☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

NeXXtream Press 「新年号」

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◆3rdシーズン・新年号

いよいよ新しい年が明け、3シーズン目を迎えたNeXX。今季は昨季以上にドライ
バーを中心とした人事異動やエンジン変更の動きが活発で、エンジンが新フォーマッ
トに変わる来季を見据えての動きの多いオフシーズンとなっている。開幕まであとも
う少し、これ以降は各チームとも体制発表会を控え、開幕準備に余念がない。では今
号も引き続き、その3rdシーズン以降に向けた各チーム、そしてFNO自体の動き
も含めて見ていこう。


◇NeXXが将来的な独自のブランディング計画を発表!
         5thシーズンをメドにNeXX直下の下位カテゴリ設立へ!!

FNOは年が明けて1月12日、3rdシーズンとそれ以降の運営体制や様々な計画
についての発表会を行った。発表会は本部のあるパリで行われ、4thシーズン以降
の開催計画や今季型シャシーのお披露目などが行われたが、その中で今後5thシー
ズンをメドとしてNeXX直下の下位カテゴリを設立するというビッグニュースがあ
わせて発表された。
発表会にはFNOのラックス・ロズレイCEOやデイトン・ビル運営統括部長をはじ
めとするお歴々が出席、この計画は発表会の終盤にロズレイCEOの口から明かされ
場内は大きなどよめきに包まれた。
NeXXは現在独自の下位カテゴリを持たず、参戦するドライバーは殆どがF1やイ
ンディカーなど他のトップフォーミュラからの転入組だ。しかし、発足から2シーズ
ンが経過して参戦チームも増え盛り上がりを見せるNeXXには、独自の若手ドライ
バー発掘手段が必要だとFNOは考えたようだ。
フォーミュラレースの下位カテゴリといえば、最も有名なのはF1に対するF2、F
3といったカテゴリだろう。これらは全てFIA(国際自動車連盟)の所管で行われ
ているが、それ以外にもFIA直下ではないジュニアフォーミュラなどのカテゴリは
世界中にたくさんある。各自動車メーカー主催のものや日本のスーパーフォーミュラ
直下の『スーパーフォーミュラ・ライツ』、北米インディカー直下の『インディ・ラ
イツ』などもそうだ。また現在ではFIAによって下位カテゴリの統廃合が進み、か
つてはドイツやイタリアなど各国にあったF3クラスはFIA-F3に。そしてその
上、つまりF1直下のクラスは時代によりGP2やF3000と名称を変えながら続
いて来たが、これについても現在はFIA-F2に統合されている。しかしこのF1
直下のカテゴリは現在F1チームの育成プログラム所属ドライバーが優遇されており
育成プログラムに属していないドライバーのF1昇格はほぼ見込めない状況。毎年F
1に昇格できなかった優秀な若手ドライバーが、ツーリングカーやインデイカーに流
れて行く状態が続いている。そういった優秀な若者たちの受け皿になり、やがては若
いドライバーが望んでステップアップのチャンスをNeXX側に求められるような下
位カテゴリにしたいというのがFNOの思惑だ。
発表された計画はまだ全体的な構想段階のもので詳細については明らかにされなかっ
たが、FNOが考える現時点での大まかな構想は以下の通りだ。

1.FIAのスーパーライセンス発給対象カテゴリとして認定を目標
2.欧州を中心に1シーズン10戦程度の開催(2レース制を採用)
3.基本的にはNeXXのサポートレースとして開催
4.参戦中のドライバーのNeXXでのリザーブ起用が可能
5.シャシー、エンジン、タイヤはワンメイク
6.NeXXレギュラーチームが下位カテゴリで2ndチームを持つことは禁止

などが挙げられた。
FNOは5thシーズンをメドに、遅くとも6thシーズンまでには発足させる見通
しだという。これはNeXXがブランディング的な見地からもF1と比肩するカテゴ
リとなるための、大きな事業だとロズレイCEOは語る。選手権直下の下位カテゴリ
を持つ世界的なフォーミュラレースは現在F1と北米のインディカーだけ。
NeXXの壮大な計画はまだ動き出したばかりだが、実現すればフォーミュラレース
を取り巻く状況は大きく変わる可能性がある。モーターレースの裾野の拡大とNeX
Xのブランド力強化のため、この計画はぜひ実現してもらいたい。

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NeXXの”下位カテゴリ”は5thシーズンをメドに設立する見通し。インディ・ライツ(写真左)のような
トップカテゴリやF1などと密接につながった関係を目指す。写真右は現行のFIAーF3のシャシー


◇明暗分けた新規参戦チームの1年目、『1年生チーム』の通信簿

昨季3チームの新規参戦があり、15チーム30台でのチャンピオンシップとなった
NeXX。既存の12チームも含め、群雄割拠となったシーズンでは新規参戦チーム
も活躍し。選手権を大いに盛り上げた。そんななかでも明暗分かれた新参3チームだ
が、昨季の活躍ぶりはどうだったか? 昨季の戦いを振り返り評価を下してみよう。

アントネッティオートスポーツ  評価・・・A+

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忙しく世界を飛び回るチーム会長のドナルド・アントネッティに代わっ
監督代行としてチームをまとめたドジャー蓮川。今季も監督業を担う。

昨季、開幕戦でビッグサプライズをおこしたのがこのアントネッティだった。米国よ
り参戦したこの1年生チーム、アントネッティのアレンザンダー・ロッソが開幕戦で
ポールトゥウィンを達成したのだ。これはファンにとっても我々関係者にとっても純
粋な驚きだった。アントネッティというチーム自体はインデイカーのチームを母体に
フォーミュラeや豪州スーパーカー選手権など、様々なレースカテゴリに参戦するグ
ローバルなレーシングチームだ。組織も大きくマネジメントもしっかりしている。し
かし、それでも参戦初年度のチームが開幕戦でPTWをやってのけたというのは、た
だただ驚きでしかなかった。チームは元インディカードライバーで、引退後は主にス
ポッターをつとめたドジャー蓮川を中心にまとまり、アレンザンダー・ロッソとデイ
ヴィス・リンドホルムというNeXX経験者を揃えた。彼らはインディカー時代にア
ントネッティで走っていたことのあるドライバーだ。シャシーも既存のシグマテック
を採用。1年生チームとしては揃えられるだけの環境を揃えて、最良の体制で臨んだ。
とはいえエンジンは共に新規参入したシェブロンで、実戦での戦闘力は未知数。レー
シングチームとしてはプロ集団だがNeXXは1年生状態ということで、はたしてど
こまでやれるのかという我々の心配をよそに、エースのロッソは開幕から立て続けに
表彰台に上がった。No.2のリンドホルムが前半戦絶不調だったものの、後半戦に
は復調し第14戦タイで初優勝をあげる。終わってみれば168ポイントでシーズン
4位、初年度の数字としては驚異的と言っていい。
来季はリンドホルムが抜け、“驚異の新人”と騒がれたカレッジが2ndシートに座
る。アントネッティは参戦2年目にして既に、タイトルを狙える可能性を秘めている。

●マルドゥーク・レーシング・ドバイ  評価・・・

タイトルに近いという点で言えば、このマルドゥークも負けてはいない。序盤のマル
ドゥークは、アントネッティに対し完全に後れを取っていた。マルドゥークはアント
ネッティとは違い、組織としてモーターレースの経験もなく、ドライバー2人もNe
XX初参戦だった。開幕から3戦ノーポイントレースが続き、2人のドライバーもや
やNeXXへのアジャストに苦労していた様子がうかがえた。しかし第4戦ブラジル
でリヴィエールが3位、グーデリアンが9位とW入賞を果たして波に乗り始める。リ
ヴィエールは第6戦から第11戦まで6戦連続入賞し、途中第10戦雨のスウェーデ
ンで初優勝を飾る。グーデリアンはリヴィエールに比べアジャストにやや時間がかか
り、安定感を欠いたものの第12戦ルーマニアでは初PPを獲得、第15戦マカオ
初優勝を飾った。結果144ポイントでアントネッティに次ぐシーズン5位、これは
レーシングチームとしての経験値などを考えるとある意味アントネッティ以上に驚異
的な数字と言える。総合評価がアントネッティを上回ったゆえんだ。

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F1では名門フェラ〇リを常勝軍団に育て上げたファン・ドットは
新参チームを”戦う集団”としてまとめ上げた。今季はタイトルを狙う。

とはいえチーム監督にはファン・ドット、マネージャーにボス・グラウンとF1を含
めこの業界の酸いも甘いも噛分けた2人がいたことが、このチームを“ごく普通の新
参チーム”ならざる存在たらしめた要因か。今季は2ndシートにゾルタン・ゲラを
迎えることが決定。将来性のアントネッティに対し、マルドゥークは“今すぐにでも
タイトルを獲りに行ける”体制となった。マルドゥークは今季、トップチームたちに
とっての大きな脅威になるだろう。

●ガジャック・ルルーシュ・スポール  評価・・・

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ドライバーとしては目が出なかったイワン・ガジャックだが
率いたチームは、準備不足でのエントリーにも関わらずそこ
そこの力を見せた。今季は躍進なるか?

昨季、期限ギリギリで駆け込みエントリーを果たしたガジャックは、3チームの中で
最も苦労したチームだ。しかし、F1など他カテゴリに置き換えて考えてみれば、こ
れでも健闘したと言って差し支えないだろう。所属ドライバーは2人ともそれぞれ1
度表彰台に上がっており、カレッジに至っては第16戦日本での雨の予選でPPも獲
得している。入賞回数で言えばタンデイが3回、カレッジが5回と少ないが系47ポ
イントはシーズン13位。新規参戦ながら既存チームのアルバノビッチとプルトンを
上回って見せた。チームはオーナーのイワン・ガジャックはじめ主要スタッフ全員を
フランス人で固めた“オールフレンチ”体制、シャシー、エンジン、はてはタイヤま
でも全てをトリコロールで染め抜いての参戦だった。しかしエンジンをピジョンにし
たのは誤りだったか。現状エンジン開発競争で成果の上がっていないピジョン勢は苦
戦しており、ガジャックも例外ではなかった。またチームも旧F1ルルーシュチーム
の首脳陣で組織したとはいえ、駆け込みエントリーだったこともありNeXXチーム
の運営に対して充分な準備が出来ていなかったことが、苦戦の要因になっていること
は明白だ。今季は開幕まで十分に時間があり余裕をもって準備できる。そしてカレッ
ジを手放しはしたものの、F1からティモシー・ルーツェンという期待の若手を獲得。
今季は躍進が見られるか?


今季、アントネッティやマルドゥークはさらに強固な体制づくりに着手、現実的にタ
イトルを狙える位置まで来ている。ガジャックは他2チームにやや水をあけられた格
好だが、充分な準備期間を経た今季は巻き返しが期待される。今季の3チームの躍進
に期待して開幕を待とう。

 

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■NeXX Topix


◇現行シャシーラストイヤーへ向けて
        シャシーサプライヤー2社の3rdシーズンモデルがお披露目!!

FNOは1月12日、3rdシーズンとそれ以降の運営体制や様々な計画についての
発表を行い、今季3rdシーズンをもって最後となるシグマテック、レラ両メーカー
の現行最終型シャシーのお披露目をおこなった。現在のシャシーは両メーカーが初年
度に投入した初期型にアップデートやリファインを加えながら使用され、来季デンプ
シーの参入を受けて既存2メーカーが新型を投入するため、今季が使用最終年となる。
お披露目されたシャシー名はシグマテックが『S-TEC01X/C』、レラは『R
NX-01/03』と発表され、それぞれ大きなアップデートを施してきたことが外
観からすでに見て取れた。

<シグマテック・S-TEC01X/C>

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全長:4935mm
全幅:1780mm
ホイールベース:2995mm

今回はシグマテック、レラともにレギュレーションの既定値いっぱいに合わせリアウ
ィングの形状をこれまでのものよりも大きなものへ変更してきたため、それぞれ全長
が15mm延伸された。リアウィングのメインウイング前端は後方車軸から450m
m後方まで後退し、メインウィングは大型化。メインウイングとフラップは中央部が
やや膨らんだ形状をしており、リアウィングで発生させるダウンフォース量を増大さ
せることを企図した形状となっている。全幅は既定値いっぱいのため昨季型と変更は
なし、リアウィングの後退に伴いホイールベースを25mm拡大した。
そしてシグマテックの今季型の大きな特徴は、トレードマークともいえるリアタイヤ
カバー部。昨季型は後輪へ向けサイドポンツーンが末広がり形状で、ボディ上面の気
流はリアタイヤの上を通るように、ボディ両側面下部周りの気流はサイドポンツーン
下部の溝を通ってリアタイヤの外側へと誘導されるような形状だった。しかし今季型
リアタイヤカバーはそのまま残しつつ、サイドポンツーンはコークボトルフォルム
で後方へ絞り込んできた。リアタイヤカバーとサイドポンツーンの間には空気の通り
道を設けディフューザー上面、そして大型化したリアウィングへと気流を誘っている。
サイドポンツーンのエアインテーク付近には、これまでのバージボードに加えブリッ
ジ状の整流板を追加。これが今回刷新したボディ側面の気流をリアエンドへ導くため
の入り口となっている。


<レラ・RNX-01/03>

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全長:5070mm
全幅:1745mm
ホイールベース:3025mm

レラはリアウィング形状変更によって全長が10mm延伸した分、バランスを取るた
ホイールベースを15mm拡大させた。シグマテック、レラともに本当に微調整の
レベルだが、大型化させたリアウィングとのバランスを取るためには必要な調整だっ
た。またリアウィングについてはシグマテックよりも一歩踏み込んだアプローチをし
ており、翼端板のメインウィングより下の位置にスリットを入れ、スリットの下部は
内側に角度をつけて絞り込ませるような形状にしてきた。これは翼端板まで導かれた
気流を、最後まで剥離させずに車体後方に流す工夫だ。他に目立つアップデートと言
えばフロントタイヤ後部とリアタイヤ前部に追加された大型フィン、そしてサイドポ
ッド入り口の二重の整流板だろう。二重の整流板の一つはカウル内部に効率よく空気
を取り込むもの、そしてその外側に新設されたもう一つはサイドポンツーン側面に当
たる気流を剥離させないためのものだ。フロントタイヤ後部の大型フィンで気流をボ
ディ側面に導き、リアタイヤ前部の大型フィンでディフューザー後端上面へと流す。
そうしてボディ周りに流す気流の流量とのバランスを調整する為、サイドポッド前部
に設置されたヴェンチュリ効果を狙ったエアトンネルは小型化された。またフロント
ノーズ上面、ハロの支柱手前に小さなサブウィングを追加するなど、細かい工夫が見
られる。

ほかにも2社ともにリアウィングの形状変更に合わせ、シャークフィンの形状にも変
更を加えたりハロの形状も微妙に変えてきたりと、アップデート・リファインに余念
がない。果たして今季はどのようなパフォーマンスを見せるのだろうか?


◇FNOが4thシーズンの暫定カレンダーを発表!!

FNOは1月12日に大々的な発表会を行い、今季の改良型シャシーのお披露目など
と合わせて今季の正式なカレンダー、そして来季4thシーズンの暫定カレンダーの
発表を行った。今季のカレンダーは開催サーキットが変わるGPがあるものの、基本
的には昨季と同じ。カレンダー発表では主に4thシーズンのスケジューリングが話
題となった。

<3rdシーズン公式カレンダー>

 開幕戦 オーストラリアGP  サーファーズパラダイス市街地
 第2戦 インドネシアGP   セントール
   <ポール・リカール合同テスト>
 第3戦 ドバイGP      ドバイ・オートドローム
 第4戦 ブラジルGP     サンパウロ市街地
 第5戦 メキシコGP     エルマノス・ロドリゲス
   <エストリル合同テスト>
 第6戦 イギリスGP     ブランズハッチ
 第7戦 フランスGP     ポール・リカール 
 第8戦 イタリアGP     イモラ
 第9戦 オランダGP     アッセン
第10戦 スウェーデンGP   アンデルストープ
第11戦 チェコGP      ブルノ
   <ホッケンハイム合同テスト>
第12戦 ルーマニアGP    ブカレストリンク
第13戦 アゼルバンジャンGP バクー市街地
第14戦 タイGP       チャーン
第15戦 マカオGP      ギア市街地
第16戦 日本GP       小樽市街地
第17戦 カナダGP      エキシビジョンプレイス市街地
第18戦 アメリカGP     インディアナポリス・GPコース


<4thシーズン暫定カレンダー>

 開幕戦 オーストラリアGP  サーファーズパラダイス市街地
 第2戦 インドネシアGP   セントール
   <ポール・リカール合同テスト>
 第3戦 ドバイGP      モーターシティ市街地
 第4戦 ブラジルGP     サンパウロ市街地
 第5戦 メキシコGP     エルマノス・ロドリゲス
   <エストリル合同テスト>
 第6戦 イギリスGP     ブランズハッチ
 第7戦 フランスGP     ポール・リカール
 第8戦 イタリアGP     ムジェロ
 第9戦 ドイツGP      ホッケンハイム
第10戦 オランダGP     アッセン
第11戦 ルーマニアGP    ブカレストリンク
   <ホッケンハイム合同テスト>
第12戦 デンマークGP    コペンハーゲン市街地
第13戦 スェーデンGP    アンデルストープ
第14戦 カザフスタンGP   ソコル
第15戦 マカオGP      ギア市街地
第16戦 日本GP       小樽市街地
第17戦 カナダGP      エキシビジョンプレイス市街地
第18戦 アメリカGP     インディアナポリス・GPコース


□ついにドイツGPが待望のカレンダーイン!
                 ルーマニアではなくチェコとの隔年開催へ!!

発表された4thシーズンのカレンダーで、集まった関係者が一様に首を傾げた個所
があった。それはドイツGPとルーマニアGPが同一カレンダー内に存在しているこ
とだ。当初ドイツGPはルーマニアGPとの隔年開催になると見られていた。シュト
ロゼックのロムニ・ダキア買収がその根拠で、シュトロゼックはのちのちロムニ・ダ
キアを完全買収しドイツGPも毎年のレギュラー開催にすることを目論んでいると大
方のメディアは見ている。そのためゆくゆくはロムニ・ダキアのホームGPであるル
ーマニアがカレンダーから押し出されると見られていた。しかしこの暫定カレンダー
を見ると、どうやらその推測は正しくなかったようだ。では代わりに4thのカレン
ダーから外れたのはどこか? それがチェコGPだ。ドイツGPは今後当面のあいだ
チェコGPとの隔年開催になることがFNOから発表された。

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ついにNeXXのカレンダー入りを果たしたドイツGPはホッケンハイム(写真左)での隔年開催。
そのドイツとの隔年となるのはブルノ(写真右)で行われるチェコGPだった。開催権料の高騰が
隔年開催の理由というチェコGPは、このままカレンダーから外れてしまうのか?

チェコGPは初年度、2ndと連続してGPを開催し3rdにもカレンダーイン、興
行収入実績も好調で今後も毎年の継続開催になると見られていた。しかしネックにな
ったのが開催権料だという。現在噂にあがっているだけでもNeXXの誘致活動をし
ている国はモロッコニュージーランド、トルコ、シンガポールなどいくつかある。
競合が多くなると影響を受けるのが開催権料で、チェコGPの主催者側はこのままだ
と毎年のレギュラー開催は難しいという判断を下した。そこに隔年開催の提案を持ち
込んだのがドイツGPだったという。NeXXの開催権料高騰問題が影響を及ぼした
のはチェコだけではなく、今季まで第14戦にカレンダーインしているタイGPも、
当初の5年契約を2年残しての開催打ち切りとなっている。
何にせよ市街地での超高速バトルが見られると人気のルーマニアが、レギュラー開催
継続となったことは喜ばしいことだ。しかし逆にNeXXで最も追い抜きのしにくい
低速テクニカルコースのブルノが毎年見られないのはやや寂しい限り。先にも挙げた
ようにNeXX開催を希望している国はほかにいくつもある。今後もまた頻繁にカレ
ンダーの書き換えが行われるだろう。
ひとまずドイツGPは4thシーズンから、F1でもお馴染みの“新しきオールドコ
ーズ”ホッケンハイムで行われる。


□ドバイに続きコペンハーゲンも、暫定コースレイアウトを公表!!

これまで噂にあがっていたデンマークGPが4thシーズンの暫定カレンダーとして
発表されたことに合わせ、FNOは昨年末に公開した『ドバイ市街地コース』の仮レ
イアウトに続き、『コペンハーゲン市街地コース』の仮レイアウトも公開した。昨季
の終盤に降って涌いたかの如く唐突に浮上した話だったが、早くも4thシーズンの
暫定カレンダーに名前が載るほど計画は具体的に進行していたようだ。
公開されたレイアウト図はデンマークGP組織委員会から提出されたもので、そこに
FNO側が求めるいくつかの修正を加え、FNOの開催基準に準拠させた形となると
いう。発表会見を行ったFNOのマネージングディレクター、ハーディー・フラッシ
ュによればその修正はほんのわずかなものだという。

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組織委員会から提出された”コペンハーゲン市街地コース”のレイアウト。確かに
フラッシュのいう通り、全長5kmを超えるコースとしては極端にコーナー数が
少ない。仮設縁石によるシケインの追加などが修正策か?

「先に話した通り、私はデイトン(・ビル運営統括部長)と二人で既に何度かコペン
ハーゲンを訪れ、組織委員会の面々と話している。デンマークGPは元々F1の開催
を想定した計画だからね、開催計画についてはほぼ問題ないレベルだったよ。あとは
コースレイアウトだ。このレイアウトはヘルマ〇・テ〇ルケによってデザインされた
ものだ。コースのロケーションとしては非常によく考えられているよ、コペンハーゲ
ンのランドマークの多くがレイアウトに取り入れられている。クリスチャンスボー城
や王立図書館なんかがね。ドライバーはまるでお伽話のような、とても美しい景観の
中を走ることになるだろう。あとは一つ二つどこかに修正を加えてGPサーキットに
したい。これをデザインしたティ〇ケは、どうしたら退屈さを吹き飛ばせるかを考え
ていたんだろう。今のままではあまりにも全開区間が長すぎる。あと1、2か所低速
コーナーを加えたいね、まあここは最終的に技術委員会が判断を下すことになるだろ
う。」と話した。
「私は、いや私だけではない、NeXXの関係者のみんながデンマークGPに大きな
期待を寄せている。デンマークはドイツやポーランドベネルクスにも近いし北には
スカンジナビア各国がある。欧州のどこからだって来られるんだよ。欧州でも市街地
レースは数少ないし、開催されれば大盛況はまちがいないだろうね。」と語るフラッ
シュ。デンマークGPに寄せる期待の大きさは我々メディアやファンも一緒だ。4t
hシーズンのNeXXは今以上に華々しいものとなるだろう。

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写真左はクリスチャンスボー城デンマーク政府や王室の迎賓館として使われ、国会議事堂や内閣府
最高裁判所なども置かれる。また”ブラックダイヤモンド”と呼ばれる王立図書館の新館(写真右)は近代
的な建築で、ライトアップされた夜の外観はまさに二つ名に相応しい景観を誇る。歴史的な景観と新しさ
が混在した美しい街、それが『北欧のパリ』コペンハーゲンだ。


インドネシアGPは5thシーズンが最後?
               6thシーズンから第2戦はマレーシアGPに??

現在第2戦として行われているインドネシアGPだが、将来的には近隣の他国に取っ
て代わられるかもしれない。現在“東南アジア枠”として開催されているインドネシ
アだが、インドネシアGPもまた主催者側が開催権料の高騰に頭を抱えているようだ。
またセントールサーキットの施設老朽化も大きな問題のひとつで、改修費用プラス開
催権料の支払いが主催者側にとって大きな負担になることから、契約最終年である5
thシーズンで開催を打ち切るのではとの噂がある。さらに6th以降この第2戦に
はマレーシアがカレンダーインするのではないかとも囁かれている。
インドネシアは現在ASEAN最大の自動車市場であり、EVやバイオディーゼル
といったいわゆる『環境車』の普及を推進している。またお隣のマレーシアのチーム
プルトンがNeXXに参戦していることでインドネシアGPには隣国マレーシアのフ
ァンも大挙して詰め掛ける。インドネシアとマレーシアは何かと仲の悪さが指摘され
るが、レースシーンにおいてはファンや関係者共々皆比較的仲良くしているようだ。
また実はNeXX発足当初からマレーシアも開催地候補に挙がっており、FNOと現
地主催者側との話し合いも何度か持たれていたらしい。しかし、舞台となるセパン・
インターナショナル・サーキットも9年にわたるF1開催で施設の一部が老朽化、N
eXXの開催基準、そして安全基準に準拠させるためには大規模な改修工事が必要で
インドネシアに先を越されたという経緯がある。
しかし、NeXXに参戦するプルトンは本来自国マレーシアでの開催を望んでおり、
現在改修中のセパンの工事が終わり次第NeXXマレーシアGPの誘致に乗り出す構
えのようだ。

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5thシーズンでひとまず契約を打ち切ると見られているセントール(写真左)。大規模改修工事が
間もなく終わりそうなセパン(写真右)に、”東南アジア枠”を明け渡すことが濃厚だ。


また、第2戦に入るのは開幕戦の舞台オーストラリアからほど近いニュージーランド
ではないかとの噂もあるが、第14戦タイが4thのカレンダーから外れるという現
在の状況では、FNOが東南アジアでの開催を完全に無くすことは考えにくいと見る
向きもある。またニュージーランドは早い段階から誘致に動いていたものの、主催者
側が開催資金の調達に苦労している状況が伝えられており、近い将来での開催は難し
いと見られている。
こういった状況を踏まえると、6thシーズン以降の第2戦はセパンでのマレーシア
GPになる可能性が高い。前半戦随一の高速サーキット、セントールでのレースが見
られなくなるのは残念な限りだ。しかし来季第3戦の舞台としてカレンダーに加わる
予定の『ドバイ・モーターシティ』はなかなかの高速レイアウト、セパンとの釣り合
いは取れそうだ。

 

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■PADDOCK PRESS


ロンバルディア、エンジンサプライヤーとして正式にNeXX参戦発表!
                   新たなサプライヤーはイタリアからも!!

かねてからNeXX参入の噂が挙がっていたカナダの重工業コングロマリット、ロン
バルディアがついに正式にNeXX参戦を表明した。4thシーズンからはなんと、
北欧に本拠を置くノルディックチームにパワーユニットを独占供給するという。また
時を同じくして、小型スポーツカーを中心に販売するイタリアの自動車メーカー、ガ
ヤルドもNeXXへの参入を表明。こちらは4thシーズンから同郷のリナルディに
パワーユニットを独占供給する。
ロンバルディアの参戦が正式発表されたのは年明けの1月5日、モントリオールにあ
る本社で会見を開き社長であるフェリック・ラーテル氏自らNeXXへのエンジンサ
プライヤーとしての参入を発表した。ラーテル社長は会見で「我々は新しい挑戦を始
めます。それは我々にとって大きな意味と価値を持ち社会に大きなイノベーション
もたらすものとして、我々が挑戦する意義のあることです。我々はFormula
NeXXteamの為のパワーユニットの開発に着手します。それは今後我々が持続
可能な社会を、より強固な構造で構築発展させてゆくために重要なことです。我々は
いちモビリティ企業として、この技術が人類社会の持続可能性に大きく寄与するもの
と信じ、また自社の技術発展のためにもNeXXへの参戦を決定しました。」と語り
パワーユニット開発は今後、自社の航空機やレクリエーションモービル開発のための
技術に転用できると、参戦のメリットを語った。
驚いたのはその供給先だ。会見の途中で進行役に促され姿を現したのはミコ・ハンク
ネンとチチ・ソルベルグの二人。つまりロンバルディアパワーユニットの供給先と
してノルディックチームと契約を結んだのだ。ラーテル社長に促され話し始めたのは
珍しく、ノルディックのチーム監督ハンクネンだった。
「我々はこの世界的な重工業企業であるロンバルディア社と、4thシーズン以降の
パワーユニット供給契約を締結したことを大きな喜びをもってここに報告します。4
thシーズンからパワーユニットを変えるということは我々にとって大きな挑戦です。
そしてロンバルディアがNeXXに参入することも大きな挑戦でしょう。我々は新た
な挑戦を共有し、NeXXを共に戦います。」と語り契約締結の喜びを表わした。N
eXX最強エンジンと謳われるスプレンダーと今季で離別するノルディック。彼らの
新たな挑戦は少なからずリスクを孕んでいるが果たして・・・。ノルディック側から
の正式な発表は、1月下旬に予定されている体制発表会でなされる模様。
一方でイタリアからも、エンジンサプライヤーの新規参入の報が届いた。自動車メー
カー、ガヤルドがリナルディとのパートナーシップで4thからNeXXに参入する
という。リナルディは本拠地ファエンツァのチーム施設でガヤルド側と会談を持ち、
4thからの供給で合意に達したとガゼッタ紙やコリエレ紙といった国内各スポーツ
紙が伝えている。

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ついに参入を正式表明したロンバルディア(写真左)の供給先は、驚きのノルディック。両者にとって大きな
挑戦となる。またイタリアからはガヤルド(写真中央)がリナルディと組んでの参入を表明。695(写真右)は、高度の改造で国際レースを席捲し『ピッコロモンスター』と称されたガヤルドの代表的な存在。

ガヤルドは1949年に設立の老舗。フ〇アット車をベースにチューンナップしたレ
ーシングカーで、当時のレースシーンを席捲したメーカー(というよりも当時はチュ
ーナーだった)だ。現在ではフィ〇ット参加に入り、伊・仏メーカーを中心とする多
国籍自動車製造企業テスランティスの子会社となっている。日本でも人気の〇ィアッ
ト500(チンクエチェント)をベースに、ガヤルドがチューンナップを施した59
ガヤルド、695ガヤルドや、マ〇ダ・ロードス〇ーとコンポーネンツを同じくす
るライトウェイト・オープンスポーツ、124ガヤルドなどが人気を集めている。
テスランティスはイタリアのフィア〇ト・クライス〇ー・オートモービルと、フラン
スのグループPSAの折半出資で設立、既にNeXXに参戦しているフランスのピジ
ョンも実はこのグループ企業である。
リナルディとガヤルドで行われたファエンツァでのトップ会談は、ガヤルド社のラル
フレード・アルタミラ社長ほかFCA側の人間が数人と、リナルディ側はオーナーで
元F1ドライバーのカルロ・バニラ氏、チームマネージャーの佐々木正史氏などが同
席したということだ。
イタリアのメーカーは総じて水素エンジン車の開発には非積極的な印象だが、フル電
動化についても積極的な印象はなく、そもそも『環境車』というジャンルに対するリ
アクションが薄いところがあり、自動車業界全体においても今後の方向性が注目され
ていた。EU内においては現在も、電気自動車を優遇し普及を図るような国策を取っ
ている国は多いが、例えばイギリスやドイツなどは電動化の“その後”を見ている。
元々水素エンジンに早い段階で可能性を見出していたDMWやアシュトンバーキン
母国であるこれらの国は既に、電気自動車と水素エンジン車のクルマ社会における各
々の適正を見出しており、用途により各々を使い分ける“共存”策に動きつつある。
それに伴い環境車分野では遅れをとっていたイタリアが、導き出した答えの一つが水
素エンジン車の開発だったのだろう。セルバンティスグループにはラマンチアやマテ
ラツィ、アルタミラノといったイタリア車メーカーがあるが、これらの高級志向寄り
のメーカーに先んじてまずは大衆層に近いメーカーであるガヤルドが動いた格好だ。
ロンバルディアガヤルドいずれもパートナーシップを結んだ各チームの体制発表会
で改めての参入表明があるという。これで4thシーズンに参入するエンジンメーカ
ーは、現行の6社に新たな2社が加わり計8社となる。4thシーズン以降はより一
層激化する“パワーユニット戦争”が見られるだろう。今から4thシーズンが楽し
みだ。


◇体制模索中のアルバノビッチ、4thシーズンから
              パワーユニットをアシュトンバーキンにスイッチ!!

メーカーの新規参戦の話題の次は、既存チームのエンジン変更のニュース。新エンジ
ンフォーマットとなる4thシーズンに向けて、これまでの体制を見直すチームが増
えている中で、今季苦戦をしいられたアルバノビッチも4thからエンジンサプライ
ヤーをスイッチすることがわかった。2月頭に予定されている体制発表会を前に、チ
ームマネージャーのニコライ・ボルコフが我々の取材に答え明かした。
アルバノビッチは今季の中盤あたりからいくつかのエンジンメーカーと接触しており
新規参入メーカーも含め新たな可能性を探っていたという。その結果彼らが4th以
降の供給契約を結んだのがアシュトンバーキンだった。
アルバノビッチは昨季、初年度に起用したジョン・オクスレイド=ライアンからロビ
ー・ハーンへとテクニカルディレクターをチェンジ。ハーンを中心とした今後のより
長期的なビジョンでの強化計画を立てており、その中でエンジン契約の見直しも議題
としてあがっていた。アルバノビッチは現在DMWユーザーだが、DMWエンジンは
どちらかというとレラシャシーとの相性が良い。DMWがコンパクトなエンジンで、
トップスピードよりもピックアップ、トルク重視であることがその要因だが、昨季チ
ームのTDハーンはトップスピード重視と言われるシグマテックシャシーへの搭載を
想定した場合、ややパワー不足感のあるDMWではシグマテックのシャシー特性を活
かしきれていないという結論に行きついた。そこで今回のエンジン変更に至ったとい
うわけだ。

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初年度から使用してきたDMWからのエンジンチェンジを決断したアルバノビッチ。しかしヘンジン
チェンジをチームに具申したロビー・ハーンはすでにいない。ロストネルフェイト(写真右)はどの
ようにアシュトンエンジン(写真左)を活かしてゆくか、来季へ向けて準備が進む。

しかし、エンジン変更が妥当との判断を下したハーンはもはやチームにはおらず、今
季からTDに就任したターベイ・ロストネルフェイトがどのような方向性で今後の開
発を進めるかが、大きな問題となってくる。果たしてこのエンジン変更はアルバノビ
ッチにとって吉と出るか凶と出るか。ハーンありきでのエンジン変更だったとするな
ら、そのハーンが既にチームを離脱した今アルバノビッチの策は支離滅裂な様相を呈
してしまっている。果たしてここからアルバノビッチはどう軌道修正をしてゆくのだ
ろうか? ロストネルフェイトは今後、開発においてやや難しいい舵取りを迫られる。
まずは現行パッケージ最終年となる来季をどう戦うのか、注目が集まる。

 

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■Hot Stove League

□ピットブル・エクストリーム・レーシング
 No.12:ニコ・ラムダ(AUT) 
 No. 8:ミシェル・ボナパルト(FRA)

□マーキュリー・レーシング・オーガナイゼーション
 No. 1:アレックス・バトラー(IRL)
 No.21:アリエル・ティルクム(UK)

エヴァー・グラハム・レーシング 
 No. 7:カーティス・マルケーナス(AUS)
 No.10:ジェストン・バロン(UK)

トライアンフ・スクエアジャパン・レーシング
 No.15:日向 俊郎(JPN)
 No.30:ルドルフ・マイネ(GER)

アブラモビッチスタンフォード・レーシング
 No. 5:ジョンブル・チャップマン(UK)
 No. 2:アレン・バーンズ(ASU)

プルトン・オートスポーツ
 No.17:トゥーリ・ヴィックス(EST)
 No.55:メロディ・パトリシア・ノーマン(USA)

□スクーデリア・リナルディ
 No.26:ミケーネ・ポルボローネ(ITA)
 No.34:スティラノ・シエナ(ITA)

□クラークソン&メイ・ハモンド・レーシング
 No.11:デイヴィス・ファング(UK)
 No. 9:ジョリー・セプター(SAF)

□シュトロゼック・ロムニダキア・アウトシュポルト
 No.18:ジャッキー・グーデリアン(USA)
 No.28:バッドアス・バーガー(AUT)

ドラゴンフォース・チャイナレーシング
 No. 0:宋 昇龍(CHI)
 No.33:アレオ・ファーシマス(LUX) 

□ノルディック・モータースポーツ
 No.14:ケリー・ラスムッセン(DEN)
 No.91:ミック・ハイデンフェルド(GER)

□サントス・ロコ・オリベイラ・レーシング
 No.50:アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ(POR)
 No. 3:アンドレアス・サントス・フィリオ(BRA)

アントネッティオートスポーツ
 No.77:アレンザンダー・ロッソ(USA)
 No.16:ファン・カレッジ(FRA)

□マルドゥーク・レーシング・ドバイ
 No.27:ビル・リヴィエール(CAN)
 No. 4:ゾルタン・ゲラ(HUN)

□ガジャック・ルルーシュ・スポール
 No.26:セドリック・タンデイ(FRA)
 No.19:ティモシー・ルーツェン(BEL)

         

◇残留報道から一転、ゲラ電撃移籍!
            グーデリアンとのトレードで衝撃のマルドゥーク入り!!

セプターのクラークソン入りで移籍市場のサプライズは終了したかに見えたが、最後
の最後で大きなどんでん返しが待っていた。当初様々な噂があがりながらもシュトロ
ゼックに残留すると見られていたゾルタン・ゲラの、マルドゥーク移籍がこのほど電
撃的に発表された。マルドゥークは年明け1月4日、ファクトリーのあるリーフィー
ルドで今季の体制発表会を行いゲラ獲得を発表した。
発表会には監督のファン・ドットを始めボス・グラウン、そして今季から加入するテ
クニカルディレクターのロビー・ハーンらチーム首脳が顔を揃え、更にはチームオー
ナーのダムハン殿下も出席した。また今季もNo.1シートに座るビル・リヴィエー
ルとゲラに加え、リカルド・イセクソンとサイード・アルシャハラムという2名のリ
ザーブドライバーも出席。オールキャスト総出の発表会となった。会見で第一声を発
したのはダムハン殿下だった。「本日は我々の体制発表会にお集りいただき誠にあり
がとうございます。我々はまず、我々にとっての2シーズン目を戦うにあたり2人の
新たな戦力を迎えられたことを心より嬉しく思います。我々のチームは今季これによ
り組織の技術力も、戦闘力も大きく進化を遂げることでしょう。これもファン・ドッ
ト監督をはじめチーム全体が同じ方向を向いて1シーズンを戦い通した成果です。こ
こにいるドット監督は就任時私に「3年でタイトルを狙えるチームにする」と言いま
した。そして我々は2年目にして既にそこに近いところにいる。私は今から開幕が待
ちきれません。我々は獲れるものは貪欲に獲りに行く。何もタイトルに手をかけるの
は必ずしも3年目である必要はありません。今季の我々の活躍をご期待下さい。」と
今季への並々ならぬ期待を語った。

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発表会では第一声を発したダムハン殿下(写真左)は、昨季の成績に大いに満足の様子。早くもタイトルとい
う言葉が飛び出す。かと思えばドット監督(写真中央)は自身の「3年で~」という発言を上方修正。2nd
シートにゲラ(写真右)を獲得したチーム首脳はホクホク。当然チームの士気は高い。

続けてマイクを持ったドット監督も「今季我々は昨季以上に皆を驚かせるだろう、そ
の準備は既にできている。今季まず我々は、テクニカルディレクターにロビー。ハー
ンを獲得した。これはチームがタイトルを狙う上で欠かせないピースの一つだった。
私と彼はF1で戦っていたころから“ワンチーム”だった、もちろんボス(・グラウ
ン)も含めてね。私は彼がどういう人間でどういう才能を持っているかを誰よりも熟
知している自負がある、彼も同じだろう。このチーム組織はロビーにとって最も仕事
のしやすい環境だと思うよ。私のわがままも通りやすくなるしね(笑)。ロビーが我
々のオファーに応じてくれたことに心より感謝する。そして、ゾルタン・ゲラはもう
一つの大きなピースだった。彼はこのNeXXにおいて最も計算のできるドライバー
だと私は思っている。だから私が殿下に獲得を望んだんだ。チームとしてタイトルを
獲るには彼のようなドライバーが不可欠だ。ファイティングアーティストのビル(リ
ヴィエール)と仕事人のゾルタンは理想的なパッケージだ。殿下が言った通り、我々
は既にタイトルに手がかかっていると私も思っている。よって私は自身の発言を訂正
しなければならない、我々は「3年でタイトルを狙えるチームになる」のではなく、
「2年でタイトルを獲る」。今季既にその準備は整った。」と、昨季を上回る活躍を
誓うと共に、4thシーズンでのタイトル奪取も公言した。
また、普段は寡黙なことで知られるゲラも、マルドゥーク加入の喜びを次のように語
った。「私のようなドライバーを高く評価してくれたマルドゥークチームに大変感謝
している。私のレースキャリアは別段華のあるものではないし、ここに至る実績にし
ても凡庸そのものだ。トゥドール氏(ロムニ・ダキアオーナー)にフォーミュラカー
に乗らないかと誘われなければ私はここにはいなかっただろう。ロムニ・ダキアで戦
えた2年間と、私をフォーミュラレースに導いてくれたトゥドール氏に心から感謝し
たい。そしてこの2年間があったからこそ、私はこの新進気鋭のマルドゥークチーム
の一員になれた。これは私のレースキャリアにとって最も大きな挑戦だ。このチーム
はデビュー2年目にして既に王座を狙える力を持っている。私は普段からあまり感情
が表に出る方ではないんだが、今日はすこしばかり顔が緩んでいるかもしれないね。
心の底から湧き上がるワクワクを抑えられないんだ(笑)。」と自信が言ったように
普段は言葉少ななハンガリー人が、珍しく饒舌に自身の想いを語った。
ゲラはこれまで今季もシュトロゼックに残留すると見られていた。しかしゲラ獲得を
強く望んだドット監督がダムハン殿下を動かした。ゲラは既にシュトロゼックとの契
約で合意に達していたと見られ、ゲラとの交換トレードでシュトロゼックへ移籍した
グーデリアンもマルドゥークと残留で合意間近と言われていた。しかしドット監督の
強い要望が、この時期になってのサプライズトレードという形で実現した。
しかし、先ごろマルドゥークはアルバノビッチからTDのロビー・ハーンを引き抜い
たことで物議を醸した。今回のゲラ獲得も双方合意間近の状況からのやや強引なドレ
ード劇で、ある種の引き抜きと言えなくもないことから、関係者たちは一様にマルド
ゥークの“やり方”に警戒感を強めている。
ともあれこれでマルドゥークは、参戦2年目ながらタイトルを狙える位置に浮上して
きたのは間違いないだろう。来季、NeXXのパワーバランスは大きく変わってゆく
かも知れない。来季の開幕が今から待ちきれない。


◇ついに全チームの陣容が固まる! 最後まで空いていた
         マーキュリーの2ndシートには昨季途中離脱のティルクム!!

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驚きの人事はここでも!? マーキュリーの2ndシートに座ることに
なったのが昨季途中離脱のティルクム。チームの大きな期待に今季こそ
応えられるだろうか? 他チームの評価は割れている。

2年連続でドライバー王座を獲得したアレックス・バトラーを擁するにも関わらず、
最後の最後まで2ndドライバーが決まらずに奔走していたマーキュリーチームだっ
たが、年が明けてようやくその空きシートに座るドライバーが決定した。昨季途中で
クラークソンを離脱したアリエル・ティルクムと単年契約を結んだ旨が、マーキュリ
ーから発表されたのだ。この発表は年明け1月4日に更新されたマーキュリーのチー
ムサイトで発表されたもので、他の多くのチーム同様1月末ごろに行われる体制発表
会で大々的に発表される。
チャンピオンドライバーを擁するチームの2ndドライバーがこの年明けまで決まら
ずいたことも驚きだが、決定したドライバーが昨季途中離脱したティルクムというの
も驚き。マーキュリー側はチームサイトでの掲載分の中でティルクムがマカオF3を
連覇している若き実力者であること、今季24歳とまだまだ伸びる可能性のある年齢
であること、クラークソンの旧体制下のものである昨季の戦績には全く参考に出来ろ
がないことなどを挙げ、チームとして大きな期待を持ってティルクム獲得したことを
強調している。
しかし、ティルクムに対する評価はNeXX参戦チームでも様々で、トップフォーミ
ュラで通用するか否かは未だ大きく見解が分かれているところだ。いかにチームのサ
ポートが手薄だったとはいえ12戦で6度の予選落ちを喫したことと、モチベーショ
ンを失った後半戦でのレースに臨む態度が各チームの評価を微妙なものにさせている。
また、2ndドライバーのサポート体制ではマルケーナスの流出を招いた昨季のマー
キュリーの体制も決して褒められたものではなく、若いティルクムの才能を活かしき
れるのか疑問の声も。最近のパドックでは実質“中規模プライベーター”とでも呼ぶ
べき運営体制のマーキュリーでは、チームがバトラーに注力する分No.2は旧体制
下のクラークソンよろしく冷遇されるとも囁かれている。
それにここまで2ndドライバーの決定がズレ込んだ揚げ句に、獲得したドライバー
が昨季途中離脱したティルクムという決定には、どうしても“間に合わせ”感が拭え
ない。昨季はバトラーの連覇とあわせ、チームタイトルの獲得も目標として掲げてい
たマーキュリー。しかし結果昨季は後半戦、実質チームに“ネグレクト”されたマル
ケーナスは失速し、チームタイトルには手が届かなかった。
マーキュリーはまずチャンピオンドライバーを擁するチームとして、チーム体制の強
化に動くべきだと指摘する声もパドックにはある。要するにチームの“格”をあげる
ためにお金を使うべきという意見で、これに賛同する関係者は少なくはないのだ。は
たして来季バトラーとティルクムのラインナップで、マーキュリーはタイトルに手が
届くのか? 来季のマーキュリーと、そしてティルクムの戦いぶりに注目したい。

              

次号はいよいよ開幕直前号だ。準備万端の15チームの今季体制、そして今季の展望
をお伝えしたい。では次号もご期待ください!!