☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

Formula NeXXtream 2stシーズン・15

『Formula NeXXtream 2nd』
□第15戦 マカオ ギア市街地サーキット

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 1周:6.20km
 特性:「中速」「市街地」
 ターン数:25(49周)

2ndシーズンも残り4戦、依然としてまだまだタイトルの行方はわからないNe
XX世界選手権。舞台はアジアラウンド残り2戦、そして北米ラウンド2戦を残す
だけとなった。いよいよ大詰めの選手権第15戦の舞台は、中国の特別行政区マカ
オ。市街地に設営される公道サーキット、ギアサーキットだ。昨年の1stシーズ
ンからNeXX世界選手権の第15戦として始まった同レースは、伝統のF3マカ
オGPの後に行われる。
レースウィーク中は市街地の一般道を封鎖して使用、全区間をガードレールとコン
クリートウォールに囲まれたコースはアジア随一の難所として知られ、ここで行わ
れてきたF3マカオGPはトップフォーミュラへの登竜門として長い歴史を誇る。
マカオのモーターレースの歴史は古く、ポルトガル領だった1954年まで遡るが
当初は草レースとして始まったイベントが、今では国際規格の選手権が行われるま
でになり、ついには昨季からNeXXというトップフォーミュラの世界選手権を開
催するまでになった。
1周6.2kmのロングコースはアジア随一、そして世界でも有数の難所だ。「海
側」と呼ばれる前半区間と「山側」と呼ばれる後半区間では、コースの性格が18
0度変わってしまうのだ。超高速の前半区間はほぼ直線、2km半にわたる区間
ほぼ全開で駆け抜ける。コース幅も最大14mと広く、迫力のオーバーテイク合戦
が見られるだろう。しかし、一転後半の山側はコースの最小幅7m、うねりなが
らアップダウンを繰り返す超テクニカルな区間だ。山側の名物コーナー『メルコヘ
アピン』は、モナコのローズヘアピン同様ステアリング切れ角いっぱいまで切らな
ければ曲がることができず、専用セッティングが必要なほど。
セッティングの基本はレスダウンフォース。しかし荒れた路面、狭くツイスティな
山側をミスなく走るには、レスダウンフォースセッティングでは容易なことではな
い。アジアのモーターレーシングの『聖地』は、まさに佳境を迎えたNeXX世界
選手権に相応しい難所。舞台は整った。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:アレックス・バトラー(マーキュリー)
予選PPはここにきて再び調子を上げてきたか、2戦連続でバトラーが獲得した。
全セッション通じて好調をアピール、Q1以外は全てトップ5に入る好アタックだ
った。フロントローに並んだのは、第13戦アゼルバイジャンでNeXX初優勝を
飾ったベテラン、ラ・ポルタがつけた。こちらも終盤に入って復調をアピールか。
3番手にはセプター、今季は予選から苦戦することの多かったベテランだが、ヨコ
スカの新ハードタイヤ導入後は3戦中2戦でシングルグリッド。こちらも復調か?
そして4番手にはポイントリーダーのラムダがつけた。さらに前戦、デビュー2戦
目で3位表彰台のボナパルトは5番手から。6、7番手にはエヴァー・グラハムの
2台がつけ、続く8番手にはカブロン。更に10番手日向と新ハードタイヤ投入後
のヨコスカ勢の予選好調が顕著だ。
11番手グーデリアン、12番手カレッジと、中段も市街地得意の面々が並ぶ。一
方で攻めすぎたリヴィエールはミスアタックでQ2で脱落の15番手、ランキング
3位でラムダを追うラスムッセンも17番手、さらにはリンドホルムが前戦でNe
XX初優勝をあげたアントネッティ勢もロッソ21番手、リンドホルム23番手と
低迷。また地元中国出身で、市街地コース得意の宋昇龍も24番手と後方に沈んだ。
今回の予選落ちはヴィックス、ソリス、カジワラ、ハイデンフェルドの4台。F3
時代にここマカオで2連覇したヴィックスだったが、NeXXのマシンで初めて走
ったマカオでは残念ながらその力を出し切れなかった。また。ルーキーソリスもN
eXXの洗礼を浴びた格好か。カジワラはこれで3戦連続予選落ち、次戦はチーム
の地元日本だが調子は一向に上がらない。またハイデンフェルドは、第8戦でチー
ムがレース棄権して以来の予選落ち。ラスムッセンの復調でタイトル戦線において
ようやくの追撃ムードだったノルディックだけに、『クイックミック』の予選落ち
はノルディックにとっては痛手だろう。


<決勝レース>
終始うすぐもりで行われた予選だったが、決勝は雲の隙間から青空がのぞく。ドラ
イコンディションではあるが、空にかかる灰色の雲は各チームにレース中の降雨を
想定させた。気温はそれほど高くないが湿度の高い状態、そして特に山側のテクニ
カルな区間へのタイヤの負担を想定し、ヴァシュロン勢のほとんどがハードをチョ
イス。逆にヨコスカ勢はヴァシュロン勢の戦略を見越してか、ソフトを選ぶドライ
バーが多かった。1周6.2kmのロングコース、各ドライバーのタイヤ戦略が他
のサーキット以上に重要な舞台だが、レースはどうなるか。


<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>      <ヨコスカ>
M.ボナパルト U      J.チャップマン
A.バトラー        D.ファング
S.シエナ           宋 昇龍 
Z.ゲラ 
A.ファーシマス
K.ラスムッセン
A.ラ・ポルタ
A.フィリオ 
A.ロッソ 
D.リンドホルム
B.リヴィエール 
J.グーデリアン 
C.タンデイ
J.カレッジ
        
◆SOFT
<ヴァシュロン>      <ヨコスカ>
N.ラムダ         A.バーンズ 
K.マルケーナス      J.バロン
M.ポルボローネ      日向 俊郎
              F.デ・ランジェリス
              A.カブロン
              J.セプター

=ユーズドタイヤ

レースはスタートから激しいつばぜり合い。2番手のラ・ポルタがバトラーに並び
かけるがバトラーも引かない。すぐ後ろではセプターとラムダもサイドバイサイド、
その後ろが4ワイドの展開。スタートから2km以上フルアクセルの攻防だが、最
初の低速コーナー『リスボア』はPPスタートのバトラーが先頭を守る。後ろでは
バロンがボナパルトの前へ、そしてカブロンがバーンズの前へ。レースはこのまま
進むかと思われたがやはりアクシデント発生。12番手争いのカレッジ、デ・ラン
ジェリス、マルケーナスが多重接触。間に挟まれたデ・ランジェリスがフロントウ
ィングを飛ばし、横を向いて停まってしまったためにセーフティカーが出動。
スタート直後の事故が多いことで知られる難所『リスボア』、昨季はアクシデント
無くスタートしたが、今季はスタートからアクシデントが発生してしまった。

ピットオープンの2ターン目、接触でダメージを負ったデ・ランジェリスがピット
イン。ノーズコーンを換えてコースに出てゆく。デ・ランジェリスはこれで最後尾
に転落だ。アブラモビッチ勢は今季苦戦が続く、チャップマン共々最後尾グループ
へ。

リスタートは3ターン目。今度は大きな混乱なくリスタート、上位勢は大きな順位
変動なくレースに入ってゆくが、6番手のボナパルトがカブロンに前に行かれ7番
手に落ちる。ボナパルトローリングスタートがやや苦手か。
4ターン目にトップ争いに動き。2番手のラ・ポルタが、バトラーをかわして先頭
に立つ。ともに市街地コースが得意のドライバーだが、新品ハードのラ・ポルタに
対しバトラーはユーズドハード。このタイヤチョイスがラ・ポルタに有利にはたら
いたか。しかしバトラーは序盤からややマシンの不調を感じていた。そしてタイヤ
以外のなにかがペースを上げられない要因であることに気付いていた。それが顕在
化するのは終盤になってからだ。

一方4番手走行のポイントリーダー、ラムダは序盤ソフトタイヤで勝負をかけるも
前のセプターの後ろにつけない。ヨコスカ勢のセプターもソフトタイヤだ。
先頭グループはラ・ポルタ、バトラー、セプター、4番手争いのラムダ、バロン、
カブロン、ボナパルト、そしてバーンズが第2集団を形成する。
そしてレースは5ターン目に入ろうかというところ、またもアクシデントが発生。
23番手走行中のチャップマンが、マシンから白煙を吹いてゆるゆるとストップし
た。ミッションがブローアップしてしまったのだ。チャップマンは『リスボア』の
先にある、このコースで数少ないエスケープにマシンを入れストップ。幸いにもセ
ーフティカー出動とはならなかった。

トップのラ・ポルタは相変わらずハイペース、対するバトラーはどうもペースが上
がらずについにセプターにかわされ3番手に後退する。これでポイントリーダーの
ラムダの目の前にバトラーが落ちてきた格好だが、ラムダも思うようにペースを上
げられずにいた。アゼルバイジャンで低迷したピットブルだが、どうにも市街地コ
―スと相性が良くないのかもしれない。しかし選手権はここから最終戦まで全てが
ストリートレース、ラムダの頭に不安がよぎる。
そして7番手走行中のボナパルトも、マシンに異変を感じていた。ブレーキがルー
ズになり、『リスボア』でのハードブレーキが苦しくなってきていた。バーンズが
ブレーキに苦しむボナパルトに仕掛けるも、ボナパルトは巧みにディフェンス。た
まらずバランスを崩したバーンズは、接近していたゲラ、グーデリアンに次々とか
わされてゆく。
ここマカオでは1つの乱れが大きな失敗を生むリスクを孕んでいる。

★5ターン終了時のトップ10
 1.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 2.ジョリー・セプター
 3.アレックス・バトラー
 4.ニコ・ラムダ
 5.ジェストン・バロン
 6.アレンザンダー・カブロン
 7.ミシェル・ボナパルト
 8.ゾルタン・ゲラ
 9.ジャッキー・グーデリアン
10.アレン・バーンズ

ラ・ポルタはアゼルバイジャンの時のように、快調にトップを征く。セプターも追
撃するが差は詰まらない。後ろ3番手のバトラーはややペースを回復、セプターの
タイヤのタレもあってか7ターン目に2番手を奪い返す。ラムダも少しペースアッ
プしセプターのすぐ後ろにつける。セプターはややタイヤが苦しいか。
その後ろではカブロンとバロンが激しい争い。ともにヨコスカ勢だ。その後方バー
ンズ、グーデリアン、日向といった9番手争いも激しい。ホームストレートでバー
ンズとグーデリアンの2台を、2台のスリップストリームからまとめてオーバーテ
イク。リスタートで失ったポジションを、9番手まで取り戻してきた。

バトラーがなかなかペースを上げられないため、ラ・ポルタは独走態勢。2番手争
いが集団を形成し、バトラー、セプター、ラムダの順で接近戦を展開する。ラムダ
もなかなかセプターに仕掛けられない。
5番手集団はバロン、カブロン、ボナパルトの3台。ブレーキがルーズなボナパル
トだが離されず追走、バロンに抑え込まれているカブロンをかわし6番手復帰。バ
ロンにもしかけるがバロンも行かせない。

さらに後方では日向がゲラをかわして8番手浮上。日向もストリートコース大得意
なだけに、アグレッシブに前を目指す。5番手集団のカブロンが目の前に見えてき
た。後ろではユーズドソフトのバーンズがピットイン、全台のトップを切ってハー
ドへ交換して出てゆく。他の面々もセーフティカーの出動ででややタイヤをもたせ
ているが、ソフトスタートの連中はそろそろ最初のタイヤ交換のタイミングだ。

先頭のラ・ポルタはハードタイヤ、交換のタイミングはもう少し先だがガケが来始
めているためペースは落とし気味。しかし追うバトラーはやはりマシンになにか不
調があるのか差を詰められず、逆にセプターに再び前に行かれ3番手に後退。
そしてここで4番手ラムダがピットイン。ソフトスタートのラムダは2セット目も
ソフトへ繋ぐ、中盤までになんとかポジションをあげてラストスティントをユーズ
ドハードで抑えきる作戦だ。ラムダはボナパルトと日向の間7番手でコース復帰。

ラ・ポルタはこのターンもミドルペースでリスクマネジメント、ここまでのレース
運びは盤石だ。追いかける2番手のセプターはここでピットイン、ソフトからユー
ズドハードへ繋ぐ作戦だったがここでトラブル発生。左リヤタイヤがはまらずに大
きくタイムロス、優勝も狙える位置から8番手まで転落してしまった。セプターは
このほど今季限りでチャイナドラゴンからの離脱が決定、久々のトップ争いで来季
のシート獲得へのアピールをしたいところだったが、泣きっ面に蜂状態だ。

しかしセプターのタイヤ交換を皮切りに、ここで上位陣が続々ピットイン。4番手
に上がったカブロンはソフトからソフトへ、ユーズドハードスタートのボナパルト
もソフトへ交換。その後ろ日向はソフトからユーズドハードへそれぞれ換装した。
一方で23番手走行と元気のなかったファングは、このタイミングでピットに入り
そのままリタイヤとなった。ファングは序盤からフューエルプレッシャーの低下を
感じており、戦闘力を失った。
ここで3番手に浮上したバロンは、1セット目のソフトをなんと11ターン引っ張
ってこの位置。NeXXでもトップクラスと言えるタイヤマネジメントで表彰台圏
内を射程に入れる。11ターン目にピットインし、ユーズドソフトに繋いで出てい
く。

そして12ターン目、ユーズドハードのバトラーがついに1回目のピットストップ。
ソフトに交換するがややクルーが作業に手間取る、僅かなロスではあるがこの後の
展開にどう影響するか? 一方トップのラ・ポルタはまだ入らない、大きなマージ
ンを築いたままだ。
1回目のストップを済ませたバロンはラムダの後ろ4番手で復帰、2セット目に換
えてペースの良いバロンがラムダをかわし再び3番手に浮上する。
後方ではピット作業ミスで8番手まで落ちたセプターが、6番手までポジションを
回復していたがここに来て鬼神の追い上げ。前を行くピットブル勢までも次々とか
わし、最後にはバロンもオーバーテイク。なんとこの時点で意地の3番手復帰を果
たす。

ラ・ポルタは大きなマージンを築き、まだまだステイアウト。後方では離れた2番
手にバトラー、3番手にセプターが続きラムダが4番手復帰。以下カブロン、バロ
ン、ボナパルト、ゲラという順。そのさらに後ろでアクシデント発生。10番手争
いで後ろのロッソが日向に仕掛けたところで接触、すぐ前にいたバーンズも巻き込
んで3台がコースをふさいでしまい、ここでこのレース2回目のセーフティカーが
出動。なんとここまで築いたラ・ポルタのビッグマージンが、これで0になってし
まった。

ここでトップのラ・ポルタがようやくピットイン、ユーズドハードに繋ぐ。ここに
きてラ・ポルタの戦略が露見、ラ・ポルタはこの難コースをハードトゥハードの1
ストップで走り切る作戦のようだ。市街地得意、そしてタイヤ使いのうまいラ・ポ
ルタならではの作戦だ。
かわりにステイアウトしたバトラーがトップに立つ。後ろのセプターはここで2度
目のタイヤ交換。ユーズドハードを4ターンで見切り、最後は新品ハードで走り切
る。その後ろラムダはステイアウト、最後にユーズドハードを残しているが、交換
するタイミングにはちょっと早いか。その後ろではボナパルトグーデリアンがハ
―ドタイヤへ交換。ボナパルトは13番手、グーデリアンは14番手でコース復帰。
他の主だったドライバーは皆ステイアウトした。

15ターン目、レースは2回目のリスタート。トップに立ったバトラー、2番手ラ
ムダともに良いリスタート。久々のタイトルコンテンダー同志の直接対決だ。タイ
ヤ交換で5番手後退のラ・ポルタも無難なリスタート。ポジション変動なくレース
を再開する。後方も大きなアクシデントなく、後半戦に入ってゆく。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレックス・バトラー
 2.ニコ・ラムダ
 3.アレンザンダー・カブロン
 4.ジェストン・バロン
 5.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 6.ケリー・ラスムッセン
 7.ジョリー・セプター
 8.ゾルタン・ゲラ
 9.アレンザンダー・ロッソ
10.アンドレアス・サントス・フィリオ

トップのバトラーは、ひとまずマシンの不調を感じさせないペースで征く。そして
2番手ラムダはセーフティカー明けのここでピットイン。最後のユーズドハードに
繋いで出てゆく。ラムダは6番手でコース復帰。
そしてここで再び3番手に立ったバロンに異常、左リアタイヤの内圧が大きく下が
りペースダウンを強いられる。パンクチャのようだ。ラ・ポルタ、ラスムッセン
ペースの上がらないバロンを次々かわしてゆく。バロンの初表彰台のチャンスは大
きく遠ざかった。

21番手スタートから9番手まで浮上してきたロッソに、ここでレーススチュワー
ドからペナルティの通達。2度目のセーフティカー出動となった事故の当事者認定
され、ピットスルーペナルティを科されてしまった。入賞圏内まで浮上してきただ
けに、これは痛いペナルティだ。ロッソは後半戦未だ精彩を欠く。

そしてここにきてなんとまたまたアクシデント発生。密集体系で17番手争いとな
っていた一団のなかで、シエナがファーシマスに追抜きをしかけた際に接触。前を
走行していたカレッジ、ポルボローネ、そして後ろのデ・ランジェリスを巻き込み
5台の多重事故となってしまう。事故が起きたのは「山側」の『ドナマリア・ベン
ド』。狭いコース幅を5台がふさぐ格好となり、このレース3度目のセーフティカ
ーが出動。5台は皆マシンに走行不能となるダメージを受け、一気に5台がリタイ
ヤとなってしまう。
後にこのファーシマスが事故の当事者認定を受けてしまい、FNOから罰金のペナ
ルティを科された。昨季は失格1回、出場停止3回と大暴れだったファーシマス、
今季はここまでノーペナルティで「暴れん坊」ぶりは鳴りを潜めていたが、これで
今季初ペナルティ。今季のチームとの契約にもペナルティに対する罰金条項が盛り
込まれており、ファーシマスはチームからも罰金を科されることとなってしまった。

ピットオープンの18ターン目、上位陣が続々ピットイン。トップのバトラー、2
番手カブロン、4番手ラスムッセン、直前に左リアがパンクしたバロンもここぞで
ピットインし、みな新品中古の違いあれどソフトに交換してゆく。そしてここで1
ストップ作戦のラ・ポルタもピットイン。2ストップ作戦に切り替え新品ソフトへ
換装しピットアウトしてゆく。
1ストップ作戦のラポルタ、このままいけばトップでのリスタートではあるが、周
りは全車ソフトタイヤ。ハードでは守り切れないとの判断か、2ストップに切り替
えたようだ。果たしてこの選択がどう出る?

対するラムダはステイアウトしトップに、しかしラムダはハードタイヤだ。周りは
ソフトだらけでのリスタート、果たして守り切れるか? セプターもステイアウト
で2番手に浮上した。
また上位勢は殆どがこのタイミングでタイヤを換えるなか、グーデリアンがステイ
アウトで3番手浮上。しかしグーデリアンは2度目のセーフティカーのタイミング
ですでに2回目のタイヤ交換を済ませていた。ユーズドハードから新品ハードへと
繋ぎ、2度目のセーフティカーの時点で交換した3セット目の新品ハードで走り切
る作戦だったが、期せずして表彰台が見えてきた。しかしタレてきたハードで最後
までポジションを守り切れるか? 相手は新品ソフト勢だ。

3度目のリスタートは19ターン。トップのラムダは無難に決めるが、2番手に上
がったセプターの吹けが悪い。3番手のグーデリアンがセプターの前2番手に、さ
グーデリアンはこの後どうする?
予期せぬ3度目のセーフティカーで上位勢の順位は錯綜。トップはラムダ、2番手
にはグーデリアン、3番手はセプターだがトラブルのにおい。4番手以降はボナパ
ルト、リヴィエール、リンドホルム、タンデイという展開。バトラーは8番手、ラ
・ポルタは10番手まで後退した。この終盤に来て、レースの展開は全く分からな
くなってきた。

レースは残り6ターン、ラムダのペースは悪くないが後ろのグーデリアンのペース
が良い。20ターン目にラムダの直後につけたグーデリアン、なんとファステスト
ラップをたたき出しラムダの前に出る。グーデリアンがラップリードだ。これまで
度々表彰台圏内を走行することはあったものの、ラップリードは今季初。はたして
どこまでトップを守れるか?
後方ではセプターがズルズルと順位を落とす。リスタート以降セプターはエンジン
にミスファイヤの兆候が見られ、MAXパワーが出せずにいた。海側の長い直線で
どんどん抜かれて行ってしまう。前半は表彰台圏内にいただけに、痛いトラブルだ。
6番手のリヴィエールはここで最後のピットイン、残り5ターンのショートスティ
ントは新品ソフトで臨む。そして6番手に落ちたバトラーは新品ソフトで猛プッシ
ュ。ペースの上がらないセプターまでをかわし5番手に浮上してきた。

トップに立ったグーデリアンは、なんと21ターン目にきてまたもやファステスト
ラップを更新。タイヤは限界が近いはずだが、得意の市街地でブッ飛ばしラムダを
ぐんぐん引き離す。2番手のラムダは追えずか追わずか、2番手キープの構え。
ここで4番手のリンドホルムもピットイン。最後にユーズドソフトを残してしまっ
たリンドホルムは、タイヤライフを考えここまで引っ張らざるを得なかった。リン
ドホルムは9番手後退。果たして入賞圏内に留まれるか。

22ターン目にトップのグーデリアンが最後の、3度目のピットイン。新品ソフト
に交換しフルグリップで勝負に出る。そしてチームもそれに応え、抜群のピットワ
ークで送り出す。なんとグーデリアンはトップでコース復帰! 追いかける2番手
ラムダはユーズドハードだ。この土壇場でグーデリアンに初優勝の目が出てきた。
一方その後方では、バトラーがペースを上げられずにいた。やはりマシンのどこか
にトラブルを抱えているようだ。またエンジンのミスファイアを抱えるセプターも
もうまともな戦闘力はない。相変わらずずるずるとポジションを落としている。

トップのグーデリアンは新品ソフトをフルに使って、とんでもない速さでトップを
征く。2番手ラムダは3番手とのマージンもあるため無理をして追わない。いよい
グーデリアン歓喜の瞬間が訪れるか。そしてここに来て序段独走状態だったラ
・ポルタがボナパルトをかわして3番手浮上。表彰台圏内まで戻してきた。対する
ボナパルトは序盤からブレーキにトラブルを抱え走り続けたが、いよいよ厳しくな
ってきた。すぐ後ろにバトラーが迫るがいかせない。タイトルを争うチームメイト、
ラムダの援護に徹する。

レースは残り1ターンでトップのグーデリアンと2番手ラムダ、ラムダと3番手ラ
・ポルタとのマージンはそれぞれ2。このまま行けるか? 後方では4番手を守り
続けたボナパルトがついに踏ん張り切れず、バトラーにポジションを明け渡す。ブ
レーキがルーズな状態ではバトラー、そしてリヴィエールの猛攻を抑えきれず、ボ
ナパルトは最後の最後で6番手後退。
エンジンのパワーダウン著しいセプターはリンドホルム、バロン、そしてゲラにも
かわされ、最終的に入賞圏外まで後退してしまった。

レースは結局終盤にトップに立ったグーデリアンがNeXX初優勝。3度のセーフ
ティカー出動という大混乱のレースを制した。そしてポイントリーダーのラムダは
きっちり2位表彰台をゲット、6ポイントまで迫られたバトラーとの差をまた少し
引き離した。3位には前半に独走態勢を築いたラ・ポルタ、2勝目は夢と消えたが
混乱したレースでもきっちり3位表彰台をゲット。今季3度目の登壇となった。
レース後エンジンブロックからのオイル漏れが発覚したバトラー、序盤からパワー
不足に悩まされながらも最後は4位につけた。ただでは終わらない昨季王者は、P
Pポイントも合わせてなんとか15ポイントを持ち帰った。5位にはリヴィエール、
勝ったグーデリアンとともに今季4度目のW入賞。そして序盤からブレーキトラブ
ルを抱えながら戦ったボナパルトはなんとか6位フィニッシュ。こちらもラムダと
W入賞だ。7位にはようやく今季3度目入賞のカブロン、そして8位にはこれで後
半戦優勝を含め5戦連続入賞のリンドホルム。完全に復調してきた。
9位にはバロン、今季4度目の入賞だ。途中のパンクがなければもっと上も狙えた
だろう。そして10位には今季6度目の入賞、ゲラが入った。

ドライバーズタイトル戦線はこれでラムダが166ポイント、追いかけるバトラー
も157ポイントと踏ん張ったがその差は9とわずかに拡がった。そして3位以下
ラスムッセン、ファング、日向といったところは軒並みノーポイントに終わり、や
はり最後の争いはラムダvsバトラーに絞られたようだ。ラムダと3位ラスムッセ
ンのポイント差はちょうど50、何かあれば2戦で縮まる差ではあるがラスムッセ
ンの逆転王者の可能性は、今日のノーポイントで限りなく小さくなったと言ってい
いだろう。
一方でトップの二人も盤石ではない。今回ラムダは最後にユーズドハードを持って
きたが、3度目のセーフティカーで戦略が狂ってしまった。またバトラーはここ2
戦何某かアクシデントやトラブルを抱えながらの戦いを強いられている。
予選ではバトラーが復調し、ラムダがやや苦戦。しかしレースではややラムダに安
定感があるように見受けられるが果たしてどうか。
また今季は次戦の日本GPも市街地開催のため、残る3レースは全て市街地戦だ。
ポイントではラムダに先行を許すバトラーだが、条件は『ストリートマスター』バ
トラーに有利に見える。ラムダがリードを守り切るか、バトラーがストリートコー
スを味方につけ逆転するか。今季も最後まで目の離せない展開になりそうだ。

チームタイトルに関してはピットブルが頭一つ出た格好だ。マーキュリーはマルケ
ーナスが不調をかこっているが、ピットブルはボナパルトの安定感が大きな武器だ。
ピットブル247ポイントに対しマーキュリーは211ポイントと、ここマカオ
その差36ポイントに拡がったのは大きい。3位のノルディックはピットブルと8
2ポイント差と、逆転は現実的ではない差になってしまった。
現状はピットブルの連覇の線が濃厚だが果たしてどうか?


最終リザルト↓↓↓(太字)

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Winner:ジャッキー・グーデリアン(マルドゥーク)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦は4戦に渡ったアジアラウンド最終戦、第16戦日本GPだ。舞台は北海道、
昨季は十勝スピードウェイで行われたが、今季からは海の街小樽での市街地戦とな
る。選手権も残すところあと3戦、タイトル戦線もいよいよ佳境だ。日本発の公道
コ―スでの世界選手権開催となる今季の日本GP、関係者の長年の想いが結実し、
『小樽GP』は激化したタイトル争いの最終局面として開催される。モータースポ
ーツフォトグラファーの『けんさわ』こと澤田賢志氏が『日本のモナコ』と称した
、海の街小樽での第16戦日本GP、こうご期待!!