☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

NEXXTREAM PRESS 2ndシーズン「アジアラウンド号」

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◆アジアラウンド号


さて、アジアラウンドも終了し、いよいよ大詰めののNeXX世界選手権。今回は第
13~16戦までの4戦のダイジェストの他、来季以降の各チーム、メーカーの動き
とドライバー移籍市場の速報、そのほかNeXXを取り巻く様々な情報を取り上げて
いきたいと思います。お楽しみに!!


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■レースリポート

◇第13戦 アゼルバイジャンGP バクー市街地サーキット

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PP:ケリー・ラスムッセン(ノルディック)

今季初めてのPP獲得となったラスムッセンの、今季初優勝が期待されたがレースは
意外な展開に。また選手権を争うバトラーとラムダは、それぞれ20番手、23番手
スタート。序盤に2度セーフティカーが出たレース、序盤はラスムッセンが快調に飛
ばしていたが、2度目のセーフティカー出動時のタイヤ交換で、ノルディックチーム
が交換用のタイヤセットを誤って用意するという痛恨のミス。ラスムッセンは一気に
9番手まで後退してしまう。
これでレースは日向とラ・ポルタがトップを争うという、伏兵同士のバトルに。2度
目のタイヤ交換を終えたピットアウト時、ホームストレートに戻ってきた日向のハナ
を叩いて先頭で戻ったラ・ポルタが、そのまま日向を引き離し嬉しいNeXX初優勝。
2位日向、3位ゲラ、さらには4位にヴィックスと伏兵が上位を独占したレース。一
方選手権を争うバトラーは9位、ラムダは12位フィニッシュだった。

優勝:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(SLO)
2位:日向 俊郎(トライアンフ
3位:ゾルタン・ゲラ(ロムニ・ダキア


◇第14戦 タイGP チャーン・インターナショナル・サーキット

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PP:アレックス・バトラー(マーキュリー)

タイトル争いの主役であるバトラーが、なんと今季初めてPPを獲得した予選。しか
し決勝はまたもや伏兵が主役のレースになる。PPスタートのバトラーだが、ペース
が上がらずハイデンフェルドにラップリードを許す。しかし、最初のタイヤ交換で右
フロントの交換に手間取ったハイデンフェルドは9番手まで後退。
期せずして先頭に復帰したバトラーだったが、ブレーキトラブルのためペースアップ
できない。そしてホームストレートで一瞬ギアがスタックしペースダウンした際、ト
ップをリンドホルムに明け渡す。バトラーはその後接触にも巻き込まれて辛うじて1
0番手フィニッシュ、16番手スタートのラムダは8位フィニッシュ。レースは9タ
ーン目にトップに立ったリンドホルムが、そのままトップチェッカー。前戦アゼルバ
イジャンに続き伏兵がNeXX初優勝を飾った。またピットブルのボナパルトが、デ
ビュー2戦目で3位表彰台に上がった。

優勝:デイヴィス・リンドホルム(アントネッティ
2位:ケリー・ラスムッセン(ノルディック)
3位:ミシェル・ボナパルト(ピットブル)


◇第15戦 マカオGP ギア市街地サーキット

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PP:アレックス・バトラー(マーキュリー)

前戦に続きバトラーがPPを獲得したこのレース、しかし決勝はまたもや伏兵が活躍
する展開に。アジアラウンドで最も波乱のレースとなった。スタート後の『リスボア』
で早くもアクシデントが発生したこのレース、序盤から数えて計3度のセーフティカ
ー出動で順位は大きく錯綜した。
タイトル戦線主役の二人はバトラー3番手、ラムダ4番手で序盤が経過。レースは第
13戦で初優勝をあげたラ・ポルタが引っ張る。しかし2度目のセーフティカー後に
バトラーがトップに立ち、ラムダと一騎打ちの展開になる。しかし17ターン目に3
度目のセーフティカーが出動し、順位が大きく錯綜。タイヤ交換に入らざるを得なか
ったバトラーは8番手に後退してしまい、トップに立ったグーデリアンが3ストップ
の奇策でそのまま独走。NeXX初優勝を飾った。またも伏兵にしてやられた主役の
2人はラムダが2位表彰台、バトラーは4位+PPポイントを持ち帰った。

優勝:ジャッキー・グーデリアン(マルドゥーク)
2位:ニコ・ラムダ(ピットブル)
3位:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(SLO)


◇第16戦 日本GP 小樽市街地サーキット

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PP:ファン・カレッジ(ガジャック)

『驚異の新人』カレッジが、雨を利してPPを獲得した予選。決勝はまた波乱の展開
となった。バトラー5番手、ラムダ11番手からスタートしたレースは、序盤カレッ
ジが先頭で引っ張る展開に。カレッジ、バトラー、セプター、そしてロッソあたりが
トップを争う攻防。一方ポイントリーダーのラムダは、中段で接触事故に巻き込まれ
応急修理のためのピットインで最後尾に転落してしまう。
レースはマカオ同様セーフティカーが3度出動する荒れた展開、後半にトップに立っ
たのはセプターだった。序盤レースを支配したカレッジが徐々に後退してゆく中、サ
ントス・フィリオ、ロッソといった面々とトップを争う。かたやバトラーはなかなか
ペースを上げられず、一時は2番手を走行したものの最終的には5位フィニッシュ。
レースはセプターが今季2勝目のチェッカー。2位には今季初表彰台のサントス・フ
ィリオ、3位にはロッソが入った。ラムダは終盤に燃圧低下でストップ。これでなん
とバトラーがラムダを1ポイント上回りトップに返り咲いた。

優勝:ジョリー・セプター(チャイナドラゴン)
2位:アンドレアス・サントス・フィリオ(SLO)
3位:アレンザンダー・ロッソ(アントネッティ


ラ・ポルタに始まりリンドホルム、グーデリアンと3人のドライバーがNeXX初優
勝を飾ったアジアラウンドは伏兵が大活躍。一方で選手権を争うラムダ、バトラーは
ポイントを伸ばせず、まさに波乱のアジア戦線と化した。シーズンも残すところあと
2戦!タイトル争いの行方は!?


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■NeXX Topix

◇新型シャシー投入はデンプシーが参戦する4thから
   ニューシャシーのトレンドはロングホイールベース、ワイドトレッドになる?

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4thシーズンより米国のデンプシーが参入し、全3メーカーとなるNeXXのシャ
シーデベロッパー。デンプシーの参入に合わせて既存の2社は4thシーズンに新型
を投入することは既に合意済みだが、その新型は現行のものよりも長くてワイドなフ
ォルムになるようだ。
NeXXはご存じの通り4thシーズンより新たなエンジンフォーマットも導入する
が、現行よりも回生エネルギーの使用比率が高くなり複数の過給機の搭載も可能とな
る。そのため、新フォーマットのパッケージングに際して生じる重量バランスや空力
バランスの変化、そしてタイヤとの相関性を考慮した結果、4thシーズンに投入す
る新型は全長をやや延伸、そして全幅も拡幅する必要が生じると見られている。
現在マシン全長に関してはレギュレーションでの規定上限はなく、最大全幅は180
0mmと定められているが、全幅については4thシーズンから1850mmに変更
されることが既に決まっている。それに基づき各メーカーとも想定されうる中でもっ
ともスペースを必要するパッケージとして、V型エンジンツインターボのパッケー
ジを想定しており、さらにそこにバッテリーやMGUなど含めたハイブリッドユニッ
トや補器類が加わるため、全幅を既定値いっぱいまで拡げることになりそうだという。
そうなると重量バランスに応じたマシンの空力バランス、そしてパッケージングを考
慮したマシンサイズは今季よりもロングホイールベース、ワイドトレッドになるとみ
られている。見た目上はひとまわり大きくなるというのだ。
現在のデベロッパー2社のマシンサイズは下記の通り↓↓↓

 ・シグマテック            ・レラ
 S-TEC01X/B         RNX-01Ref

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 全長:4920mm          全長:5060mm
 全幅:1780mm          全幅:1745mm
 ホイールベース:2970mm     ホイールベース:3010mm

これが各社とも全幅を1850mmまで拡幅してくるとなると、全長は5200mm
程度になるのではないかと予想される。
ホイールベーストレッドとドライバビリティの関係性は密接で、一般的にはホイー
ルベースが長ければ直進安定性が増し、トレッドが広くなればコーナリング性能が向
上すると言われている。しかし、昨今F1ではマシンの全長は史上最長と言える56
00mm程度まで伸び、非常に細長いルックスを有しているが、総ダウンフォース
の多さやタイヤ幅の拡幅などでコーナリングスピードは信じられないほど速い。スピ
ードレンジの上がった現代F1では、パワーユニットのパッケージングや燃料搭載量
等を確保するボディワークを追求し、中高速コーナーでの安定性を求めてホイールベ
ースは延伸の一途をたどった。その結果フロア面積も増えてダウンフォース量も増大
した。その結果超ロングホイールベースでも、直進安定性と信じられないほど速いコ
ーナリングスピードの両立を果たしたのだ。4thシーズン以降のNeXXもF1と
ほぼ同様の『パワーユニット構造』を採用し、さらにエンジン形式や過給機の搭載に
F1よりも自由度を持たせたことで、パッケージングのためのボディワークは現在の
ものよりも1回りほど大きくなるというのが、各チームやメディアの見方だ。
そうなると問題なのは各エンジンメーカーに与えられたエンジン形式の自由度で、こ
のほどDMWは既に4thシーズンには直4ツインスクロールターボの投入を示唆し
た。サイズアップしたシャシーに、コンパクトな直4ターボを搭載した際のバランス
は果たしてどうなるだのろうか? またV型ツインターボエンジンにしても各バンク
横にタービンを配置するか、バンク内にまとめて配置するかによってパッケージング
や重心位置なども変わってくるのだ。各チームとも4thシーズン以降はより、エン
ジンユニットとシャシーの組み合わせを慎重に選択する必要がある。
ともあれシャシー、エンジンともに新コンポーネンツの投入にはまだ1シーズンクッ
ションがあるが、4thシーズン以降の勢力図が各チームの選択でどう変わるのか、
今から楽しみだ。


◇「エンジン屋」の矜持か。DMWが4thシーズンに
           投入するエンジンは直列4気筒ツインスクロールターボ!!

現在アブラモビッチはじめ3チームにエンジンを供給するドイツの自動車メーカーD
MWが、4thシーズンに投入する新型エンジンがにわかに注目を集めている。現在
DMWはNeXX用に3.0LV10を供給しているが、エンジン規定が新しくなる
4thシーズンに向けてDMWが開発しているエンジンはなんと直列4気筒だという。
組み合わせる過給機システムはツインスクロールターボ、DMWのモータースポーツ
部門開発責任者のタリオ・マイセンが明かした。
これまでトップフォーミュラのエンジンは長らくV型の多気筒エンジンが主流で、主
にF1やインディカーなどは2000年代はV8が主流。F1に至っては2014年
にエンジン規定を大きく変革し、1.6LV6と回生機構を併用した『パワーユニッ
ト』を使用している。1990年代まで遡るとV12、V10といった自然吸気の多
気筒エンジンが主役で、この時代は俗に『マルチシリンダー全盛時代』と呼ばれてい
る。直列4気筒エンジンといえば基本的にはジュニアフォーミュラなどの下位カテゴ
リでの使用が一般的で、トップフォーミュラで採用されたのは1980年代『ターボ
全盛期』のF1まで遡る。そしてそのターボ全盛時代でも、直列4気筒を採用したの
はDMWだった。
トップフォーミュラのエンジンのメインストリームがV型なのにはいくつか理由があ
る。気筒数が多くとも全長を短く抑えられ、パッケージングしやすいフォルムである
こと。また同じ気筒数の直列エンジンと比べ、多気筒を均等に両側に配置することで
ハイパワーでもクランクシャフトへの負担が少ないことなどがあげられる。一方これ
までの直列エンジンはV型より少ない排気量となること、排気量をあげると1気筒あ
たりの負担が増加すること、そして気筒数を増やすとエンジン全長が長くなることな
どのデメリットがあげられた。しかし、直噴化技術の普及によりエンジン自体の性能
があがり、高出力・低燃費の直4エンジンが誕生。またターボとの相性のよい直噴エ
ンジンは、大排気量エンジンに引けを取らない出力を比較的低回転で発生できるよう
になった。そして、そこに回生機構と連結してのパッケージングが必要とくれば、D
MWとしてはV型エンジンよりもコンパクトな直4エンジンを選ばずにはおれなかっ
たわけだ。
タリオ・マイセンは「我々は来る4thシーズンから、新たなチャレンジを開始する。
今よりも小排気量で出力効率、そして燃費効率の良いものを考えたときに、我々は直
列4気筒に可能性を見出したんだよ。長らくスポーツ、レーシングエンジンの主役は
V型だった。パッケージングの優位性と、V型はショートストロークで高回転向きだ
ったのがその理由だが、我々のカテゴリはF1同様回生機構をあわせて搭載せねばな
らないし、その分の重量負担はバカにはならない。新しい回生機構とターボユニット
とのパッケージを考えたときに、直4エンジンには大きなメリットがあると考えてい
る。これにツインスクロールターボを組み合わせることで、最も効率の良いユニット
を生み出せる。」と語る。

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1983年のF1チャンピオンエンジン   DMWのレースエンジン開発を取り仕切るタリオ・マ
M12/13は直列4気筒ターボだった   イセンはF1ファンにもおなじみの人物


「この時代のエンジンに求められるのはコンパクトネスと高効率。その点では我々が
直4エンジンの開発を選択するのは理にかなっている。また我々はかつてF1におい
て直4エンジンでチャンピオンドライバーを生んでいるのだ。我々はいっとき電動化
にむけて舵を切ったが、もともと水素エンジンを早くから開発していたのは我々だ。
そして我々には「エンジン屋」としての矜持がある。我々には直列4気筒エンジンで
NeXXを制する準備ができている。」
これまでスプレンダー、アシュトンバーキンといったエンジンメーカーの後塵を拝し
ているDMW、「エンジン屋」の誇りをかけ直4エンジンで4thシーズンに挑む。


◇FNOが3rdシーズンの暫定カレンダー発表!!  
                 来季以降のカレンダー事情を考察

いよいよ2ndシーズンも残すところあと2戦、FNOは第13戦アゼルバイジャン
GPのパドックで来季3rdシーズンの暫定カレンダーをリリースした。リリースに
はここまで毎シーズン行っている、3度の全チーム合同テストの時期も書き込まれ以
下のような内容となっている。

 ★3rdシーズン暫定カレンダー

  開幕戦 オーストラリアGP サーファーズパラダイス市街地
  第2戦 インドネシアGP  セントール
      <ポール・リカール合同テスト>
  第3戦 ドバイGP     ドバイ・オートドローム
  第4戦 ブラジルGP    サンパウロ市街地
  第5戦 メキシコ      エルマノス・ロドリゲス
      エストリル合同テスト>
  第6戦 イギリスGP    ブランズハッチ
  第7戦 フランスGP    ポール・リカール
  第8戦 イタリアGP    イモラ
  第9戦 オランダGP    アッセン
 第10戦 スウェーデンGP  アンデルストープ
 第11戦 チェコGP     ブルノ
      ホッケンハイム合同テスト>
 第12戦 ルーマニアGP   ブカレスト市街地
 第13戦 アゼルバイジャン  バクー市街地
 第14戦 タイGP      チャーン
 第15戦 マカオGP     ギア市街地
 第16戦 日本GP      小樽市街地
 第17戦 カナダGP     エキシビジョンプレイス市街地
 第18戦 アメリカGP    インディアナポリス・GPコース

以上全18戦で行われる。カレンダーの並び、開催国、そして合同テストの開催地な
どに今季と大きな変更はない。しかし、一部のGPで開催サーキットが変更になる箇
所があり、同時に4thシーズン以降のカレンダーについても一部言及箇所がある。
ここでは来季のカレンダーと、4thシーズン以降のカレンダーについてリリースの
記載をもとに触れ、考察してみたい。


□オランダGPの開催継続

1stシーズンは第7戦に開催されたスペインGP、しかし2ndシーズンには早く
もスペインGPはカレンダーから外れオランダGPがカレンダーインした。1stシ
ーズンに11万人を動員したスペインGPと比較し、今季16万人を動員したオラン
ダGPは大盛況だった。オランダGPに関してはひとまず2ndシーズン単年の開催
契約だったが、今季の盛況をうけてFNO側が契約更新を打診したようだ。現状は3
年の契約延長とされるが、ひとまずオランダGPは3rdシーズン以降も継続開催と
なる。

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TTサーキット・アッセンでのオランダGPは大盛況だった

□最終戦アメリカGPはロングビーチからインディアナポリスのGPコースへ

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来季からNeXX世界選手権の最終戦は、北米モーター
スポーツの聖地での開催となる

来季、開催国は変わらないが舞台が変わるGPが2か所ある。イタリアGPとアメリ
カGPだ。イタリアに関しては1stシーズンからの6年契約で、1シーズンごとに
ムジェロとイモラを使い分ける契約となっており、来季はイモラのターンだ。
そしてもうひとつ舞台が変わるのがアメリカGPだ。これまで2シーズンは西海岸は
カリフォルニアのロングビーチ市街地で行われてきたが、来季からはアメリカ中東部
インディアナポリスで行われる。インディ500や2000年代のF1アメリカGP
でおなじみインディアナポリスの、オーバルトラック内に敷設されたGPコースでの
開催となる。
アメリカGPをロングビーチから別のサーキットへ移管する計画は、FNOが今季の
はじめ頃にはすでに着手しており、デイトン・ビル統括部長やMDのハーディー・フ
ラッシュらがシーズン序盤から度々渡米しては、現地プロモーターと調整を続けてい
た。舞台をインディアナポリスへと移した大きな理由はカレンダー後半の舞台構成で、
第13戦バクー以降の市街地戦の比率が高く、今季小樽がカレンダーインしたことで
よりその傾向が強まったこと。そしてラスト3戦の小樽、トロントロングビーチ
いずれも3.5km以下のショートトラックであることだという。
シーズン終盤の3戦に中低速ショートトラックが並ぶことは、選手権の大詰めに条件
の不公平をもたらすと考えたFNOは、ラスト3戦のうちいずれかにロードコースを
設定したかったのだという。
またハーディー・フラッシュは「アメリカでの最終戦はもっと華々しく締めくくりた
かったんだ。ロングビーチに決して華がないとは言わないが、インディアナポリス
アメリカのモーターレース文化の象徴のような街だ。そんなところでシリーズを締め
くくれたら最高だと思ったんだよ。君もそう思うだろう?」と語り、インディアナ
リスが選手権を締めくくる舞台としてより相応しい、という見解も示した。アメリ
GP自体の開催計画は1stから5年、3rdシーズンからひとまず5thシーズン
まではインディアナポリスでの開催となる予定だ。


アゼルバイジャンGPは3rdシーズンまで、4thからの
              アジアラウンド初戦はカザフスタンでの開催が濃厚?

これまでF1同様バクー・シティ・サーキットで行われてきたアゼルバイジャンGP
だが、来季を最後にNeXXのカレンダーから外れることになる。アゼルバイジャン
GPの開催契約は1stから5年とされているが、この度バクー・シティ・サーキッ
トのエグゼクティブディレクターのラリフ・アヒモブとの間で、契約を3年で打ち切
ることで合意に至ったという。

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カザフスタンのソコル・レーシング・トラックは2020年の開業。ヘル〇ン・ティルケによる
デザインの中速テクニカルトラックだ。現在ではmotoGPなどが開催されている。

FNO側は契約の打ち切りの理由を、F1との重複開催に対してバクー側の予算負担
が大きくなり、継続が困難となったためとしている。しかし一説にはバクー側が、N
eXXがアゼルバイジャンGPを『アジア枠』として認識していることが、契約打ち
切りに影響しているとの噂がある。アゼルバイジャンGPがF1開催に名乗りを上げ
た理由には、アゼルバイジャンをヨーロッパの一部、ヨーロッパのレースとして位置
づけ、アゼルバイジャンには『ヨーロッパのメンタリティ』が存在することを世界に
アピールするとの目的があった。しかしNeXXは、ヨーロッパラウンドをアゼルバ
イジャンの手前の第12戦ルーマニアで終了とし、アゼルバイジャンからは『アジア
ラウンド』という位置づけで情報発信をしている。このバクー側とNeXXの認識の
溝が最後まで埋まらなったことが、契約打ち切りの真の理由のようだ。
アゼルバイジャンやトルコなど、ヨーロッパとアジア・中東などの中間に位置する地
域をめぐる認識は度々問題になるが、往々にしてこういった地域はヨーロッパにカテ
ゴライズされることを望んでいる。しかしNeXX側としては、F1を中心としてレ
ース界全体に根深く残る「モーターレース=ヨーロッパの文化」というマインドを払
しょくしたいとの明確な思惑があり、むしろヨーロッパの開催国数をどう抑えるかに
関して隔年開催を提案するなど腐心している。そこで注目されているのが、旧ソビエ
ト連邦を構成した中央アジア国家でのGP開催だ。カレンダーから外れるアゼルバイ
ジャンのかわりには4thから同じく『アジア枠』として、カザフスタンでのGP開
催が検討されているという。
カザフスタンには、サーキットデザイナーのヘルマン・テ〇ルケがデザインし、モト
GPやDTMなども開催するソコル・サーキットがあり、現在FNOと現地プロモー
ターとの交渉が進んでいるとも一部では伝えられている。経済的にも大きく成長を遂
げているカザフスタン、果たして4thシーズンのカレンダーインはあるか?


□シュトロゼックのロムニ・ダキア買収完了は秒読み
         4thシーズン以降はルーマニアとドイツの隔年開催が決定か?

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ドイツGP開催の噂は常に話題に上るが、シュトロゼックの参入により一層現実味を帯びてきた。
ハイネル氏(写真右端)はホッケンハイムでの開催に強いこだわりを見せる。

現在ロムニ・ダキアとドイツのレーシングコンストラクター、シュトロゼックの間で
進んでいる”買収”話。チームとして苦戦するロムニ・ダキア側の体制強化、そして
シュトロゼック側のトップフォーミュラ進出の野望という双方の思惑が合致し、買収
完了も目前と言われている。そしてこの買収話は、まとまれば開催カレンダーにも影
響を及ぼすとも言われている。それがドイツGPのカレンダーインだ。
前号でもお伝えしたがシュトロゼックのボス、フランツ・ハイネルはAvDドイツ自
動車クラブの上役と懇意であり、買収が完了した暁にはドイツGP開催をFNOに働
きかけてゆくとしている。
以前のインタビューでFNOのマネージングディレクター、ハーディー・フラッシュ
がオランダやルーマニアあたりとの隔年開催の可能性を示唆したが、多くのメディア
ルーマニアとの隔年開催になるとみている。現在ルーマニアGPを主催するプロモ
ーターが資金難に見舞われており、スポンサー探しに奔走しているため隔年開催を受
け入れるだろうというのが大方の見方だ。
いずれにせよ現在F1のカレンダーからも外れているドイツGP、NeXXのカレン
ダーに入ることになれば大きな話題となることは間違いないだろう。


□FNOが目指す世界戦略。アフリカ進出の足掛かりはモロッコ

NeXXは近い将来での世界5大陸での選手権開催を目指しているが、そんな現状の
NeXXのカレンダーに足りていないピースがアフリカでの開催枠だ。欧州、南北ア
メリカ、アジア・中東、オセアニアの4エリアでの開催は実現させているが、現状こ
のアフリカ枠のみが未だカレンダーインしていない。FNOは現在アフリカでの開催
実現に向けて、最も熱心に動いているという。
とはいえアフリカでの開催は難しい面もある。多くの国が未だ飢餓による栄養不足や
内戦、経済不安といった問題を抱えており、都市インフラの整っていない国が多い。
さらに暑さのほか治安や衛生面など、多くの国がモーターレースの世界選手権開催に
対しては大きな障害を抱えている。しかしアフリカ大陸がモーターレース不毛の地か
というとそうとも言えない。南アフリカやモロッコでは古くからF1が開催されてい
るし、フォーミュラeやWTCCなどは現在もモロッコでレースを開催している。ま
た現在では元々の開催地の政情不安から開催地が変わってしまったが、地上最も過酷
なレースとして「ダカールラリー」(かつてのパリ・ダカ)はつとに有名だ。そして
現在NeXXの新規開催候補地として、モロッコが積極的に開催をFNO側に働きか
けているという。

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ロッコはアフリカでもモーターレースとの関わりが深い国。マラケシュのストリート
サーキットではツーリングカー選手権やフォーミュラEが開催される。

FNOのデイトン・ビル統括部長は「モロッコマラケシュ市から、現地にGPを誘
致したいという積極的なアプローチを受けている。彼らは強い関心を示してくれた。」
と語る。モロッコは1958年に一度だけF1を開催しており、近年はフォーミュラ
e世界選手権をマラケシュで開催していることもあり、モータースポーツ人気が再燃
している。また昨季モロッコ王族の遠縁にあたるカタル・アファルがNeXXに参戦
したことで、NeXX世界選手権の開催を望む声が高まっているという。
はたしてNeXXの大きな目標である『5大陸開催』の野望は実現するか? モロッ
コGP開催の為には大きなカレンダー調整が必要だが、今後の展開に注目しよう。


□いち早く新開催地の候補に挙がっていたタウポの現状は?

新規開催地候補といえば、1stシーズン終盤にいの一番で手をあげたのがニュージ
ーランドGPだった。ブルース・マクラーレン・モータースポートパーク、通称タウ
ポ・サーキットを運営するMITデベロップメントが、同国政府のバックアップを受
け招致活動を開始したと本誌が報じたのが昨季終了後だった。しかし現在この計画は
一旦ストップ状態にあるという。
現状『ニュージーランドGP』の開催の障害となっている事案は二つ。ひとつは開催
権料の支払いとコース改修に必要な資金の確保、そしてもう一つは同GPをカレンダ
ーのどこに差し込むかという問題だ。ニュージーランドGP開催には政府の後押しが
あるものの、開催権料プラスコースの改修費を賄うには他に大きなタイトルスポンサ
ーが必要で、MIT側は現在このスポンサー探しに苦労していると見られている。ま
たカレンダーのどこで開催するかも問題で、現状中米メキシコや今後カレンダーイン
すると噂のモロッコなどがFNOの優先課題となっており、開催資金の確保が遅れて
いるニュージーランドは後回し状態になっているのが現状。そこへ来て例えばモロッ
コなどが先んじてカレンダーインすることになると、ニュージーランドをどこに差し
込むかFNOは難しいジャッジメントを下さなければならない。
もし開催するとすれば地理的見地からオーストラリアの前後、そしてオーストラリア
が現状開幕戦開催が条件であることを鑑みると第2戦開催が濃厚だ。しかし現状第2
戦には東南アジア枠として重要なポジションであるインドネシアGPが鎮座、またそ
の流れで4thシーズンにはモロッコが第4、5戦あたりに組み込まれるとの噂があ
る。FNOには現状全18戦の開催数を変更する意思はなく、開催枠の増枠について
も期待できる状況ではない。現状ニュージーランドGPの開催には高いハードルが立
ちはだかっている。


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■PADDOCK PRESS

◇ピットブルのリザーブ降格のマイネ、来季はトライアンフ移籍で合意!!

第12戦ルーマニアGPを最後にリザーブドライバーのミシェル・ボナパルトにシー
トを譲り、代わりに自身がリザーブへ降格となってしまったピットブルのルドルフ・
マイネが、来季トライアンフチームへの移籍で合意した。第13戦アゼルバイジャン
GPのパドックで、トライアンフチームが記者会見を行いこの旨が発表された。
マイネはNeXX開幕シーズンとなった昨季にピットブルチームに加入。F1王者経
験者ニコ・ラムダのパートナーとしてPP3回、優勝1回を記録、昨季のチームタイ
トル獲得に大きく貢献した。しかし今季は開幕戦でまさかの予選落ちを喫し、その後
も昨季ほどの活躍は見せられず。第12戦を最後にリザーブへの降格が決まっており、
移籍が噂されていた。
トライアンフのチームマネージャー真田幸治氏は「我々は来季に向けて非常に大きな
戦力を獲得することができました。彼は苦労人ですがF1で2季戦った経験をもち、
またこのNeXXでの優勝経験もある。来季の我々の躍進に大きく貢献してくれるも
のと、今から期待しています。」と語り、来季の見通しは明るいと強調した。
「私は来季このトライアンフというチームで走れることを光栄に思う。彼らはオール
ジャパンでこのNeXXを戦い、そしていくつかの勝利をあげている。戦闘力のある
チームへ移籍できて正直ホッとしているよ。」とはマイネ。「カムイとはともにF1
を戦った、そしてこのNeXXでピンチに直面していた私を救ってくれたのもカムイ
だ。私はドイツ人だが、F1でもNeXXでも日本人の”ナサケ”に救われた。来季
トライアンフと日本のファンのために私は戦うよ。」と来季への抱負を語った。
しかし、シーズン途中での移籍先決定劇に対しては所属元のピットブルがいち早く反
応、チームマネージャーのヘルムート・マルコリーニは今季中はレギュラードライバ
ーに怪我やサスペンドなど出場できない状況が発生した場合でも、代役にマイネを起
用しない旨を発表した。これに対しマイネは「それが彼らのやり方なら仕方がない。
どのみち途中でレギュラーを降ろされた時点でクビを言い渡されたようなものだ。走
るのは来季まで我慢するよ(苦笑)。」と冷静だ。
この移籍により来季トライアンフは日向とマイネで戦うことになるが、これまで2n
dシートに座ったカジワラはどうなるのか?
「ジョーに関しては、リザーブ兼開発ドライバーとしての残留を提案しました。彼の
開発能力の高さは業界でも有名ですからね。しかし彼は受け入れませんでした。まぁ
当然だと思います。残念ながら彼は今季限りでトライアンフを去ることになります。
私はF1時代から彼と付き合いがありますから非常に残念ですが、我々は進化を停め
る訳にはいかない。さらなる高みを目指すための決断です。ジョーのこれからのキャ
リアの幸運を祈ります。」とは真田。彼の言葉通りF1で苦楽を共にしたカジワラの
解雇は、苦渋の決断であったはずだ。しかしチームマネージャーとしてはエースドラ
イバーにこれだけ戦績で水をあけられては擁護のしようがない。また今季の戦績では
来季、カジワラを獲得するチームがあるかも疑問だ。果たして来季NeXXにカジワ
ラの姿はあるのか?
ともあれマイネという実力者の加入で、来季のトライアンフの戦力アップに疑いの余
地はなくなった。日本のファンは我らのトライアンフの活躍に、大いに期待しよう。

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事実上ピットブルの「戦力外」となったマイネ(写真左)は、2ndシーズンの終了を待たずしてトラ
イアンフと3rdシーズンのドライバー契約を締結。これに不快感をあらわにしたピットブルのH.マ
ルコリーニ(写真中央)は2ndシーズンの残りのレースで、緊急事態が発生した場合もマイネを使わ
ないとした。この移籍劇でトライアンフから弾き出された格好のカジワラ(写真右)、来季のシートは?


◇クラークソンに新エンジン獲得の動き

『F1四天王』の一人デイヴィス・ファングを擁するクラークソンチームが、3rd
シーズンにむけて新たなエンジン探しをしているらしいことがわかった。クラークソ
ンはここまで2シーズン、チームの母国であるイギリスのアシュトンバーキンエンジ
ンを使用しているが、どうもエースのファングがアシュトンバーキンのエンジンに満
足していないらしいというのだ。
アシュトンはNeXXの参戦メーカーで唯一V12を採用しているが、このエンジン
はご存知の通りきわめて高回転型の高速エンジンで、低速サーキットではその性能が
著しくスポイルされる傾向にある。昨季の第10戦スウェーデンGPでは、あまりの
戦闘力の低さに戦意を喪失したファングが、自らレースを放棄してしまうという”事
件”が起こった程だ。また、クラークソンが採用するシグマテックシャシーもマシン
特性は高速寄りで、これにうまく対応できていないクラークソンは今季も相変わらず
低速コースでの苦戦が続いている。同様のパッケージで選手権トップを行くピットブ
ルは、エースのラムダを含めたエンジニアリングが良好に機能し好調を維持している
が、オーナーのジェレミー・クラークソンはシーズン途中のNo.2ドライバー交代
劇にもみられる通り現状に満足できていないようだ(ピットブルもNo.2を交代し
てはいるのだが・・・)。

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エースのファング(写真右)に振り回されっぱなしのチームオーナー、ジェレミー・クラー
クソン氏(写真左)。この『凸凹コンビ』のドタバタ劇は来季も続きそうだ。

「アシュトンバーキンは我々英国が誇るスーパースポーツカーブランドだ。F1にも
参戦しているし、ボンドカーだって作っている。私はDB5が大好きだ、ジャガー
タイプの次にね。そしてこのカテゴリがどれだけ環境に配慮したものであっても、私
はもっとパワーを求めたいし、そのためにはアシュトンのV12のようなエンジンが
必要だ。しかしアシュトンとて万能ではないらしい、うちのドライバーはもっとバラ
ンスの良いエンジンを求めているんだよ、まったくワガママな話さ(笑)。」とはオ
ーナーのジェレミーの談。
実際のところ今季もファングはメキシコや欧州低速ラウンド3連戦では低調に終わっ
ており、チームの現状抱える課題を露呈してしまっている状態だ。というわけでクラ
ークソンチームはヨーロッパラウンドが終了を迎えるあたりから、新エンジンの物色
を始めたということのようだ。今のところ有力候補と見られているのがDMWだが、
DMWとシグマテックのパッケージではアブラモビッチが今季低迷していることから、
実現するかどうかは未知数。またジェレミーは、シャシーについては「見た目」が大
いに気に入っているようで、変更するつもりはないという。
なんにせよオーナーもエースドライバーもハチャメチャなチームなだけに、実際にど
う転ぶかはわからない。クラークソンの今後の動向については、生温かい目で見守っ
て行こうと思う。


◇マーキュリー監督、クラークソンを去るティルクムに
     「もったいない・・・」と語るも、ティルクムの評価はパドックでも二分

第12戦ルーマニアGPを最後にクラークソンを去った英国人ドライバー、アリエル
・ティルクムに対しNeXXからのフェードアウトを惜しむ声と同時に、彼の真の実
力について懐疑的な声もあちらこちらから上がっている。
ティルクムはかつてF3でマカオGPを2連覇した経歴を持ち、昨季はD〇MSより
F2に参戦。F2での優勝経験もあり、F1ウィリア〇ズチームの開発ドライバーも
務めた実力者だ。しかしNeXXに初参戦した今季は第4戦ブラジルの8位が唯一の
入賞で、その後は第5戦メキシコから第11戦チェコまでの7戦でなんと6度の予選
落ちを記録。特に第7戦フランスから第11戦チェコまでは5戦連続予選落ちという屈辱
を味わった。
しかしこのティルクムの不調については前号で紹介した通りチームの体制に問題があ
ったことが指摘されており、充分なサポートを受けられずNeXXから離脱する実力
者に同情の声が上がっている
マーキュリーチーム監督のブライアン・マーキュリーは「ティルクムのような才能は
稀有だよ。ジュニアフォーミュラ時代は少々やんちゃだったようだが、今では成熟し
た大人のドライバーになったようだね。もし来季のシートが決まらずNeXXから離
脱するようなことになるなら、それは非常に残念なことだ。彼はトップフォーミュラ
デビューにあたってF1ではなくNeXXを選んだ。それを手放すことはNeXXの
将来にとって大きな損失になるだろうね。」と語る。
またピットブルのチーム監督ウォルフ・ファイアジンガーも「彼は既に我々の育成プ
ログラム外の存在になってしまったが、来季の陣容が未確定な状況なら獲得も考えた
かもしれない。」と話す。
しかし、いくつかのチームの関係者からティルクムの離脱について「もったいない」
という趣旨の話が出る中で、現状ティルクムの周囲では来季のNeXX残留につなが
る話は聞こえてこない。ティルクムの離脱については、クラークソンのサポート体制
が大きく問題視されているが、各チーム離脱を惜しみながらもその素行を含めた実力
に懐疑的な見方があるのも事実なのだ。チャイナドラゴンのチームマネージャーであ
ウィニーエバーは「確かに彼は目の醒めるような速さの持ち主だ。だけどややメ
ンタルに不安を抱えているように見えるよ。確かにクラークソンでの待遇には同情す
るが、2度目の予選落ち以降の彼の態度にも問題があるんじゃないかな? あのよう
な状況でモチベーションを維持するのは難しい、しかしプロのレーシングドライバー
はそういった状況でも自己をマネジメントしなければならない。プロ意識が必要なん
だ。彼はまだそこに改善の余地があるように見えるね。」と厳しい見方だ。
またロムニ・ダキアのマネージャー、シリル・テルアビブは「彼には確かに速さがあ
るが、クレバーさが足りないように思えるね。一発の速さなら持っているドライバー
は多いけれど、レースを戦える速さを彼はまだ持っていないんじゃないかな。それは
スピードとクレバーさが融合してはじめて生まれるものだ。それが彼には足りていな
いように思える。」と辛辣だ。
クラークソンのチーム体制も含めて、パドックに大きな議題を投げかけたティルクム
のクラークソン離脱。果たして来季ティルクムはNeXXのどこかのシートに座って
いるだろうか?

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パドックでも評価の大きく分かれたティルクムだが、結局真の実力
は分からないままNeXXを去ることになりそうだ。


◇シュトロゼックのロムニ・ダキア買収計画が着々と進展も
                     来季は引き続きピジョンで参戦

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ロムニ・ダキアのマネージャーS.テルアビブは、シュトロゼック
側とはいい話し合いができていると話す。しかし買収が完了すれば
首脳陣の入れ替えの可能性もあるが・・・

ロムニ・ダキアチームの買収を進めているドイツのレーシングコンストラクター、シ
ュトロゼックの計画は着々と進んでいるようだ。ルーマニア人実業家のミルセア・ト
ゥドールが立ち上げたプライベートチームであるロムニ・ダキアは、NeXX参戦当
初から苦戦を強いられていた。それでも初年度の昨季は第16戦日本で初優勝をあげ
だが、予算規模やチームの組織力、エンジニアリング力などで他チームに大きく水を
あけられた今季は、昨季以上に苦戦している。今回の買収話はそんなチームの組織力
、戦闘力強化を切実に願うロムニ・ダキア側と、トップフォーミュラ進出の野望を掲
げるシュトロゼック側の利害が一致し、現段階ではひとまず両陣営のトップによる口
頭合意にを至ったものと見られている。
第13戦アゼルバイジャンパドックにはシュトロゼックのマネージングディレクタ
ー、アンドリウス・ザイグルが姿を見せロムニ・ダキア首脳陣と何やら会合を持ち、
第15戦の舞台マカオではシュトロゼックのボスであるフランツ・ハイネルが直々に
ロムニ・ダキアピットを訪問。ハイネル氏は約1時間半ほどの会合ののち、プレスの
囲み取材に応じこう語った。
「我々は双方に利益のある関係を望んでいる。トゥドール氏のNeXXに対する情熱
を十分に理解した上で、我々シュトロゼックと手を組みNeXXを戦おうという共通
認識を確認した。我々はシュトロゼックの名をトップフォーミュラに刻みたい、そし
て彼らは誇り高きダキア人の名のもと母国を勇気づけたいと願っている。我々の利害
は一致したんだ。我々は一方的に彼らを侵略するわけじゃない、この話は思いのほか
スマートに運ぶと思っているよ。」
また、チームの買収については完全に”ロムニ・ダキア”の名を消すようなことはせ
ず、シュトロゼックとの事業提携のような形で進められるようだ。将来的にはドイツ
のメーカーのエンジンを使用したい考えがあるようだが、ひとまず来季は現行通りピ
ジョンエンジンで戦うことになるという。
「シュトロゼックとはいい話し合いができているよ。彼らのような大きなコンストラ
クターのノウハウを得られるのは、我々にとって非常に有益だ。今後の長期的なプラ
ンについてはもう少し詰めなければいけないが、彼らは私たちを征服しに来たわけじ
ゃない。私たちはシュトロゼックにネーミングライツを提供し、見返りにトップコン
ストラクターの組織力を得られるんだ。”買収”なんて表現をされているけれど、我
々とシュトロゼックの”取引”はWin-Winなんだ。ただ、チーム運営にシュト
ロゼック側の意向も大きく影響するようになるだろう、それは致し方ない。彼らはド
イツのコンストラクターだからね、ドイツメーカーのエンジンを使いたがっている。
来季1年は本格的な体制移行の準備期間と捉えピジョンで戦うが、4thシーズンの
為に何等かドイツのエンジンメーカーとコンタクトを取ることになるだろう。ピジョ
ンとはいい関係を築けていただけに残念だけどね。」とはロムニ・ダキアのチームマ
ネージャー、シリル・テルアビブの談。
いずれにせよシュトロゼックとロムニ・ダキアの”取引”は良い形で進んでおり、シ
ーズン終了までには何等か大きな発表があるようだ。今後の動きに注目してきたい。


◇今季未勝利のラスムッセン苛立つ。
           作戦やピット作業ミスなど「どこかチグハグ・・・」

昨季は最終戦までもつれたドライバーズタイトル争いで、最後の最後までタイトルを
争ったノルディックのケリー・ラスムッセンが、今季ここまで未勝利で苛立ちを募ら
せている。
昨季は第16戦日本GP終了時点で王座戦線に踏みとどまり、最終的にはタイトルを
逃したラムダと同ポイントの3位(勝利数でラムダが2位)と大健闘したラスムッセ
ン。今季もここまでPP1回表彰台3回で128ポイント(第16戦終了時点。昨季
はこの時点で132ポイント)、昨季と変わらずランキング3位につけているものの、今季勝利の無いラスムッセンは今季の成績に不満を隠さない。
「滑り出しは良かったと思う。開幕戦で表彰台に上がれたし、第2戦では予選で失敗
したけれど開幕からの流れは良いように思えていた。メキシコではミック(・ハイデ
ンフェルド)が優勝したしね。けれど実は早い段階から気が付いていたんだ、今季の
僕らは去年程速くないんじゃないかってね。」
今季のラスムッセンは開幕戦から3位、11位、4位、6位、5位とコンスタントに
まとめたが、第6戦終了時点でトップのバトラーには実に48ポイント差をつけられ
てしまった。またレース結果が予選順位を下回ることもしばしばで、チームは中盤戦
から次第に焦りを感じ始めていたという。
「今季序盤、実は僕らのマシンは高速域でのマシンバランスに少し問題を抱えていた
んだ。けれど僕は開幕からコンスタントに入賞していたし、ミックが優勝したことで
問題は見過ごされた。しかしポールリカールの予選で僕らは大苦戦し、続くムジェロ
のPQで僕は大クラッシュをしてしまった。直接の原因はタイロッドの破損だけど、
タイロッドが傷んだ原因はクラックにあった。セッションでプッシュしすぎた僕は、
縁石に乗った時にウイングのパーツを飛ばしてしまい、それがタイロッドにクラック
を入れてしまったんだ。ヨーロッパに入ってから僕らが、タイトルを争う上でやや遅
れをとっていることがわかって、無理をした結果のクラッシュさ。僕はヘイローに激
しく頭を打ち付けて気を失ってしまった。精密検査の結果体には何の異常もなかった
けどね。チームは結局僕のクラッシュを受けてレースを棄権したけど、僕は首脳陣か
らかなり強くプッシュしろと言われていたんだ。あの事故のあとからチームはピリピ
リし始めた。」と語る。

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今季の成績にフラストレーションを感じていることを隠さないラス
ムッセン。チームとの連携不和も問題と語る。

「今季はヨーロッパあたりから常に焦燥感を感じているよ。一度このカテゴリで勝ち
の味を知ってしまうと、勝つことに飢えてしまう、勝てないことにとてもイライラす
るんだ。もちろん僕自身ももっとうまくやらなきゃいけない部分もある。けれど上を
争う連中に歯が立たないのは悔しいもんさ、特にマーキュリーとは同じパッケージだ
からね。それに出走台数が増えたことで速い奴らがわんさか入ってきた。予選方式も
変わって、下位に沈むと決勝で上を目指すのがよりハードになったし、タイヤ戦略で
うまくいかないこともあった。ピット作業でいくつかのミスがあったのも大きかった
ね。特にアゼルバイジャンは大きなチャンスだった、でも最初のピットストップで次
のタイヤが間違って用意されていた。信じられなかったよ。今季初のPPのレースだ
ったし、リスタートで少しミスはあったけど久々に勝てる感触を持っていたんだ。確
かにここまで僕のパフォーマンスは充分とは言えないけれど、今季はチームの細かい
ミスも響いているよ。どこかチグハグで、うまくいっていない。」とラスムッセン
自身がチームの要求に充分に応えられていないことを認めつつも、チーム側のミスの
積み重ねの影響が決して小さくないこともはっきりと示した。
チームは来季も今季と同様の体制で臨むが、ラスムッセン自身は来季の成績次第では
チームを離れる可能性があることを認識している。
「来季は僕にとって正念場さ、僕がこのチームでまだ戦えることを、そして彼らとチ
ャンピオンを目指せることを示さなければならない。今季のような状況なら4thシ
ーズンのノルディックチームに僕の名前はないだろう、僕が望む望まざるに関わらず
ね。」
「反省すべき点は少なくない。今季はまだ終わっていない、そして僕らは今季の早い
段階で来季へ向けての改善に着手している。それが来季の結果につながるように努力
するよ。僕個人としては初年度にタイトル争いに加われたことが、大きな自身になっ
ているんだ。今季の成績が真の実力だなんて思いたくないし、僕はNeXXに長くと
どまってこのカテゴリでタイトルを獲りたいんだ。僕は北欧出身だから、できるなら
このチームでチャンピオンになりたい。そうなれるように頑張るよ。」
そう語るラスムッセンの顔には切迫感が顕れていた。ノルディックで3シーズン目を
迎える来季、ラスムッセンは既に背水の陣を敷いている。


◇今季もラムダvsバトラーに絞られたタイトル戦線。両陣営により一層の緊張感!

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マーキュリーのI.アンダーソン(写真右)は、ピットブルの総合力の高さを警戒。一方ピットブルのH.
マルコリーニは第16戦でのラムダのクラッシュについて、チャイナドラゴンの宋の無謀な追抜きを批判。

第16戦終了時点で、ポイントリーダーのアレックス・バトラーとランキング2位の
ニコ・ラムダが、ポイント差1で争う大接戦となった2ndシーズンのドライバー選
手権。事実上タイトル争いはバトラーとラムダの一騎打ちとなり、両陣営のガレージ
も一気に緊張感を増している。
昨季はこの時点でラムダがバトラーを168vs163と5ポイントリードしていた
が、今季は第16戦日本で167vs166と1ポイント差と、昨季以上の大接戦。
しかも第16戦開始前時点で9ポイント差でトップにいたラムダがノーポイントに終
わり、5位入賞のバトラーが10ポイント獲得でランキングを逆転するという白熱の
展開。他カテゴリでもまれに見る接戦だ。
序盤の6戦で2勝をあげポイントを荒稼ぎしたバトラーに対し、ラムダの序盤戦はト
ラブルに祟られた。しかしバトラーが中盤戦スランプに陥ると、ラムダが2勝をあげ
て一気にポイント差を挽回。ランキングのトップに立った。そしてここに来てまた、
流れはバトラーに傾いているように見える。
「アレックス(・バトラー)は繊細な男なんだ。悪い兆候を感じ取るとそれに引っ張
られてしまうところがある。でも終盤にきてまた流れを取り戻しつつある。」とはマ
ーキュリーのチームマネージャー、イアン・アンダーソンだ。
「夏場にスランプに陥ったけどね、ルーマニアで優勝してからは予選での速さも戻っ
てきたし、コンスタントに入賞もしている。ラムダがここにきてまたアクシデントに
見舞われて、流れは変わっていると思うよ。」とバトラーの連覇に期待を寄せる。一
方で「向こうはミシェル(・ボナパルト)も含め総合力が高い、決して油断はできな
い相手だよ。マカオの時みたいに、ラムダとミシェルがアレックスの前を走っていれば、ミシェルがアレックスを抑えにかかるだろう。彼らはこのNeXXでも数少ない
”そういうこと”ができるチームだ。」と、チームオーダーを駆使した2台の連携プレ
ーに、アンダーソンは警戒感をあらわにする。
一方でラムダがランキングを逆転されたピットブル側は、第16戦日本でラムダが絡
まれた”もらい事故”について、FNOとチャイナドラゴンチームに正式に抗議したも
ようだ。チームマネージャーのヘルムート・マルコリーニは「宋は今季1度ペナルテ
ィを受けているけど、今回の”あれ”が対象にならないのはなぜだ? 確かに密集した
中段ではああいった事故は起こり得る、しかしあの追抜きは無謀だった。前のラ・ポ
ルタは既にターンインの動きに入っていたし、ぶつかったのは最終ターンの手前であ
そこは追抜きポイントではない。コース幅も非常にせまいところで、ニコ(・ラムダ)
はアウトに避けるしかなかったんだ。仮にも王座争いをしているドライバーの前での、
あの動きは理解できない。」と宋の追抜きが無謀であったと非難する。
「ニコはF1で3度王者を経験した名手だ。選手権はあと2戦ある、彼なら去年の忘
れ物を必ず持って帰って来てくれると信じている。しかしひとつ懸念点があるとすれ
ば、それは残りのレースがすべて市街地戦ということだ。アレックスはストリートコ
―スにめっぽう強い、逆に我々は今季市街地でやや苦戦している。マシンバランスの
問題なんだけど、それが不安材料だね。ただ我々も向こうもこのカテゴリでは数少な
い、計算できるセカンドドライバーのいるチームだ。残り2戦は総力戦で臨むよ。」
と、チームオーダーも辞さないことを匂わせた。
いずれにしても選手権は残りあと2戦、ドライバー、チームとも大接戦のタイトル争
いは独特の緊張感を孕んで北米大陸へと渡る。


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■Hot Stove League

□ピットブル・エクストリーム・レーシング
 【確定】No.1:ニコ・ラムダ(AUT) 
 【確定】No.2:ミシェル・ボナパルト(FRA)

□マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーションン
 【確定】No.1:アレックス・バトラー(IRL)
     No.2:カーティス・マルケーナス(AUS)??
          ゾルタン・ゲラ(HUN)??
          ジョルディ・ヴァッセル(GBR)??
          ジョリー・バーナード(GBR)??     

エヴァー・グラハム・レーシング 
     No.1:アレン・バーンズ(AUS)??
 【有力】     カーティス・マルケーナス(AUS)??
 【確定】No.2:ジェストン・バロン(GBR)

トライアンフ・スクエアジャパン・レーシング
 【確定】No.1:日向 俊郎(JPN)
 【確定】No.2:ルドルフ・マイネ(GER)??

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
 【確定】No.1:ジョンブル・チャップマン(GBR)
     No.2:フェリオ・デ・ランジェリス(ITA)??
          アレン・バーンズ(ASU)???
          リチャード・スウェルツマン(RUS)??

プルトン・オートスポーツ
 【確定】No.1:トゥーリ・ヴィックス(EST)
          アレン・バーンズ(AUS)??
     No.2:ジョルディ・ヴァッセル(GBR)??
          レオ・タイラント(IDN)??
          ジョーイ・エラゲル(IDN)??
          メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)??

□スクーデリア・リナルディ
 【確定】No.1:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
 【確定】No.2:スティラノ・シエナ(ITA)

□クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
 【確定】No.1:デイヴィス・ファング(GBR)??     
     No.2:ジェストン・バロン(GBR)??
          リンド・ソリス(GBR)??
          ジョルディ・ヴァッセル(GBR)??     

□ロムニ・ダキアオートスポーツ(シュトロゼック??)
 【有力】No.1:ゾルタン・ゲラ(HUN)??
          シュテフェン・バロシュ(GER)??
     No.2:アレオ・ファーシマス(LUX)??
          メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)??

ドラゴンフォース・チャイナレーシング
 【確定】No.1:宋 昇龍
     No.2:アレン・バーンズ(AUS)??
          ゾルタン・ゲラ(HUN)??
          アリエル・ティルクム(GBR)??

□ノルディック・モータースポーツ
 【確定】No.1:ケリー・ラスムッセン(DEN)??
 【確定】No.2:ミック・ハイデンフェルド(GER)

□サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
 【有力】No.1:アンドレアス・サントス・フィリオ(POR)??
     No.2:ヴィンチェンツォ・ジョバナルディ(ITA)??
          ピエトロ・モンテローザ(ARG)??
      ※ラ・ポルタは2nd限りで引退、アドバイザー就任の噂あり

アントネッティオートスポーツ
 【確定】No.1:アレンザンダー・ロッソ(USA)
 【確定】No.2:ファン・カレッジ(FRA)

□マルドゥーク・レーシング・ドバイ
 【確定】No.1:ビル・リヴィエール(CAN)
 【有力】No.2:ジャッキー・グーデリアン(USA)??
          ゾルタン・ゲラ(HUN)??

□ガジャック・ルルーシュ・スポール
 【有力】No.1:セドリック・タンデイ(FRA)??
          ヴィヴィエ・ピノーリ(FRA)??
          キャッシュ・サフィー(FRA)??
          ラモン・ゴーギャン(FRA)??
     No.2:カタル・アファル(MOR)??
          フィエール・ガシュレー(FRA)??

□フリー
 ジョリー・セプター(SAF)
 アレンザンダー・カブロン(THA)
 ジョー・S・カジワラ(USA)
 デイヴィス・リンドホルム(CAN)
 アリエル・ティルクム(GBR)
         

◇カレッジ、ついにアントネッティ移籍で合意!
             アントネッティは来季の選手権獲りに本気の体制!!

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アントネッティはヨーロッパラウンド中盤戦からカレッジ(写真左)に積極アプローチ、会見に
参加したチームボスのドナルド(写真右)は終始ご満悦の表情を見せていた。

来季の去就が注目されてきた今季注目の新人ファン・カレッジは、かねてから噂され
ていたアントネッティへの移籍で合意に達した。
カレッジの獲得を狙っていたのはアントネッティのほか噂が上がっていただけでマー
キュリー、アブラモビッチ、チャイナドラゴン、マルドゥークと多数。そんな中で最
も熱心に獲得を狙っていたのがアントネッティだった。アントネッティは今季からN
eXXに参戦、開幕戦でいきなりロッソが初優勝をあげポテンシャルの高さを示した
が、2ndシートのリンドホルムの低調なパフォーマンスが響き、いまいち上位に浮
上できていない。チームプリンシパルのドナルド・アントネッティは2ndドライバ
ーの補強が急務と考え、このスーパールーキーを熱心に口説き落としたという。
対するカレッジもF1の中堅チームの誘いを蹴ってNeXXへの参戦を決定、自身の
キャリアアップのためにはより総合力の高い、そして将来性のあるチームへの移籍を
望んでいたという。
「我々は光る速さを持つイキの良いドライバーを探していた。そしてこの先何年と我
々とともに戦い、将来このチームの核となりえるドライバーをね。そういった意味で
ファンの存在はまさに我々が求めるドライバー像そのものだった。アレン(ロッソ)
は現在の我々のエースだ、彼には当然それだけの速さがある。しかしファンは将来の
エース候補なんだ。現在進行形で王座を狙えるドライバーと、将来のチャンピオン候
補が同居することになるんだ。これ以上ファンタスティックなことはないよ。」と語
るのはチームプリンシパルのドナルドだ。
「もちろん我々は最初から、ファンをプレッシャーの海に放り込むようなことはした
くない。しかし彼はおそらくやってくれるだろう。今季の走りでそれは証明されてい
る。我々があれこれ言わずとも、彼は自分が何を求められているか理解しているはず
だ。そして彼は早くもこういう類のプレッシャーを楽しんでいる。私は本当に来季が
楽しみなんだ、今から開幕が待ちきれないよ。まだ今季は終わっていないっていうの
にね!」
「今季は半分期待以上、そして半分期待はずれ、そんな状況だった。アレンがまさか
開幕戦で優勝をするとは思わなかった。大きなサプライズだったよ。しかしその後我
々はやや苦戦している。そして2ndドライバーのデイヴィスのパフォーマンスにつ
いては落胆している。彼だって決して遅いドライバーじゃない、それでもこんなに苦
戦を強いられるんだ。しかし来季我々のチームにファンが加入する、それは今季のこ
の停滞を振り払ってくれる『ハリケーン』のような出来事だ。我々はここにいるヤン
グボーイに大いに期待する。」と熱っぽく語った。
また会見に同席したカレッジは「今回アントネッティという、アメリカンレーシング
の象徴のようなチームと契約できて光栄に思うよ。今季デビュー戦で初優勝を飾った
あのクルマで来季戦えると思うとワクワクするんだ。いろんなチームから誘いを受け
たけど、ドナルドが一番僕を熱心に誘ってくれたんだ。僕は僕の力を一番欲してくれ
ているチームに移籍することにした。来季が楽しみだよ。」と語った。
ドナルドも語ったように今季は中盤から伸び悩み、リンドホルムの不調もあり新参勢
ではマルドゥークに先を行かれてしまったアントネッティ。しかしカレッジの補強で
さらなる浮上の準備は整った。来季のアントネッティから目が離せない!!


◇もう一人の隠れた逸材ヴィックスは来季もプルトンで

今季はカレッジやリヴィエールなどの新顔が活躍し、すっかり影に隠れてしまった感
があるが、ひそかに移籍市場で注目されていた逸材がいる。それがプルトンのトゥー
リ・ヴィックスだ。
エストニア出身のヴィックスは今年22歳の若武者、昨季のF3では3勝をあげマカ
オGPでは予選でコースレコードを更新するなど速さを見せた。昨季第16戦日本G
PからNeXXに参戦している。戦闘力の低いプルトンのマシンで昨季は最終戦アメ
リカで7位入賞、今季もここまでチームメイトのカブロンを大きく上回る〇度の入賞、
○○ポイントを獲得し下位チームにあって一人気を吐いている。
そんなヴィックスがこの度、来季もプルトンをドライブすることで合意した。これま
で表立って大きな動きはなかったものの、一部ではアブラモビッチやロムニダキア
いった東欧系チームが獲得を狙っていたとされる。しかし、来季からカムイエンジン
を搭載することが決まったプルトンに、将来性を見出したと語るヴィックスは来季の
残留を決意したそうだ。

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実質今季がルーキーイヤーのヴィックスだが、後半戦になって
”乗れて”きた。成績もチームメイトのカブロンを上回っている。


「正直今季序盤は苦しかったね、予選では下位グループだったしブラジルでは予選落
ちも経験した。屈辱だったよ。だけど第5戦メキシコで何かが変わったんだ。序盤の
サーキットの中ではエルマノス・ロドリゲスが一番ウチのクルマにマッチしたね。そ
のあとも苦しい状況は続いたけれど、その間僕はいろいろなことを学んだよ。腐らず
自分の仕事をした。そしてスウェーデンチェコとウチのマシンと相性の良いサーキ
ットではいい結果を出すことができたんだ。スウェーデンでは最後尾からスタートし
てポイントゲットできたんだ! 僕はこのチームでまだまだ成長できると思う。そし
て来季は日本のカムイエンジンが乗るんだ。実はいくつかのチームからオファーを受
けていたけど、僕はここに留まることに決めた。来季はもっといい走りができると思
うよ。」とヴィックスは熱っぽく語った。
プルトンチームはとても居心地がいいんだよ。昨季の終盤からチームに加入したけ
れど、待遇を不満に感じたことはない。アレンザンダー(カブロン)ともうまくやれ
ているし、中盤戦くらいからだんだんとマシンに慣れてきた。乗れてる実感があるん
だ。そこに来季カムイエンジンが乗るとなれば期待は膨らむよ。僕はまだまだ若い、
このチームでまだまだ学ぶべきことはある。そう思って来季もこのチームで戦うこと
に決めたんだ。」と語るヴィックス。確かに今季序盤は苦戦したものの、後半戦に入
り入賞回数は増え、第13戦アゼルバイジャンでは表彰台1歩手前の4位フィニッシ
ュ。来季もプルトンで戦える手ごたえをつかんだのか、ヴィックスは来季もプルト
と契約を結んだ。ヴィックスも語った通り、来季は日本のカムイ、もといSUGO・
カムイエンジンが乗るプルトン。我々日本人も、来季のプルトンとヴィックスの活躍
に注目しよう。


◇カレッジにシートを奪われたリンドホルム、来季はインディカー
                   復帰画策もチームにはリザーブとして残留

期待の新人カレッジが来季のアントネッティのシートを射止めた一方で、来季のシー
トを失ってしまったのがリンドホルムだ。アントネッティの来季体制が固まったこと
により、初年度から2シーズンNeXXを戦った雄の去就に注目が集まったが、リン
ドホルムはどうやら来季はNeXXを走らないようだ。
リンドホルムは初年度の昨季、PP1回最高位2位2回含む81ポイントを獲得し、
ノルディックのタイトル争いの一翼を担い、今季は第14戦タイGPでようやくNe
XX初優勝をあげた。しかし昨季は後半戦の大失速がチームタイトル逸の原因とされ
ノルディックから放出、今季はアントネッティに移籍も前半戦でまさかの大苦戦。第
10戦までの獲得ポイントが僅か1と、昨季後半からの絶不調を長く引きずった。尻
上がりに調子を上げ第14戦で初優勝をあげるも時すでに遅し、結局来季は若いカレ
ッジにシートを奪われる格好となってしまった。

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驚異の新人カレッジにシートを奪われたリンドホルムだが、来季はリザーブ
としてチームに留まりインディカーに参戦。4thシーズンでのNeXX復
帰を目指す。

「NeXXはエキサイティングなカテゴリだよ。エンジンはクリーンだがパワーがあ
ってグッドサウンドだし、本物の競争が楽しめる。何より僕は北米しか知らなかった
からね、世界を転戦できてとても楽しかったんだ。来季はアントネッティのレギュラ
ーシートを失ってしまったけど、ドナルドはリザーブでの残留契約を提示してくれた。
来季は1年充電して4thシーズンでの復帰を目指したい。」と語るリンドホルム。
「NeXXは正直に言って難しいカテゴリだと思ったね。過去に1度だけテストでF
1のマシンに乗ったことがあるんだけど、NeXXのマシンはどちらかというとF1
寄りで、インディのマシンとは挙動も特性も全く違う。空力がよりセンシティブで、
一度マシンバランスを崩してしまってからはセッティングの”いいところ”がわから
なくなってしまった。今季の前半戦なんかはまさにそうだったよ。アレン(ロッソ)
はうまくやっていたから、正直焦りしかなかった。だけど後半、スウェーデンかチェ
コあたりから感触が徐々に良くなって、本来のスピードを取り戻すことができた。こ
の2シーズンは多くを学んだよ。」と話すリンドホルムは自信を取り戻し、第14戦
タイで遅まきながら初優勝をあげた。しかしそのタイGPのパドックでは、チームが
来季自身の代わりにカレッジと契約する旨が発表され、勝利もむなしくリンドホルム
は来季のレギュラーシートを失ってしまったのだった。
しかし「ほかのチームを探す選択肢もあったけど、僕はアントネッティの雰囲気が気
に入っていてね。それにファン(・カレッジ)の加入が正式に決まったころには、他
のチームもあらかた主だったシートは埋まっていて、ならリザーブでもアントネッテ
ィに残った方がいいと思ったんだよ。来季はインディのチームからオファーをもらっ
ていて、オーバル限定の契約なんだ。だから仮にインディ側の契約がまとまったとし
てもこっちのリザーブとの掛け持ちでも問題ないってわけさ。」と語るリンドホルム
に、大きな落胆の色はない。
「僕はとにかく走ることが大好きだから、来季インディに復帰できるのはとてもうれ
しいよ。だけど僕はNeXXでまだ何も達成していない。だから4thシーズンでの
復帰を目指すよ、アントネッティが埋まっているならチームはどこだって構わない。
もう少しNeXXでやれることがあるハズさ。」
インディで5勝をあげた32歳のカナダ人は、来季一年を雌伏し時の至るを待つ。


◇バーンズ、クラークソンをはじめ複数チームと接触か?

今季限りでエヴァー・グラハムを去るのではないかと噂されるアレン・バーンズが、
来季の移籍先を探して複数のチームと接触を持ったと報じられている。
NeXXには1stシーズンから参戦し、初年度から参戦した4名のF1王者経験者
『F1四天王』の一角として注目を浴びたが、開幕から2シーズンここまで四天王で
唯一の未勝利で、チームからの評価も下がる一方だったバーンズ。このまま引き下が
るわけにはいかないF1チャンピオンが、来季の捲土重来を期し目下移籍先を物色中
というわけだ。
現在接触の噂が上がったチームはクラークソン、チャイナドラゴン、そしてプルト
の3チーム。クラークソンはティルクムの離脱で来季の2ndシートが開いており、
来季チーム名がドラゴンフォースに代わるチャイナドラゴンもセプターの去就が不透
明で同じく2ndシートが未確定状態だ。またプルトンは現在No.1のカブロンが
離脱濃厚と伝えられており、ここもシートがひとつ空く可能性がある。しかし一説に
はバーンズの要求する高年俸や、移籍した場合のシートが2ndシートであることが
ネックになったとも伝えられており、バーンズ側の感触は芳しくないらしい。
また、既に来季へ向けて活発な移籍劇が展開されているものの、ほとんどのチームは
1stシートが決まっており、『エースの相方探し』になっている状態のチームが大
半。そんな状況で元F1王者に相応しいシートが見つかるのか疑問が残る。
果たしてバーンスを獲得するチームは現れるのか、元F1王者の再就職活動は一筋縄
ではいかない状況だ。

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なかなかNeXXで結果を出せない元F1王者
周囲の評価は下がってゆくばかりだ・・・

◇ゲラ、一転して残留濃厚の噂!! シュトロゼック側が年俸の
                      大幅アップでの引き留め画策??

1stシーズンからその速さで注目を集め、今季移籍市場の目玉となっていたハンガ
リー人のゾルタン・ゲラ。移籍は確実と噂されていたゲラが、一転来季もロムニ・ダ
キアに残留する可能性が高まった。
参戦初年度から苦戦を続けるロムニ・ダキアチームにあって昨季は1勝をマーク、今
季も依然苦しい状況のなかで第13戦アゼルバイジャンで表彰台に上がるなど、その
実力をアピールし続けてきたゲラ。今季は早い段階で有力チームの獲得リストに名前
が挙がり、来季の移籍は確実と見られていた。しかし一転残留の可能性が強まったと
いうのだ。いったいどういうことだろうか?
所属のロムニ・ダキアは来季ドイツのコンストラクター、シュトロゼックとの合併が
大枠で決定しており、来季からチーム体制がガラリと変わることになるが、現在熱心
にゲラを引き留めにかかっているのがそのシュトロゼックだという。シュトロゼック
プリンシパル、フランツ・ハイネルがゲラの実力を非常に高く評価しているためだ
とは、ロムニ・ダキア関係者筋による情報だ。

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シュトロゼックのハイネル氏は、ゲラの実力を高く評価。あの手この手
での引き留めを画策しているようだ。

レース界にあっては珍しハンガリー人ドライバーであるゲラは、14歳でレースキャ
リアをスタートさせ、主にドイツを主戦場としてきた。NeXX参戦前はWECやD
TM、ポルシェカップなどに参戦していたが、これといった戦績を残せずNeXX参
戦時の注目度も決して高くはなかった。しかし昨季はマシンのパワー不足に悩まされ
ながらも随所に光る走りを見せ、優勝1回を含む表彰台3度を記録。有力チームの目
にとまっていた。そんなゲラに対してハイネルは直々に自身のゲラに対する評価を伝
え、残留してくれたら倍額の報酬を支払ってもいいとまで言ったと伝えられる。
来季チームの運営に大きく介入することになると言われているシュトロゼックだが、
ドライバーの陣容については実力はもちろんのこと、初年度から2年間チームとキャ
リアを共にしてきたゲラを核として、チーム改革を進めたい思いがあるようだ。この
提案に大きく心動かされたゲラの気持ちは、一転残留に傾いているようなのだ。
2ndシーズンもあと2戦残すだけの終盤戦だが、ゲラの来季の去就は未だ決まって
いない。そして未だマーキュリー、チャイナドラゴン改めドラゴンフォース、そして
マルドゥークへの移籍の噂も消えてはいない。今季カレッジと人気を二分したマーケ
ットの目玉であるゲラ、果たして来季はどのシートに座っているだろうか?


◇ノルディック、リナルディは来季も現行ラインナップで臨む旨を正式発表!!
            今季大活躍のリヴィエールもマルドゥーク残留が決定!!

シーズンも終盤、タイトル争いはまさに佳境を迎えている中、来季の移籍市場は未だ
活発だ。しかし一方ではピットブルやトライアンフをはじめ、既に来季のラインナッ
プが決定しているチームもある。第15戦マカオではリナルディが、第16戦日本の
パドックではノルディックが来季の体制について記者会見を開き、今季同様のドライ
バーラインナップで3rdシーズンに臨む旨を発表した。
かつてはF1にも参戦した名物チームであるリナルディは、初年度こそチームランキ
ング再開に沈んだが、今年は2人の所属ドライバーが活躍。ここまでシエナがチーム
初PPを記録し、ポルボローネがチーム初優勝をあげている。安定感に乏しく入賞圏
外フィニッシュや予選落ちも度々あるが、昨季と比較すれば大躍進だ。チーム代表で
元F1ドライバーのカルロ・バニラもこの活躍には大いに満足しており、リナルディ
側は早い段階で来季も同様の体制で臨むことえお公言していた。バニラが意気揚々と
来季への抱負を述べたリナルディの会見は、終始和やかな雰囲気で進められた。
一方で同様に今季の体制のままで来季に臨む旨を発表したノルディックの記者会見に
は、やや違った空気が流れていた。チームマネージャーのチチ・ソルベルグは冒頭で
「来季は我々にとって勝負のシーズンになる」と語り、のっけからやや引き締まった
雰囲気で会見は進んだ。
「我々は正直今季はもっとやれると思っていた。ドライバーにしろチームにしろ、も
っと高い位置でタイトル争いに絡めると考えていたんだ。しかしシーズンも間もなく
終わりを迎えるが、我々は比較的早い段階で”そこ”に挑むには力が足りていないこ
とを突き付けられた。昨オフの我々はいささか楽観的すぎたと言わざるを得ない。昨
季はケリー(・ラスムッセン)が最後までタイトルを争ったが、今季の我々はミック
(・ハイデンフェルド)が1勝をあげただけの状態にとどまっている。しかし我々は
既に今季を反省しており、来季への準備をしている。我々は¥が今後もトップチーム
でいられるかは来季、一つの答えが出るだろう。それによって今後の長期的プランも
必要が出てくるかもね。」と語ったソルベルグ
一方会見に同席したラスムッセンも「今季のこの状況には正直失望しているよ。昨季
は最後までタイトルを争ったのに、僕自身今季のこのポジションは到底受け入れられ
ない。来季はもっとハードワークが必要だろうね、僕もミックももっと貪欲にならな
ければいけない。」と危機感をあらわにした。今季の伸び悩みを糧に、早めの足場固
めで来季の再浮上を期す。
そして今季からNeXXに参戦したドライバーで最も活躍したといっていいビル・リ
ヴィエールは、来季以降もマルドゥークで走ることが決定した。「今回チームとはい
い話し合いができた、もちろん来季の契約にはさいんしたよ。」と、リヴィエールは
マカオパドックで笑顔で語った。
「シーズン序盤はNeXXというカテゴリと、予選でのタイヤの使い方を理解するの
に時間がかかった。なんせ久しぶりに緯線落ちまで経験したからね。けれど乗れてき
てからは鳥羽堂こともなくなった、優勝もできたしね。シェブロンエンジンはパワー
があるし、シャシーもいい。ツイスティなコースでもグイグイまがるから、僕みたい
に振り回すヤツは乗ってみたら楽しいんじゃない? ファン(・ドット)も僕のこと
をよく理解してくれてるし、ジャッキー(・グーデリアン)ともうまくやってる。ま
だ正式に決定してはいないけど、来季もジャッキーと仕事ができたらいいと思ってい
るよ。来季はもっとたくさん勝ちたいね。」と終始笑顔のリヴィエール。今季のパフ
ォーマンスにはおおむね満足しており、納得の契約更新だったことがうかがえる。
来季の体がは固まったチームの中でも、来季に向けての意気込みはそれぞれ。来季の
開幕戦にはもしかすると、今季までとは違う風景が見られるかもしれない。


◇チャイナドラゴン改め”ドラゴンフォース
                セプターと来季の契約を結ばない旨を発表

来季からチーム名を『ドラゴンフォース・チャイナ』へと変更するチャイナドラゴン
が、現所属ドライバーのジョリー・セプターと来季の契約を結ばないことを発表した。
『F1四天王』の一人として初年度からNeXXに参戦したセプターは、昨季開幕戦
で優勝を飾り記念すべきNeXXウィナー第1号となった。また昨季は驚異的な入賞
率を誇り、128ポイントを獲得しランキング5位に食い込んだ。しかし今季は第3
戦ドバイで1勝をあげるもそれ以外の戦績はパッとせず、F1王者経験者としては屈
辱の予選落ちを2度喫するなど精彩を欠いた。(第15戦終了時点)
今季のセプターは、ノックアウト方式に変更された予選方式に苦しんだ。昨季も予選
成績は芳しくなかったが、今季は輪をかけて苦戦。20番手以下に沈むこと2度、そ
して先述の通り予選落ちも2度記録した。今季はレギュラードライバーに若手中国人
の宋昇龍を起用したこともあり、宋には大先輩格のセプターより様々なことを学ばせ
るつもりでいたチャイナドラゴン陣営だが、セプターがこうも不調をかこってしまっ
ては宋の手本どころではない。かくいう宋も随所で速さは見せるものの、セプター共
々予選で苦戦をしいられここまで4度の予選落ちを喫してしまった。
昨季は18戦中12完走、そしてうち11戦で入賞を果たしたセプターだが、今季は
ここまで4度の入賞にとどまっている(その後第16戦日本で2勝目をあげた)。ま
たチーム関係者筋では特に後半戦に入ってからのセプターのモチベーションの低下を
指摘する声も上がっており、チーム側は契約継続は難しいと判断したようだ。
今のところ公認候補としてはエヴァー・グラハム離脱がほぼ確実なバーンズ、ロムニ
ダキアのゲラ、そして今季途中でクラークソンを離脱したティルクムなどが挙がっ
ているがバーンズは高年俸がネック、ゲラは一転ロムニ・ダキア残留の可能性が強ま
り、またティルクムに関してはクラークソンの離脱劇についてチームマネージャーの
ウィニーエヴァーがやや辛辣なコメントを残しており、これら候補3名のうち誰か
が新生ドラゴンフォースのシートに座る可能性は低いと言わざるを得ない。来季新体
制となるドラゴンフォースの2ndシート、そしてラムダ、ファングと明暗を分けた
『F1四天王』セプター、バーンズの去就に注目が集まる。

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開幕から2シーズンチームを支えたセプターだが、来季
の離脱が決定。第16戦で今季2勝目をあげたが・・・

 

2ndシーズンもまだまだ始まったばかり。選手権は中南米ラウンド2戦を戦って
ようやく中盤戦、ヨーロッパを迎える。その後選手権はユーラシア大陸を横断して
アジアへ渡り、北米大陸で幕を閉じるのだ。ここまで3戦を消化した選手権だが
残りはあと15戦。まだまだ今後の展開の予測はつかない。
今季も文字通り世界を股にかけて行われるNeXX世界選手権、今後の展開から
目が離せない!!