NEXXTREAM PRESS 「2ndシーズン開幕直前号」
◆開幕直前号
待ちに待ったNeXX2ndシーズンがいよいよ開幕する。
初年度はアレックス・バトラーがドライバー王者に、そしてピットブルが
チーム王者に輝き幕を閉じたNeXX。ドライバー、チームともにタイトル争いは
最終戦までもつれる大混戦となり、見るものを最後までハラハラさせ
大いに楽しませてくれた1stシーズンだったが、2ndシーズンはチーム
ドライバーとも新顔が増え、ますますエキサイティングになること間違いなし!
今号では開幕を間近に控えたNeXXの直前情報を一挙公開。
全チームのエントリー情報に始まり、新シーズンのレギュレーション、運用の
変更点、そして開幕戦の舞台オーストラリアのサーファーズパラダイスについてなど
ホットな情報満載だ。どうぞお楽しみに!!
■2ndステージからの新規参戦チーム・ガジャック
ついにドライバーラインナップを発表!!
アントネッティ、マルドゥークとともに2ndシーズンから参戦する
『第3のチーム』ガジャック。いまだドライバー陣容の発表がなかった同チーム
だったが開幕直前の2月になってようやく、2人のドライバーが発表された。
発表されたドライバーは大方のメディアの予想通り、2人ともフランス人。
プロフィールは以下の通りだ。
1stドライバー:セドリック・タンデイ(フランス) 31歳
前所属:F1(ルノ○・チーム)
2ndドライバー:ファン・カレッジ(フランス) 21歳
前所属:F2(エデ○・ジョー○ン・レーシング)
☝C.タンデイ ☝J.カレッジ
1stシートに座るのはセドリック・タンデイ。F1でも活躍したベテランだ。
マク○ーレン、フェ○ーリといった強豪をドライブした経験があり、フェラ○リ
ではコンストラクターズ王者獲得にも貢献。昨年ル○ーに所属したのを最後に
F1を離れ、今回のガジャックからのオファーを受けての参戦となった。
2ndドライバーのファン・カレッジは、トップフォーミュラ経験の無い新鋭だ。
しかし前年はエデ○・ジョー○ン・レーシングからF2に参戦し、見事に
シリーズチャンピオンを獲得している期待のルーキーだ。
チーム組織は旧ルルーシュF1の首脳陣で固め、シャシーはシグマテック、エンジンは
ピジョン、タイヤはヴァシュロンを使用。そしてドライバーは二人ともフランス人。
これでガジャックチームは正真正銘の『純オールフレンチチーム』となった。
かつてF1でもオールフレンチでの王者をめざしたチームがあったが、達成される
ことなくチームは姿を消している。このNeXXではどうか?
ことさらナショナリズムを意識しがちなフランス人は、ガジャックチームに大きな
期待を注いでいるに違いない。
◆NeXX2ndシーズン、参戦全15チーム一挙紹介!!
開幕直前になってようやくガジャックチームのドライバー体制が発表され、
いよいよ全15チームの体制が整った2ndシーズンのNeXX。
それではここで、今季参戦の15チーム30台をここにすべて一挙紹介する。
ここではエントリーリストの記載順に、各チームのマシン・ドライバーなどを
紹介してゆく。間近に迫った開幕まであと少し。これを見て新シーズンへ向けて
大いにテンションを高めていってほしい。
1.ピットブル・エクストリーム・レーシング
1stシーズンのチャンピオンチーム。オーストリアに本拠を置く、世界で最も
有名なエナジードリンクメーカーのチームだ。昨季はドライバー二人で予選PP6回
計5勝をあげた、最終戦の逆転劇で王座をもぎ取った。今季は当然連覇を狙う。
12:ニコ・ラムダ(AUT)
ピットブルの動かぬエースはラムダ。昨季は前半戦で苦戦するも終盤に怒濤の追い込み
を見せたが、王座には一歩届かなかった。F1で3度王座に輝いた大ベテランは
今季35歳、なんとしてもNeXXでも王座を獲得したい。
30:ルドルフ・マイネ(GER)
寡黙な性格のため目立たないが、昨季は予選PP3回、1勝をあげピットブルの
チームタイトル獲得の原動力となった。今季も引き続きラムダとともに走る。
今季はラムダにも挑んでいきたい。チームの王座防衛には欠かせぬ存在だ。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:アシュトンバーキン ABR-DB122H 3.0L V12
タイヤ:ヴァシュロン
2.マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション
アイルランドに本拠を置く、1stシーズンのランキング2位チーム。
最終戦で逆転されチームタイトルを逃したものの、エースドライバーのバトラーが
ドライバー王座を獲得。今季こそはチーム、ドライバーのWタイトルを狙う。
1(23):アレックス・バトラー(IRL)
NeXX初代チャンピオンドライバー。F1でくすぶっていたものの、NeXXへ
転戦し花開いた。予選での安定した速さと、雨のレースでの速さは特筆。狙うは連覇。
7:カーティス・マルケーナス(AUS)
昨季はトップフォーミュラ初参戦ながら1勝をあげるなど、速さを見せる。
シーズンオフのインタビューでは、バトラーには負けないとの発言も飛び出し
今季もやる気マンマンだ。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヴァシュロン
3.エヴァー・グラハム・レーシング
オーストラリアに本拠を置くチームで、元F1ドライバーのマーシュ・エヴァーと
デイヴィッド・グラハムが立ち上げたチーム。往年のF1の名門の名を冠するも
昨年は苦戦。今季は巻き返しを図る。
2:アレン・バーンズ(AUS)
F1王者経験のある『F1四天王』。しかし昨季は四天王で唯一未勝利に終わる。
今季は初勝利、そしてあわよくば王座も狙っていきたい。
10:ジェストン・バロン(GBR)
イギリス出身のハンサムガイ。昨年はイギリスF3で3勝をあげランキング3位を
獲得。滑らかなドライビングとタイヤ使いのうまさに定評のある、期待の新鋭。
シャシー:レラ RNX-01Ref
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヨコスカ
4.トライアンフ・スクエアジャパン・レーシングチーム
日本は北海道の企業グループが母体のチームで、シャシー、エンジンとも日本製を
使う『純和製』チーム。昨季は日本人ドライバー日向俊郎が2勝をあげ、1st
シーズンを賑わわせた。今季はさらなるジャンプアップを狙う。
15:日向 俊郎(JPN)
下位カテゴリで弱小チームを渡り歩き、『優勝請負人』として鳴らした風来坊。
昨季は2勝をあげ日本のレースファンを熱狂させた。今季は3勝が目標。
44:ジョー・S・カジワラ(USA)
かつての『自動車王国』デトロイト生まれの日系2世アメリカ人。昨季はストリート
コースで活躍したものの、日向には水をあけられた。今季は勝ちたい。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:カムイ RJK802 3.0L V8
タイヤ:ヨコスカ
イギリスに本拠地を構えるがロシア国籍のチーム。オーナーはロシアの実業家ロマン
アブラモビッチ氏。サッカー、イングランド・プレミアリーグの名門チェ○シーの
オーナーでもある。今季はドライバーを一新し、本気の体制で王座に挑む。
5:ジョンブル・チャップマン(GBR)
F1で『暴れん坊』として鳴らす、『大英帝国の愛すべき息子』。豪快さと繊細さを
あわせもつ、ファイティング・アーティスト。NeXX1年生だが早くも優勝宣言が
飛び出す。大物ルーキーだ。
6:フェリオ・デ・ランジェリス(ITA)
イタリアの貴族の家系に生まれた『リアル・ジェントルマン』。天才肌のドライビング
でF1でも活躍。NeXXでトップフォーミュラ初優勝を狙う。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヨコスカ
マレーシアの自動車メーカーを母体とする、東南アジア国籍のチーム。F1チームを
率いた経験もあるコニー・エルナンデスがチームプリンシパルだ。昨季は12チーム
中11位と不本意な結果に終わり、今季の巻き返しを期する。
8:アレンザンダー・カブロン(THA)
イギリスはロンドン生まれのタイ人ドライバー。昨季は戦闘力で劣るマシンを駆り、
2度3位表彰台に上る。今季は初優勝を狙う。
17:トゥーリ・ヴィックス(EST)
エストニア出身。2017年のADCAF4チャンピオン。2019年F3マカオGP
では2位と活躍。昨季終盤3戦をドライブし7位入賞を記録。フル参戦の今季に期待が
かかる。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:ピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヨコスカ
7.スクーデリア・リナルディ
かつてF1に参戦していた、イタリアの愛すべきプロヴィンチャーレ。昨季は小規模
予算で若手を重用し、シーズンランキング最下位に終わる。今季はビッグスポンサーを
獲得し、実力派ドライバーをそろえた。巻き返しに注目。
26:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
F1では名門フェラ○リ・ドライバーとしても活躍、優勝経験もあるイタリア人。
物静かな印象だがドライビングは熱い。チームリーダーとしても期待される。
34:スティラノ・シエナ(ITA)
F1では下位チームに甘んじたが、モナコGPで表彰台に上るなどの活躍を見せる。
F2王者経験もありその速さはホンモノ、『ラテンのスピードオタク』の異名をとる。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:カムイ RJK802 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン
8.クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
イギリス国営放送BBCの人気番組『トップ○ア』の、元出演者3人組がオーナーの
チーム。昨季はエースD.ファングの働きでチームランキング5位と躍進。今季は
セカンドシートに期待の若手を迎え、トップ4入りを目指す。
11:デイヴィス・ファング(GBR)
昨季は2勝をあげランキング4位と活躍。一方で戦意喪失によるリタイヤを記録する
など良くも悪くも『気分屋』なところも。メンタルが安定すれば王者も狙える。
21:アリエル・ティルクム(GBR)
2018年のF3では選手権2位、そして17、18年とF3マカオGPを連覇した
英国期待の新鋭。まずはトップフォーミュラに慣れ、チーム王者に貢献するのが目標か。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:アシュトンバーキン ABR-DB122H 3.0L V12
タイヤ:ヨコスカ
ルーマニアに本拠を置く東欧国籍のチーム。昨季は第16戦日本で優勝し、下馬評を
覆して見せた。ハンガリー人のZ.ゲラとルクセンブルク人のA.ファーシマスという
異色のコンビで臨む2年目。昨季の10位を上回りたい。
4:ゾルタン・ゲラ(HUN)
遅咲きのハンガリー人ドライバーは今年30歳。寡黙な仕事人タイプだが、昨季は
第16戦日本で初優勝をあげる。狙いは今季も優勝、そして上位チームのシートか。
33:アレオ・ファーシマス(LUX)
トップフォーミュラでは初のルクセンブルク人ドライバー。昨季は予選でフロントロー
獲得など速さも見せたが、出場停止3戦のペナルティも。「粗さ」解消が活躍のカギ。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:ピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン
10.チャイナドラゴン・レーシングチーム
中国に本拠を置くアジア系チーム。昨季は『F1四天王』J.セプターの活躍で1勝を
あげたが、シーズン終盤に1stドライバーK.アファルを成績不振で解雇。体制を
整え直した今季は、昨季を超えるランキングを狙う。
0:宋 昇龍(中国)
昨季終盤戦に加入した中国人ドライバーで、F1○ノーチームの育成プログラムにも
所属していた経歴を持つ。昨季は最終戦で早くも初入賞を経験。今季に期待がかかる。
9:ジョリー・セプター(SAF)
南アフリカ出身のF1王者経験者『F1四天王』にして、NeXX1stシーズンの
開幕戦ウィナー。今季の目標はシーズン2勝以上、そしてNeXX王者獲得だ。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヨコスカ
11.ノルディック・モータースポーツ
ミコ・ハンクネンとチチ・ソルベルグという、北欧出身のF1王者経験者の立ち上げた
北欧が本拠地のチーム。昨季は前半戦首位に立ちながら、最終的にはランキング3位に
終わる。今季は改めてチーム、ドライバーのWタイトル獲得が目標。
14:ケリー・ラスムッセン(DEN)
デンマーク出身のF1経験者。昨季は下馬評を覆し、最後までタイトル争いを展開した。今季は改めてタイトル獲得に挑む。
91:ミック・ハイデンフェルド(GER)
F1ザ○バー・チームで活躍したドイツ人。F1での優勝経験はないものの、安定した速さには定評がある。チームタイトル獲得が至上命題。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:スプレンダー GL102hy 3.0L V10
タイヤ:ヴァシュロン
12.サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
3名のブラジル人実業家が共同で立ち上げたチーム。昨季は優勝こそできなかったが
抜群の安定感を誇る2人のドライバーの活躍で、チームランキング4位を記録しトップ
4入りを果たす。今季はまず初優勝が最大目標。
50:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
F1をはじめフォーミュラE、DTMでも活躍した経験豊富なポルトガル人。昨季は
未勝利に終わるもチームのトップ4入りに貢献。今季は初優勝を狙う。
3:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)
新鋭ながらも昨季は2度の予選PPと、2度の表彰台を獲得し実力を証明。今季は初
優勝、そしてチームランクアップが目標か。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:DMW P82H30 3.0 V8
タイヤ:ヴァシュロン
今季から新たにNeXXに参戦する3チームのひとつ。アメリカに本拠を置きインディ
カー、フォーミュラEにも参戦するワールドワイドなレーシングチーム。アメリカの
レース一家アントネッティ家の威信をかけて参戦。
77:アレンザンダー・ロッソ(USA)
第100回インディ500を制したイタリア系アメリカ人。昨季はアブラモビッチから
参戦し1勝をあげ、ランキング7位に。今季は王座獲得を狙う。
57:デイヴィス・リンドホルム(CAN)
インディカー出身のカナダ人。インディ参戦時はアントネッティに所属しており古巣へ
返り咲く。昨季後半大失速し、ノルディックでは戦犯扱いに。汚名を晴らしたい。
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:シェブロン B2H8 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン
14.マルドゥーク・レーシング・ドバイ
今季から新たにNeXXに参戦する3チームのひとつ。UAEを構成する首長国の一つ
ドバイの王家、マルドゥーク家のダムハン皇太子が率いるチームだ。圧倒的な経済力で
NeXXに殴り込みをかける。狙いは参戦初年度でのチーム王座獲得。
27:ビル・リヴィエール(CAN)
カナダ出身のドライバーで、F1では跳ね馬をドライブした『華麗なるファイター』。
狙うはF1で獲得できなかったワールドチャンピオンだ。
18:ジャッキー・グーデリアン(USA)
アメリカ出身のファイター。インディカーとNASCARの参戦経歴を持ち、パワー
ボートでも活躍。レースと名の付く物ならなんでもござれの『ハイテクカウボーイ』だ。
シャシー:レラ RXN-01Ref
エンジン:シェブロン B2H8 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン
15.ガジャック・ルルーシュ・スポール
昨季プルトンよりドライバーとして参戦していたイワン・ガジャックが立ち上げた
『純オールフレンチ』体制のチーム。旧F1ルルーシュ・チームの首脳陣を招聘して
チームを組織。初年度からどこまでやれるか?
26:セドリック・タンデイ(FRA)
ルノ○やフェラー○でも活躍した元F1パイロット。中でも跳ね馬在籍時は2勝をあげ
タイトル獲得にも貢献。堅実なスタイルは1年生チームにうってつけだ。
16:ファン・カレッジ(FRA)
昨年F2で王座を獲得し、鳴り物入りでNeXXデビュー。アヴィニョン生まれも、
両親がシチリア生まれでイタリア人の血を引く。初年度から大暴れか?
シャシー:シグマテック S-TEC01X/B
エンジン:ピジョン A4/H 3.0L V8
タイヤ:ヴァシュロン
以上参戦15チーム、30名のドライバーによる熱き戦いが、まもなく開幕する!!
こうご期待!!!!
■2年目のNeXXも混戦必至!変更されたレギュレーション!!
いよいよ2ndシーズンの開幕を目前に控えたNeXX。初年度は大盛況で幕を閉じたが、
2年目はさらに盛り上がること必至だ。今季からポイントシステムやペナルティなど
レギューレーションが一部変更・修正され、さらに混戦模様に拍車をかけることが
予想されるからだ。では、今季のレギュレーションの大きな変更点を見てゆこう。
◆変更点1:ファステストラップ・ポイントの導入
1stシーズンのポイントは、優勝~10位までのドライバーに与えられ、さらに
予選でポールポジションを獲得したドライバーにも与えられた。しかし2ndシーズン
はさらに、レース中ファステストラップを記録したドライバーにもポイントを付与する
ルールとなった。来季のポイントシステムは以下の通り↓↓↓
優勝:25ポイント PP獲得:3ポイント
2位:18ポイント FL獲得:2ポイント
3位:15ポイント
4位:12ポイント
5位:10ポイント
6位: 8ポイント
7位: 6ポイント
8位: 4ポイント
9位: 2ポイント
10位: 1ポイント
このように今季は、FL獲得で2ポイントが付与される。つまり予選PP、決勝レース
優勝、決勝レースFLと完勝すると、1レース最大30ポイントが得られる計算だ。
またPPポイント同様FLポイントも、選手権の有効ポイントに換算されるため、
タイトル争いにおいてPP、FLがより重要なポイントとなってくる。タイトル争いは
大詰めになるほど1ポイントの重みが行方を左右しかねない。今季はより、順位以外の
ポイントも重要となってくるのだ。
◆変更点2:「Did Not Qualify」(予選落ち)の発生
今季から参戦チームが3チーム増え、15チーム30台エントリーとなったNeXX。
しかし、決勝グリッドに並べる台数は26台と定められている。つまりは毎レース必ず
4台の「予選不通過」が発生するのだ。1stシーズンでは実力者が予想外に下位
グリッドに沈むことも多々あった予選。
参戦台数がさらに増加した今季は、上位チームの実力者とてうかうかしていられない。タイトル争いの真っ只中のレ―スでの「予選落ち」なんて事態は絶対に避けたいところだ。
◆変更点3:グリッド降格ペナルティの導入
F1をはじめとする多くのレースではすでに導入済みの、「グリッド降格」ペナルティ
を今季から導入。スポーティングレギュレーションに対しての導入となるが、今季からはレーススチュワードが危険、もしくは悪質、反スポーツマン的とみなした予選、レース中の行為についてはレーススチュワードより、当該レースの翌レースにおいて5、ないしは10グリッド降格のペナルティを科す場合がある。
昨季は出場停止やレース後のタイム加算などが発動したが、このグリッド降格制度の採用で選手権はよりスリリングになる。
以上が大きなルール、レギュレーションの変更点だ。いずれも今季のレースをより
スリリングにする要素ばかりである。今季は昨季以上にハラハラする展開が、最後の
最後まで続くことだろう。
■2ndシーズンも開幕戦の舞台はオーストラリア!
開幕戦の舞台となるサーファーズパラダイスを徹底解説!!
☝サーファーズパラダイス ☝コース図
開幕戦の舞台は昨年に引き続きオーストラリア。クイーンズランド州の世界的に有名な
観光スポット『ゴールドコースト』にある『サーファーズパラダイス』の公道を仕切って行われる市街地サーキットだ。ゴールドコーストは世界有数のサーフスポット。東側のビーチは南北57kmにわたって広がり、そのおビーチ沿いの公道をサーキットとして使用する。1周4.47kmのコースは表裏のロングストレートにそれぞれ2つずつ
シケインが設置され、他いくつかの速いセクションがある。速度域は比較的高く、当然
ながら路面のミューも低いため滑りやすい。オーバーテイクポイントは1stシケイン
そして、ビーチ沿いの通りへ折り返すターン3か。ビーチ沿いのバックストレッチ途中
にある3rdシケインも抜きどころか。しかし十分な加速で迎えるコーナーが少ないため追抜きは容易ではない。特に1stシケインはアクシデントの発生ポイントとなる。
昨季は8番手スタートのJ.セプターが優勝。地元のK.マルケーナスが予選でフロントローにつけ、決勝は4位入賞とトップフォーミュラデビュー戦で衝撃の活躍。今季は
果たしてどんなレースになるのか!?
・SLO、3rdシーズンからヨコスカタイヤへチェンジか?
昨季、そして今季とフランスのヴァシュロンタイヤでNeXXを戦うSLO。しかし
3rdシーズンからはヨコスカへチェンジするとの噂が出ている。それも、チームの
共同オーナーである3人のブラジル人の一人リカルド・オリベイラが、ヨコスカの
株式の約25パーセントを取得したからだ。日本のタイヤメーカーであるヨコスカは
海外市場への本格的進出を目指しているが、現在世界での販売額シェアは第8位だ。
ヨコスカの事業範囲は現状日本とアジアが中心で、ドイツのタイヤメーカーとの事業
提携を2016年に解消したのち、本格的な世界進出の足掛かりとして南米での市場
規模拡大を企図していた。そこに目を付けたのがオリベイラ。オリベイラは南米に
ヨコスカの現地法人を設立し、ヨコスカは中南米全体での販路拡大を目指すという。
またSLOの3人のブラジル人オーナーは、自分たちのビジネスパートナーとして
日本企業とのパートナーシップを深めたいという思惑があり、今後もしかすると
SLOはNeXXでもより日本との関係強化を図っていく可能性があるとも噂されて
いる。SLOは初年度に続き2ndシーズンも日本のレラシャシーを使っており、
TDのエンリケ・スカボローニエはレラシャシーに好感触を得ている。
3rdシーズン 以降もレラシャシーを継続使用するようであれば、タイヤサプラ
イヤーをヨコスカへチェンジすることで日本とのつながりもさらに深くなる。
また、ブラジルのカリスマF1ドライバー、アイルトン・セナに憧れた世代だという
3人のオーナーは、大の日本びいきでパドックでも有名。最終的にはエンジンサプラ
イヤーとしての『アキュラ』を担ぎ出すのが彼らの野望だと、まことしやかに語る
ジャーナリストもいる。
NeXXで活躍する日本企業が増えるのは、日本のレースファンにとってはうれし
い限りだが。ひとまず今後のSLOの『ジャパナイズ』の行方に注目しよう。
・新規参戦もドライバーは二人とも経験者、参戦初年度からのタイトル争いに自信
今季からNeXXに参戦するアメリカのアントネッティ。NeXX1年生の今季だが
チーム代表のドナルド・アントネッティは、参戦初年度にも自信をのぞかせる。
「確かに参戦初年度での活躍は簡単なものではないけれどね、それでも我々はこの
カテゴリでもかなりやれると思っているよ。我々には様々なカテゴリで戦ってきた
経験がある。そして我々の二人のドライバーも、圧倒的な経験値を有している。」
自信の裏付けは今季のドライバーラインナップだ。1stシートにアレンザンダー
ロッソ、そして2ndシートにはデイヴィス・リンドホルム。二人とも、インディ
カー時代にアントネッティチームで戦い、ロッソは2016年第100回のインディ
500を制している。リンドホルムにしてもインディカー通算5勝をあげており、
戦力としては申し分のないラインナップではある。またロッソは昨季1勝をあげ、
NeXXにも適応できていることを示した。「アレン(ロッソ)の実力はもはや
語るまでもないよ。彼はアメリカで大きな成功をつかみ、NeXX初年度でも優勝
を経験した。リンディ(リンドホルム)も、やってくれると信じている。私も彼ら
とともにアメリカでは大きな成功をつかみ、この組織をフォーミュラEをはじめ
世界でグローバルにレースを戦えるビッグチームへと発展させた。今季我々は
ファーストグレード(一年生)だけどすでに戦う準備は整っているよ。」と語る。
「我々はNeXXチームとしてはファーストグレードだけど、すでに1シーズンを
経験した二人をドライバーとして迎えている。彼らが存分に力を発揮できる環境を
整えることが我々の使命だ。そうすればおのずと結果はついてくるよ。」アメリカが
世界に誇るレース屋は、1年目から本気だ。
・ファン・ドット「私はこのチームを勝てるチームにするために呼ばれた」
かつてはスポーツカーレースでピジョンを、そしてF1ではフェ○ーリチームを常勝
チームへ仕立て上げた「敏腕指揮官」が、今季からNeXXに参戦する。「優勝請負
人」ファン・ドットその人だ。ル・マンではピジョンを、F1ではフェラ○リを常勝
軍団にしFIAの会長まで上り詰めた成功者は、一転今季から活躍の場をこの若い
カテゴリに移した。「私はFIAの会長職の任期が終わる最終年に、ドバイのマル
ドゥーク家のダムハン皇太子から声をかけられていたんだ。「我々は新しいカテゴリ
に打って出る。そしてあなたのために指揮官の椅子をあけてある」ってね。
この2年ほど熟考に熟考を重ねたよ。しかし、私が答えを渋っているうちにNeXX
が開幕した。そして殿下は昨年私に「準備は全て整っている。あとはあなたが首を縦
にふるだけだ。」と言った。殿下は私がオファーを承諾するまで参戦を待ったんだ。
これに答えなければ男ではないと思った。」と、ダムハン皇太子からの熱烈なオファ
ーがあったことを告白した。また「正直もう今のF1には限界を感じていた。」とも
語った。「F1は史上最も大きな転換期を迎えていた。もはやテクノロジーは
頭打ちで、その中でも抜きん出るためには莫大な開発予算を捻出できなければなら
ないし、そんなチームはもうF1には数えるほどしかないんだ。ある1社が一度優位
に立ってしまえば、覆すことは容易じゃない。チームがコンストラクターでなければ
ならないというF1の理念は、F1からスペクタクルを奪ってしまった。しかし、
F1はそれを否定した時点でF1ではなくなってしまう。これは酷いジレンマだ。」
とF1に対する複雑な想いを吐露。「私には新しいチャレンジが必要だと思った。
もう無茶をできる年齢ではないが、もう1度新たな舞台で何かを構築する喜びを
味わいたいと思ったんだ。私はこのチームを勝てるチームにするために呼ばれた。」
と意気込みを語る。栄光と苦難を味わっ「闘将」が、最後の舞台に選んだのが
このNeXX。「男の中の小男」は、その小さな体に大きな熱意を滾らせている。
・カレッジ、F1チームのオファーを蹴っての参戦に「ワクワクするね」
今季から参戦する3つの新チームのうち、「オールフレンチ」体制で臨むガジャック
のセカンドシートに座るのが、「驚異の新人」と噂されるファン・カレッジだ。
昨年のF2王者である彼はF1チームの育成プログラムには所属しておらず、今どき
では珍しく独力で道を切り開いてきたドライバーだ。カレッジにはF1のとある中堅
チームからオファーがきていたそうだが、自身の将来を考えたときにNeXXへ参戦
する方が有益と考えガジャックと契約したという。「昨季のオフ、僕は2つのF1
チームから誘いを受けていたんだ。でも僕はNeXXを選んだ。それはNeXXに
大きな未来を感じたからだ。NeXXは現時点でF1よりも進んだフォーマットを
使用しているし、本当の競争も存在する。それに僕がオファーを受けていたチームは
中堅以下のチームだった。今のF1では何年やってもトップチームに行けない場合
があるし、そのリスクは決して小さくない。自分がレーシングドライバーとして脂の
乗っている時期に中堅チームで燻るなんて御免だよ。だからNeXXに来た。」
と語った。現在のF1ではビッグチームは皆ドライバー育成プログラムを持っており
育成プログラム出身のドライバーを優先的に起用する傾向が強い。そのためカレッジ
のような「後ろ盾」を持たないドライバーがのし上がるには、今のF1は非常に過酷
なカテゴリとなっている。「僕はジュニアフォーミュラの段階から、自分の力のみを
信じて戦ってきた。でもそれがF1での活躍に支障をきたすとは考えもしなかった。
けどおかげでこんなに魅力的なカテゴリに出会えた。今から開幕が待ちきれないよ
ワクワクするね。」と語り、開幕に向けて準備は整っている様子だ。1年生チームで
戦う1年生ドライバーだが、カレッジは「侮れない1年生」だ。
□次回はいよいよ待ちに待った『開幕戦・オーストラリアGP号』だ!