートスポーツ
 ◎No.1:アレンザンダー・ロッソ(USA)
 ◎No.2:ファン・カレッジ(FRA)

□マルドゥーク・レーシング・ドバイ
 ◎No.1:ビル・リヴィエール(CAN)
 ◎No.2:ジャッキー・グーデリアン(USA)

□ガジャック・ルルーシュ・スポール
 ◎No.1:セドリック・タンデイ(FRA)
  ◎No.2:ティモシー・ルーツェン(BEL)

         

◇有力チームから引っ張りダコのゲラ、結局来季はSSRD残留へ

マーキュリーやドラゴンフォース、そしてマルドゥークなど様々なチームが獲得を狙
っていたシュトロゼックのハンガリー人ドライバー、ゾルタン・ゲラの去就がどうや
ら来季もシュトロゼック残留で落ち着きそうだ。チーム関係者筋への取材で判明した。
レース界では珍しい国籍のドライバーが多いNeXXだが、ハンガリー国籍のゲラも
その部類に入る。またゲラのNeXX以前のレースキャリアも決して華やかなもので
はなく、ここにステップアップするまではほぼ無名の存在だった。しかしNeXXデ
ビューでその才能が開花。チーム体制が盤石とはいえない中昨季は1勝をあげ、今季
も同僚のファーシマスが僅か1ポイントと低迷する中59ポイントを獲得しランキン
グは11位。遅咲きのハンガリー人は一躍NeXX各チームの注目の的として移籍市
場の主役になった。
中でも積極的に獲得に動いていたのはマーキュリー、ドラゴンフォース、アントネッ
ティ、そしてマルドゥークの4チーム。ほかいくつかのチームも獲得候補としてリス
とアップしていたと言われるほど“ゲラ人気”は高い。しかしアントネッティは同じ
く移籍市場の注目株だったカレッジと早々に移籍で合意。来季22歳とゲラよりも将
来性のあるカレッジを選択し、No.1のロッソの残留も決定。アントネッティのゲ
ラ獲得の目はなくなった。マルドゥークはグーデリアンの正式な残留発表がまだだが、
ダムハン殿下が直々に獲得を望んだと言われるグーデリアンは残留が濃厚。またマー
キュリーはギリギリまで残留交渉をしていたマルケーナスの引き留めに失敗しゲラ獲
得に本腰を入れるタイミングを逸した。そしてドラゴンフォースに関しては、ゲラ自
身がオファーを断ったと言われている。この4チームの中でも最近では最も熱心にオ
ファーをしていたマルドゥーク、監督のファン・ドットがゲラ獲得をチームに強く望
んでいたそうだが、今季の戦績を鑑み現状維持へと方向転換したと伝えられている。
マルドゥークの方向転換で積極的にゲラ獲得を狙うチームがなくなったことで残留は
確実になったというのが大方の見方だ。
また、シュトロゼックの総帥ハイネル氏がゲラを高く評価しているのはご存じの通り。
シュトロゼック側はゲラの実績と、彼が初年度からチームに籍を置いていてチームと
の密な関係を構築できている点を重要視しており、来季の契約に対しかなりの金額を
提示したと言われている。シュトロゼックには選手権制覇という最終目標があり、そ
れに向けての足掛かりとしてロムニ・ダキアを買収したが、来季は今季同様ピジョン
エンジンで戦うここが決定。しかしこの2シーズンでピジョンの戦闘力は思いのほか
向上せず苦戦が続いており、来季もゲラが残留することに疑問を投げかける声も。キ
ャリアとして遅咲きのゲラは来季31歳で、これからピークを迎えようという年齢で
将来性の不確かな下位チームに残留することは、彼にとってベストな選択ではないと
いう声も多くある。
まだ正式発表されていないが、シュトロゼック残留がほぼ確実視されてるゲラ。彼が
来季シュトロゼックでどのような活躍を見せるのか注目したい。
またシュトロゼックはゲラ残留の正式発表の前に、来季の2ndドライバーが正式に
決定。今季限りでチームを離れるファーシマスに替わり、F1出走経験もある若手オ
ーストリア人ドライバー、バッドアス・バーガーを獲得したことを発表した。バーガ
ーは今年22歳で、F1で18戦走り入賞2回。昨季は下位チーム、アロ○ズで度々
上位に進出し、F1界でも将来を期待されていた若者だ。バーガーはF1進出以前か
らDMWとの縁が深く“DMWの秘蔵っ子”とまで言われており、シュトロゼックが
4thシーズン以降にDMWを搭載する布石なのではないかとの憶測が早くも飛んで
いる。
ゲラの残留にDMW獲得を目論む動き、来季本格始動するシュトロゼックの一挙手一
投足に、これからも目が離せない。

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シーズン開幕前から移籍の噂が絶えなかったゲラ(写真左)だったが、一転残留の可能性が
高くなった。ハイネル氏(写真右)の今後のビジョンにはゲラの存在も織り込み済み。


◇NeXXに女性ドライバー誕生! メロディ・P・ノーマンがプルトン入り!!

かねてよりNeXX加入の噂があり、にわかに注目を集めていたアメリカ出身の女性
ドライバー、メロディ・パトリシア・ノーマンのNeXX参戦が決定した。来季プル
トンチームとの参戦契約を結んだノーマンはこれで、NeXX初の女性ドライバーと
なった。
プルトンは最終戦終了から1週間後の12月中旬にチームのWEBサイトを更新し、
ノーマンと来季単年のレギュラードライバー契約を結んだことを掲載した。
ノーマンは23歳のオーストリアアメリカ人。10歳でカートをはじめ15歳から
の2年間はカナダF4に参戦。学業専念のための3年間の活動中段を挟み21歳から
2年間フォーミュラ・リージョナル・アメリカズに参戦し、今季からインディ・ライ
ツへと活躍の場を移した。今季はそのインディ・ライツで3勝をマークし、来季イン
ディカーへのステップアップが噂されていた。

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ダニカ・パトリックの再来”ノーマンを獲得し、喜びのコメントを掲載したエルナンデス代表。しかし
ダニカのような活躍を求めるのは酷であるとの見方も。一方の”才女”ノーマンは才女らしい知性を覗かせ
るコメントと、対照的な茶目っ気も見せプルトン加入の喜びをアピール。


幼い頃父親に連れられて観戦したインディ500に衝撃を受けてレースを始めたとい
う彼女は、10歳でレーシングカートをはじめ2年後にはIKF世界カート協会グラ
ンドナショナル選手権のHPVクラスでチャンピオンとなるほどの実力をみせ、周囲
を驚かせる。カナダF4でもシリーズチャンピオンとなった彼女は、その後3年間大
学進学と学業専念のためレース活動を中断するが、その後21歳で参戦したフォーミ
ュラ・リージョナル・アメリカズでは2年間走り通算7勝。これまでの実績をひっさ
げ、今季はインディ・ライツへと昇格していた。そんなノーマンに目をつけていたN
eXX参戦チームがプルトンとロムニ・ダキアで、ロムニ・ダキアがシュトロゼック
からの買収を受けて運営方針を大きく方向転換したため、最終的にはプルトンが獲得
した格好となった。いくつかのインディカーチームとの競合を制し、プルトンはアメ
リカ期待の才媛を手に入れた。
プルトンはチームサイトでコニー・エルナンデス代表とノーマンのコメントを掲載し
た。エルナンデス代表は「今回、彼女をチームに迎えられたことを非常に喜ばしく思
います。我々はこれまで共に戦ってきたアレンザンダー・カブロンに分かれを告げな
ければなりませんでした。2年間の彼のチームへの献身に感謝します。そして我々は
来季、トゥーリ・ヴィックスとメロディ・パトリシア・ノーマンというフレッシュな
2人でシーズンに臨みます。ノーマンはここに至るまでの道のりで既に、その溢れん
ばかりの才能と可能性を見せつけています。来季、この“ワンダーウーマン”は我々
と共に大きく飛躍することを確信しています。」と来季への期待を記した。
一方のノーマンは「プルトンチームとレギュラードライバー契約を結ぶことができて
とても興奮しています。私には来季インディカーに昇格するという道もありました。
しかし私はNeXXを選びました。理由はNeXXがインディと同様に、あるいはそ
れ以上にエキサイティングなカテゴリであり、また新しいフォーマットを使ってそれ
を実現しているというカテゴリだからです。私たちはレーシングエンターテインメン
トに携わるものとして、もう地球環境とそれに対する自動車というものの今後の在り
方を無視して生きることはできません。そういう意味でも私は、このカテゴリに参戦
することを大きな意義のあることだと考えます。それに、インディカーという選択も
エキサイティングだとは思ったけれど、NeXXは世界を転戦するんでしょう? 私
にはその方が魅力的だと思ったの。世界の様々な文化に触れてみたい、大好きなレー
スをしながら世界を周れるなんてこんな素敵なことはないわ。だからNeXXを選ん
だの。私にチャンスをくれたプルトンチームとエルナンデス代表に感謝します。」と
のコメントを掲載。レースを続ける傍ら大学で環境学サステナビリティ学を学んだ
彼女は、才女らしさと対照的な茶目っ気のあるコメントでプルトン加入の喜びを記し
た。
プルトンチームは来季、エンジンを日本のSUGO・カムイへとスイッチし、フレッ
シュなラインナップで挑む。ピジョンエンジンで苦戦したこれまでより戦闘力は上が
るとみられているが、男性主体のトップフォーミュラに参戦する女性ドライバーの活
躍は総じて難しいという現実もある。インディカーではしばしば女性ドライバーが参
戦し活躍、2008年にはダニカ・パトリックが第3戦もてぎで優勝し女性ドライバ
ーとしての初優勝を飾っているが、それ以前にもそれ以降にも彼女を上回る活躍を見
せたドライバーはいない。またF1における状況はもっと厳しく、レギュラー参戦し
たドライバーとしては1992年のジョバンナ・アマティまで遡らなくてはならない。
それもアマティは3戦連続予選落ちを喫しそのままチームを解雇されている。F1を
走った女性ドライバーの活躍と言えば、1970年代中期に参戦していたレラ・ロン
バルディが唯一0.5ポイントを獲得しているだけだ。近年では女性ドライバーの増
加を受けて女性だけのフォーミュラレース『Wシリーズ』が発足するなどしているが
男性ドライバーと混走した際の埋められないギャップは如何ともしがたく、ノーマン
に対してダニカ・パトリックのような活躍を求めるのは酷だとの声もある。
果たしてノーマンは来季どのような活躍を見せるのか、新生SUGO・カムイエンジ
ンのパフォーマンスと共にプルトンに大きな注目が集まる。


◇F1でも高評価だった若手2人、バーガーとルーツェンがNeXXデビュー!!

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昨年F1ではチームメートとして戦った二人。バーガー(写真左)はオーストリア、チロル出身。
ルーツェン(写真右)はベルギー出身。共に将来を期待される逸材だ。

 
来季3シーズン目を迎えるNeXXにまた、F1界からの“転入生”が加入した。オ
ーストリア出身のバッドアス・バーガーと、ベルギー出身のティモシー・ルーツェン
だ。バーガーは前出の記事でも触れた通り、シュトロゼック・ロムニダキア(以下シ
ュトロゼック)から、そしてルーツェンはガジャックからの参戦が決定した。
オーストリア出身のバーガーは今年22歳、前出の通り今季はア○ウズから参戦、全
16戦に出走し入賞を2回記録した。下位チームにありながら度々上位に顔を出し速
さをアピール。同郷のヘルムート・マルコリーニやニコ・ラムダといったピットブル
関係者らのプッシュもあり来季NeXXデビューを果たす。一方のルーツェンも今季
は○ロウズからF1に参戦していた。つまりバーガーとルーツェンは今季アロウ○で
チームメイトだったのだ。バーガーは昨年の終盤にF1デビューし2戦を戦ったがフ
ル参戦は今季が初めて、事実上のルーキーイヤーだった。対するルーツェンはバーガ
ーよりも二足先2、シーズン前の途中から○ロウズでF1デビュー。F1キャリア2
年半、来季25歳になる若者だ。ルーツェンは今季4度の入賞をマーク、第3戦サン
マリノGPで2位表彰台に登壇した実力者だ。
バーガーはドイツ国境付近のチロル州ヴェルグル出身。幼少期に自動車競技に興味を
持ち、あるとき友人の勧めで友人が所有するフォード・エスコートを借りて出場した
ピットブルリンクでの人生初レースに優勝し、本格的にレーシングドライバーを志し
たという漫画のような経歴の持ち主だ。その後はドイツF3、ヨーロッパF3と順調
にステップアップ。来季からNeXXに参戦するドイツ系チーム、シュトロゼックへ
の加入を同郷のNeXX関係者に勧められ参戦に至った。
一方ルーツェンはベネルクス・フォーミュラ・フォード1600で18戦15勝と、
圧倒的な強さを見せつけその後F3、F2を経験。順調にF1までステップアップし
ていった逸材だ。ミスの少ない安定した走りで、下位チームアロ○ズにありながら2
シーズン半で7度の入賞、2位表彰台にも上がっている。しかしア○ウズが今季限り
でF1から撤退するため、2人のドライバーはそろってNeXXへと新天地を求めて
やってきたというわけだ。これでシュトロゼックは来季残留が確実と言われるゲラと
バーガーという布陣、対するガジャックもこのほどタンデイの残留が決定し、来季は
タンデイ、ルーツェンのラインナップとなる。
F1でも将来を有望視されたな若手二人の転入、果たしてこのふたりは今後NeXX
を代表するようなドライバーに育っていくのだろうか。来季の活躍に注目だ。

◇”暴れん坊”ファーシマス、新生ドラゴンフォースへの移籍が決定!!

ロムニ・ダキアチームで2シーズン走り“暴れん坊”としてならしたルクセンブルク人、アレオ・ファーシマスのドラゴンフォース移籍が決定した。欧州主要スポーツ新
聞各紙が報じている。
ファーシマスはルクセンブルク出身という、レース界でも稀有な出自の24歳。初年
度からロムニ・ダキアよりNeXXに参戦、4度の入賞を記録し25ポイントを獲得。
第5戦アルゼンチンではフロントロー2番手につけるなど、予選での一発の速さには
定評があった。一方で決勝ではクラッシュが多く、4度のペナルティで3度の出場停
止処分を科されるなどし“暴れん坊”の異名をとった。2ndシーズンはクラッシュ
の多さを見かねたチームに契約条項に罰金規定を盛り込まれ、おかげで走りは“大人
しく”なりはしたもののレースぶりに精彩を欠き獲得ポイントも僅か1ポイントにと
どまった。そしてロムニ・ダキアチームがシュトロゼックに買収されることが決まる
と、シュトロゼックの構想外となったファーシマスは放出が決定。来季のシートが危
ぶまれていた。

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シート喪失危機と騒がれた”暴れん坊”の来季の行く先がついに
決定。”愛されキャラ”ファーシマスはもはやNeXXの名物のひとつだ。


一方ドラゴンフォースと言えば中国人ドライバーの宋昇龍とは契約を更新したものの
初年度から2シーズン実質チームの屋台骨を支えた元F1王者ジョリー・セプターを
放出し、空いた2ndシートに誰が座るのか注目を集めていた。
ドラゴンフォースチームはチーム名変更に伴い、世界的アクション映画スターのジャ
ッキー・チュン氏(無天老師様ではない)を共同オーナーに迎え、李舜英氏との二巨
頭体制で3rdシーズンに臨むが、年明けに予定されている新体制発表会を前にして
来季の陣容が決定した。これまでチームに3勝をもたらしたセプターを放出したドラ
ゴンフォース。セプターを放出したのは高額なサラリーのためと噂され、後釜におさ
まるのはサラリーの安い若手になると見られており、もっとも有力とされていたのが
クラークソンを途中離脱したアリエル・ティルクムだった。しかしオーナーの李氏は
当初からファーシマスの才能を高く評価しており、同じ若手ならNeXXでの実績が
ある方が良いとの理由もありファーシマスを獲得したという。また先述のとおりファ
ーシマスが今季獲得したポイント数はわずか1ポイントで、入賞ドライバーの中では
最下位に終わったが、ロムニ・ダキアチームが今季の契約にクラッシュとペナルティ
に対する罰金規定を盛り込んでおり、李氏はファーシマスが今季振るわなかった原因
はそこにあると見ているようだ。ともあれ、愛すべき“暴れん坊”の姿が来季もNe
XXで見られることになり、ファンや関係者としては一安心といったところだ。
来季は宋、ファーシマスのラインナップとなる“新生”ドラゴンフォース、しかし2
人は共に来季25歳でトップフォーミュラのキャリアもNeXXでの2年間しかない。
フレッシュと言えば聞こえはいいが、経験の浅い若手二人のラインナップには疑問の
声も上がる。ハリウッドスターとの共同オーナー体制になりより一層の飛躍を目指す
ドラゴンフォースだが、チームの方向性を示していけるベテランがいないのは確かに
マイナスポイントだ。宋、ファーシマスの若手コンビは来季、新生ドラゴンフォース
をどれだけ輝かせることが出来るだろうか?


ギリシャ人ドライバーのニニアディス、リナルディのリザーブとしてNeXX復帰!

1stシーズンにリナルディのレギュラードライバーとしてNeXXを戦ったギリシ
ャ人ドライバー、イオリディス・ニニアディスが来季古巣のリナルディのリザーブ
ライバーとしてNeXXへ復帰を果たすことがわかった。
ニニアディスは来季25歳、レース界では珍しいギリシャ国籍のドライバーだ。アテ
ネ生まれの彼は16歳でカートを始め、20歳の頃に単身イタリアに渡りリナルディ
からイタリアF3に参戦。そしてリナルディのNeXX参戦を受け、初年度のレギュ
ラードライバーに抜擢された。ニニアディスはF3時代から数えると4シーズンをリ
ナルディと共にしており、事実上リナルディの育成ドライバーのようなもの。初年度
の契約終了と共に一時チームを離れたが、リナルディは近いうちにニニアディスを呼
び戻すだろうと言われていた。
ニニアディスは3シーズンのF3キャリアにおいて毎シーズンタイトル争いを展開。
初年度の4位に始まり2年目は2位、3年目は3位と活躍した。NeXX参戦時はタ
イトルに絡むことはなかったが、運営規模の小さいチームにあって4度の入賞を記録。
チームメイトだったヴィンチェンツォ・ジョバナルディは6度と入賞回数では下回っ
たものの、7位以上の入賞がなかったジョバナルディに対し6位入賞を2度記録した
ニニアディスはシーズン25ポイントを獲得。シーズン10ポイントだったジョバナ
ルディを上回った。予選ではジョバナルディを下回ることが多かったニニアディスだ
が、それでもシングルグリッドを2度記録。第12戦ルーマニアでニニアディスが獲
得したサードロー5番手は、初年度のリナルディの予選ベストグリッドだった。
リナルディは2ndシーズンを戦うにあたり初年度の“トップフォーミュラ―ルーキ
ー”コンビでは厳しいと判断。大口スポンサーの獲得に成功したこともあり、F1経
験のあるポルボローネシエナという中堅クラスを起用し、ジョバナルディとニニア
ディスの二人とは契約更新しなかった。ジョバナルディはその後F1アル○ァロ○オ
チームに移籍したが、ニニアディスはF2クラスへ格下げしリナルディのオーナー企
業である世界的パスタメーカーの支援も受けて1シーズンを戦った。来季も継続して
F2へ参戦するが、合わせてNeXXリナルディチームとのリザーブ契約を結んだ。
リナルディチームはこれまで、ジャンフランコ・パニーニというイタリア人ドライバ
ー1人をリザーブに起用してきたが、今季は他のほとんどのチーム同様リザーブも2
人態勢でのぞむ。リナルディは4thか5thでのレギュラー起用を視野に入れ、ニ
ニアディスをリザーブ起用していく予定だという。
ニニアディスは今季プ○マ・レーシングからF2に参戦し、タイトル争いには絡めな
かったが2勝をあげランキング5位。16歳でカートを始めた遅咲きのギリシャ人ド
ライバーは堅実な活躍を見せ、クリーンなレースぶりも好評で周囲の評価も上がって
いる。近い将来再びこのNeXXの舞台で、ニニアディスが躍動する姿が見られるだ
ろうか? 今後の活躍に期待したい。

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レース界でも稀有な存在のギリシャ人ドライバー、ニニアディス。
1シーズンのインターバルをおいてリザーブとしてNeXX復帰が決定。

 

 

今季も激戦のうちに幕を閉じたNeXXの2ndシーズン。バトラーのドライバーズ
タイトル連覇、そしてチームタイトルはピットブルが連覇という形で終わったが、こ
のオフの動きは現在のパワーバランスを崩す可能性を秘めている。
ドライバーの移籍が活発化し、エンジンを変更するチームも現れた。また首脳人事含
め組織改革を試みるチームちらほら。これまでの2シーズンはドライバー、チームそ
れぞれ連覇という形で終わっているが、このオフの様子から見ると来季の選手権の様
相はまた変わってくるだろう。今から来季の開幕が待ちきれない!
今季は年末にオフシーズン号をリリースするが、その時には今よりもっと来季の様相
がはっきりとしてくるだろう。次号『オフシーズン号』のリリースをお楽しみに!!