☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

NeXXtream Press「オフシーズン号」

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◆オフシーズン号

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■NeXX Topix


◇現行シャシー最終年の来季、最後のマイナーチェンジでどう変わる?

4thシーズンからアメリカのデンプシーが参入し3メーカーとなるNeXXのシャシ
ーデペロッパー。それにあわせて現行2社は4thシーズンからシャシーを完全刷新、
新型を投入することで既に合意済みだ。ということは来季3rdシーズンが現行シャシ
ーの最終年となり、2社とも現行シャシーに最後のリファイン・アップデートを施すこ
ととなる。果たして来季シグマテック、レラの2社は現行シャシーにどのように”手を
入れて”くるだろうか?

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来季は現行シャシー最終年。2社ともラストアップデートを施してくるはずだ。

これまでのレースからあげられる2社のシャシーのざっくりとした特徴は、「シグマテ
ック=中高速型」、そして「レラ=中低速型」。そしてシグマテックが直線で速いマシ
ンであるのに対しレラはいわゆる”コーナリングマシン”と言われてきた。1stシー
ズンは特にその傾向が強く、レラのあげた勝利はサーファーズ・パラダイス、ヤス・マ
リーナ、ブルノといった中低速テクニカルコースばかりで、その他のコース、特に高速
コースではシグマテックが速さを見せつけた。シーズン全体の勝利数でもシグマテック
15勝に対しレラ3勝とシグマテック勢が圧勝。初年度のレラシャシーピーキーなコ
―ナリングマシンで、乗りこなすのが難しいマシンとされた。
しかし2ndシーズンへ向けてレラはシャシーを大幅に改良してきた。前後のダウンフ
ォース両のバランスを調整し、フロアパネル上に整流板を追加しボディ周りの気流を整
えた。またフロントパネルの前端、左右サイドポッド手前の位置に配されたヴェンチュ
リ効果を狙ったエアトンネルを小型化し、リアディフューザーとのバランスを調整する
など空力を徹底的に見直した。その結果ピーキーだったコーナリング特性がマイルドに
なりドライバビリティの改善に成功。それにより今季は7勝をあげる活躍を見せた。中
でもポルボローネが優勝したムジェロやラ・ポルタが優勝したバクー、そしてグーデリ
アンが優勝したマカオなど、テクニカルな中高速コースでの勝利が増えレラが、ベース
にある”コーナリングマシン”というストロングポイントをスポイルせずに、ウィーク
ポイントをしっかりと潰してきた様子がうかがえた。
一方のシグマテックはトップスピード重視のコンセプトを変えずに戦った。全体的なマ
シン特性としては今季も変わらず”直線番長”、ポール・リカールやサンパウロ市街地
ブカレストなどロングストレートを有する高速コースを中心に速さを見せつけた。また
エンジンや補器類搭載時のマシンバランスにおいてのユーティリティ性が高く、各メー
カーのエンジン搭載時のマシンバランス変化が少ないことから”どのメーカーのエンジ
ンでも載せられる”という点での優位性が隠れた強みだった。半面ピットブルの2台が
バクーで大苦戦したように、天候や路面状況などの諸条件とセッティングによっては全
く戦えなくなってしまうこともあった。全18戦の中で特に風の影響が大きいことで知
られるバクーでは、ピットブル勢は2台揃って予選で後方に沈み決勝ではラ・ポルタが
優勝、2位日向、そして4位にヴィックスとレラ勢が上位を独占した。
2ndシーズンを終えての2社のシャシーはレラに大きな改善が見られたが、基本的な
マシンの性格は概ね変わっていない。しかしレラが今季ムジェロやバクーなど、比較的
速度域の高いサーキットで強さを見せたことは忘れてはならないだろう。純粋なハイス
ピードコースでは未だシグマテック勢が優位であるものの、速度域の高いテクニカルト
ラックでの速さは拮抗している。来季は2社ともそのあたりを念頭においてリファイン
・アップデートを施してくるはずだ。果たして来季のマシンはどのようなビジュアルで
どのような性格のマシンになるのか、来季シャシーの合同発表会は年明けの1月12日
だ。


◇シュトロゼック正式参戦で4thから、ドイツGPがルーマニアGPとの隔年開催へ

現在F1カレンダーからも外れトップフォーミュラの世界選手権が開催されていないド
イツだが、この度NeXX4thシーズンのカレンダー入りが決定したようだ。ドイツ
自動車クラブ(AvD)のリュック・ライツ・リンデルンがアウトモートア・ウント・
シュポルト誌の取材に対して語った。FNO側からは年明けにも正式発表があるという。
NeXXでのドイツGP開催はカテゴリ発足当初から既に検討されていたが、現地プロ
モーターやその他開催地候補との調整の関係で棚上げされていた。
状況が変わったのは2ndシーズンの開幕直後で、ロムニ・ダキア買収に動いたシュト
ロゼックがAvDに働きかけGP開催の話が再び動き始めた。当初の開催計画はホッケ
ンハイムを舞台としたもので、その後はニュルブルクリンクやオッシャースレーベンで
開催する案なども上がったが、当初の計画通りホッケンハイムでの開催に落ち着いたよ
うだ。また開催は当面の間毎年ではなく、4thシーズンからルーマニアGPとの隔年
開催となるという。計画通りならドイツGPの最初の開催は4thシーズンとなるため
偶数シーズンはドイツGP、奇数シーズンはルーマニアGP開催というスケジュールに
なるようだ。
また現在ルーマニアGPは第12戦に設定されているが、ドイツGP開催シーズンはカ
レンダーに調整が加えられヨーロッパラウンドの前半戦、つまり第6~9戦あたりに組
み込まれるのではないかという。これは欧州内の移動経路にカレンダーを準拠させるた
めである。また4thシーズンからは第13戦の舞台がアゼルバイジャンからカザフス
タンへと変更になり、デンマークGPのカレンダーインの噂と同時にチェコGP開催終
了の噂もあり、このあたりのスケジュール調整は簡単ではないがFNOははたしてどう
対処するつもりなのだろうか。ひとまず年明けの正式発表を待ちたい。
ドイツGPの舞台となるホッケンハイムは、ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク
州にあるサーキットで、1932年開設という伝統のオールドコース。”黒い森”シュ
バルツバルト内に敷設されたコースは当初全長12kmというロングコースだったが、
度重なる改修が加えられ現在は1周4.574kmの中高速サーキットとなっている。
中でも1965~2001年までF1ドイツGPが開催された1周6.8kmのレイア
ウトは、4本のロングストレートを3つのシケインで繋いだ超高速レイアウトで、数多
くの高速バトルを生んだ当時のレイアウトが改修されたことを惜しむ声は根強い。
何はともあれドイツGPの名がトップフォーミュラの世界選手権に戻ってくるのは喜ば
しいいことだ。カール・ベンツがガソリンエンジンを搭載した”世界発の自動車”を生
み出してから早1世紀半。水素+電気モーターとフォーマットは変われど、”自動車”
は生き続けている。そんな自動車”発祥の地”ドイツでのGP開催は、NeXXにとっ
て大きな意味を持つ。FNOは難しい調整を迫られるが、ぜひともヨーロッパの自動車
大国での永続的な開催につなげていって欲しい。

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ついに4thシーズンからカレンダーに加わることが正式決定しそうなドイツGP。伝統
オールドコース、ホッケンハイム(写真左)での開催はシュトロゼック(写真右、本社ビル)
が後押し。


◇4thから舞台を移す予定のドバイGP、市街地コースの仮レイアウトを発表!!

4thシーズンからの市街地でのGP開催を目指すドバイだが、このほどドバイの主催
者側がFNOに提出したレイアウト案が明らかになった。FNOのマネージングディレ
クター、ハーディー・フラッシュへの取材で明らかとなった。
以前、第4戦ブラジルGPの舞台であるサンパウロに姿を現したマルドゥークチームの
オーナーにしてドバイ王家の皇太子ダムハン殿下は、その時の囲み取材で市街地レース
開催への想いを熱く語っていたが、同時にすでにコースとして使用する区画もめぼしを
付けていると語っていた。そして今回ドバイGP主催者であるマルドゥーク家の関連会
社から暫定のレイアウト案が提出されたそうだ。

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上図が主催者側から提出された”ドバイ・モーターシティ・サーキット”の全体図だ。前半区間はロータリーを
使ったクランク型シケインや直角ターンの多い中低速区間だが、後半はほとんどが全開区間


レイアウトは以前殿下が語った通り、『モーターシティ』と呼ばれる区画と『スタジオ
シティ』と呼ばれる区画を結んだ5.5km前後の区間。現在ドバイGPに使用されて
いるドバイ・オートドロームに隣接する区画で、ゴーカート場を囲むように敷設される
ことになる。緑豊かな住宅街として知られる『モーターシティ』は、周辺には高級住宅
街として有名なジュメイラ地区があり、他にも大きなショッピングモールやバーベキュ
ースポットなどもある住民の憩いの場。『スタジオシティ』区画にはシネマコンプレッ
クスや円形劇場、乗馬クラブなどがある。さらに足を拡げるとポロクラブゴルフコース
や様々なスポーツ施設のある『スポーツシティ』という区画も。
レイアウトは全長5.5km、コーナー数は12となり、全開区間が多い中高速トラッ
クになるとみられる。コース前半はターン1からスタジオシティの区画に入り、交差点
やロータリーをシケインとして利用したテクニカルセクションとなり、ゴーカート場の
外周を走る『デトロイト・ロード』と呼ばれる約1.2kmの全開区間がメインとなる
コース後半は超高速区間となる。前述のとおりドバイ・オートドロームに隣接した区画
のため、周囲の町並みは関係者にはお馴染みだがそこをNeXXマシンが駆け抜けると
なると期待感は高まる。レースが行われるとなれば“ナイトレース”となることが確実
視されているためなおのことだ。

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今季ドバイGPが行われたドバイ・オートドロームは、モーターシティ・サーキットのすぐ隣の
区画。まさに”砂漠のメトロポリス”を駆け抜けるエキゾチックなGPになる。


1970年代以降に大きく発展を遂げたドバイは豪壮で近代的なビジネス区画の町並み
と、美しく整った住宅地区の町並みが溶けあった“砂漠のメトロポリス”だ。開催が正
式に決定すれば全18戦中7戦が市街地のNeXXに、カレンダー中最もゴージャスな
ストリートレースが加わることになる。さらに4thシーズンにはコペンハーゲン市街
地でのデンマークGPの開催も予定されており、さらにゴージャスさに拍車がかかるこ
とになる。4thシーズンのカレンダー発表が今から待ちきれない。

 

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■PADDOCK PRESS


◇クラークソンが驚きの来季チーム体制発表!
                スプレンダーとセプター獲得で来季は大躍進か!?

もしかするとこの発表はオフシーズン最大のトピックスかもしれない。シーズン途中の
2ndドライバー解雇に始まりチームマネージャーの交代、そして50名以上のスタッ
フの入れ替えを行うなど随所で話題を振りまいているクラークソンが、NeXX最強エ
ンジンと名高いスプレンダーと元F1王者のジョリー・セプターの獲得を発表した。ク
ラークソンは彼らのファクトリーがあるミルトンキーンズで、クリスマスの一週前の日
曜に来季の体制発表会を行いこの事実を公表した。
会見の際にはオーナーであるジェレミー・クラークソン、チーム監督のリチャード・デ
ヴィッズ、新マネージャーのスティラノ・ドミニコルの他に、珍しく共同オーナーのジ
ェームズ・メイ、リチャード・ハモンドも同席。さらにはエースドライバーのデイヴィ
ス・ファング、チーム加入が決まったジョリー・セプター、そしてスプレンダー開発チ
ーム総責任者のニール・ライフソンが出席し華々しい会見となった。
第一声を発したのはデヴィッズ監督だった。「我々クラークソン&メイ・ハモンド・レ
ーシングは今日ここに、スプレンダーと来季の供給契約を結んだことと、そしてかつて
”跳ね馬”でF1の頂点を極めたドライバー、ジョリー・セプターが加入する旨を発表
したい。」と切り出したデヴィッズ監督は続ける。「スプレンダーは言わずと知れたN
eXX最強エンジンだ。バトラーを2度ドライバー王座につけマーキュリー、ノルディ
ックの躍進の文字通り原動力となっている。我々はスプレンダーのような優秀なエンジ
ンビルダーを求めていたんだ。これまでの我々はマシン特性上低速コースやツイスティ
なコースで苦戦してきたが、スプレンダーはどんなコースでも持てるポテンシャルを最
大限に発揮できる、高次元でポリバレントなエンジンだ。我々はこれまで2年間共に戦
ってきたアシュトンバーキンに感謝の意を表すとともに、スプレンダーが来季より我々
のパートナーとなることに大きな喜びを感じている。」と話し、スプレンダーのライフ
ソン開発総責任者へと水を向けた。ちなみにニール・ライフソン氏はマーキュリーチー
ムのテクニカルディレクター、ゲドラフ・ライフソン氏の孫にあたる。
「私たちもクラークソンチームと新たなパートナーシップを結べたことを大変嬉しく思
っています。また来季も3チームへの供給体制が確保できたことも喜ばなければなりま
せん。今デヴィッズ監督から「最強エンジン」との言葉がありましたが、これは我々に
対する最大級の賛辞であり、同時に我々が2年間このNeXXで築き上げてきた実績に
対する相応の評価であると自負する所です。我々は意欲あるチームと共に高みを目指し
続ける、そしてこのクラークソンチームからは意欲というか野心といか、そんなものを
感じました。だから今回の契約締結に至った。来季のチームの躍進を期待していてくだ
さい。」と語ったライフソン氏。
このクラークソンとスプレンダーの新たなパートナーシップが第一のサプライズだとす
れば、次なるサプライズはセプターのクラークソン加入だ。「クラークソンは今大きな
改革を実行している。それは選手権に勝つための改革だ。私が加入したのもその一環で
クラークソンは来季本気でタイトル獲りを狙っている。そんな意気軒高なチームに加入
できて大変嬉しく思っている。このチームからは新しい風を感じるし闘志を掻き立てら
れるんだ。他にもいくつかオファーはあったが、私を興奮させるようなビジョンを提示
したチームはなかった。世間じゃ私が法外な報酬を求めていると言われているが(笑)
私にとって重要だったのはチームのビジョンさ。私はチャイナドラゴンで3勝をあげた
が、チャイナドラゴンは私との契約更新はしないと言った。それは彼らの未来図に私は
入っていなかったからだ。さっきも言ったがこのクラークソンというチームは今、野心
的な動きをしていて本気でタイトルを獲りに行こうとしている。絶対的なエースには彼
(ファング)がいるけれど、私もまだ彼には負けないという自負があるし共にF1王者
経験もある。来季のNeXXでは我々の陣容が“最強”と言っていいと思っているよ。
とにかく、職にあぶれそうだった私を拾ってくれて感謝しているし(笑)、ここに来た
からには全力を尽くすよ。」と来季の抱負を語ったセプター。
またこれを受けてファングも「ジョリーが来てくれたのは嬉しい限りだよ。俺たちはF
1時代から見知った仲だし、激しいバトルを繰り広げてきた戦友でもある。優秀なチー
ムメイトがいることはチームにとっても俺にとってもプラスにしかならない。」と発言。記者からの「セプターとはうまくやれる?」の問いには「問題ないよ。このオーナーとこの監督のもとでやれているんだ、ジョリーと問題なんて起きようはずがないね(笑)」と語り会場を笑わせた。いみじくもセプターが言ったようにクラークソンは来季、“元F1王者コンビ”という“最強”の陣容でシーズンを戦うこととなった。

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サプライズ連発の来季体制発表会、デヴィッズ監督(写真左)は意気揚々と来季への展望を語る。シート
喪失の危機から土壇場で”ドリームチーム”のNo.2となったセプター(写真右)は、クラークソンの来季
の陣容を”最強”と形容。エースのファング(写真中央)とのジョイントも前向きだ。


クラークソンはこれまで、ファングが2シーズン続けて100ポイント以上を獲得し、
チームランキングではトップ3を狙える位置につけている。それも歴代サポート不足と
いわれたNo.2ドライバーが満足に戦えない状態でだ。つまりクラークソンの年間ポ
イントのほとんどは、ファングが一人で稼いでいたのだ。しかし来季はそこにセプター
が加入する。セプターはNeXXではファングを上回る3勝をあげており、今季はやや
ムラがあったものの初年度は安定感のあるレース運びで驚異的な入賞率を誇った。No
.2に計算できるドライバーが加入しただけでもクラークソンの総合力は大きく上がっ
たと言っていい。そこへ来てさらに来季スプレンダーエンジンが乗るのだ。こうなると
クラークソンの評価はもはやトップ3に食い込むどころではなく、一躍タイトル争いの
主役候補というステージまで浮上する。クラークソンが使用するシグマテックシャシー
とスプレンダーエンジンの相性は、マーキュリーとノルディックの活躍を見ればわかる
通りだ。クラークソンは文字通り大きな“武器”を手に入れたのだ。
来季、ディフェンディングチャンピオンのピットブルは体制盤石、しかしマーキュリー
は未だNo.2が決まらずやや焦りの色を見せている。またノルディックも今季、ラン
キングは3位であったもののトップ2に大きく水をあけられた。来季クラークソンが割
って入るスキは十分にある。またマーキュリー、ノルディックに不安要素があるという
ことは、クラークソンがチームとしてうまく機能すればスプレンダーユーザーの中でも
No.1に立てるということだ。
それにしてもシーズンオフ直後からあれこれバタバタと働いていたクラークソンは、と
んでもない“クリスマスプレゼント”を投下してきた。以前デヴィッズ監督の言ってい
た“サプライズ”とはこのことだったのだ。来季、クラークソンが大きく躍進するのは
間違いないだろう。あまりにドラスティックに事を進めている為、本当に来季開幕まで
に組織としてまとまれるのかという懸念もあるが、“最強エンジン”+“元F1王者コ
ンビ”とくれば期待の方が勝ってしまうのは当然。また来季はシュトロゼックの参戦や
トライアンフの体制強化など、現在のパワーバランスが崩れかねない要素を他にもいく
つか内包しているNeXX。ともかくもこれで来季も群雄割拠のシーズンとなることは
間違いなしだ。来季のクラークソンの戦いぶりには大いに期待したい。


◇SLOが来季からヨコスカユーザーに! ブラジル期待の若手セラの加入も発表!!

SLOことサントス・ロコ・オリベイラ・レーシングは、来季3rdシーズンからヨコ
スカタイヤを使用することを発表した。SLOは12月15日付で関係各位に電子メー
ルによるプレスリリースを発行、この旨を報告した。
SLOは3人のブラジル人実業家が共同運営するチームだが、そのうちの一人リカルド
オリベイラ氏が昨年ヨコスカの株式の1/4を取得。地元サンパウロ現地法人を設
立するに至り、これに合わせチームの使用タイヤもヨコスカへと変更するのではないか
との憶測が早い段階で飛び交っていた。
プレスリリースはリカルド・オリベイラ氏、パウロ・サントス氏、カルロス・ロコ氏の
3名の共同オーナーの連名で出され、ヨコスカタイヤと3rdシーズン以降の供給契約
を締結した旨が記されており、リリースの一文には「我々の活動がヨコスカ社の世界的
な成功と繁栄の一助となることを望んでいる。」と、オーナーの一人がヨコスカの大株
主であることをうかがわせる文言も。これでSLOは来季、7チーム目のヨコスカユー
ザーとなった。NeXXはご存知の通りフランスのヴァシュロンと日本のヨコスカとい
う2社がタイヤメーカーとして参戦している。初年度は参戦12チーム中ヴァシュロン
とヨコスカのユーザー数は6対6でちょうど半分だったが、今季から新規参戦の3チー
ムは全てヴァシュロンと契約を締結。ユーザー数ではヨコスカ勢6に対しヴァシュロン
勢が9チームとなっていた。

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SLOのタイヤスイッチは早い段階から噂されていたこと。タイヤ使いの巧い二人のドライバーを起用
するチームとしてはアドバンテージとなる可能性第。またブラジルのみならず世界が注目する若手ドラ
イバー、セラ(写真右)のリザーブ起用も発表。


ヨコスカのタイヤはヴァシュロンに比べ”ロングライフ。ローグリップ”傾向と言われ
今季前半は各ユーザーとも特にハードタイヤでの予選スプリント走行で苦戦。ヨコスカ
側はシーズン終盤に急きょ新しいコンパウンドを採用した『改良ハードタイヤ』を投入
するなどしていた。一方でタイヤライフの長さとグリップの落ちが緩やかなことについ
ては評判が良く、状況によっては決勝でハードを使わない『オールソフト作戦』を選択
できるなど、戦略性の高さを評価する声も多く上がっていた。SLOのドライバーはラ
・ポルタ、サントス・フィリオともタイヤ使いの上手さには定評があることから、SL
Oのタイヤスイッチには早くも関係者から期待の声が上がっている。
またSLOは合わせて3rdシーズンから、チームのリザーブドライバーにブラジル期
待の若手アントニオ・セラを起用することも公表した。セラは今最も将来を期待されて
いる若手ドライバーの一人で、昨季イギリスF3において20戦12勝という最多勝
録を樹立。チャンピオンに輝くと同時にマカオF3も制した逸材だ。
SLOは先ごろNeXXチームの体制変更と共にIMSAへの参戦を発表、更に5年以
内のル・マン24時間への挑戦もぶち上げており、チームはNeXXのみならずグロー
バルにレースシーンへの展開を図っている。今季はラ・ポルタがNeXX初勝利もあげ
た。来季は新体制で躍進を狙う。


◇カナダの航空機メーカーロンバルディア
    新フォーマットに合わせ4thからエンジンメーカーとしてNeXX参戦!!

4thシーズンからエンジンを含めた動力機構を、水素ターボエンジンと回生機構を組
み合わせた『パワーユニット』と呼ばれるコンポーネントへと移行するNeXX。その
NeXXを統括するFNOはそれに合わせて、現在6社としている参戦メーカー枠の上
限を撤廃するが、このほどカナダの航空機製造を中心とする重工業企業ロンバルディア
が、エンジンサプライヤーとしてNeXXに参戦することがわかった。
NeXXのエンジンは4thシーズンから最大排気量上限2.4L、6気筒以下(形式
は問わず)のターボエンジンとなり、それにエネルギー回生機構を組み合わせたパワー
ユニットとなるが、この「水素エンジン+回生機構+電気モーター」という水素ハイブ
リッドのフォーマットは自動車メーカーだけでなく、世界のモビリティ企業から大きな
注目を集めており、4thシーズンからはいくつかの新規参戦メーカーが現れることが
予想されていたが、参戦メーカーに関する確度の高い情報として取り上げられたのはロ
ンバルディアが初めてだ。
ロンバルディアはカナダ、ケベック州モントリオールに本拠地をおく、重工業を主とし
コングロマリット企業。現在は主に航空機や鉄道車輛を製造している。自動車専門メ
ーカーではないが、総合的モビリティ企業としては鉄道部門で世界最大の生産設備を保
有し、民間航空機部門では世界第4位を誇るグローバル企業だ。またスノーモービル
ついては車輛製造のほか運航制御システムなどの保安設備に至るまでの製造を手掛けて
いる。エンジンメーカーとしてのNeXX参戦は比較的早い段階から噂があがっており、今回の情報は関係者筋の、それも上層部の人間の話ということで情報の信憑性はかなり高い。
自動車専門メーカーではない企業としては既に来季、カムイと手を組んで参戦を果たす
日本の総合モビリティ企業SUGOの存在があるが、SUGOは自車が開発する『水素
ジェット』への技術転用を目的としてNeXXを開発の場に選んだ。ロンバルディア
世界第4位の航空機メーカーとして『水素ジェット』の自社開発に着手しており、さら
に前述のスノーモービルなどへの技術転用も想定しての参戦と見られる。
こうなってくると気になるのはその供給先だが、なにしろ信憑性の高い情報とはいえま
だ正式発表されていない情報だ。現段階でそれを予測するのは難しい。同郷のチーム、
もしくはドライバーのいるチームという線はなきにしもあらずだが、現在NeXXには
カナダ国籍のチームはなく、カナダ人ドライバーのビル・リヴィエールはドバイ王族の
率いるマルドゥークに籍を置く。今季シェブロンとのパッケージで参戦初年度とは思え
ぬ大活躍をしたマルドゥークが、新参メーカーへと契約をスイッチすることは考えにく
い。マルドゥークチームの監督ファン・ドットがリヴィエールを気に入っており、現状
ではリヴィエールが4thシーズンに移籍するとも考えにくい。またカナダからの新規
参戦の噂もなく、供給先は現在参戦している15チームのいずれかになるだろうが、こ
の時点ではまだ予測がつかない。
このニュースを最初に報じたのはフランスのモータースポーツ専門誌『オト・エブド』
誌、情報の出どころは先述の通りロンバルディア社上層部の人間だと言い、近く正式発
表があるとも記されている。しかしその際に来季パートナーシップを結ぶチームの発表
があるかはわからないとのことだ。
今後様々なメーカーの開発の舞台となりそうなNeXX、今後ロンバルディアに続くメ
ーカーの参戦表明も期待される。

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日本では航空機メーカーというイメージの強いロンバルディアだが、鉄道車輛などの製造でも
世界有数。なかでもスノーモービルでは長年世界的なシェアを誇っている(写真右はスノーモ
―ビルのエンジン部)。


◇ノルディック、来季もタイトル逸ならば4thはチーム大改革か!?

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今季のノルディックの伸び悩みの原因と反省の弁をひたすらに語ったソルベルグだが
その口から具体的な改善策などは出ず。はたしてノルディックは来季もタイトルに絡
むチームとしての立ち位置を守れるのだろうか?

 

2季連続で選手権3位に終わっているノルディックチームは、来季もタイトルを逃すよ
うなことになれば大幅なチーム改革が必要だと考えているようだ。
北欧はスウェーデンに本拠を置くノルディック・モータースポーツ(ファクトリーはド
イツ・ハイデルベルグ)は、1998、99年のF1王者ミコ・ハンクネンと82年の
F1王者チチ・ソルベルグを中心として結成された“純・北欧”のチーム。F1ではデ
ビューレースで2位表彰台を記録したデンマーク人ドライバー、ケリー・ラスムッセン
をエースに据え“オール・ノルド体制”で2シーズンを戦った。昨季はそのラスムッセ
ンが2勝をあげドライバー、チームともに最後までタイトルを争ったが、今季はバトラ
ーとラムダ、そしてピットブルとマーキュリーに大きく水をあけられた。結果過去2シ
ーズンともドライバー、チームともにランキング3位と健闘したが、今季の“2位に大
きく離された3位”という結果に、チーム首脳は危機感を抱いている。
「今季我々はピットブルとマーキュリーの“トップ2”に大きく差をつけられてしまっ
た。それだけではなくマルドゥークやアントネッティと言った新参にも肉薄された。来
季はトライアンフも大きな脅威になる。来季の我々は本当に気が抜けない状態なんだ。」とチームマネージャーのソルベルグは険しい顔で取材に応じた。「今季我々は決して戦闘力が低いわけではなかった。しかしやるべきことをやって勝てるべきレースを勝ったかというと、それはノーだ。ケリー(・ラスムッセン)は結局今季1勝もできなかった。
彼にももっとやれることがあったと思うが、我々チーム側としてもそれは同様だ。ケリ
ーに対して万全のサポートが出来たかと言えばそれは否だ。ミック(・ハイデンフェル
ド)が辛うじて1勝してくれたけどね、でも彼はそれで終わってしまった。今季の我々
は各々がしなければならなかった最大限を各々が為せなかった。結果我々の体制は全て
において万全ではなかったと言わざるを得ない。」と今季を振り返ったソルベルグ
「我々はもちろん初年度からタイトルを獲るつもりで体制づくりをし、結果タイトルに
は届かなかったもののそれに相応しい力を持っていると思えるような成績を残した。し
かし初年度とほぼ同様の体制で臨んだ今季、我々は思いのほかタイトルに近いところに
いなかった事が判った。我々は決して何かを怠ったわけではないと思っているが、今季
の成績は我々にその認識は誤りであるという事実を突きつけている。我々は来季もう一
度現体制でタイトルへのチャレンジを試みるが、その結果次第では大きな改革が必要だ
ろう。」と4thシーズンへ向けてチーム体制を抜本的に改革する可能性も考えている
ことを吐露した。
「正直アントネッティやマルドゥークといった新規参戦チームが、あそこまでやるとは
思っていなかった。そこが我々の甘さといえばそうだったのかも知れないね。新規チー
ムの参戦でNeXXのパワーバランスは、1シーズンにして大きく変わったよ。我々は
今後長期にわたってこのNeXXで、タイトル戦線の中心的存在でありたいと考えてい
る。その為には来季、我々がこのままで良いのかを見極めなくてはならない。我々は4
thシーズンより先を見据えながら、来季は全力で2人のドライバーをサポートする。」
ソルベルグは、いかに危機感を抱いているかをかなりの言葉数をもって語ってくれた。
しかし彼の口からは何を問題点として把握し、どう解決してゆくかの具体的なビジョン
が語られることはなかった。果たして彼らは、どこまで問題の本質と打開策を見いだせ
ているのだろうか? 一部のメディアは、彼らは自分たちがどこまでやれるのか判らな
い状態で参戦し、初期戦力で当初の想定を超える活躍をしてしまい、自らの戦力を見誤
ったのだとの見方をしている。ここまでのソルベルグの話を聞く限りでは、それもあな
がち間違いではないのではないかという気もしてしまう。
4thシーズンからはデンマークGPがカレンダーに加わる可能性が高い現状、北欧を
本拠とするノルディックのNeXXにおける存在価値は決して小さくない。しかしそん
な北欧でのNeXXに対する盛り上がりとは裏腹に、やや迷走を始めたのではないかと
も思えてしまうノルディックチームの内情。一部では4thシーズンからエンジンメー
カーをチェンジするとか、ラスムッセンの後釜にスウェーデン人のF1パイロット、ト
ニー・ペーダーセンを招聘するのではないかなど、様々な噂がささやかれるようになっ
たが、果たしてソルベルグの考える“抜本的なチーム改革”とはどういったものか?
ともあれ来季はドライバーやマシンコンポーネンツ含め現体制で臨むノルディック、彼
らがは来季、4thシーズン以降を見据えながらどう戦ってゆくのか、注目していきた
い。

 

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■Hot Stove League

□ピットブル・エクストリーム・レーシング
 ◎No.1:ニコ・ラムダ(AUT) 
 ◎No.2:ミシェル・ボナパルト(FRA)

□マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション
 ◎No.1:アレックス・バトラー(IRL)
 △No.2:アレンザンダー・カブロン(THA)??
 ×     ジョルディ・ヴァッセル(ENG)??
 ×     アリエル・ティルクム(ENG)??

エヴァー・グラハム・レーシング 
 ◎No.1:カーティス・マルケーナス(AUS)
 ◎No.2:ジェストン・バロン(UK)

トライアンフ・スクエアジャパン・レーシング
 ◎No.1:日向 俊郎(JPN)
 ◎No.2:ルドルフ・マイネ(GER)

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
 ◎No.1:ジョンブル・チャップマン(UK)
 ◎No.2:アレン・バーンズ(ASU)

プルトン・オートスポーツ
 ◎No.1:トゥーリ・ヴィックス(EST)
 ◎No.2:メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)

□スクーデリア・リナルディ
 ◎No.1:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
 ◎No.2:スティラノ・シエナ(ITA)

□クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
 ◎No.1:デイヴィス・ファング(UK)   
 ◎No.2:ジョリー・セプター(SAF)     

□ロムニ・ダキアオートスポーツ(シュトロゼック)
 ◎No.1:ゾルタン・ゲラ(HUN)
 ◎No.2:バッドアス・バーガー(AUT)

ドラゴンフォース・チャイナレーシング
 ◎No.1:宋 昇龍
 ◎No.2:アレオ・ファーシマス(LUX)

□ノルディック・モータースポーツ
 ◎No.1:ケリー・ラスムッセン(DEN)
 ◎No.2:ミック・ハイデンフェルド(GER)

□サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
 ◎No.1:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
 ◎No.2:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)

アントネッティオートスポーツ
 ◎No.1:アレンザンダー・ロッソ(USA)
 ◎No.2:ファン・カレッジ(FRA)

□マルドゥーク・レーシング・ドバイ
 ◎No.1:ビル・リヴィエール(CAN)
 ◎No.2:ジャッキー・グーデリアン(USA)

□ガジャック・ルルーシュ・スポール
 ◎No.1:セドリック・タンデイ(FRA)
  ◎No.2:ティモシー・ルーツェン(BEL)

         

◇有力チームから引っ張りダコのゲラ、結局来季はSSRD残留へ

マーキュリーやドラゴンフォース、そしてマルドゥークなど様々なチームが獲得を狙
っていたシュトロゼックのハンガリー人ドライバー、ゾルタン・ゲラの去就がどうや
ら来季もシュトロゼック残留で落ち着きそうだ。チーム関係者筋への取材で判明した。
レース界では珍しい国籍のドライバーが多いNeXXだが、ハンガリー国籍のゲラも
その部類に入る。またゲラのNeXX以前のレースキャリアも決して華やかなもので
はなく、ここにステップアップするまではほぼ無名の存在だった。しかしNeXXデ
ビューでその才能が開花。チーム体制が盤石とはいえない中昨季は1勝をあげ、今季
も同僚のファーシマスが僅か1ポイントと低迷する中59ポイントを獲得しランキン
グは11位。遅咲きのハンガリー人は一躍NeXX各チームの注目の的として移籍市
場の主役になった。
中でも積極的に獲得に動いていたのはマーキュリー、ドラゴンフォース、アントネッ
ティ、そしてマルドゥークの4チーム。ほかいくつかのチームも獲得候補としてリス
とアップしていたと言われるほど“ゲラ人気”は高い。しかしアントネッティは同じ
く移籍市場の注目株だったカレッジと早々に移籍で合意。来季22歳とゲラよりも将
来性のあるカレッジを選択し、No.1のロッソの残留も決定。アントネッティのゲ
ラ獲得の目はなくなった。マルドゥークはグーデリアンの正式な残留発表がまだだが、
ダムハン殿下が直々に獲得を望んだと言われるグーデリアンは残留が濃厚。またマー
キュリーはギリギリまで残留交渉をしていたマルケーナスの引き留めに失敗しゲラ獲
得に本腰を入れるタイミングを逸した。そしてドラゴンフォースに関しては、ゲラ自
身がオファーを断ったと言われている。この4チームの中でも最近では最も熱心にオ
ファーをしていたマルドゥーク、監督のファン・ドットがゲラ獲得をチームに強く望
んでいたそうだが、今季の戦績を鑑み現状維持へと方向転換したと伝えられている。
マルドゥークの方向転換で積極的にゲラ獲得を狙うチームがなくなったことで残留は
確実になったというのが大方の見方だ。
また、シュトロゼックの総帥ハイネル氏がゲラを高く評価しているのはご存じの通り。
シュトロゼック側はゲラの実績と、彼が初年度からチームに籍を置いていてチームと
の密な関係を構築できている点を重要視しており、来季の契約に対しかなりの金額を
提示したと言われている。シュトロゼックには選手権制覇という最終目標があり、そ
れに向けての足掛かりとしてロムニ・ダキアを買収したが、来季は今季同様ピジョン
エンジンで戦うここが決定。しかしこの2シーズンでピジョンの戦闘力は思いのほか
向上せず苦戦が続いており、来季もゲラが残留することに疑問を投げかける声も。キ
ャリアとして遅咲きのゲラは来季31歳で、これからピークを迎えようという年齢で
将来性の不確かな下位チームに残留することは、彼にとってベストな選択ではないと
いう声も多くある。
まだ正式発表されていないが、シュトロゼック残留がほぼ確実視されてるゲラ。彼が
来季シュトロゼックでどのような活躍を見せるのか注目したい。
またシュトロゼックはゲラ残留の正式発表の前に、来季の2ndドライバーが正式に
決定。今季限りでチームを離れるファーシマスに替わり、F1出走経験もある若手オ
ーストリア人ドライバー、バッドアス・バーガーを獲得したことを発表した。バーガ
ーは今年22歳で、F1で18戦走り入賞2回。昨季は下位チーム、アロ○ズで度々
上位に進出し、F1界でも将来を期待されていた若者だ。バーガーはF1進出以前か
らDMWとの縁が深く“DMWの秘蔵っ子”とまで言われており、シュトロゼックが
4thシーズン以降にDMWを搭載する布石なのではないかとの憶測が早くも飛んで
いる。
ゲラの残留にDMW獲得を目論む動き、来季本格始動するシュトロゼックの一挙手一
投足に、これからも目が離せない。

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シーズン開幕前から移籍の噂が絶えなかったゲラ(写真左)だったが、一転残留の可能性が
高くなった。ハイネル氏(写真右)の今後のビジョンにはゲラの存在も織り込み済み。


◇NeXXに女性ドライバー誕生! メロディ・P・ノーマンがプルトン入り!!

かねてよりNeXX加入の噂があり、にわかに注目を集めていたアメリカ出身の女性
ドライバー、メロディ・パトリシア・ノーマンのNeXX参戦が決定した。来季プル
トンチームとの参戦契約を結んだノーマンはこれで、NeXX初の女性ドライバーと
なった。
プルトンは最終戦終了から1週間後の12月中旬にチームのWEBサイトを更新し、
ノーマンと来季単年のレギュラードライバー契約を結んだことを掲載した。
ノーマンは23歳のオーストリアアメリカ人。10歳でカートをはじめ15歳から
の2年間はカナダF4に参戦。学業専念のための3年間の活動中段を挟み21歳から
2年間フォーミュラ・リージョナル・アメリカズに参戦し、今季からインディ・ライ
ツへと活躍の場を移した。今季はそのインディ・ライツで3勝をマークし、来季イン
ディカーへのステップアップが噂されていた。

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ダニカ・パトリックの再来”ノーマンを獲得し、喜びのコメントを掲載したエルナンデス代表。しかし
ダニカのような活躍を求めるのは酷であるとの見方も。一方の”才女”ノーマンは才女らしい知性を覗かせ
るコメントと、対照的な茶目っ気も見せプルトン加入の喜びをアピール。


幼い頃父親に連れられて観戦したインディ500に衝撃を受けてレースを始めたとい
う彼女は、10歳でレーシングカートをはじめ2年後にはIKF世界カート協会グラ
ンドナショナル選手権のHPVクラスでチャンピオンとなるほどの実力をみせ、周囲
を驚かせる。カナダF4でもシリーズチャンピオンとなった彼女は、その後3年間大
学進学と学業専念のためレース活動を中断するが、その後21歳で参戦したフォーミ
ュラ・リージョナル・アメリカズでは2年間走り通算7勝。これまでの実績をひっさ
げ、今季はインディ・ライツへと昇格していた。そんなノーマンに目をつけていたN
eXX参戦チームがプルトンとロムニ・ダキアで、ロムニ・ダキアがシュトロゼック
からの買収を受けて運営方針を大きく方向転換したため、最終的にはプルトンが獲得
した格好となった。いくつかのインディカーチームとの競合を制し、プルトンはアメ
リカ期待の才媛を手に入れた。
プルトンはチームサイトでコニー・エルナンデス代表とノーマンのコメントを掲載し
た。エルナンデス代表は「今回、彼女をチームに迎えられたことを非常に喜ばしく思
います。我々はこれまで共に戦ってきたアレンザンダー・カブロンに分かれを告げな
ければなりませんでした。2年間の彼のチームへの献身に感謝します。そして我々は
来季、トゥーリ・ヴィックスとメロディ・パトリシア・ノーマンというフレッシュな
2人でシーズンに臨みます。ノーマンはここに至るまでの道のりで既に、その溢れん
ばかりの才能と可能性を見せつけています。来季、この“ワンダーウーマン”は我々
と共に大きく飛躍することを確信しています。」と来季への期待を記した。
一方のノーマンは「プルトンチームとレギュラードライバー契約を結ぶことができて
とても興奮しています。私には来季インディカーに昇格するという道もありました。
しかし私はNeXXを選びました。理由はNeXXがインディと同様に、あるいはそ
れ以上にエキサイティングなカテゴリであり、また新しいフォーマットを使ってそれ
を実現しているというカテゴリだからです。私たちはレーシングエンターテインメン
トに携わるものとして、もう地球環境とそれに対する自動車というものの今後の在り
方を無視して生きることはできません。そういう意味でも私は、このカテゴリに参戦
することを大きな意義のあることだと考えます。それに、インディカーという選択も
エキサイティングだとは思ったけれど、NeXXは世界を転戦するんでしょう? 私
にはその方が魅力的だと思ったの。世界の様々な文化に触れてみたい、大好きなレー
スをしながら世界を周れるなんてこんな素敵なことはないわ。だからNeXXを選ん
だの。私にチャンスをくれたプルトンチームとエルナンデス代表に感謝します。」と
のコメントを掲載。レースを続ける傍ら大学で環境学サステナビリティ学を学んだ
彼女は、才女らしさと対照的な茶目っ気のあるコメントでプルトン加入の喜びを記し
た。
プルトンチームは来季、エンジンを日本のSUGO・カムイへとスイッチし、フレッ
シュなラインナップで挑む。ピジョンエンジンで苦戦したこれまでより戦闘力は上が
るとみられているが、男性主体のトップフォーミュラに参戦する女性ドライバーの活
躍は総じて難しいという現実もある。インディカーではしばしば女性ドライバーが参
戦し活躍、2008年にはダニカ・パトリックが第3戦もてぎで優勝し女性ドライバ
ーとしての初優勝を飾っているが、それ以前にもそれ以降にも彼女を上回る活躍を見
せたドライバーはいない。またF1における状況はもっと厳しく、レギュラー参戦し
たドライバーとしては1992年のジョバンナ・アマティまで遡らなくてはならない。
それもアマティは3戦連続予選落ちを喫しそのままチームを解雇されている。F1を
走った女性ドライバーの活躍と言えば、1970年代中期に参戦していたレラ・ロン
バルディが唯一0.5ポイントを獲得しているだけだ。近年では女性ドライバーの増
加を受けて女性だけのフォーミュラレース『Wシリーズ』が発足するなどしているが
男性ドライバーと混走した際の埋められないギャップは如何ともしがたく、ノーマン
に対してダニカ・パトリックのような活躍を求めるのは酷だとの声もある。
果たしてノーマンは来季どのような活躍を見せるのか、新生SUGO・カムイエンジ
ンのパフォーマンスと共にプルトンに大きな注目が集まる。


◇F1でも高評価だった若手2人、バーガーとルーツェンがNeXXデビュー!!

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昨年F1ではチームメートとして戦った二人。バーガー(写真左)はオーストリア、チロル出身。
ルーツェン(写真右)はベルギー出身。共に将来を期待される逸材だ。

 
来季3シーズン目を迎えるNeXXにまた、F1界からの“転入生”が加入した。オ
ーストリア出身のバッドアス・バーガーと、ベルギー出身のティモシー・ルーツェン
だ。バーガーは前出の記事でも触れた通り、シュトロゼック・ロムニダキア(以下シ
ュトロゼック)から、そしてルーツェンはガジャックからの参戦が決定した。
オーストリア出身のバーガーは今年22歳、前出の通り今季はア○ウズから参戦、全
16戦に出走し入賞を2回記録した。下位チームにありながら度々上位に顔を出し速
さをアピール。同郷のヘルムート・マルコリーニやニコ・ラムダといったピットブル
関係者らのプッシュもあり来季NeXXデビューを果たす。一方のルーツェンも今季
は○ロウズからF1に参戦していた。つまりバーガーとルーツェンは今季アロウ○で
チームメイトだったのだ。バーガーは昨年の終盤にF1デビューし2戦を戦ったがフ
ル参戦は今季が初めて、事実上のルーキーイヤーだった。対するルーツェンはバーガ
ーよりも二足先2、シーズン前の途中から○ロウズでF1デビュー。F1キャリア2
年半、来季25歳になる若者だ。ルーツェンは今季4度の入賞をマーク、第3戦サン
マリノGPで2位表彰台に登壇した実力者だ。
バーガーはドイツ国境付近のチロル州ヴェルグル出身。幼少期に自動車競技に興味を
持ち、あるとき友人の勧めで友人が所有するフォード・エスコートを借りて出場した
ピットブルリンクでの人生初レースに優勝し、本格的にレーシングドライバーを志し
たという漫画のような経歴の持ち主だ。その後はドイツF3、ヨーロッパF3と順調
にステップアップ。来季からNeXXに参戦するドイツ系チーム、シュトロゼックへ
の加入を同郷のNeXX関係者に勧められ参戦に至った。
一方ルーツェンはベネルクス・フォーミュラ・フォード1600で18戦15勝と、
圧倒的な強さを見せつけその後F3、F2を経験。順調にF1までステップアップし
ていった逸材だ。ミスの少ない安定した走りで、下位チームアロ○ズにありながら2
シーズン半で7度の入賞、2位表彰台にも上がっている。しかしア○ウズが今季限り
でF1から撤退するため、2人のドライバーはそろってNeXXへと新天地を求めて
やってきたというわけだ。これでシュトロゼックは来季残留が確実と言われるゲラと
バーガーという布陣、対するガジャックもこのほどタンデイの残留が決定し、来季は
タンデイ、ルーツェンのラインナップとなる。
F1でも将来を有望視されたな若手二人の転入、果たしてこのふたりは今後NeXX
を代表するようなドライバーに育っていくのだろうか。来季の活躍に注目だ。

◇”暴れん坊”ファーシマス、新生ドラゴンフォースへの移籍が決定!!

ロムニ・ダキアチームで2シーズン走り“暴れん坊”としてならしたルクセンブルク人、アレオ・ファーシマスのドラゴンフォース移籍が決定した。欧州主要スポーツ新
聞各紙が報じている。
ファーシマスはルクセンブルク出身という、レース界でも稀有な出自の24歳。初年
度からロムニ・ダキアよりNeXXに参戦、4度の入賞を記録し25ポイントを獲得。
第5戦アルゼンチンではフロントロー2番手につけるなど、予選での一発の速さには
定評があった。一方で決勝ではクラッシュが多く、4度のペナルティで3度の出場停
止処分を科されるなどし“暴れん坊”の異名をとった。2ndシーズンはクラッシュ
の多さを見かねたチームに契約条項に罰金規定を盛り込まれ、おかげで走りは“大人
しく”なりはしたもののレースぶりに精彩を欠き獲得ポイントも僅か1ポイントにと
どまった。そしてロムニ・ダキアチームがシュトロゼックに買収されることが決まる
と、シュトロゼックの構想外となったファーシマスは放出が決定。来季のシートが危
ぶまれていた。

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シート喪失危機と騒がれた”暴れん坊”の来季の行く先がついに
決定。”愛されキャラ”ファーシマスはもはやNeXXの名物のひとつだ。


一方ドラゴンフォースと言えば中国人ドライバーの宋昇龍とは契約を更新したものの
初年度から2シーズン実質チームの屋台骨を支えた元F1王者ジョリー・セプターを
放出し、空いた2ndシートに誰が座るのか注目を集めていた。
ドラゴンフォースチームはチーム名変更に伴い、世界的アクション映画スターのジャ
ッキー・チュン氏(無天老師様ではない)を共同オーナーに迎え、李舜英氏との二巨
頭体制で3rdシーズンに臨むが、年明けに予定されている新体制発表会を前にして
来季の陣容が決定した。これまでチームに3勝をもたらしたセプターを放出したドラ
ゴンフォース。セプターを放出したのは高額なサラリーのためと噂され、後釜におさ
まるのはサラリーの安い若手になると見られており、もっとも有力とされていたのが
クラークソンを途中離脱したアリエル・ティルクムだった。しかしオーナーの李氏は
当初からファーシマスの才能を高く評価しており、同じ若手ならNeXXでの実績が
ある方が良いとの理由もありファーシマスを獲得したという。また先述のとおりファ
ーシマスが今季獲得したポイント数はわずか1ポイントで、入賞ドライバーの中では
最下位に終わったが、ロムニ・ダキアチームが今季の契約にクラッシュとペナルティ
に対する罰金規定を盛り込んでおり、李氏はファーシマスが今季振るわなかった原因
はそこにあると見ているようだ。ともあれ、愛すべき“暴れん坊”の姿が来季もNe
XXで見られることになり、ファンや関係者としては一安心といったところだ。
来季は宋、ファーシマスのラインナップとなる“新生”ドラゴンフォース、しかし2
人は共に来季25歳でトップフォーミュラのキャリアもNeXXでの2年間しかない。
フレッシュと言えば聞こえはいいが、経験の浅い若手二人のラインナップには疑問の
声も上がる。ハリウッドスターとの共同オーナー体制になりより一層の飛躍を目指す
ドラゴンフォースだが、チームの方向性を示していけるベテランがいないのは確かに
マイナスポイントだ。宋、ファーシマスの若手コンビは来季、新生ドラゴンフォース
をどれだけ輝かせることが出来るだろうか?


ギリシャ人ドライバーのニニアディス、リナルディのリザーブとしてNeXX復帰!

1stシーズンにリナルディのレギュラードライバーとしてNeXXを戦ったギリシ
ャ人ドライバー、イオリディス・ニニアディスが来季古巣のリナルディのリザーブ
ライバーとしてNeXXへ復帰を果たすことがわかった。
ニニアディスは来季25歳、レース界では珍しいギリシャ国籍のドライバーだ。アテ
ネ生まれの彼は16歳でカートを始め、20歳の頃に単身イタリアに渡りリナルディ
からイタリアF3に参戦。そしてリナルディのNeXX参戦を受け、初年度のレギュ
ラードライバーに抜擢された。ニニアディスはF3時代から数えると4シーズンをリ
ナルディと共にしており、事実上リナルディの育成ドライバーのようなもの。初年度
の契約終了と共に一時チームを離れたが、リナルディは近いうちにニニアディスを呼
び戻すだろうと言われていた。
ニニアディスは3シーズンのF3キャリアにおいて毎シーズンタイトル争いを展開。
初年度の4位に始まり2年目は2位、3年目は3位と活躍した。NeXX参戦時はタ
イトルに絡むことはなかったが、運営規模の小さいチームにあって4度の入賞を記録。
チームメイトだったヴィンチェンツォ・ジョバナルディは6度と入賞回数では下回っ
たものの、7位以上の入賞がなかったジョバナルディに対し6位入賞を2度記録した
ニニアディスはシーズン25ポイントを獲得。シーズン10ポイントだったジョバナ
ルディを上回った。予選ではジョバナルディを下回ることが多かったニニアディスだ
が、それでもシングルグリッドを2度記録。第12戦ルーマニアでニニアディスが獲
得したサードロー5番手は、初年度のリナルディの予選ベストグリッドだった。
リナルディは2ndシーズンを戦うにあたり初年度の“トップフォーミュラ―ルーキ
ー”コンビでは厳しいと判断。大口スポンサーの獲得に成功したこともあり、F1経
験のあるポルボローネシエナという中堅クラスを起用し、ジョバナルディとニニア
ディスの二人とは契約更新しなかった。ジョバナルディはその後F1アル○ァロ○オ
チームに移籍したが、ニニアディスはF2クラスへ格下げしリナルディのオーナー企
業である世界的パスタメーカーの支援も受けて1シーズンを戦った。来季も継続して
F2へ参戦するが、合わせてNeXXリナルディチームとのリザーブ契約を結んだ。
リナルディチームはこれまで、ジャンフランコ・パニーニというイタリア人ドライバ
ー1人をリザーブに起用してきたが、今季は他のほとんどのチーム同様リザーブも2
人態勢でのぞむ。リナルディは4thか5thでのレギュラー起用を視野に入れ、ニ
ニアディスをリザーブ起用していく予定だという。
ニニアディスは今季プ○マ・レーシングからF2に参戦し、タイトル争いには絡めな
かったが2勝をあげランキング5位。16歳でカートを始めた遅咲きのギリシャ人ド
ライバーは堅実な活躍を見せ、クリーンなレースぶりも好評で周囲の評価も上がって
いる。近い将来再びこのNeXXの舞台で、ニニアディスが躍動する姿が見られるだ
ろうか? 今後の活躍に期待したい。

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レース界でも稀有な存在のギリシャ人ドライバー、ニニアディス。
1シーズンのインターバルをおいてリザーブとしてNeXX復帰が決定。

 

 

今季も激戦のうちに幕を閉じたNeXXの2ndシーズン。バトラーのドライバーズ
タイトル連覇、そしてチームタイトルはピットブルが連覇という形で終わったが、こ
のオフの動きは現在のパワーバランスを崩す可能性を秘めている。
ドライバーの移籍が活発化し、エンジンを変更するチームも現れた。また首脳人事含
め組織改革を試みるチームちらほら。これまでの2シーズンはドライバー、チームそ
れぞれ連覇という形で終わっているが、このオフの様子から見ると来季の選手権の様
相はまた変わってくるだろう。今から来季の開幕が待ちきれない!
今季は年末にオフシーズン号をリリースするが、その時には今よりもっと来季の様相
がはっきりとしてくるだろう。次号『オフシーズン号』のリリースをお楽しみに!!