Formula NeXXtream 1stシーズン・14
『Formula NeXXtream』
□第14戦 タイ チャーン・インターナショナル・サーキット
1周:4.55km
特性:「高速」「常設」
ターン数:25(67周)
第14戦を迎えたF-NeXX。
舞台はユーラシア大陸を大きく横断し、アジア圏まで移動。
第2戦インドネシア以来の東南アジアエリアまで戻ってきた。
ここから残り5戦は、第14~16戦がアジアラウンド、そして最後の2戦が
北米ラウンドとなり、第18戦アメリカで終幕を迎える。
選手権の行方は混沌とし、大激戦のままアジアラウンドを迎えたが、
アジアラウンド初戦はタイGPだ。インドシナ半島の付け根、カンボジアと
国境を接するブリーラム県にあるチャーン・インターナショナル・サーキットで
行われる。ヘルマン・ティルケの手による2014年開設の新しいトラックで、
2014年にはこけら落としとして日本のスーパーGTが開催された。
現在でもスーパーバイク、モトGPといった2輪の世界選手権が行われている。
ホームストレートを含め3本のミドル、ロングストレートを有し、
後半にテクニカルな区間を有するものの、全体的な性格として
ストップ・アンド・ゴーの中高速トラックとなっている。
選手権もいよいよ大詰め。バトラーがやや頭一つ抜けた状態だったランキングは、
前回のアゼルバイジャンでラムダが優勝、バトラーがノーポイントに終わったことで
ますます行方はわからなくなってきていた。
首位バトラー133ポイントに対し2位のラムダが128と5ポイント差、
さらに114ポイントでラスムッセンが追う展開。
のこり5戦の結果いかんではトップ10のだれもにチャンスがある状態で、
灼熱のタイGPが幕を開ける。
<予選>予選結果は以下の通り↓↓↓
PP:ニコ・ラムダ(レッドブル)
予選ポールポジションはラムダ、バトラーと並ぶ今季3度目のPPとなる。
ルーマニア、アゼルバイジャンの連勝で完全に息を吹き返したかっこうだ。
2番手には高速コース得意のファング、3番手にはスウェーデンでの優勝以降、
4戦連続入賞で、後半戦絶好調のロッソ。そしてランキングトップのバトラーが
4番手につける。一方前戦でランキング3位に後退したラスムッセンは、
11番手とやや沈黙。そしてレッドブルNo.2のマイネが21番手と後方に沈む。
エースラムダの復調と入れ替わるようにしてマイネが低迷。第8戦フランスの
3位以降は4戦連続リタイヤ。前戦アゼルバイジャンでも1ポイントにとどまっており
激化するチームタイトル争いにこれがどう響くか。
タイの9月は雨期の終わり。レースは気温33度を超す猛暑の中行われた。
<決勝レース>
レースは特に大きな混乱なくスタート、
前方はスタート順通りに展開するが2tn目に事故発生。
3番手のロッソを抜きにかかったバトラーがロッソと接触。
スタートで5番手にジャンプアップしていたグリエコも巻き込んで、
3台の多重事故となりセーフティカーが出動する。接触した3台はリタイアし、
追抜きをかけられたロッソの締め付けがペナルティ対象となった。
選手権争いトップのバトラーは序盤で消え、これで3戦連続ノーポイントとなる。
リスタート後もラムダは危なげなく先頭でレースを引っ張り、
2番手にはファングが続く。F1時代からのライバル同士の二人は、
舞台をF-NeXXに移しても火花を散らす。そして後続には7番手スタートの
ヴァッセルが続いていた。躍動するファングの影に隠れていたクラークソンのNo.2
がようやくここで本来の速さを発揮し始めた。
<5ターン終了時点のトップ10>
1.ニコ・ラムダ
2.デイヴィス・ファング
3.ジョルディ・ヴァッセル
4.デイヴィス・リンドホルム
5.ヴィンチェンツォ・ジョバナルディ
6.ケリー・ラスムッセン
7.ゾルタン・ゲラ
8.カーティス・マルケーナス
9.カタル・アファル
10.ジョリー・セプター
レースはヨコハマのソフト勢が6tn目に最初のピットイン。
そしてこのあたりから気温がぐんぐん上がり始め、路面温度が50度を超える
「猛暑」状態に。そんな中9tn目、レッドブルの1台がコース外で
クラッシュしていた。なんと、ハードタイヤでスタートしたラムダだった。
ミシュランハードのラムダは、この次のターンにタイヤ交換に入る予定だったが、
思いのほかタイヤのタレがはやく足元をすくわれた。
レースはランキング上位の2台 がともにリタイヤする波乱の展開に。
そして、この展開に水を得た魚のように生き生きと飛ばし始めたのがファングだ。
高い路面温度にタイヤマネジメントで四苦八苦するミシュラン勢をよそに
トップを快走。またソフトでスタートしユーズドソフトにつないだファングの後ろの
2番手には、ハードからソフトにつないだチームメイトのヴァッセルがつづいていた。
ヴァッセルの今季一番の走りである。
15tn終了時点でなんとクラークソンが1-2体制。3番手にはゲラ、
4番手にマルケーナスが食い込み、5、6番手はアファル、セプターの
チャイナドラゴン勢。トップ10のうち7台がヨコハマユーザーという展開、
ヨコハマハードの耐久力 の高さがものをいう順位となる。
アファルも今季一の走りを展開、なんと最終ターンまでセプターを
抑え込んでみせるのだ。
<15ターン終了時のトップ10>
1.デイヴィス・ファング
2.ジョルディ・ヴァッセル
3.ゾルタン・ゲラ
4.カーティス・マルケーナス
5.カタル・アファル
6.ジョリー・セプター
7.ヴィンチェンツォ・ジョバナルディ
8.アレン・バーンズ
9.日向 俊郎
10.デリック・ワーノック
レースは後半に入っても気温が下がる気配なし。
高い路面温度に ミシュラン勢が完全にやられてしまい、
タイヤのタレに端を発してまたも多重事故発生。
序盤でDRSトラブルを抱え下位に沈んでいたラスムッセンが18tn目、
接近するカブロン、カジワラの2台と接触。カブロンとカジワラは7tn目にも
接触事故をおこしており、再び絡む格好に。結果3台ともリタイヤとなり、
2度目のセーフティカー出動となる。
ファング、そして3番手のゲラがこのタイミングで最後のタイヤ交換。
ファングはトップ、ゲラが3番手とポジションキープでコース復帰。
レースはクラークソンが1-2フィニッシュなるかに注目が集まった。
トップはファングが他を寄せ付けぬ速さ。
2番手のヴァッセルはゲラを辛くも抑え、また4番手アファルも
5番手セプターをなかなか前に行かせない。しかしともに最終tnに順位が逆転。
2位ゲラ、3位ヴァッセル、そして4位セプター、5位アファルで
フィニッシュラインを切る。
優勝はファング。最終tnでゲラに2位を奪われたものの、
クラークソンは初めて1-3で二人が表彰台に登壇。またチャイナドラゴンもW入賞。
アファルは最後まで果敢にセプターを抑え込んだが最後に力尽きた。
選手権争いはランキング上位の3人が全員姿を消す波乱のレースとなり、
4位のセプターから6位ファングまでが大台の100ポイントに到達。
バトラーは133ポイントのまま動かず、2位のラムダもリタイヤしたが
ポールポジションポイント3を加え131ポイントとなり、その差は2ポイントに。
さらに6位のファングが101ポイントで、トップとの差32ポイントの中に
6名がひしめく大混戦。残り4戦、相手の状況次第では6名全員に可能性がある。
チームランキングでもトップのマーキュリーが停滞。
マーキュリーがマルケーナスの8ポイント、レッドブルはラムダのPPポイント3に
とどまり、なんとここでマーキュリーとレッドブルが218でトップタイとなる。
選手権は大詰めに入りますます、行方の分からない展開になった。
はたして最後に笑うのは誰か!?
最終リザルト↓↓↓
優勝:デイヴィス・ファング(クラークソン)
ラップチャート↓↓↓
ドライバーズランキング↓↓↓
チーム・マニュファクチャーランキング↓↓↓