☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

Formula NeXXtream 2ndシーズン・12

『Formula NeXXtream 2nd』
□第12戦 ルーマニア ブカレストリンク

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 1周:3.07km
 特性:「高速」「市街地」
 ターン数:25(99周)

NeXX2ndシーズンもついに終盤戦にさしかかり、昨季タイトルを逃したラム
ダのリードで迎えた選手権。第12戦の舞台は、第6戦から続いてきたヨーロッパ
ラウンドの最終戦、そしてヨーロッパラウンド唯一の市街地戦、ルーマニアGPだ。
舞台となるブカレストリンクは、ルーマニアの首都であり文化と経済の中心都市で
あるブカレストの市街地に敷設されたストリートコース。ドナウ川支流、トゥンボ
ヴィツァ川のほとりの街ブカレストにある、『国民の館』と呼ばれる国会議事堂の
周りを周回するレイアウトだ。1周3.07kmのショートトラックは、『国民の
館』を囲む3本の幹線道路を使用。コーナーといえば三つ角にある交差点と、途中
中央分離帯を利用した3つのレーンチェンジングシケインの他はゆるやかなカー
ブしかなく、非常にアベレージスピードの高いストップアンドゴーのハイスピード
ストリートトラックだ。2008年に一度行われたイギリスF3でのラップレコー
ドが1:13:361だったが、昨季のNeXXではラムダが0:51:624と
1分を大きく切るラップを記録。今季は50秒を切るのではと噂されている。
今季の選手権はここまで序盤戦絶好調だったバトラーが独走するかに思われたが、
ヨーロッパラウンドに入ってのバトラーは走りに精彩を欠き、逆にヨーロッパラウ
ンドに入って息を吹き返したラムダが18ポイントリードで第12戦を迎える。
ラムダは昨季ここでポールトゥウィンを飾っており、終盤戦の猛チャージへと繋げ
たが今季はどうか? 対するバトラーは前戦チェコで5位入賞したものの、第7戦
以降入賞は2度のみ、表彰台0回と悪い流れは払しょくできずにいる。3位のファ
ングとは29ポイント差あるものの、展開次第では2レースで逆転されてしまいか
ねないポイント差だ。
とはいえ今季もラムダvsバトラーが主役の図式は変わらず、そこにファングや昨
季もタイトルを争ったラスムッセン、そして日向や新参リヴィエールなども巻き込
んで激しい争いとなったタイトル戦線。そして前戦チェコで「欧州低速ラウンド」
3連戦が終わり、新たな流れに突入してゆく選手権終盤戦は何が起こるかわからな
い。果たしてこのルーマニアGPが終わった時点で、タイトル争いの行方はどうな
ってるだろうか? レースは思いもよらぬ大混乱の展開となった。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ジャッキー・グーデリアン(マルドゥーク)
前戦チェコではリナルディのシエナがPPを獲得するサプライズがあったが、今回
も予想外といえば予想外の人間がグリッド最前列に名を連ねた。新参マルドゥーク
グーデリアンだ。アメリカンモータースポーツ出身のグーデリアンは、高速サー
キットと市街地戦が得意。低速ラウンドが終わり、舞台が高速トラックに変わった
とたんに水を得た魚のように躍動した。2番手にラムダ、3番手にバトラーを従え
て堂々の初PP獲得だ。さらに4番手にファング、5番手にラスムッセンと選手権
を睨む面々も追随する。そして、今季ここまで参戦ドライバーで唯一のノーポイン
トで、来季戦力外の噂も出ているトライアンフのカジワラが6番手に食い込む。ス
トリートファイターの異名をとる市街地の名手が、実力の片鱗を見せた。
7番手以降はマルケーナス、ティルクム、カブロン、バーンズ、そしてマイネと来
季の去就が不透明な面々が好ポジションにつける。マイネはこのレースを最後にリ
ザーブ降格、そしてティルクムに至ってはこのレース限りでクラークソンを去るこ
とが決まっている。来季のシート確保のためにもここで良いところを見せたい。
ここ数戦の走りで期待されたリヴィエールは16番手と中団グループ、また開幕戦
以降なかなか2勝目を挙げられていないロッソも18番手。そして前戦で今季初勝
利をあげた日向が21番手と後方に沈む。また地元チームのロムニ・ダキア勢はフ
ァーシマス14番手、そしてゲラが25番手と苦戦。スウェーデンで表彰台に登っ
たカレッジが最後尾に沈んだ。
今回の予選落ちはバロン、ヴィックス、ポルボローネ、セプターの4台。この中で
来季の去就が微妙な状態なのがセプターだ。昨季は抜群の入賞率と安定感を見せた
が今季は大苦戦。今季2度目となるこの予選落ちは、はたしてセプターの今後にど
う影響するか?


<決勝レース>
終始うす曇りで展開した予選セッションだったが、決勝はセミウェットでのスター
トとなった。スタート前に軽いシャワーがあり、その後も小雨が降り続く状態。こ
れで予選での使用済みタイヤの消化義務はなくなり、全車インターミディエイトで
のスタートとなる。雨の苦手なグーデリアンにとっては、せっかくのPPが台無し
。対する3番手のバトラーには願ったり叶ったりの展開。4番手のファングも雨は
大得意。果たしてレースはどんな展開になるか?

◆タイヤチョイス
 全車インターミディエイト選択

 使用済みタイヤの使用義務リセット

PPのグーデリアンは案の定スタートで立ち遅れる、2番手ラムダもスローな立ち
上がり。対して3番手のバトラーは水を得た魚のような動きで飛び出し、4番手の
ファングもそれに続く。結果2列目の二人がポジションをあげトップにバトラー、
2番手にPPのグーデリアン、3番手ファング、ラムダは4番手へ後退する。
中段ではこのレースでクラークソンを去るティルクムが、マルケーナスをかわして
7番手にポジションアップ、雨の中のスタートだったが大きな混乱はなくレースは
スタートした。

スタートでトップに立ったバトラーは、ここ数戦の停滞を振り払うように快調なペ
ースでトップをゆく。逆にPPスタートをフイにしたグーデリアンは、バトラーの
ペースについてゆけず2ターン目にはファングにかわされ、さらにラムダにもポジ
ションを明け渡す。後方ではスタートで1つポジションアップしたティルクムにト
ラブル発生。ギアボックスからのオイル漏れで満足にペースを上げられない。後方
では、こちらも雨での速さに定評のある12番手スタートのサントス・フィリオが
躍動。マイネ、バーンズをかわして9番手に浮上、ポジションを3つ上げる。この
レースを最後に今シーズンのNeXXからフェードアウトするティルクム、マイネ
にとっては苦しい展開だ。

トップのバトラーは快調、2番手に浮上したファングはついてゆけず徐々に差が拡
がってゆく。3番手ラムダは無理に追わず様子見の状態だ。逆に4番手に浮上した
ラスムッセンに後ろからつつかれる。
3ターン目、ティルクムがピットインしマシンを停める。ギアボックスからのオイ
ル漏れは深刻で、レース続行を断念。今季最後のレース、そして久々の決勝レース
だったがあっさりとリタイヤしてしまった。

今後の天候変化を読みながらひとまず様子見の状態だったラムダだが、後ろのラス
ムッセンは雨が得意。4ターン目にはラスムッセンがラムダをかわして3番手に浮
上する。昨季は2勝をあげ、最後までタイトル争いに関わったラスムッセンも今季
は開幕戦の3位表彰台が最高位。なんとかここで良いところを見せたい。その後ろ
ではPPスタートのグーデリアンがズルズルと後退。なんと6番手スタートのカジ
ワラにもかわされてゆく。逆に今季いまだノーポイントのカジワラは、千載一遇の
チャンスだ。

レースは5ターン目、雨は2ターン目に止んでおりコースには既にレコードライン
が浮いている状態。そろそろ全車インターミディでは厳しいコンディションだ。大
きなリードを築いたバトラーは、ややペースを抑えドライタイヤへの交換のタイミ
ングを計る。後方の連中も無用なバトルは避け、各々タイヤ交換のタイミングを見
計らう。後方では21番手スタートの日向が猛チャージ、なんと13番手まで浮上
していた。

★5ターン終了時のトップ10
 1.アレックス・バトラー
 2.デイヴィス・ファング
 3.ケリー・ラスムッセン
 4.ニコ・ラムダ
 5.ジョー・S・カジワラ
 6.ジャッキー・グーデリアン
 7.カーティス・マルケーナス
 8.アンドレアス・サントス・フィリオ
 9.アレン・バーンズ
10.アレンザンダー・カブロン

6ターン目、各車いよいよドライタイヤへの交換を図る。トップのバトラーを皮切
りに各車続々ピットイン。バトラーはハードへスイッチし2番手でコースイン、3
番手ラスムッセンもハード、ラムダはソフトでコースインした。上位勢ではファン
グが1ターン引っ張り7ターン目にソフトへ交換、そして後方の日向を先にピット
インさせたトライアンフはカジワラを1周ステイアウトさせた。しかし先にピット
に入れた日向のタイヤの交換に、トライアンフクルーが手間取る。21番手から1
3番手まで浮上した日向だったが、これで18番手まで後退してしまう。

ドライにスイッチしてもバトラーのペースは落ちず、ファングのピットインで再び
トップに立ち徐々に後続を引き離してゆく。後ろでは3、4番手を争うラムダ、ラ
スムッセン、5、6番手を争うカジワラとグーデリアンがデッドヒートを展開。そ
してソフトを履いて俄然ペースのいいラムダが、8ターン目にラスムッセン、9タ
ーン目にはファングを追い落とし2番手浮上。ラムダは最速ラップをマークしなが
らバトラーを追う。

中団では大きく順位変動が起こる。15番手スタートのハイデンフェルドが最速ラ
ップを塗り替え、前を行くロッソを追い落として10番手浮上。ロッソも18番手
スタートでポイント圏目前におり、逆にブレーキトラブルを抱えたチャップマン、
そしてティルクムと同じくギアボックスのオイル漏れが発生したマイネが、ずるず
ると後退。マイネも今季最後となるレースを飾れそうにない。そして9ターン目、
ブレーキに異常を訴えたチャップマンがピットイン、クルーも応急処置を試みたが
そのままマシンを停めリタイヤとなってしまった。

そうこうしているうちに、なんと上空からは再び雨が降り始める。雨雲は切れ間な
ブカレスト上空を覆っている状態。しかし雨は降ったりやんだりと、ぐずついた
天候は先が読めない。この先のタイヤチョイスが勝敗を分けるカギだ。はたして各
車どのような選択を下すのか?

11ターン目には再び雨がレコードラインを覆い隠す。そんななかバトラーはひと
まずスリックでレースを続けるが、2番手ラムダは速い判断でピットイン。丁度ガ
ケを迎えていたソフトタイヤから、再びインターミディへ交換しコース復帰する。
ファングもひとまずステイアウト、この時点で2番手に復帰する。後続はラスムッ
センをはじめ上位勢が全員ピットイン、インターミディへと交換する。
霧のような雨は徐々に路面を濡らす、路面は黒く染まってきているが、まだインタ
ーミディ勢とスリック勢のタイム差は大きくない。バトラー、ファングは懸命にマ
シンをコントロールしながら濡れた路面と格闘。対するインターミディ勢も前のス
リック勢二人を追い詰めるには至らない。中団ではサントス・フィリオがカジワラ
をかわして6番手に浮上。得意の雨での躍進を目指す。
そして中団ではもう一人、スリックで戦うドライバーがいた。日向である。一時は
タイヤ交換で18番手まで後退していたが12ターン目には12番手に浮上。「雨
の日向」の面目躍如、一躍ポイント圏内浮上を狙う。

そんな中ここでついにアクシデント発生。日向のうしろロッソに宋が追抜きを仕掛
けたところで宋がスピン、ロッソと後続のバーンズを巻き込んだ多重クラッシュが
発生してしまう。接触した3台はそろってそのままリタイヤ、レースはセーフティ
カーが出動する展開となる。事故の当事者認定された宋には、次戦1戦の出場停止
処分が下された。

ピットオープンとなった14ターン目、トップのバトラーは天候回復を見込んでハ
ードのままステイアウト。しかし2番手ファングはソフトタイヤにガケが来ていた
こともあり、チーム判断でピットイン。インターミディへとスイッチする。これが
2人の勝敗を大きく分けることになる。他の連中はぐずついた天候を未だ読み切れ
ず交換なし。そして中団で一人スリックで粘る日向も、タイヤ交換を見送った。

レースは15ターン目にリスタート。バトラーはリスタートを決めるも、ファング
のピットインで2番手に浮上したラムダはここでもやや立ち遅れ、後続のラスムッ
センに2番手を奪われる。タイヤ交換で8番手まで後退したファングは、2つポジ
ションをあげ、6番手浮上。さらに中団のスリック勢日向は、リスタートでデ・ラ
ンジェリスをかわして10番手浮上。ついに21番手からポイント圏内まで進出を
はたす。そして雨はまたもこのターンでピタリと止み、路面はレコードラインが浮
きはじめた。このままいけばスリックで粘り切ったバトラーと日向には俄然有利に
働く展開となるが、はたして再度の降雨はあるか? レースは終盤戦へと入ってゆ
く。

★15ターン終了時のトップ10
1.アレックス・バトラー
 2.ケリー・ラスムッセン
 3.ニコ・ラムダ
 4.ジャッキー・グーデリアン
 5.アンドレアス・サントス・フィリオ
 6.デイヴィス・ファング
 7.ジョー・S・カジワラ
 8.アレンザンダー・カブロン
 9.ミック・ハイデンフェルド
10.日向 俊郎

16ターン目、トップが入れ替わる。スリックで粘っていたバトラーに、インター
ミディエイトでステイしたラスムッセンがしかけトップに。濡れた路面を巧みに選
んでファステストを記録。同じく3番手のラムダも再度の降雨に備えインターミデ
ィでステイアウトしていた。グーデリアンはここで再度ドライへ交換のためピット
イン。後続もドライに換えるものとインターミディでステイアウトするもの分かれ
たが、インターミディを履いた面々の多くはもう少し引っ張り、残りをスリックの
ソフトで走り切る作戦へと切り替えていた。

トップに立ったラスムッセンだが、17ターン目にはスリックの方がタイムが速い
路面状態となる。バトラーが仕切りに前をうかがうが、ラスムッセンも簡単にはい
かせない。そしてラスムッセンと同じくインターミディでステイアウトのラムダが
限界の近いタイヤでバトラーとの差を詰めにかかる。
後方ではカブロン、そして16番手スタートのハイデンフェルドが入賞圏内に浮上。
かわりに6番手スタートのカジワラが後退、そしてドライタイヤにスイッチしたグ
ーデリアンは前の混戦に塞がれ10番手と停滞していた。

18ターン目になっても、ラスムッセンはバトラーを封じ込め続ける。3番手のラ
ムダがバトラーに追いすがるも、ラムダのインターミディも既に限界。ペースが上
がらない。4番手までポジションを戻したファングもインターミディ勢、最後にソ
フトへ交換するまでは様子見だ。そしてこのあたりから、インターミディでステイ
アウトしていた面々が続々スリックへ交換し始める。久々に5番手と上位でレース
を展開するサントス・フィリオ、カブロン、カジワラ、デ・ランジェリスといった
入賞圏付近の連中は、軒並みソフトへ換装して最後のスティントを戦う。レースは
残りわずか、再度の降雨が来てもスリックで乗り切る肚だ。

そして19ターン目、ここまでバトラーを抑え込んでいたトップのラスムッセン
ついにピットイン。ソフトへ交換するが、ピット作業にやや手間取りやや離れた2
番手、ラムダのすぐ前にピットアウトしてしまう。ここからラスムッセンとラムダ
の壮絶な2番手争いが、フィニッシュまで続いてゆく。
20ターン目にはラムダがラスムッセンをかわして2番手を奪い返す。しかしその
後ろではソフトへ交換したもののタイヤに熱が入らないファングが、ペースを上げ
られずにいた。

21ターン目、ついに途中のハーフウェットを利してハードタイヤを15ターン引
っ張ったバトラーが、このレース2度目にして最後のピットイン。フレッシュソフ
トへ交換しトップでコースインしたバトラーが、ここから猛プッシュでペースアッ
プ、ラムダ、ラスムッセンとの差をぐんぐん引き離してゆく。ラスムッセンのタイ
ヤは既にガケが来ており、バトラーを追うに至らない。4番手に浮上していたサン
トス・フィリオのタイヤにもガケ、さすがのヴァシュロンソフト勢も、フルグリッ
プで飛ばすバトラーを捕えきれず、その差を拡げられてゆく。
サントス・フィリオは逆に、ようやくタイヤが作動温度に達したファングにかわさ
れ5番手後退、ファングはようやく4番手までリカバリーしてきていた。

24ターン目には、セーフティリードを築いたバトラーはクルージングに入る。し
かし後ろではついにラムダのタイヤにもガケ、足元の条件的にイーブンとなったラ
スムッセンが、ラムダを捕え土壇場で2番手に浮上する。この2番手争いは最後ま
バチバチだ。しかしラスムッセンのタイヤはこのターンが限界、最終ターンには
どうなるか?
5番手に落ちたたサントス・フィリオのタイヤもそろそろ限界、後ろのハイデンフ
ェルドがかわして5番手に浮上する。さらにバトラー同様降雨の時間帯をスリック
でやり過ごし、1ピット節約に成功した日向が入賞圏内まで浮上。PPスタートの
グーデリアンをかわしてついに7番手に浮上してきた。日向は21番手からのビッ
グムーバー、対するグーデリアンは完全に天候に振り回されPPをフイにした。

レースは結局、雨をスリックでやりすごし他より少ないピットストップで走り切っ
たバトラーが、2位にマージン5の大差をつける圧勝。第6戦イギリス以来久々の
3勝目、「雨のバトラー」の面目躍如といった圧巻のレース運びでタイトル争いに
踏みとどまった。
最後まで激しい2位争いを演じたラムダとラスムッセンだったが、最終ターンにタ
イヤにガケが来たラムダがポジションキープを選択。ラスムッセンが開幕戦以来2
度目、こちらも久々の表彰台に登った。ラムダは堅実に3位をキープ、そして4位
にはなんだかんだでファングが入り、いわゆる昨季の「トップ4」が上位を独占し
た。5位にはサントス・フィリオ、6位はハイデンフェルド、ともに第6戦イギリ
ス以来久々のポイントゲット、そして7位には21番手スタートの日向が入り、相
変わらずのビッグムーバーぶりを発揮。
8位には連続入賞のリンドホルム、遅まきながら復調気配だ。10位のカブロンは
ようやく今季2度目の入賞。そしてPPスタートながら終始天候変化に振り回され
グーデリアンは最終的に9位に終わった。

ドライバーズ選手権はこれでトップのラムダの144ポイントに対し、バトラーが
136ポイントとその差8まで縮まった。ファングも107と踏みとどまり望みを
つなぐ。そして久々の2位表彰台で83ポイントとしたラスムッセンがランキング
4位に浮上。辛うじてタイトル争いに踏みとどまった。以下日向が80ポイント、
そしてリヴィエールとロッソが79ポイントで続く。
ヨーロッパ以前まで好調だったバトラーが復調の兆し、そしてヨーロッパラウンド
に入って息を吹き返したラムダが、やや息切れ気味。そしてここにきてラスムッセ
ン、日向といった伏兵がようやく追撃を開始した。ラムダvsバトラーの図式は変
わらずもここにきて終盤戦、やはり混戦模様へと雪崩こむ予感だ。

一方チームタイトルはやはりピットブルとマーキュリーの一騎打ちの様相だ。ノル
ディックが123ポイントで3位に浮上も、トップ2はピットブルが202ポイン
ト、そしてマーキュリーが182ポイントとこの2チームが頭抜けている。
そしてトップ2のポイント差はわずか20ポイントだ。残り6戦、マーキュリーの
逆転の可能性は十分ある。

次戦から舞台はヨーロッパを離れ、ユーラシア大陸を縦断するアジアラウンドへと
突入。そして、残り6戦中5戦が市街地と、コース特性もヨーロッパラウンドと大
きく変わってくる。これからの6戦、1戦1戦目が離せない。はたして誰が王座へ
と近づけるのか?


最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦からはヨーロッパを離れるNeXX、第13戦は異国情緒漂うカスピ海西岸の
都市、バクー市街地で行われるアゼルバイジャンGPだ。F1と同様のレイアウト
を使用し、直線と直角ターンで構成される新市街地区間と、入り組んだ狭い町並み
を通る旧市街地区間、全く性格の違う2セクションを持つ難所だ。終盤戦に突入し
激化する選手権、激しい戦いとなること必至だ。こうご期待!!

 

 

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・11

『Formula NeXXtream 2nd』
□第11戦 チェコ ブルノサーキット

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 1周:5.40km
 特性:「低速」「常設」
 ターン数:25(56周)

前戦、雨のアンデルストープでは、新鋭のリヴィエールがNeXX初優勝を飾った
第10戦スウェーデンGP。それからわずか1週間後に開催されたるのが東欧での
2連戦初戦、チェコGPだ。第9戦から始まった『欧州低速ラウンド』3連戦の最
後の舞台は、1987年開設のアウトモトドローム・ブルノ、通称『マサリク・サ
ーキット』で行われる。
チェコ建国の父の名を冠したこのサーキットは、チェコ第2の都市ブルノ郊外の深
い森の中にある右回りのテクニカルトラック。コーナー数は14と多くはないもの
の、その全てが90度以上回り込むコーナーで構成され、中低速コーナーの切り返
しを500mにも満たないショートストレートで繋いだセクションが繰り返し続く
超低速レイアウト。NeXXのカレンダー中最もアベレージスピードの低い、いわ
ゆる『ミッキーマウスサーキット』だ。
「アウトモトドローム」の名の通り、もともと2輪のレースを想定して敷設された
サーキットだが、将来的なF1の誘致を念頭においても設計されているため、コー
ス幅が広い。しかし直線が短くスピードが乗らない状態でコーナーへアプローチす
るため、やはり4輪での追い抜きは非常に困難なサーキットだ。コースは全体で7
3.63mもの高低差があり、テクニカルなレイアウトと相まってこのコースを難
所足らしめている。
選手権はと言えば、ポイントリーダーのラムダは前戦7位入賞で129ポイントと
したのに対し、首位奪還を狙うバトラーはまさかのリタイヤでノーポイント。10
1ポイントで前戦を終えたバトラーは、トップのラムダに28ポイント差をつけら
れてしまった。3位のファングも同じくリタイヤで、95ポイントと現状維持。激
化するタイトル争いはしかし、上位を占めるシグマテック勢が最も苦手とする低速
トラックが舞台。果たしてタイトル争いの行方はどうなるのか? 低速コースが得
意のレラ勢の巻き返しがあるのか? レースは意外な展開に!!


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:スティラノ・シエナ(リナルディ)
予選PPを獲得したのはなんと、リナルディのシエナだった。今季はリナルディが
絶好調、第8戦イタリアでのポルボローネの初優勝に続いて、シエナはチームに初
PPをプレゼントした。F1では伝統のモナコGPで、フロントローを獲得したこ
ともある実力者のシエナ。全セッションを通じて速さを見せたシエナはQ2、Q3
でトップタイムをマークし堂々のパフォーマンスでPPを獲得した。
2番手につけたのはアブラモビッチのチャップマン、低速トラックが苦手なパッケ
ージでのフロントロー。豪快に見えて実は低速コースが得意のチャップマン、今季
4度目のシングルグリッドにつけた。そして3番手につけたのが昨年のチェコGP
の覇者日向、4番手には開幕戦の覇者ロッソがつけ、いつもとは違う顔ぶれが上位
を占めた。3列目にはともに今季放出の可能性が高いマイネとファーシマス、7番
手には低迷するプルトンのヴィックスがつけた。
一方でポイントリーダーのラムダは13番手、それを追うバトラーとファングの2
人はそれぞれ16、17番手と中段以下に沈む。また前戦で初優勝を飾ったリヴィ
エールも、連勝を期待されながら予選アタックに失敗し18番手に沈んだ。17番
手のセプターは、前戦下されペナルティ裁定のため5グリッド降格の22番手。低
速コースでの活躍が期待されたゲラも23番手に沈む。そして前戦で初表彰台に登
ったカレッジが最後尾、驚異の新人も今回は我慢のレースを強いられるかっこうと
なった。
今回予選落ちとなった4台はマルケーナス、宋、デ・ランジェリス、ティルクム。
宋以外の3人はいずれも、来季のシートが危ぶまれている面々だ。しかもティルク
ムについてはチェコGPのパドックで、第13戦からソリスと交代しリザーブへ降
格となることがチームから発表されており、これで5戦連続予選落ちという不名誉
な記録を残し今季のNeXXを去ることが決まってしまった。


<決勝レース>
中低速コーナーが連続するレイアウトで、左コーナーでそのままストレートへ抜け
るというのが軽いコーナーのターン3とヘアピン状のターン8の二つしか無く、左
側に大きく負担がかかりタイヤが片減りしやすいため、ヴァシュロン勢はバトラー
を除く全車がハードをチョイス。一方で耐久性にアドバンテージのあるヨコスカ勢
は、7割がソフトをチョイス。レースを通しての戦略としても、ヴァシュロン勢の
ほとんどがハード×2、ソフト×1なのに対し、ヨコスカ勢はハード×1、ソフト
×2での2ストップ作戦を採ると見られた。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
N.ラムダ      A.カブロン     
R.マイネ       S.シエナ 
M.ポルボローネ    J.セプター 
Z.ゲラ
A.ファーシマス 
K.ラスムッセン 
M.ハイデンフェルド
A.ラ・ポルタ
A.フィリオ 
A.ロッソ 
D.リンドホルム
B.リヴィエール
J.グーデリアン 
C.タンデイ 
J.カレッジ

◆SOFT
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
A.バトラー      A.バーンズ
            J.バロン 
            日向 俊郎 
            J.カジワラ
            J.チャップマン
            T.ヴィックス 
            D.ファング

=ユーズドタイヤ

初めてのPPスタートとなったシエナだが、スタートはややもたつく。これ
に乗じて先頭に立ったのが2番手スタートのチャップマン。レースは序盤か
らチャップマンが引っ張る展開で進む。
シエナは3番手日向に並ばれるも、意地で守り切り1コーナーへ2番手で侵
入。ホームストレートが短いため、スタートでの上位陣の大きな順位変動は
それほどなかった。しかし中段では、14番手浮スタートのラスムッセン
3ポジションアップし11番手、バトラーも1つポジションをあげていた。

スタートを失敗し2番手に後退したシエナは、2ターン目に早くもペースダ
ウン。シエナはスタートから燃料圧力低下のトラブルを抱えていた。後方で
は6番手スタートのファーシマスがマイネをオーバーテイク、さらにマイネ
はバーンズにもかわされズルズルと後退してゆく。一方14番手スタートの
ラスムッセンは前を行くリンドホルム、サントス・フィリオを次々とかわし
9番手に浮上する。また選手権を争うラムダとバトラーは中段で激突、バト
ラーがラムダをかわし、3ターン目には入賞圏内に浮上してくる。

燃圧低下でペースを上げられないシエナは、日向にも先行をゆるし3番手に
後退。さらに4番手ロッソに追抜きを仕掛けられたシエナは単独スピン、そ
のままエスケープの奥にマシンを停めたシエナはマシンを降りリタイヤ。初
PPスタートのレースを序盤で終えた。
中段ではファーシマスのペースが上がらない、ファーシマスは右リアタイヤ
がスローパンクチャに見舞われていた。これに乗じてバーンズが4番手に浮
上する。バトラーに後れを取ったラムダ、リンドホルムをかわして12番手
に浮上する。しかしさらに前を狙いサントス・フィリオに仕掛けた際にまさ
かの接触、マシンにダメージはなかったもののやや立ち遅れてしまう。接触
相手のサントス・フィリオは大きくポジションを落としてしまった。

トップ争いはチャップマンを日向が追う展開、日向もプッシュするが低速コ
ースが得意のチャップマンは徐々に差を離しにかかる。日向を追うロッソは
バーンズに追いつかれ、激しい3番手争いを展開。
後ろではタイヤに問題を抱えていたファーシマスが予定外のピットイン、タ
イヤ交換で大きく後退。その隙に14番手スタートのラスムッセンが、なん
と6番手まで浮上していた。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ジョンブル・チャップマン
 2.日向 俊郎
 3.アレン・バーンズ
 4.アレンザンダー・ロッソ
 5.トゥーリ・ヴィックス
 6.ケリー・ラスムッセン
 7.ルドルフ・マイネ
 8.アレックス・バトラー
 9.ニコ・ラムダ
10.セドリック・タンデイ

トップ3は一定のマージンを保ったまま、チャップマン、日向、は後方に差
を詰めさせない。しかし3番手争いは接近戦、ロッソがバーンズの前をうか
がうが、バーンズも簡単には行かせない。一方で今日は絶好調、14番手ス
タートのラスムッセンは、抜きどころの少ないコースでも次々とオーバーテ
イクを決め、なんとこの段階で5番手に浮上していた。
レースはいよいよヨコスカのソフト勢が最初のタイヤ交換時期を迎える。し
かしトップをゆく新品ソフトのチャップマンはステイアウト、2番手の日向
はユーズドだがまだ入らない。ステイアウトの日向はすでにタイヤが限界、
3番手のバーンズにすぐ後ろまで詰められる。

そして8ターン目、トップを行くチャップマンがピットイン。しかしユーズ
ドソフトの2番手日向はもう1周ステイアウト。日向は後ろのバーンズと接
近戦を繰り広げていたが、そこにチャップマンがピットアウト。チャップマ
ンは日向とバーンズの間の2番手に割って入る。
後方では息を吹き返したバトラーが前を目指していたが、抜きどころのない
コースに苦戦。前を行くラスムッセンをかわせず7番手にいた。そして一時
は後方に置き去りにされたかに見えたラムダが、バトラーの直後までにじり
寄って来ていた。

後方では多重接触発生。24、25番手争いのカレッジとセプターが接触
後方のラポルタも巻き込んだアクシデントは各車小さくないダメージを被っ
てしまう。
9ターン目、最初のユーズドソフトを限界超まで引っ張った日向がピットイ
ン。新品ソフトに繋いで出てゆく。日向はこの時点でオールソフトでの2ス
トップ作戦へ戦略を切り替えていた。後続のバーンズも同時期にピットイン、
こちらはソフトからユーズドハードへと換装して出てゆく。そうこうしてい
る間に2番手に上がったロッソがペースアップ、ハードタイヤでペースの上
がらないトップのチャップマンに次第に追いついてくる。

後方では7番手のバトラーも最初のピットイン。ソフトからユーズドハード
へと交換したバトラー、チームも会心の作業でコースへと送り出す。
一方で後方22番手走行のカブロンのタイヤがバースト、コースアウトしグ
ラベルに捕まったカブロンはそのままリタイヤしてしまう。タイヤに厳しい
サーキットが、耐久性が売りのヨコスカタイヤに牙を剥く。
また、前ターンで多重接触をおこしたセプター、カレッジ、ラポルタも各々
マシンのダメージが大きく、ピットでマシンを停めレースからリタイヤした。

トップ争いは10ターン目も白熱、チャップマンの背後に迫ったロッソがし
きりに前をうかがうが、チャップマンも簡単には行かせない。新品ハードで
スタートしたロッソのタイヤも「ガケ」を迎えるが、チャップマンと変わら
ないペースで追撃する。そして3番手の日向は温まり切らないタイヤで、ス
テイアウトのラムダにかわされ4番手に後退。ラムダはこれで3番手、ポイ
ントリーダーが流石の強かさを発揮する。
そうこうしている間に、中段のヴァシュロンハード勢が続々ピットイン。リ
ヴィエール、タンデイ、リンドホルムといった入賞圏内勢はそれぞれ2セッ
ト目のハードへと繋ぎ、最後のスティントはソフトにかける。

そして12ターン目、ここまでステイアウトしていたロッソ、ラムダがつい
にピットイン。2台ともユースドハードからハードへ交換してコースに出て
ゆく。13ターン目上位はトップにチャップマン、2番手ロッソ、3番手日
向で展開してゆく。その後ろはヴィックス、バトラー、バーンズ、ラスムッ
センが接近戦を展開している。そして、やや数珠繋ぎの隊列に業を煮やした
か、その後ろにいたラムダが動く。14ターン目にラスムッセンをかわしに
かかるがしかし、なんとラムダとラスムッセン接触。前にいたバーンズに
接触し多重事故発生。コース上にパーツが散乱し、ここでこのレースで初
めてセーフティカーが出動する。

ピットオープンとなった14ターン目には、ラスムッセンとラムダが応急修
理のためピットイン。リアウィングとカウルを交換したラスムッセンは20
番手、フロントセクションとブレーキポッドに応急処置を施したラムダは最
後尾まで後退する。一方バーンズのダメージは軽度で、そのままコース上に
ステイした。

15ターン目にはレースはリスタート。そしてここでついにトップが入れ替
わる。リスタートでダッシュのつかないチャップマンのハナをロッソが叩き
ついにここでロッソがトップに立つ。その後ろではバトラーがジャンプスタ
ート、ポジションを2つ挙げ4番手まで浮上する。
しかしここでまたもトラブル発生、後方でポルボローネがマシンから派手に
白煙を上げストップする。カムイエンジンが音を上げブローアップ、リスタ
ートラップでまたもセーフティカー出動となってしまう。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレンザンダー・ロッソ
 2.ジョンブル・チャップマン
 3.日向 俊郎
 4.アレックス・バトラー
 5.トゥーリ・ヴィックス
 6.アレン・バーンズ
 7.ニコ・ラムダ
 8.ビル・リヴィエール
 9.セドリック・タンデイ
10.デイヴィス・リンドホルム

ピットオープンの17ターン目、バトラーとヨコスカ上位勢は皆ピットイン。
全車ソフトへ換装し最後のスティントに挑む。一方ラストスティントをソフ
トにかけるヴァシュロン勢は、まだタイミングが早すぎる。バトラ―以外は
全員ステイアウトした。
18ターンには2度目のリスタート。概ね大きな順位変動はなかったが、こ
こでジャンプスタートを見せたのが日向。タイヤ交換で9番手まで後退して
いたが、見事なジャンプスタートで6番手に浮上していた。

2度のセーフティカーでタイヤを温存できたトップのロッソは、ユーズドハ
ードからソフトへ繋ぎ、ラストスティントにもソフトを持ってくる算段で1
9ターン目もステイアウト。その後方ではペースの上がらないチャップマン
を日向が補足、ついに日向が2番手に浮上する。そして20ターン目にはト
ップのロッソが最後のピットイン。後方ではタンデイ、リヴィエールもピッ
トイン。これでコース上ほぼすべてのマシンが、予定のタイヤ交換をこなし
ラストスティントへ向かう。
これによりレースのラップリーダーはついに、3番手スタートの日向に。今
季ここまで未勝利の昨年の同レース覇者が、ついに今季初めてリードラップ
を刻む。これで20ターン終了時点でのトップ5はトップ日向、2番手チャ
ップマン、3番手ロッソ、4番手タンデイ、そして5番手ヴィックスと、予
想外の面々が名を連ねる。はたして勝者は?

21ターン目にはロッソがチャップマンをかわして2番手浮上。ハイグリッ
プのヴァシュロンソフトを履くロッソには、チャップマンも太刀打ちできず
敢え無く後退。後ろではバトラーがマイネをかわし6番手に浮上、ラムダが
後方に沈んでいる今回は、なんとしても上位入賞で差を詰めたいところ。
そんななか後方でスピンを喫するマシンが・・・。中盤の接触で応急処置を
施したラムダだったが、マシンバランスが悪く単独スピンを喫してしまった。
ラムダはアンダーパネルにもダメージを負ってしまい、最終的にはピットに
マシンを停めリタイヤしてしまう。ラムダはポイントリーダーとしては、痛
いノーポイントでレースを終えた。

日向がトップで最終盤に入ったレースだが、ここにきて日向が猛プッシュ。
ロッソの追随を許さない。そして3番手争いで動き、タンデイがチャップマ
ンをかわして3番手に浮上する。チャップマンはついに表彰台圏外に脱落、
代わって3番手に浮上のタンデイ、前戦のカレッジに続きガジャック2度目
の表彰台なるか? 24ターン目に入っても日向のペースは衰えない。後続
のロッソ、タンデイはペースを抑えポジションキープへと切り替えた。

レースは終盤の猛プッシュで大きなセーフティリードを築いた日向が優勝、
イマイチ精彩を欠いていた今季だが初優勝を飾った。これで日本人としてフ
ォーミュラの世界選手権3勝目。改めて「最速の日本人」の実力を世界に知
らしめた。
2位には開幕戦の覇者ロッソが入った。これで今季4度目の表彰台で、リヴ
ィエールと並んで選手権4位に再浮上してきた。そして3位にはタンデイが
入った。前戦のカレッジに続いてガジャックに2度目の表彰台をプレゼント
だ。そしてレース前半をトップで引っ張ったチャップマンは4位入賞、惜し
くも表彰台を逃したものの、そのポテンシャルは十分に見せつけた。さらに
5番手にはここ数戦不振の只中にあったバトラーが入った。ライバルのラム
ダがノーポイントで終わったレースで10ポイントを確保、選手権ポイント
差を18まで縮めた。6位のリヴィエールはこれで6戦連続入賞、7位のリ
ンドホルムはようやく今季2度目の入賞だ。また同僚のカブロンが苦戦する
中、ヴィックスが8位で今季3度目の入賞。9位にはマイネ、マシンにダメ
ージを抱えながら走り切ったバーンズがかろうじて10位入賞で1ポイント
を獲得した。

これでドライバーズ選手権は、ノーポイントに終わったラムダとの差をバト
ラーが18ポイント差まで縮めた。3位のファングがノーポイントに終わり
ロッソが2位入賞でリヴィエールと並んで4位タイ、そして今回の優勝で日
向が74ポイント6位まで浮上してきた。
チームタイトルはピットブルが187に対し、マーキュリーが157とその
差はちょうど30ポイント。やはり3位以下の追い上げはなく、チームタイ
トルの行方は上位2チームに絞られた。

選手権は残り7戦、ラムダのリードは18ポイントだが、この差は明らかに
セーフティリードではない。しかもここにきてラムダに不運が降りかかり、
また流れがバトラーへ傾きそうな雰囲気がある。そしてここからの7戦中市
街地が4戦と、ストリートコースが得意なバトラーに有利なカレンダー。は
たして終盤へと入ってゆくチャンピオンシップ、タイトルの行方はどちらに
転ぶか? はたまた3位以下のドライバーにまだチャンスはあるか? 今後
の展開から目が離せない!!


最終リザルト↓↓↓

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Winner:日向 俊郎(トライアンフ

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦は正真正銘『ヨーロッパラウンド』最終戦ドナウ川支流の街ブカレス
トで開催されるルーマニアGPだ。ルーマニアの国会議事堂である『国民の
館』を周回するハイスピードストリートトラックは、ロムニ・ダキアチーム
のホームレース。選手権も佳境に入り、盛り上がること必至だ。
こうご期待!!

 

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・10

『Formula NeXXtream 2nd』
□第10戦 スウェーデン アンデルストープサーキット

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 1周:4.03km
 特性:「低速」「常設」
 ターン数:25(76周)

前戦第9戦オランダで前半戦が終了、いよいよ選手権の折り返しを迎えたN
eXX。オランダではラムダが今季3勝目をあげ、ついにランキングでバト
ラーを逆転。19ポイント差をつけてラムダが首位に立ち、悲願のタイトル
へ向けていい形で前半戦を折り返した。対するバトラーはかろうじて2位を
堅守。しかし3位のファングが6ポイント差で迫っており、依然選手権は混
戦であることに変わりはない。そんな状態で迎えるのが第10戦スウェーデ
ンGPだ。
森の中のサーキット、アンデルストープは全長4.03kmのショートトラ
ック。長く異常に幅の広いホームストレートを有するが、それ以外は大きく
回り込む180度コーナーと、改修後に設けられたシケインで構成され全体
的な速度域は低い。起伏のない平坦なコースだが、コース後半の路面は舗装
が古くミューが低いため滑りやすい。かつて1973年から1978年まで
の5年間F1が開催され、ティ○ルの6輪車やブ○バムのファンカーなど、
当時の名車が疾走したオールドコースだ。
昨季はアブラモビッチのロッソがシーズン初優勝をあげ、王者となったバト
ラーはPPスタートで2位フィニッシュしたスウェーデン。昨季同様今季も
カレンダーの第10戦として開催されるこのレース、今季はどのような展開
になるのだろうか?

 

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
PPは4戦ぶりにラムダが獲得、なんとラムダは今季10戦で5度目のPP
を獲得した。昨季は低速コースで苦戦したピットブルのパッケージだが、マ
シンの熟成が進んだことと、予選方式が変更されたことでラムダの戦略性が
いかんなく発揮され、今季のラムダは予選番長の様相を呈している。
そして驚いたのが2番手のカレッジだ。PQ以降ソフトタイヤを温存したカ
レッジは、ハードタイヤでQ1、Q2と有力勢と遜色ないタイムを記録し、
Q3で満を持してソフトでアタック。見事フロントローをゲットした。3番
手にはマイネが健闘、4番手には荒法師チャップマンがつけた。そしてここ
2戦連続して表彰台に上がっているリヴィエールが5番手、地元レースとな
るノルディックはハイデンフェルドが6番手につけた。ノルディックは8番
手にラスムッセンがつけ、地元レースで意気上がる。9番手には2戦連続で
シングルグリッドの宋、そしてここ数戦好調を維持しているグーデリアン
10番手につけた。マルドゥークは3戦連続のW入賞なるか?
一方ここにきてもまだ悪い流れを払しょくできない、前年王者のバトラーは
13番手スタート。今回はファングも15番手と中段に埋もれた。そしてマ
ケーナスが18番手。マーキュリー勢は今回も望み薄な予選結果となって
しまった。また低速トラックが得意な日本期待の日向だったが、Q1アタッ
クを失敗し23番手、昨年の覇者ロッソもQ1敗退で24番手と沈んだ。
今回は低速ラウンドで苦戦するSLOが2台とも予選落ち、さらにデ・ラン
ジェリスとティルクムが予選落ち。なかでもティルクムは、度重なる予選落
ちでチームとの関係もギクシャク。チームのサポート体制にティルクムが不
満を漏らしているとの情報も伝えられ、シーズン中の解雇、もしくは移籍が
決定的と噂される。はたして今後どうなるのか?


<決勝レース>
レースウィークは一貫してどんよりとした雲がサーキットを覆い、くもりの
予選セッションに続き決勝は雨。ウェットレースが宣言された。これにより
レースでのユーズドタイヤ使用義務は無効化され、全車ウェットタイヤを装
着してのスタート。雨雲が付近一帯を覆って居座っており、天候の回復は見
込めないため終始ウェットでのレースとなることがほぼ確定的だった。

◆タイヤチョイス
 全車ウェットタイヤ

PPのラムダはややスローな立ち上がり、このハナを叩いたのがフロントロ
ー2番手のカレッジ。なんとラムダを抑え、ルーキーのカレッジがスタート
でトップに立つ。7番手スタートのバーンズも5番手にジャンプアップする
ロケットスタートを決めた。一方4番手のチャップマンは立ち往生、スロッ
トルオンと同時に電気系がすべてダウンしてしまい、1cmも動けずにリタ
イヤ。4番手スタートをフイにしてしまう。さらには10番手スタートのグ
ーデリアンも一瞬立ち往生、直後に動き出したものの大きくポジションを落
としてしまう。原因はギアの一時的なスタックだった。

トップに立ったルーキー、カレッジは快調に飛ばす。ラムダは無理に追わず
2番手、逆に3番手マイネはやや水をあけられる。4番手リヴィエールがこ
のスキをつきマイネをオーバーテイク、リヴィエールが3位に浮上する。マ
イネの直後にはすでに、ロケットスタートを決めたバーンズがつけていた。
中段ではラスムッセンがチームメイトのハイデンフェルドをかわして6番手
浮上。そして宋にもかわされたハイデンフェルドは、ズルズルと8番手まで
後退する。

さらに一つでも前に行きたい13番手スタートのバトラーは、中段でリンド
ホルムをかわして10番手浮上。前のセプターを射程にとらえ、オーバーテ
イクをしかけた際にアクシデント発生。ブロックを仕掛けたセプターにバト
ラーが接触、ハイデンフェルド、宋、リンドホルムといった前後集団もろと
も巻き込む大クラッシュを引き起こし、セーフティカーが出動する。
当事者のセプター、バトラー、そして前後を走行していたハイデンフェルド
宋、リンドホルムは巻き添えを食う形で多重接触の被害者となり、一瞬にし
て計5台がコース上から消えた。事故当事者認定を受けたセプターは、次戦
5グリッド降格のペナルティを科せられてしまった。

レースは4ターン目にリスタート。リスタートは各車慎重に決め、大きなア
クシデントはなし。各車それぞれ大きなポジション変動まないまま、ウェッ
トコンディションのレースは中盤戦に入ってゆく。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ファン・カレッジ
 2.ニコ・ラムダ
 3.ビル・リヴィエール
 4.ルドルフ・マイネ
 5.ケリー・ラスムッセン
 6.アレン・バーンズ
 7.アレンザンダー・カブロン
 8.ジェストン・バロン
 9.ジャッキー・グーデリアン
10.デイヴィス・ファング

中盤に差し掛かってもカレッジは好調、そぼ降る雨のなか快調なペースでト
ップをゆく。一方ペースを抑えて走るラムダは、3番手のリヴィエールとテ
イルトゥノーズ。その後方ではラスムッセンがマイネをかわし4番手浮上、
雨の得意な連中がにわかに活気づいてくる。
7ターン目に入っても上位陣のバトルは膠着。リヴィエールは度々ラムダの
前をうかがうも、ラムダも巧みなブロックラインで前へ行かせない。逆にリ
ヴィエールのすぐ後ろまで迫ってきたラスムッセンが、リヴィエールの前を
うかがう。2位グループは一進一退だ。

そんな中、13番手スタートで6番手まで浮上していたカブロンが、突然の
ペースダウン。リアウィングのDRSが故障し、フラップが開いたまま戻ら
なくなってしまっていた。ダウンフォースを著しく失ったカブロンはバーン
ズ、グーデリアン、バロンと次々にかわされズルズルと後退。そしてすぐ後
ろには、雨を利して13番手に浮上した、23番手スタートの日向が迫って
いた。

8ターン目、トップ争いに動き。3番手リヴィエールがついに、ラムダの前
に出た。さらに差なく続いていたラスムッセンも、ラムダをかわす。雨をも
のともしない3人のファイターが、ポイントリーダーを追い落とした格好だ。
後方では18番手スタートのマルケーナスが、バーンズをかわして9番手に
浮上。19番手スタートのシエナが10番手、そして23番手スタートの日
向が11番手へとジャンプアップしていた。対照的に雨の苦手なグーデリア
ンはズルズルと後退、苦しい状況に追い込まれた。

雨を利して快調に飛ばすトップのカレッジだったが、ここで突然のペースダ
ウン、一瞬ラップタイムが大きく落ち込む。走行中にギヤがスタックしたよ
うだ。これを見逃さなかった2番手リヴィエール、カレッジを追抜いて13
ターン目トップに立つ。カレッジはなんとかラスムッセンの前2番手で踏み
とどまるも、メカニカルトラブルでトップを明け渡してしまう。
後方では5番手以下が接近戦を展開、ペースが上がらないながら後方を抑え
ていたマイネがついに陥落。16番手スタートのバロンが、5番手に浮上し
ていた。
そんな中後方でアクシデント、8番手争いのマルケーナスvsファング、追
抜きをしかけたファングが痛恨の単独スピン。マシンは無傷だったものの、
グラベルに捕まったファングはそのままリタイヤとなった。今季2位4度の
ファングもなかなか勝てない。

先頭に立ったリヴィエールは、まさに水を得た魚のようにペースを上げ始め
る。カレッジは2番手を死守するものの、リヴィエールにはジリジリ離され
てゆく。そして15ターン目にはラスムッセンにかわされ3位後退。初優勝
へ向けて快走していたが、ここにきて優勝はおろか表彰台もあやしい雲行き
だ。PPスタートのラムダは4番手で静観、しかし5番手のバロンがペース
アップしラムダのすぐ背後まで迫っていた。

★15ターン終了時のトップ10
 1.ビル・リヴィエール
 2.ケリー・ラスムッセン
 3.ファン・カレッジ
 4.ニコ・ラムダ
 5.ジェストン・バロン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ルドルフ・マイネ
 8.日向 俊郎
 9.アレン・バーンズ
10.アレンザンダー・ロッソ

トップのリヴィエールのペースは衰えない。2番手に浮上したラスムッセン
だが、リヴィエールを追える程のペースではなく、カレッジに度々つつかれ
る。逆にカレッジのうしろラムダも、カレッジのスキをうかがう。一方3番
手スタートもズルズル後退してゆくマイネ、ついに日向にかわされ8番手に
後退。それにしても日向は23番手から驚異の追い上げだ。しかし日向に続
いてマイネをかわそうとしたロッソは、バランスを崩して単独スピン。こち
らもグラベルの餌食となりリタイヤ、開幕戦の覇者も精彩を欠くレースが続
く。

レースは18ターンと終盤戦に突入、ここまでくると先頭のリヴィエールは
ややペースを落としリスクマネジメント。しかし後方ラスムッセンとカレッ
ジは追う気満々でプッシュを続ける。後方では5番手走行のバロンがマルケ
ーナス、日向に次々とかわされ7番手後退。
レースはここまで雨の得意な面々に有利に働いたが、ここにきて突然雲が切
れ始める。19ターン目には降雨がピタリと止み、雲の切れ間から青空が見
え始めた。これにより各チームピットはにわかにざわつき始める。

レースは残り8ターンとすでに終盤、雨は止んだ。路面はやや乾きつつある
が、雨雲はまだサーキット上空に居座っている。はたしてタイヤを変えるべ
きか・・・ 各チーム決断をくだせずにいる状況でアクシデントが発生。7
番手のバーンズが単独スピンを喫してしまう。バーンズのマシンはウォール
にぶつかり、中破してコース上でストップ。これによりここにきてこのレー
ス2度目のセーフティカー出動となる。なんというタイミング・・・

そしてセーフティカーの出動とともに、サーキットには再び雨粒が落ちてき
た。空には晴れ間も見える中の天気雨状態、のこり5ターンでの降雨は全チ
ームにインターミディエイトへの交換を決断させた。
21ターン目、ピットオープン時に全車タイヤ交換。タイヤ交換後のトップ
10は以下のようになった↓↓↓

 1.ビル・リヴィエール
 2.ファン・カレッジ
 3.ケリー・ラスムッセン
 4.日向 俊郎
 5.カーティス・マルケーナス
 6.ニコ・ラムダ
 7.ジェストン・バロン
 8.スティラノ・シエナ
 9.ルドルフ・マイネ
10.ミケーネ・ポルボローネ

22ターン目レースはリスタート、リヴィエールが良いリスタートを決める
がカレッジも離されずについてゆく。しかし3番手ラスムッセンは決められ
ず、後続の日向に先行されてしまう。なんと日向は23番手から表彰台圏内
に浮上だ。さらには7番手後退のバロンも良いリスタートを決め、ラムダを
かわして6番手に復帰。さらに後方では12番手でのリスタートとなったタ
ンデイが、猛ダッシュを決め9番手浮上。マイネを追い落とし入賞圏内に浮
上、ガジャックは今季初のW入賞の目が出てきた。

セーフティカーの出動で各車マージン0状態でのリスタートだったが、リス
タート後もリヴィエールのペースは変わらず、カレッジはリヴィエールのペ
ースについていけず。3番手の日向はカレッジの前をうかがうも、カレッジ
も懸命にブロック。そんな日向のスキを4番手のラスムッセンがうかがうが
逆にラスムッセンが間隙をつかれ、マルケーナスに前に行かれてしまう。さ
らにバロンもラスムッセンをかわし、バロンは5番手浮上。

レースは残りあと2ターン、リヴィエールはここまで何の問題もなく快調に
走る。新参チームの初優勝は目の前だ。追いかけるカレッジはもう限界か、
ややペースが落ち始め日向に背後につかれる。後ろではラスムッセンがバロ
ンを逆転、5番手に順位を回復する。7番手で前方のバトルを見ていたラム
ダがここにきてバロンに仕掛けるも、バロンは懸命にブロック。F1王者ラ
ムダを相手に懸命のディフェンス、ラムダを前にいかせない。また後方では
最後尾スタートのヴィックスが、雨に乗じて浮上。ついにマイネをとらえて
10番手、ポイント圏内に浮上してきた。

レースは結局、中盤からトップに立ったリヴィエールが優勝。新規参戦チー
ムマルドゥークの、そして今季からNeXXに参戦した自身の初優勝を飾っ
た。そして2位にはレース前半をトップで引っ張ったカレッジ、チーム・自
身初の表彰台登壇となった。また今季ここまで精彩を欠いていた日向が3位、
今季初表彰台登壇となった。日向は最終ターンにカレッジに仕掛けたが、こ
とごとくカレッジがブロック。最後まで激しいバトルを繰り広げた日向は、
実に満足げな表情で表彰台に上がっていた。
4位には最後まで前を目指したラスムッセン、惜しくも表彰台ならず。5位
にはマルケーナス、6位にはバロンが入りポイントリーダーのラムダは7位。
タンデイが9位に入りガジャックW入賞、そして10位にはヴィックスが入
プルトンチームに第5戦メキシコ以来のポイントをもたらした。

今回のリザルトで選手権の流れは大きくラムダに傾いたと言っていい。雨を
得意とするバトラーがもらい事故で姿を消し、対するラムダは7位フィニッ
シュとは言えPPポイント含め9ポイントを獲得した。ポイントはラムダ1
29に対しバトラー101と、ラムダの28ポイントリード。この差は8戦
を残す選手権で考えれば大きな差ではないが、得意なレースを外的要因で落
としたバトラーと、荒れたレースできっちり入賞したラムダ。ラムダの方に
良い流れが来ているのは明らかだ。バトラーは昨季も指摘された「脆さ」を
今季も露呈した格好だ。さらに、今回の優勝でリヴィエールがランキング4
位に浮上。5戦連続入賞で着実にポイントを積み重ね、3位のファングに2
4ポイント差に迫っている。早い段階でNeXXへの順応を見せているリヴ
ィエールが、終盤にかけて選手権争いに加わってくるかもしれない。

チームタイトルの行方はといえば、マイネがポイントを逸したピットブルに
対し、マルケーナスの5位入賞で踏みとどまったマーキュリー。しかしマル
ケーナスの5位10ポイントに対し、ラムダは7位6ポイント+PPポイン
ト3で合計9ポイントで、差を縮めるには至っていない。3位のクラークソ
ンが相変わらずティルクムのポイントを計算できない状態を考えると、この
ままマーキュリーの巻き返しがなければ、ピットブルが独走しかねない状態
だ。しかもマーキュリーはここ4戦で、マルケーナスが20ポイントを持ち
帰っているのに対し、バトラーはわずか4ポイントしか獲得していない。こ
のままチームタイトルは、ピットブルが2連覇に向けて進んでいくのか? 
マーキュリーの、そしてバトラーの奮起に期待しよう。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:ビル・リヴィエール(マルドゥーク)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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ヨーロッパラウンド、低速テクニカルラウンド最後の舞台は東欧。モラビア
地方の中心都市ブルノで行われるチェコGPだ。森の中の全長5.4kmに
及ぶミッキーマウスサーキットで繰り広げられる、テクニカルバトルに、こ
うご期待!!

 

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・9

『Formula NeXXtream 2nd』
□第9戦 オランダ TTサーキットアッセン

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 1周:4.55km
 特性:「低速」「常設」
 ターン数:26(72周)

前戦イタリアGPではリナルディのポルボローネが劇的な初優勝を飾り、ま
た新たなウィナーが誕生したNeXX。ランキング首位のバトラーが8位と
下位に沈んだのに対し、バトラーを追う選手権3位のファングが2位、2位
のラムダが3位と表彰台に上り、バトラーとファングの差は21、そしてバ
トラーとラムダのポイント差は6と大接近、選手権は中盤に入り混戦模様を
色濃くする。そして第9戦からは低速コースの続く三連戦、その1stラウ
ンドは今季からカレンダーインしたオランダGPだ。
ひとまず今季単年の開催契約を結んだオランダGP、来季以降の開催は不透
明だが古くからF1をはじめとするイベントが数多く開催され、モーターレ
ース人気は高い。さらにロムニ・ダキアから参戦するアレオ・ファーシマス
が、隣国ルクセンブルク人ということもあり、ファーシマスの大応援団がつ
めかけた。選手権も大混戦模様となり、スタンドは熱狂に包まれることが予
想された。
ドレンテ州アッセンにあるこのサーキットは、1955年に現コースの元と
なるコースが開設され、2006年のコース改修を受け現在のレイアウトと
なった。主に二輪の世界選手権の舞台となってきたが、今回2007年のチ
ャンプカー以来の四輪の選手権開催となる。ターン8とターン9の間の区間
が最長のストレートとなるが、加速性能の高いMotoGPのマシンをもっ
てしても最高速が300km/hに届かないという低速トラックだ。
180度まわりこむ低速コーナーも多く、ツイスティで抜きどころのない難
コースである。また地理的要因から天候の変化が激しく、晴天が広がってい
たと思ったら突然曇天になり、雹が降り出すこともあるという。この「ダッ
チウェザー」がレースにどう影響するかも注目だ。
ちなみにサーキット近くには教会があり、日曜にミサが行われるために決勝
レースは土曜日に開催された。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)

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PP:デイヴィス・ファング(クラークソン)
PPは今季初めてクラークソンのファングが獲得した。ここまで4度の2位
表彰台を記録しており、そろそろ今季初勝利を飾ってバトラーに肉薄したい
ところ。フロントローは今季ベストグリッドのゲラ。決勝では苦戦が続くが
低速トラックは得意とするところ、上位進出を狙いたい。3番手にはロッソ
4番手には ここ数戦好調のリヴィエールがつけ、バトラーを追う選手権2
位のラムダは5番手につけた。隣国ルクセンブルクから応援団が大挙してつ
めかけたファーシマスは8番手と健闘、また7番手宋、10番手日向と低速
コースが得意なアジア勢も上位につけた。
一方でラスムッセンは21番手、そしてバトラーは22番手に沈み、選手権
争いに影を落とす。また前戦イタリアで初優勝をあげたポルボローネは15
番手と中段からのスタートとなった。
そして今回カブロン、ティルクム、セプター、サントス・フィリオの4台が
予選落ちとなった。サントス・フィリオとセプターは今季初の予選落ち、カ
ブロンは今季2度目。この3人は決勝でも苦戦が続いている。そしてティル
クムは今季4度目、3戦連続の予選落ちとなった。ティルクムについてはク
ラークソンのサポート体制も疑問視されており、ティルクムは早くも移籍を
画策しているとの噂。果たしてどうなるか?


<決勝レース>
猫の目のように変わる「ダッチ・ウェザー」が有名なアッセンだが、今回は
予選から終始快晴。決勝スタート前も雲一つない青空だった。しかし各チー
ムともいつどうなってもいいように、ウェットタイヤの準備は万端。天候を
含めたレース展開に注目が集まった。タイヤチョイスはメーカーで割れた。
ヨコスカ勢は全台がソフトをチョイス、一方のヴァシュロン勢は7割がハー
ドスタートを選択した。後方に沈んだ選手権上位勢、バトラーとラスムッセ
ンは後方からの上位進出を期し、ソフトスタートを選択した。


◆HARD
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
Z.ゲラ
A.ロッソ
B.リヴィエール
N.ラムダ
R.マイネ 
A.ファーシマス
J.グーデリアン 
D.リンドホルム 
M.ポルボローネ
S.シエナ 
C.タンデイ 
J.カレッジ
A.ラ・ポルタ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
M.ハイデンフェルド  D.ファング
K.マルケーナス    宋 昇龍
A.バトラー     日向 俊郎
K.ラスムッセン    A.バーンズ
            T.ヴィックス
            J.チャップマン 
            J.カジワラ 
            J.バロン
            デ・ランジェリス

=ユーズドタイヤ

PPのファングがスタートで飛び出す。後続もミスなくスタートを決めるが
ダッシュスタートを決めたファングが頭一つ飛び出す格好だ。中段ではマル
ケーナスがいいスタートを決め、ハイデンフェルドの前に出ていた。
スタートで大きな混乱はなくレースは進む。ファングはスタートを決めたも
ののレースペース自体はさほど速くはなく、後続との差は広がらない。そん
ななか3番手のロッソに早くもトラブル発生。いくつかのギアをロストする
ミッショントラブルで、ペースが上げられない。

後方では宋、ファーシマス、グーデリアンが次々とマイネをオーバーテイク
レースセッティングがうまくいかなかったマイネは、ペースを上げられずに
どんどんポジションを落としていく。中段ではハイデンフェルドがコースア
ウト、無傷で復帰するも順位を1つ落とす。さらに後方では19番手走行の
タンデイにブレーキトラブル発生。抜きにかかったチャップマンと接触して
しまう。スタートでアクシデントは起こらなかったものの、2ターン目の中
段ではトラブルが続発していた。

ギアロストのトラブルを抱えるも、2ターン目はポジションを守り切ったロ
ッソだが、3ターン目にピットイン。ブレーキトラブルを抱えたタンデイと
もども、長時間のピットストップを余儀なくされる。これによりロッソは2
5番手、タンデイは最後尾に転落する。そうこうしている間に前方では5番
手スタートのラムダがポジションアップ。3番手に浮上しゲラとテイルトゥ
ノーズとなる。逆に4番手のリヴィエールはラムダにやや離される。
そんな中中段でスタートを決め、レースペースの良いマルケーナスがポジシ
ョンを6つあげて7番手に浮上してきた。かたやバトラーは後方集団でポジ
ションをあげられずに苦しんでいた。

ラムダは徐々にペースをあげ、ついにゲラをかわして2番手浮上。さらにマ
ケーナスも宋をかわして6番手浮上。マルケーナスはスタートから5ター
ンで、7つもポジションをあげていた。14番手スタートのバーンズも、序
盤から連続してファステストラップをマーク。7番手まで浮上してきた。

★5ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.ニコ・ラムダ
 3.ゾルタン・ゲラ
 4.ビル・リヴィエール
 5.ジャッキー・グーデリアン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.アレン・バーンズ
 8.宋 昇龍
 9.日向 俊郎
10.アレオ・ファーシマス

トップ争いはしばし膠着。ファングのペースは上がらずも、2番手ラムダは
冷静に機をうかがう。4、5番手にはマルドゥークの2台。グーデリアン
しきりにリヴィエールの前をうかがうも、リヴィエールもいかせない。逆に
マルケーナスがグーデリアンをかわし、なんと5番手浮上。バトラーが後方
に沈んでいる分、マーキュリーのNo.2が奮闘を見せる。

7ターン目にはいってもトップはファング。しかし後方2番手のラムダの方
がレースペースは速い。しかしラムダはファングが次ターンにタイヤ交換す
るであろうことを見越し、バトルせずに静観の構え。3番手ゲラはラムダに
迫れず、リヴィエールがついにゲラをかわして3番手に浮上する。中段は大
混戦、4番手ゲラ以降マルケーナス、バーンズ、グーデリアン、宋、日向が
がポジションを入れ替えながら接近戦を展開する。

そんな中後方でアクシデント。どんどんとポジションを落としていったマイ
ネに、ハイデンフェルドがバトルをしかけマイネが単独スピン。グラベル
つかまったマイネは、脱出できずにリタイヤとなってしまう。
そしてここでヴァシュロンのソフト勢が、タイヤ交換の為ピットインし始め
る。ともに予選で後方に沈んだ16番手バトラー、18番手のラスムッセン
が揃ってタイヤ交換。それぞれハードにスウィッチしコース復帰。バトラー
はユーズドソフトを引っ張るつもりだったが、遅いマシンに前をふさがれ局
面打開のため早めのストップに踏み切った。

8ターン目にはトップのファングがピットイン。ソフトからユーズドハード
へ繋ぎ、最後のスティントはソフトで勝負する作戦だ。これでトップに浮上
したラムダはハードタイヤ。このまま次もハードに繋ぎ、こちらも最後のス
ティントにソフトで勝負に出る作戦だった。
ファングはゲラの前3番手復帰。後ろ4番手にはバーンズがつける、スター
トからポジションを10上げて、表彰台を狙える位置まで来た。

ハードタイヤのままステイアウトのラムダがトップを快走。同じくハードで
ステイアウトのリヴィエールが2番手につけるが、リヴィエールはラムダに
追いつくまでにいたらない。そんな中後続は続々と1回目のタイヤ交換。マ
ケーナス、バーンズ、宋、日向といった入賞圏内勢も次々とピットインを
こなしてゆく。後方に埋もれたバトラーだったが、フレッシュタイヤに換え
てもペースは上がらない。バトラーはタイヤに異常を感じていた。
11ターンにはハード勢で最初にリヴィエールがピットイン。ユーズドハー
ドへと繋ぐ。次ターンにはラムダ、ゲラ、グーデリアンといった面々がピッ
トイン。ヴァシュロン勢は全員が、2スティント目にもハードをチョイスし
ていた。

セッティングの決まらないマシンで苦戦するファングだが、ラムダのピット
インのタイミングで再びトップに立っていた。しかし、ヨコスカ勢のファン
グは低グリップのハードタイヤで苦戦。ラムダとテイルトゥノーズ状態が続
くが、ファングも全力でブロックしラムダを前に行かせない。そして3番手
には差のない状態でリヴィエールが続いていた。トップ3は熾烈なバトルだ。

★15ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.ニコ・ラムダ
 3.ビル・リヴィエール
 4.ゾルタン・ゲラ
 5.カーティス・マルケーナス
 6.アレン・バーンズ
 7.ジャッキー・グーデリアン
 8.宋 昇龍
 9.日向 俊郎
10.トゥーリ・ヴィックス

16ターン目、ついにラムダがファングをとらえトップに立つ。さらにファ
ングのすぐ後ろにはリヴィエール、そして4番手ゲラまでも含んでトップ4
が大接近戦だ。だがハードタイヤのファングは、ペースが上げられずじり貧
だ。後方ではラスムッセンがヴィックスをかわし、ついに10番手浮上。2
1番手からついに入賞圏内まで浮上してきた。かたやバトラーは足元に違和
感をかかえたままペースをあげられず、17番手と後方に封じ込められてい
た。17ターン目にはリヴィエールがファングをオーバーテイク。2番手に
浮上する。今季2度目の表彰台はおろか、初優勝も狙える位置につける。
18ターン目にはゲラがファングを捉え3番手、ファングはついに表彰台圏
外に追いやられてしまう。

20、21ターン目には各車最後のタイヤ交換。ゲラ、ファング、バーンズ
といった面々が先陣を切って20ターン目にピットイン。トップのラムダ、
2番手のリヴィエールは21ターン目にタイヤ交換し、それぞれソフトタイ
ヤでラストスティントにかける。ここでフレッシュソフトに履き替えたラム
ダが真骨頂を見せ、2番手リヴィエールとの差をぐんぐん広げにかかる。そ
の差はあっという間にマージン5差まで拡大していた。

一気にセーフティリードを築いたラムダ、リヴィエールも猛プッシュするが
ラムダとの差は縮まらない。2度目のタイヤ交換でソフトに交換したファン
グも、3番手で踏みとどまる。逆に4番手のゲラはファングとの差を詰めら
れず、後続のバーンズに先行を許す。ゲラは5番手に後退してしまう。
24ターン目にはラムダはクルージングに入る。後続のリヴィエールの猛プ
ッシュは続くも、タイヤにガケがきてしまい追い詰めることができない。一
方3番手ファングはリヴィエールにアタックするも、バトルで体勢を崩した
間に4番手バーンズに前に行かれてしまう。バーンズはここで表彰台圏内の
3位に浮上。

レースは最後のスティントでセーフティリードを築いたラムダが優勝。今季
3勝目をマークした。2位には前戦3位のリヴィエールが入り、連続表彰台
を記録。初優勝は近い。そして3位には最後の最後でファングをかわしたバ
ーンズ、今季2度目の表彰台だ。PPのファングは結局4番手フィニッシュ、
またも今季初勝利はかなわなかった。5位はゲラ、6位は日向、そして7位
にはグーデリアンが入り、マルドゥークは今季3度目のW入賞。20番手か
ら粘りの走りを見せたカレッジが10位に入り、今季2度目の入賞をはたし
た。かたや一時4番手を走行したマルケーナスは、2度目のピット作業で大
きくタイムロスしてしまい最終的には8番手フィニッシュ。中盤タイヤの内
圧低下によってペースを上げられなかったバトラーは17番手に沈み、ノー
ポイントに終わった。

心配された「ダッチ・ウェザー」も鳴りを潜め、予選・決勝すべてのセッシ
ョンで快晴だったオランダGP。この結果によりドライバー選手権はついに
逆転、ラムダがトップに立った。ラムダとバトラーのポイント差は19、前
半戦好調だったバトラーの流れがここ最近悪いのに対し、ラムダは第6戦以
降4戦2勝2度の表彰台と流れは上向きだ。またランキング3位のファング
もバトラーとの差は6ポイント。ここまで未勝利のファングだが、王者を狙
える位置にきっちりつけている。選手権は中盤に差し掛かり、今後のタイト
ル争いはひとまずこの3人を中心に進んでいきそうだ。
チームタイトルはピットブルが176ポイントで首位、2位のマーキュリー
が137ポイントと足踏み中。2台がきっちりポイントを稼いでくるチーム
はあいかわらずこの2チームのため、チームタイトル争いはピットブルとマ
ーキュリーに絞られた感がある。今後の展開はNo.2ドライバーの働き次
第だろう。
中盤に入ってようやく方向性が見えてきた各選手権。この先どのような展開
となるのか? 低速テクニカルラウンドはあとスウェーデンチェコの2戦、
今後の展開に注目してゆこう。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ニコ・ラムダ(ピットブル)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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選手権は第9戦オランダで前半戦が終了。次戦第10戦は選手権の折り返し、
そして低速テクニカルラウンド第2戦のスウェーデンGPだ。昨季に続いて
舞台はオールドコースのアンデルストープ。森の中のツイスティなオールド
コースでどんな戦いが繰り広げられるか? こうご期待!!

 

 

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・8

『Formula NeXXtream 2nd』

□第8戦 イタリア ムジェロサーキット

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 1周:5.24km 
 特性:「高速」「常設」 
 ターン数:23(53周)

舞台をヨーロッパに移してはや3戦、第8戦を迎えたNeXX。
ヨーロッパラウンドは第6戦イギリスから、第7戦フランス、そしてこの第8戦
イタリアと、今季のカレンダーは名うての高速サーキットが続く「高速3連戦」だ。
このムジェロでのレースは、イモラとの隔年開催でイタリアGPとして行われる。選手権は前回のラムダの優勝、そしてバトラーがノーポイントに終わったことで一層行方が分からなくなった。トップのバトラーと2位ラムダのポイント差は17。中盤に入った選手権だが、ドライバーランキングは未だ50ポイント差に7人がひしめいている。チーム選手権はややマーキュリーとピットブルの2チームに絞られてきた格好だが、ドライバー選手権争いは熾烈を極めている。
舞台となるムジェロがあるのは、イタリア中部のトスカーナ。モトGPイタリアGPの舞台であり、2020年にはF1も開催された。イタリアを代表する高級スポーツカーメーカー、フェラ○リが所有するサーキットだ。
約40mの高低差を利用して作られた起伏豊かな高速テクニカルトラックで全長5.24kmのロングトラックだが、敷設されるコーナー数は15個。コーナー数が少ないうえ、ほとんどのコーナーが速度域の高い中高速コーナーで、切り返しのコーナーが多くドライバーが息をつく暇もない。ホームストレートは約1kmあり、ここでは最高速を記録する。アクセル全開でクリアするコーナーもあり、旋回速度は230~240km。ドライバーにかかるGは4Gから4.5Gになるといわれている。まさに速さとテクニックを競うにはうってつけの舞台と言える。
ここにきて選手権はバトラー、ラムダ、そしてファングの主導権争いの様相を見せ始めた。しかしもちろん追いかける面々にもまだまだチャンスはある。中盤に入り激戦の様相を呈するNeXX世界選手権、今回はどのようなレースになるのだろうか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ミケーネ・ポルボローネ(リナルディ)
予選結果は大きなサプライズをもたらした。なんとリナルディのポルボローネがPPを獲得したのだ。これまでも第3戦ドバイでのフロントローをはじめ、予選でセッショントップタイムをマークするなど一発の速さを見せていたポルボローネだが、今回はPQトップ、Q1:3位、Q2:2位、そしてQ3トップと、すべてのセッションにおいて好タイムをマーク。自身、そしてリナルディチームとしても初めてのPPを、自身とチームの地元イタリアで獲得して見せた。さらに同僚のシエナも6番手とシングルグリッドを確保し、大躍進を見せた。Q3終了後のリナルディピットは、まるで優勝したような喜びようで、チーム史上最大の歓喜に包まれた。
2番手には前戦フランスの覇者ラムダがつけ。選手権をリードするバトラーは4番手。そして3番手にグーデリアン、5番手にはリヴィエールと、好調マルドゥークの2台が 2列目、3列目につけた。7番手にはセプター、前戦では初優勝にあと一歩とせまったバーンズが8番手。9番手にはロッソ、そして選手権3位のファングは10番手につけた。エースドライバーが選手権を争うマーキュリー、ピットブル、クラークソンの3チームだが各々No.2ドライバーはやや苦戦気味。ランキング7位のマイネは12番手、10位のマルケーナスは14番手、そして未だ獲得ポイント4のティルクムは予選落ち。ティルクムは今季3度目の予選落ちとなってしまった。
今回の予選落ちはティルクムの他にカジワラ、そしてノルディックの2台だったが、ノルディックはラスムッセンフリー走行での大クラッシュを受け、チーム自体の出走取りやめにより予選落ちとなった。

ラスムッセンは命に別状はなく目だった外傷も見られなかったが、1コーナーへの侵入のためにブレーキングを開始した際のスピンで、時速270kmで1コーナーアウト側のグラベルに飛び出し、セーファーウォールにフロント左側面から激突。頭部を左側のハロとステアリングに強打したラスムッセンは脳震盪を起こしており、出走をとりやめた。
その後ノルディックチームはラスムッセンのクラッシュが、フロントのタイロッドエンドの破損にあったことを発表。前回、2台ともマシンを破損してリタイヤしているノルディックチームは、今回2台とも新品のシャシーを持ち込んでいた。新品シャシーでは考えられない箇所の破損を受け、ノルディックチームはシグマテック側とシャシー部品の再チェックを行うとし、イタリアGPへのチームとしての出走を取りやめるに至った。
また、Q3で6番手につけたファーシマスだったが、前戦フランスで多重クラッシュの原因を作ったことによるペナルティとして、10グリッド降格処分となり16番手スタート。せっかくのシングルグリッドは幻となってしまった。

<決勝レース>
決勝の天候は晴れ、しかし雲の多い天気で気温、路面温度共に低く、ヴァシュロン勢の一部は前回フランス同様、1ストップ作戦を企図していた。上位陣ではラムダ、バトラー、マルケーナス、ロッソらが1ストップ勢。その他では前戦入賞で調子を上げてきたバロン、グーデリアンなども1ストップ作戦をとるものと見られた。対するPPのポルボローネはソフトスタートで2ストップ作戦。ピット作戦がどうレースに影響するかに注目が集まった。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ      バロン 
マルケーナス 
バトラー      
ゲラ 
フィリオ 
リンドホルム 
グーデリアン
タンデイ
ラ・ポルタ

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
マイネ       バーンズ
ポルボローネ    日向 
シエナ       チャップマン
ファーシマス    デ・ランジェリス
カレッジ      カブロン         
リヴィエール    ファング           
          宋          
          セプター  
          ヴィックス

=ユーズドタイヤ

ポルボローネ、ラムダともにスタートはうまく決めた。対して3番手グーデリアン以降はやや出足がつかず。6番手シエナが1つ前に行き、リヴィエーは6番手に後退する。また7番手のセプターは、クラッチミート不良で後続4台に前に行かれてしまう。
トップをゆくポルボローネのペースは快調。ソフトスタートで2ストップ作戦のポルボローネは今のうちに、ラムダに対してマージンを築いておきたい。一方ラムダはやや差をあけられても泰然自若の構え。しかし3番手キープのグーデリアンはハードタイヤでやや苦しそう。ラムダの前に出たいところだがラムダも行かせる気はない。ラムダに迫れないグーデリアンは、バトラーにかわされ4番手に後退。さらにはスタートでポジションをあげたシエナも、グーデリアンをかわしにかかる。このあたりの攻防は一進一退だ。

入賞圏内は接近戦。そんな中アクシデント発生。8番手のファングが前をゆく7番手バーンズに仕掛け、守勢で体勢を崩したバーンズがスピンアウト。バーンズはグラベルにつかまり、リタイアとなってしまった。
先頭はポルボローネ、1ストップ作戦のラムダはハードタイヤのためペースは上げられず。3番手のバトラーも1ストップ、4番手走行のシエナにかわされなんとリナルディが1-3体制となる。
そして後方で再びアクシデント発生。チャップマンvsヴィックスの18番手争いにタンデイがからみ、3台が接触。ヴィックス、タンデイのダメージは軽かったものの、チャップマンのマシンは左のサイドポンツーンのカウルに穴が開いてしまう。チャップマンは次ターンでカウル交換のためピットイン。大きく離れた最後尾まで後退してしまった。
一方3番手スタートで1ストップ作戦のグーデリアン、ハードタイヤで思うようにペースを上げられずに6番手走行も、前をゆく5番手リヴィエールのソフトタイヤには早くも「ガケ」が来ており、リヴィエールをかわしたグーでリアンは5番手にポジション回復。中段は激戦だ。

★5ターン終了時のトップ10 
 1.ミケーネ・ポルボローネ
 2.ニコ・ラムダ
 3.スティラノ・シエナ
 4.アレックス・バトラー
 5.ジャッキー・グーデリアン
 6.アレンザンダー・ロッソ
 7.ビル・リヴィエール
 8.デイヴィス・ファング
 9.ルドルフ・マイネ
10.ゾルタン・ゲラ

快調に先頭を行くポルボローネだが、6ターン目にはソフトタイヤの「ガケ」が到来。ペースが落ちてくる。しかし2番手のラムダもポルボローネを追い詰めるには至らない。4番手のバトラーも前のシエナを追うが、かわすまでには至らない。選手権を争うトップ3が、いずれも地元の雄リナルディの2台に抑え込まれているかっこうだ。
そんな中、8番手を行くファングがピットイン。ユーズドソフトで思うようにペースを上げられなかったファングは、ハードに交換。ラストスティントの新品ソフトに賭けるか。
3番手のシエナはついにタイヤが限界を迎える。バトラー、グーデリアンに相次いでかわされ5番手まで後退。そんななか7番手走行のリヴィエールのタイヤもすでに限界。タイヤ交換しユーズドハードに繋ぎ出てゆく。マルドゥークピットも最高のピット作業でリヴィエールを送り出す。その後もセプター、そしてバーンズのリタイヤで2ストップ作戦へ変更したバロンがピットイン。いずれもソフトにつないでコースに戻ってゆく。

8ターン目、トップを行くポルボローネがピットイン。ソフトに繋いでコースに出てゆく。最後のスティントにユーズドハードを持ってきて、それまではできる限りソフトで逃げる作戦だ。トップを行くポルボローネの作業を優先したため、すでにタイヤに「ガケ」がきていたシエナはタイヤ交換作業を1ターン後回しにされることに。9ターン目にようやくピットインしたシエナは、ユーズドハードに繋いでコースに出てゆく。

レースは中盤にさしかかり、トップはラムダ。ポルボローネは2番手と、いまだ優勝射程圏内にいる。フレッシュタイヤに交換できたシエナも、ぺースのあがらないバトラーをかわし5番手に浮上する。そんな折、サーキットの上を厚い雲が多いはじめる。一雨きそうな雲行きにも見えるが、果たしてこの先天候はどうなるのか?

1ストップ作戦でステイアウトし続けるラムダだが、ソフトに繋いだポルボローネがラムダに追いついてくる。こうなるとラムダの計算にやや狂いが生じてくる。そして11ターン目、ポルボローネはラムダをかわしトップを奪返いす。レースの行方はまだわからない。
そんな中後方でアクシデント発生。19番手走行中のタンデイが単独スピン。コースアウトして大破したマシンがコース内に戻ってきてストップしたため、ここでこのレース初めてセーフティカーが出動する。

13ターン目にピットオープン。これに乗じて1ストップ勢がタイヤ交換を敢行する。上位陣では2番手ラムダ、3番手グーデリアン、5番手バトラーがイン。ラムダは新品ハード、他2台はユーズドハードに交換しコース復帰してゆく。
レースは14ターン目にリスタート。ここで上位陣のピットインによりトップがポルボローネ、2番手シエナのリナルディ1-2体制が出来上がる。
セーフティカーラップでステイアウトし、5番手に上がっていたファングがジャンプスタート。一気に3番手まで進出する。ファングは次ターンに最速ラップを記録。シエナをかわして2番手まで浮上する。リスタートで波に乗ったファングは、ついにポルボローネとテイルトゥノーズ状態まで差を詰めていた。

★15ターン終了時のトップ
  1.ミケーネ・ポルボローネ
 2.デイヴィス・ファング
 3.スティラノ・シエナ
 4.ビル・リヴィエール
 5.ニコ・ラムダ
 6.ルドルフ・マイネ
 7.ジョリー・セプター
 8.ジャッキー・グーデリアン
 9.アレックス・バトラー
10.宋 昇龍

16ターン目にトップのポルボローネが最後のピットイン。ラストスティントはユーズドハード、はたしてトップを守り切れるか?これで一時的にファングがトップに立つ、しかし彼は次のターンに最後のタイヤ交換が待っている。上位の順位は果たしてどうなる?
17ターン目にはファングがピットインし、これでほんの一瞬だが先頭は翌ターンにタイヤ交換をひかえたシエナに。しかしすぐ後ろにポルボローネが迫っており、シエナポルボローネにトップを明け渡す。ピットインしたファングは、3番手をゆくラムダの後ろでコース復帰した。

中段ではポジション争いが熾烈。入賞圏内で走るマルドゥークの2台は、1ストップのグーデリアンの方がペースが良く、グーデリアン5番手、リヴィエールが6番手。ここまで成績ではリヴィエールに上を行かれているグーデリアンが奮起を見せる。また12番手スタートから5番手まで浮上してきたマイネは、ここで最後のピットイン。ソフトへ交換して最後のスティントにかける。
マイネはバトラーの前8番手でコース復帰、一方1ストップ作戦を選択したバトラーは9番手と低迷。ハードタイヤでのマシンバランスに問題を抱えていたバトラーは、タイヤ交換でポジションを10位に下げそこから浮上できずにいた。

18ターン目にはシエナが2回目のピットイン。リナルディの束の間の1-2体制はここで終わりを告げる。シエナのピットインで2番手となったファングは、ここからポルボローネ追走のためペースを上げる。ファングにも今季初優勝のチャンスが巡ってくる。かたやバトラーは、全スティント通じてやや精彩を欠き、タイヤ交換で10番手に落ちてからは前をセプターやマルドゥーク勢などの実力者たちに阻まれ、下位に沈んでいた。

終盤に入ってもポルボローネのペースが落ちる気配はない。ファングが追うもポルボローネも快調に飛ばしている。3番手にはラムダ、ラムダは無理をせずポイント確保最優先の走りだ。後方では激しいバトルが続いており、シエナがリヴィエールをかわして5番手浮上。そして10番手と入賞圏内ギリギリにいたセプターが、ベストラップを記録。前2台をかわして8番手まで浮上していた。また5番手前後を走行していたマイネも、ソフトでつないだ最後のスティントでベストラップを記録し、一時ラムダを抜き3位に浮上するなど、中段は目まぐるしく順位が入れ替わる。

中段は熾烈なバトルも、先頭はポルボローネが快走。ファングが追いかけるも結局最後までトップのしっぽはつかめず。
終始軽快な走りを見せたポルボローネがNeXX初優勝、リナルディチームにも参戦2年目にしての初優勝をもたらした。F1で『跳ね馬の騎手』を務めた経験もある実力者が、見事に地元イタリアで勝利の美酒に酔った。
そして今季4度目の2位にはファング、3位にはラムダが入った。ラムダは終盤チームメイトのマイネにかわされ4位に後退するも、チームオーダーでポジションを譲ったマイネにかわり3位表彰台登壇となった。4位は不承不承ラムダに表彰台を譲ったマイネ、そして5位にはグーデリアンが入り、初めてチームメイトの順位を上回ってのフィニッシュ。そして6位にはシエナが入り、リナルディはW入賞。チームに合計36ポイントを持ち帰った。7位にはセプター、そして最後までセプターに抑え込まれたバトラーが8位フィニッシュ。9位にはロッソが入り、10にはリヴィエールでマルドゥークもうれしいW入賞となった。

ドライバーズ選手権は未だバトラーがトップをゆくものの、今回の結果で2位ラムダ、3位ファングとの差は大きく縮まった。バトラー101ポイントに対し、2位のラムダは6ポイント差の95、そして3位ファングも21ポイント差の80まで迫る。4位のロッソも61ポイントと40ポイント差につけており、次戦の結果次第ではラムダ、ファングに逆転のチャンスが生まれた。
チームタイトルはW入賞を果たしたピットブルが151ポイントでトップ、2位のマーキュリーは足踏みし133ポイントにとどまる。その差は18ポイントで1レースでも逆転可能だが、マルケーナスが思いのほか苦戦している今季のマーキュリー。はたしてこの先逆転することができるだろうか?

ここにきてドライバー選手権はバトラー、ラムダ、そしてファングの3名に、チームタイトルはピットブルとマーキュリーに絞られてきたか? しかし選手権は次の第9戦でようやく前半戦の折り返しというところ、まだまだ先の展開を見通すのは難しい状況だ。また、ここまで「高速3連戦」を戦ったヨーロッパラウンドだが、次戦から3戦は中低速テクニカルトラックでの3連戦となるため、また新しい展開が生まれる可能性もある。次戦第9戦オランダGPは、NeXX初開催のTTサーキット・アッセンが舞台となる。次戦の戦いにも注目だ。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ミケーネ・ポルボローネ(リナルディ)
ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次回からの3戦はアッセン、アンデルストープ、ブルノの中低速テクニカルトラックが続く「中低速ラウンド」。第9戦オランダGPは、NeXX初開催のTTサーキット・アッセンで行われる。モトGPやSBKではおなじみのサーキットだが、4輪の開催は少なくNeXXは初開催。タイトなコーナーの多い、ツイスティなテクニカルトラックでのバトルにこうご期待!!

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・7

 『Formula NeXXtream 2nd』

□第7戦 フランス ポールリカールサーキット
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 1周:5.80km
 特性:「高速」「常設」
 ターン数:23(54周)

前戦第6戦イギリスGPよりヨーロッパラウンドに突入したNeXX世界
選手権。選手権第7戦は、ヨーロッパラウンド第2戦フランスGPだ。
舞台は昨年と同じ、スーパーハイスピードトラックとして有名なポールリ
カールサーキットだ。フランス南部最大の港町マルセイユから東に40k
mほど、山間の村ル・キャステレにあるオールドコースが舞台だ。
70~80年代にかけてF1GPが開催されたオールドコースは、200
2年にヘルマン・ティルケによる大規模改修を受け、ハイテク・テストト
ラックへと変貌をとげ、2017年からは再びF1が開催されている。
コースにはショートカットが無数に張り巡らされ、組み合わせ次第で16
7通りのレイアウトが選択可能。F1ではその中でも最長の5.842k
mのレイアウトを使用するが、NeXXではF1レイアウトよりやや短い
5.80kmのレイアウトを使用する。これは、「ミストラル」と呼ばれ
るバックストレートの途中にあるシケインを使わないレイアウトで、Ne
XX使用のレイアウトでの「ミストラル」の全長は約1.8kmを超える。
途中いくつかの中低速コーナーもあるが、コーナー数は計14と全長5k
mを超えるサーキットとしては非常に少なく、全開区間の極めて長いスー
パーハイスピードトラックだ。
昨季は4番手からスタートしたマーキュリーのマルケーナスが、中盤から
トップに立ち、終盤のファングとのマッチレースを制し初優勝を飾ったフ
ランスGP。昨季の覇者は今季ここまでやや苦戦気味だが、チームメイト
で昨季王者のバトラーはここまで2勝をあげランキング首位にいる。また
ここまではバトラーが2位に39ポイント差をつけており、バトラーを追
うのは誰なのかがまだ見えてこない状態だ。さて今回はどのようなレース
になるのか?


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
予選PPはまたしてもラムダが獲得した。前戦イギリスではPPを逃した
が、第3戦から第5戦まで3戦連続PPを獲得しており、今回でなんと7
戦中4度目のPP獲得となった。選手権をリードするバトラーはPPこそ
ラムダに譲ったものの、きっちりとフロントロー2番手につけた。
セカンドロー3番手には、3戦連続で予選シングルグリッドのラ・ポルタ
がつけ、4番手にはバーンズ。そして5番手には、ペナルティで出場停止
のタンデイにかわりステアリングを握る、ガジャックのリザーブドライバ
ーのロハスがつけた。前戦では予選落ちを喫したロハスだが、母国で奮起
サードローを獲得して見せた。
前年の覇者マルケーナスは6番手、そして4、5列目にはカブロン、シエ
ナ、日向、グーデリアンとレラシャシー勢がつけ、レラの新空力パッケー
ジが、カレンダー中最速を誇るハイスピードトラックで見事に戦闘力を発
揮した。
一方で開幕戦覇者ロッソは18番手、ラムダのチームメイトマイネは19
番手、さらにノルディック勢、セプター、ファングなども後方に沈み、相
も変わらずスターティンググリッドからして大混戦模様となった。
今回の予選落ちはティルクム、ヴィックス、カジワラ、宋昇龍の4名。宋
以外の3名はこれで今季2度目の予選落ち、そして宋にいたっては今季7
戦目で3度目の予選落ちとなった。開幕戦2位表彰台の宋も、高速ラウン
ドに入り苦戦を強いられている。


<決勝レース>(太字)
6月初旬の南フランスはカラッとしていて、夏に向けて熱くなり始める時
期。地中海からほど近いポールリカールは、予選から一貫して快晴。決勝
もスカッと晴れ渡った青空のもと行われた。決勝は午後1時スタート、こ
の日は午前中から気温がぐんぐんあがり、決勝スタート前には27度。路
面温度は40度に達し、バシュロン勢はほとんどがハードタイヤをチョイ
ス。ハード2、ソフト1で繋ぐ作戦。対するヨコスカ勢はバロンを除く7
台全員がソフトをチョイス。ソフト2、ハード1での走破を目論む。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ       バロン 
マイネ
バトラー
マルケーナス 
ポルボローネ 
シエナ
ゲラ 
ファーシマス
ラスムッセン 
ハイデンフェルド 
ラ・ポルタ 
フィリオ
ロッソ
リンドホルム 
グーデリアン  
ロハス

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
リヴィエール    バーンズ
カレッジ      日向 
          チャップマン 
          デ・ランジェリス
          カブロン
          ファング 
          セプター 

=ユーズドタイヤ

スタートはPPのラムダが決める。が、となり2番手のバトラーがやや立ち
遅れる。無難にスタートを決めたラ・ポルタが、バトラーの前を行き2番手
に上がる。バトラーのスタート失敗のあおりを受け、後ろではマルケーナス
がカブロンに前に行かれてしまう。
マルケーナスはスピードに乗り切る前にどんどん後続に抜かれ、シエナ、日
向にも前に行かれてしまった。さらに後方では10番手グーデリアンと11
番手リンドホルムのマシンがヒット。グーデリアンは15番手まで後退して
しまった。
2ターン目には、ペースの良いラ・ポルタがラムダをかわし一時トップに立
つ。ここ3戦予選でも2、4、3番手と絶好調のラ・ポルタ。決勝でも好調
ぶりを見せるが、3ターン目にはラムダがトップを奪い返し、やはりレース
はラムダが引っ張る展開となる。中段ではスタートで7番手に上がったカブ
ロンがシエナとのバトルで単独スピンを喫し、大きくポジションを落として
しまった。しかし多少の混乱はあったものの、レースは大きなアクシデント
なく進む。

3ターン目以降はラムダが隊列を引っ張るが、ラ・ポルタも離されずについ
てゆく。そしてその後ろでは、地元の雄ロハスが大躍進。序盤ペースの上が
らないバトラー、そして3番手で様子見のバーンズもかわし3番手に浮上。
スタンドからはやんやの完成が注がれた。
そんな中4ターン目にアクシデント発生。後方集団、ポルボローネとデ・ラ
ンジェリスの13番手争いで2台が接触。接近していたチャップマン、カレ
ッジ、そしてマイネを巻き込んだ5台の多重クラッシュで、このレース最初
のセーフティカー出動となる。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ニコ・ラムダ
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.フェリック・ロハス
 4.アレン・バーンズ
 5.アレックス・バトラー
 6.スティラノ・シエナ
 7.日向 俊郎
 8.カーティス・マルケーナス
 9.デイヴィス・リンドホルム
10.ジェストン・バロン

トップのラムダはリスタートも問題なく決める。その後ろではラ・ポルタ、
ロハス、そしてバーンズが3ワイド。バーンズが地元ロハスを追い落とし3
番手を奪取する。さらに8ターン目にラムダがスーパーラップをマーク、2
番手ラ・ポルタとの差を一気に広げにかかる。
8ターン目にはソフト勢が最初のタイヤ交換。ユーズドソフトのヨコスカ勢
の先陣を切ってセプター、ファングがピットイン。ともに新品ソフトへ交換
して出てゆく。ヴァシュロン勢はタイヤを酷使したリヴィエールがピットイ
ン、ハードへチェンジした。

9ターン目にアクシデント発生。3番手ラ・ポルタに仕掛けたロハスが体勢
を崩してハーフスピン。ロハスは後続のバトラーと接触してしまう。ロハス
バトラーともポジションは落とさなかったものの、マシンにダメージを負っ
てしまう。さらにアクシデントは後方でも。ロッソとグーデリアンがバトル
接触。こちらは双方大きくポジションを落とし、ダメージの大きかったグ
ーデリアンはそのままリタイヤしてしまう。

10ターン目には2番手をゆくバーンズ、4番手日向が同時ピットイン。そ
れぞれソフトからソフトに繋ぐが、トライアンフ会心のピット作業で日向
をコースへと送り出す。日向はバーンズの前5番手でコース復帰した。
11ターン目、ハードタイヤをチョイスしたヴァシュロン勢も、そろそろ1
回目のタイヤ交換のタイミング。しかしトップを行くラムダも、2番手ラ・
ポルタもまだ入らない。バトラーはヨコスカ勢のピットインで一時的に3番
手に浮上したが、接触のダメージが影響しペースが上がらない。バトラーは
すぐ後ろ4番手に浮上していたマルケーナスを手招きし、前に行かせた。
そんな折後方でまたもアクシデント発生。ファーシマスとシエナ接触、接
近していたハイデンフェルド、カブロン、ラスムッセンらを巻き込んだ5台
の『ビッグワン』が発生。各々マシンに深刻なダメージを負い、一気に5台
がリタイヤ、2度目のセーフティカー出動となる。

13ターン目、ピットオープンとなったタイミングで、ヴァシュロン勢が次
々ピットイン。トップのラムダ、2番手ラ・ポルタ、3番手に浮上したマル
ケーナスらも入り全員ハードへと繋いでゆく。初夏の南フランス、スタート
時は40度に達しようかという路面温度だったが、この日は風が強く思いの
ほか気温が上がらなかったため、ヴァシュロン勢はハードトゥハードであれ
ばタイヤ交換は1回でいけると判断。ヴァシュロンハード勢は全車1ストッ
プ作戦へと切り替えていた。
そしてレースは2度目のリスタート。しかしなんとこのリスタートラップで
再度アクシデント発生。後方でリンドホルム、ロハス、ゲラの多重接触が起
こり、レースはリスタート直後に3度目のセーフティカー出動となる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレン・バーンズ
 2.日向 俊郎
 3.ジェストン・バロン
 4.ニコ・ラムダ
 5.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ビル・リヴィエール
 8.デイヴィス・ファング
 9.ジョリー・セプター
10.フェリック・ロハス

レースは前半が終了し、早くも11台が姿を消した大荒れの展開。16ター
ン目には3度目のリスタート。今度は混乱なく進む。
トップ2台は順位変わらずも、ラムダが良いリスタートを決め日向の前に出
る。3番手浮上だ。その後ろではそれぞれマルケーナス、ファングが1つず
つポジションをあげる。17ターン目にはラムダが日向をかわして2番手浮
上、ひたひたとトップに忍び寄る。
NeXX初優勝に向けてトップをひた走るバーンズ、しかし2番手のラムダ
もペースが良い。そして、バーンズはもう1回タイヤ交換を控えていた。
19ターン目、バーンズが2度目のピットイン、ついにここでラムダがトッ
プに立つ。バーンズは2番手でコース復帰。

ラムダは十分なマージンを築きトップを快走。後方ではファングがソフトタ
イヤを利してぐんぐんペースアップ。22ターン目には日向をかわして4番
手まで浮上する。そして最終ターンにはベストラップをマーク、2番手まで
浮上する。

レースは1ストップ作戦のピットブル、ラムダが今季2勝目。今季の選手権
大本命に挙げられながら、ここまでミッショントラブルに泣かされてきたラ
ムダが、ようやくタイトル争いに絡んできた。最後のスティントで猛プッシ
ュを見せたファングが、今季3度目の2位表彰台。そして、途中トップを快
走したバーンズが今季初表彰台、3位でフィニッシュした。4位ラ・ポルタ
は今季3度目の入賞、そして5位のバロンは開幕戦以来の入賞となった。
8位のリヴィエールは今季3度目の入賞。新参チームながら安定した活躍が
光る。一方で接触でダメージを受け、途中応急修理のためのピットストップ
を余儀なくされたバトラーは、結局12位で完走。痛恨のノーポイントでレ
ースを終えた。

ドライバーズ選手権はバトラーが97ポイントでトップをキープ。しかし、
今回ノーポイントに終わり、ポールトゥウィンを飾ったラムダが80ポイン
トとしランキング2位に浮上。バトラーとのポイント差を17と詰めてきた。
3位には今季未勝利ながら、すでに3度の2位表彰台を記録するファングが
62ポイントで続く。4位には59ポイントでロッソ、5位には51ポイン
トでラスムッセンが続いている。
チームランキングはここにきて、129ポイントでトップのマーキュリーに
対してピットブルが122ポイントと、なんと7ポイント差まで詰めてきた。
3位のノルディックは88ポイントとやや離され、今季もチームタイトルは
マーキュリーvsピットブルの様相を呈してきた。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ニコ・ラムダ(ピットブル)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓(太字)

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次回はヨーロッパラウンド高速3連戦の最後の舞台、ムジェロで行われるイ
タリアGPだ。イモラとの隔年開催となるムジェロ。高低差40m以上、ア
ップダウンの激しい高速テクニカルコースで行われるハイスピードバトルを
お楽しみに!!

NeXXtream Press  「2ndシーズン序盤戦号」

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◆シーズン序盤戦号

大盛況で幕を閉じた1stシーズンだが、新たに開幕した2ndシーズンもここまで5戦で5人のウィナーが誕生し、今季も変わらず大混戦の展開を見せるNeXX。5戦を消化した時点でドライバーは昨季王者のバトラーが、チームはマーキュリーが首位にいるもののポイント差は僅差で、今季も1戦消化する毎に目まぐるしく順位が入れ替わってゆくこと必至のNeXX世界選手権。前回は開幕から3戦のダイジェストをお伝えしたが、今回は第4・5戦の中南米ラウンドの模様を振り返り、そして今後の選手権の展開を展望してゆこう。また、各チーム・サプライヤーなどの気になる噂、情報もたっぷりと紹介してゆく。第6戦からは舞台をヨーロッパに移し、選手権はさらなる展開をみせてゆく。2ndシーズンは今後どのようなドラマをみせるのか!?

■レースリポート

◇第4戦・ブラジル サンパウロ市街地サーキット

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第3戦までで3人のウィナーが誕生し、昨年同様の混戦模様で迎えた第4戦ブラジル。昨季は王者となったバトラーが初優勝を飾ったが、今季は?予選PPは2戦連続でラムダが獲得。フロントローにはF1からのライバル関係にあるファングが並んだ。バトラーは3番手、そして新規参戦のマルドゥーク、リヴィエールが初のシングルグリッド6番手につけた。決勝は曇りのち晴れ、スタートでは中段から後方でのアクシデントにより、序盤からセーフティカーが出動する展開となる。さらにリスタート後にラムダがリタイヤ。2戦連続のミッションブローで、ラムダは序盤で姿を消す。レースはファングが引っ張り、バトラーが続く展開。そして3番手にリヴィエールが続く。しかしトップを行くファングのマシンにギアトラブルが発生。ギアがスタックしペースが落ちた一瞬を見逃さず、バトラーが先頭に立つ。その後はタイヤ交換で順位を入れ替えつつ終盤へ。最終的にトップに立ったバトラーは、終盤になってFLを連発しファングを突き放してゆく。レースは昨季同様バトラーが、ブラジルで今季初優勝。2位にはファングが入り、マルドゥークのリヴィエールが初入賞を3位表彰台で決めた。

◇第5戦・メキシコ エルマノス・ロドリゲスサーキット

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第5戦は今季初開催となるメキシコ。標高2300mの高地決戦だ。予選PPはなんと3戦連続でラムダが獲得。今度こそ完走、優勝をはたしたい。2番手にはラ・ポルタが続き、3番手にはノルディックの2台がつけた。一方バーンズ、マイネといった実力者が早くも2度目の予選落ち。決勝も波乱が予想された。レースはラ・ポルタがスタートを決め、ラムダをかわしてトップに立つ。2位にハイデンフェルドが続き、ラムダは3番手に後退。レースはここからハイデンフェルドが引っ張ってゆく。中盤、5番手にデ・ランジェリス、10番手にチャプマンが浮上し、ここまでノーポイントのアブラモビッチ勢にW入賞のチャンス到来。中段ではペースの上がらないファングがズルズル後退し、9番手バトラーを抑え込む格好になっていた。中盤にはいってもハイデンフェルドは独走、かたや追走するラムダはまたもや、マシンから白煙を上げてストップ。3戦連続のミッションブローでリタイヤに終わった。これにより追走するラスムッセンが2位にあがり、ノルディックの1-2体制となる。レースはハイデンフェルドが独走で初優勝。2位にラ・ポルタ、3位にはロッソが入り、一時2番手まで浮上したラスムッセンはピット作業のミスもあり7番手。またここまで唯一ノーポイントだったアブラモビッチ勢はデ・ランジェリス4位、チャップマン5位とW入賞。20番手からスタートしたバトラーは、意地で9位入賞をはたした。

◇第5戦終了時点でのドライバーズランキング
 1位 アレックス・バトラー          72
 2位 アレンザンダー・ロッソ         58
 3位  ケリー・ラスムッセン         41
 4位  デイヴィス・ファング         36
 5位  ニコ・ラムダ             34
 6位  アレン・バーンズ           33
 7位  ミック・ハイデンフェルド       31
 8位 アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ  26
 9位 ジョリー・セプター           25
10位 宋 昇龍                24
10位 ルドルフ・マイネ            24

序盤の5戦を終了し、選手権はバトラーがリードする展開だ。2番手には開幕戦の覇者ロッソが付け、昨季3位のラスムッセンが今季も3位につけている。4位にはファング、5位にはラムダがつけ、やはり有力視されていた面々が上位につける。ここで注目すべきは1位のバトラーの安定感だ。2位ロッソが5戦中入賞3回、ファングは2回、ラスムッセンが4回なのに対し、バトラーは1勝含む全戦入賞。予選もメキシコ以外は安定してトップ10圏内を確保している。対して昨季2位のラムダは5戦でなんと3回のPP、1勝をあげているが4度のリタイヤを喫している。しかもリタイヤの原因はいずれもマシントラブルである。トップのバトラー以外の戦績には安定感がなく、安定感の面で言えばバトラーが頭抜けている。マーキュリーのマシンには今のところ目立ったトラブルもなく、相棒のマルケーナスともども完走率は100%を誇る。一方でラムダは第3戦から3戦連続のミッショントラブルに見舞われ、予選で3戦連続PPを獲得しながらもフイにする展開に。このまま選手権が展開するならば、2ndシーズンの王座もバトラーのものになる可能性が高いが、そう簡単にはいかないのがNeXX世界選手権だ。バトラーは昨季、中盤で一時失速。そして王座がかかった最終戦ではスタート直後に接触しリタイヤするなど、脆さも見せた。また、2位のロッソは1勝3位2回と入賞は全て表彰台、4位のファングも入賞2回はいずれも2位表彰台だ。3位のラスムッセンは上位入賞こそ少ないものの、5戦中4戦入賞、決勝レースではリタイヤ続きのラムダも、予選では3連続PPと速さがさび付いたわけではない。選手権は全18戦、そのうちまだ5戦が終了したにすぎないのだ。現時点でトップから10位までのポイント差は48。優勝、PP、FLで1レース最大30ポイントが獲得可能な選手権においては、当然まだまだ逆転が可能。この先13戦でどう転んでゆくかはわからない。ラムダは昨季も同じように前半躓いたが、後半に怒濤の追い込みを見せた。またラスムッセンのように堅実にポイントを重ねる存在も、後々上位に残る可能性は高い。今のところポイント上では、上位11名全員にチャンスがある状態だ。
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★昨季のディフェンディングチャンピオンで、
 今季もランキングトップを行くA.バトラー


◇第5戦終了時点でのチームランキング
1位 マーキュリー・レーシング         86
2位 ノルディック・モータースポーツ      72
3位 アントネッティオートスポーツ      59
4位 ピットブル・エクストリーム・レーシング  55
4位 チャイナドラゴン・レーシングチーム    49

チームランキングは御覧の通り。トップはマーキュリーだが、14ポイント差でノルディックが追い、ピットブルが4位につけ、上位に顔を出す面々は昨季と大きく変わらない。この3チームの強みは、No.2ドライバーがポイントを計算できる存在である点。対して3位のアントネッティはNo.2のリンドホルムがここまで1ポイントと、思いのほか苦戦しており4位タイのチャイナドラゴンは、二人とも思いのほかポイントが伸びずにいる。やはり所属ドライバー二人がきっちりポイントを拾ってこれるマーキュリー、ノルディック、ピットブルの3チームが最終的には、選手権を争う存在となってくるのではないか。来季以降この3チームに戦いを挑むつもりの他チームは、やはりきっちりとポイントを拾えるドライバーを二人揃える必要があるだろう。
第6戦からはヨーロッパラウンドに入ってゆくNeXX、今後の展開に大いに注目したい!! 


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パドックプレス

◇ピットブル、シーズン途中でのドライバー交代もある? マイネはシート喪失の危機!? ラムダは3戦連続のギアボックストラブルでおかんむり

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★(左)第3戦から3戦連続でミッショントラブルに悩まされたラムダは、立て続けに同内容の
トラブルに見舞われ呆れ顔。(右)F1でも大いに注目されていた才能、今季中のデビューも噂
されるボナパルト

昨季のチャンピオンチーム、ピットブルが苦しんでいる。開幕戦でNo.2のマイネが予選落ちを喫したのを皮切りに、第3戦から3戦連続でラムダのミッションがブローアップし、ポイントを落としている。またマイネが2度目の予選落ちを喫したメキシコでは、マイネのマシンは予選からミッションにトラブルを抱え満足に走行ができず、ラムダのギアボックスはは決勝レースの終盤でブローアップ。メキシコでリタイヤしたラムダは、マシンを降りてからしばらくマシン後方をのぞき込み、納得の行かない様子を見せた。チームは現在このミッショントラブルの原因究明に躍起で、パーツ1点1点の再確認・リファイン、ミッションオイルの変更など様々な対策を講じているという。
「まともに走れば戦えるマシンだ、ましてや私が操るのだから当然だ。しかし今の我々はその手前の段階にいる。優勝かリタイヤかなんて、セミオートマ黎明期の話だよ。一刻も早く原因を特定しなければ。走ってみなければわからないでは、勝負はできない。」とラムダもおかんむりだった。 
そんなピットブルについて今ささやかれているのが、No.2シート交代の噂だ。第3戦終了後の合同テストでは、リザーブドライバーのボナパルトにテストプログラムのメインを託し、No.2のマイネはやや蚊帳の外におかれていた感がある。F1でも結果の出ないドライバーは、容赦なく2ndチームに格下げしてきたピットブル。もしマイネがピットブルを追われるようなことがあれば、受け入れ先はあるのだろうか?F1のように、1つのチームがいわゆる「セカンドチーム」を持つことを禁じているNeXXでは、残留する為には他チームへの移籍しか選択肢はない。一時期F1に参戦していたカムイにゆかりのあるマイネは、トライアンフがカジワラの後釜にリストアップしているという噂もあるがはたして?  
昨季1勝をあげピットブルの王座獲得に貢献したマイネだが、早くも2年目にして正念場を迎えている。

◇チャイナドラゴン、共同オーナーの参画とともにチーム名変更か?
チャイナドラゴンのオーナーである李舜英は、かねてから準備していた共同オーナー体制への移行は今季中に行われることを明言し、来季からのチーム名変更の可能性にも言及した。
チャイナドラゴンチームの共同オーナー体制への移行については、昨季オフに李舜英氏から既に発表があり、世界的映画スターのジャッキー・チュン(無天老師様ではない) が参画するということから注目が集まっていた。
以前の李氏の発表によると、体制移行は早ければ今季前半戦中にとのことだったが、チームの株式売買手続きには今少し時間がかかる見通しだ。また、正式にチーム体制の変更を申請できるのは2ndシーズンが終了以降のため、今季中は焦らず新体制へ向けた準備を進めるようだ。
新体制に移行後は李氏とジャッキーの持ち株比率は51対49となる見通しで、チームの実権自体は李氏が掌握するものの、ジャッキー側もチームに対して大きな発言権を持つことになるとみられている。無類のクルマ好きでレース好きとして知られるジャッキー・チュン氏はWECをはじめとするいくつかのカテゴリで「ジャッキー・チュンDC レーシング」という自身のチームを参戦させており、モータースポーツとの関わりは深い。また持ち株比率から、これを機にチーム名もジャッキーのレース活動にまつわるものになるのでは?との憶測を呼んでいる。
それについて李氏は「ははは、それについては今のところなんとも言えませんね。変わるかもしれませんし、そうではないかもしれません。でも私は現在のチーム名を気に入っているんですよ。あとはジャッキーの意見も聞いてみないとね。」と語り、チャイナドラゴンというチーム名には愛着があることを主張。ともかくも、中国企業の世界でのより大きな飛躍をめざし、ハリウッドスターとのタッグを選んだ李舜英氏。チャイナドラゴンチームの来季以降の活躍に期待しよう。

◇マルドゥーク家が4thシーズン以降のドバイGPの、市街地での開催を計画中

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★(左)市街地コースの敷設が予定されている『ドバイ・モーターシティ』。(右)マルドゥーク
チームのオーナーでドバイ皇太子のダムハン殿下


今季からマルドゥークチームを率いてNeXXに新規参戦している、ドバイの王家マルドゥーク家が、4thシーズン以降のドバイGPの開催をドバイ市街地で計画していることがわかった。第4戦ブラジルGPの舞台サンパウロに姿を現した、マルドゥークチームオーナーのダムハン殿下は、プレスの囲み取材に応じ市街地開催計画があることを語った。 
「私は開幕戦のサーファーズパラダイスを見、そして今回サンパウロの市街地コースを見て、市街地でのレースがいかに心を刺激するかを改めて思い知らされた。我が国には常設のサーキットがあるが、いずれはドバイの街の中を走るレースを開催したい。実はコースにする区画には、ある程度めぼしをつけているんだ。」と語り、ダムハン殿下の中ではある程度「ドバイ市街地コース」の構想が練りあがっていることを明かし、詳細についても語った。
殿下によると、コース敷設を予定しているのはドバイオートドロームに隣接する道路を使用したコースで、モーターシティと呼ばれる区画とスタジオシティと呼ばれる区画を結ぶ約5.5kmの区間とのこと。くつろいだ雰囲気の高級住宅地、ジュメイラ地区にも隣接し、ゴーカート場を囲むように敷設されるという。またレース時間は今季同様ナイトレースになるだろうとの見解も示し、計画がかなり詳細な部分まで練りこまれていることをうかがわせた。
一国の主がチームのオーナーであり、開催国の主催者でもあるという特異な立場だからこそできる計画だが、実現すればNeXXに新たな「名物レース」が加わることになる。カレンダー全18戦中最もゴージャスなレースになることは間違いない。今後のマルドゥーク家の動向にも注目していきたい。

◇3rdシーズンに移籍が噂されるドライバーたち
今季設立2年目を迎える新カテゴリNeXX、2季目の開幕にあたり飛躍を目指してドライバーラインナップを刷新するチームもあったが、1stから2ndシーズンの切り替わりで、移籍をしたドライバーは今季アントネッティから参戦するロッソだけだ。しかし来季3季目を迎えるともなると、移籍市場はいよいよ活況を呈してくる。モーターレーシングの世界では、ストーブリーグまたはプールリーグと呼ばれる移籍に関する動きは毎年付き物だが、1stシーズンオフにロッソ以外の目立った移籍劇がなかったため3rdシーズンに向けた移籍に関する憶測は、早くも2ndシーズン前半戦のこの時期に飛び交い始めた。今回は今現在NeXXのパドックで噂されている、移籍に関する主だった噂を取り上げてみよう。

1.ルドルフ・マイネ 移籍先:トライアンフ

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マイネに関しては度々お伝えしているが、現所属チームのピットブルのマイネに関する評価はそれほど高くないようだ。昨季1PP、1勝で実績は十分だが、コースの性格によって戦績にムラがあり下位に沈むこともしばしば。また今季すでに2度の予選落ちを喫していることも、マイネの立場を危うくさせている大きな要因と言える。
現在マイネについて上がっている噂で、有力視されているものはトライアンフへの移籍だ。F1参戦時は現在トライアンフにエンジンを供給するカムイが率いるチームに所属していた縁もあり、またトライアンフ側もカジワラに代わるドライバーをピックアップしているという動きがある。ピットブル側もマイネよりも、リザーブドライバーのボナパルトに将来性を見出しているフシがある。この情報は現在、かなり確度の高いものとしてパドックでは扱われている。

2.カーティス・マルケーナス 移籍先:エヴァー・グラハム

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マルケーナスについては、地元オーストラリアのエヴァー・グラハムが獲得を狙っているとの噂がある。昨季「F1四天王」の一人として迎えたバーンズが期待外れに終わったことに起因するものだ。しかし今季はここまで、2度の予選落ちはあるものの昨季を上回る活躍を見せている。予選でもPPを獲得するなど活躍を見せ、2度の予選落ちもマシンのトラブルによるもの。チームの評価は昨年ほど低くない。この移籍が実現するとしたら、それは今季ここまで開幕戦以来入賞のないバロンとの交代という形で実現するかもしれない。
ともあれマーキュリー側が現時点で、マルケーナスの評価について目立った発言をしていないため、実現する可能性については未知数だ。しかしマルケーナスもここまで、リザルトではバトラーに大きく水をあけられており、マーキュリー側の評価いかんで今後の彼の立場は変わってくる。また「F1四天王」において唯一ここまで、優勝のないのがバーンズで、エヴァー・グラハムのバーンズに対するそもそもの評価がそれほど高くないという噂も。やはりマルケーナスの移籍は、バーンズの今季の戦績次第だろう。
 
3.ゾルタン・ゲラ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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昨季第16戦日本で優勝して以来、ゲラのパドックでの評価はウナギのぼりだ。運営規模の小さいチームにあって、なかなか走らぬマシンを駆っての健闘。今季は参戦台数が増え一層の苦戦を強いられているが、それでも2度の入賞を果たし、7ポイントを獲得している。遅咲きのハンガリー人の獲得を狙っているチームは少なくない。
しかし、現状獲得が噂されるチームはそれぞれNo.1シートが安泰で、移籍するとなると2ndシートにおさまることが濃厚。さらなる飛躍を目指すゲラが、この状況をどう考えるかが移籍のポイントとなるだろう。

4.ファン・カレッジ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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ゲラ同様複数のチームが獲得を狙っていると噂されるのが、今季初参戦の「驚異の新人」カレッジだ。ガジャックという新参チーム、そして今季も苦戦するピジョンエンジン搭載のマシンを駆って、全戦予選通過。大雨となった第2戦インドネシアの予選ではセカンドローを獲得してみせた。この走りには各チーム大いに驚嘆し、パドックで彼の 評価はぐんぐん上がっている。
いまのところはゲラ同様、ビッグチームの2ndシートへとの噂が有力だ。しかし新参チームガジャックにとっても手放しがたい才能であることは間違いない。今後のガジャックとの交渉次第で、2年目でのステップアップもある。

ほかにもいくつか噂はあがっているが、現状有力視されている噂は上記4件だ。とはいえシーズンはまだまだ序盤戦が終了したばかり。今後どのようにプールリーグが展開してゆくかは、今後の選手権の状況如何でも大きく変わってくるだろう。今後の展開に注目だ。

◇カムイ、SUGOと技術提携。開発体制の強化を図る

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★3rdシーズンより純和製タッグを組んでの参戦となる、SUGOとKAMUIに日本の期待が集まる

トライアンフ、リナルディにエンジンを供給するカムイが、来季から日本の発動機メーカー「SUGO」と技術提携し、開発体制の強化を図ることを発表した。
NeXX発足後いち早く参戦を表明し、F1から活躍の場を移したカムイだが、現状やや苦戦を強いられアシュトンバーキン、DMWといったメーカー勢の後塵を拝する形となっている。この苦境を打開すべく、日本で自動車の他に飛行機、船舶など発動機開発で幅広く活躍するSUGOと技術提携を結んだ。現在水素エンジンで空を飛ぶ飛行機「水素ジェット」の国産機開発で、国内他社をリードしているといわれるスゴウ。自動車の水素エンジンについても独自に開発を進めているSUGOは、NeXX用エンジンの開発に携わることでの市販車への技術的なフィードバックを期待し、今回の提携に至ったという。
SUGOの自動車部門を統括するSUGO・ASURADA・ジャパンの菅生あすか社長は次のように語った。「このたびNeXXで活躍する日本企業カムイとの技術提携契約を締結できたことを、心よりうれしく思います。これからの自動車の在り方について世界では未だ様々な可能性が叫ばれていますが、当社は「水素燃料を使った内燃機関」に最も大きな将来性を見出しています。NeXXに参戦し、カムイ社と技術を共有することでSUGOは今後も大きく成長し、来るべき水素社会の実現に大きな貢献を果たすことができると確信しています。」 
すでにカムイとSUGOは、北海道は河西郡更別村にレースエンジン開発の為のファクトリーを建設し、十勝スピードウェイを専用テストコースとして使用することも発表。来季用のエンジンについての開発作業を開始していることも発表した。 
カムイの神麗華社長も「SUGOとの技術提携は間違いなく、我がカムイの競争力を大きく飛躍させてくれることでしょう。そして我々の活動がSUGOの技術開発に好影響をもたらすことも悦ばしく思います。今現在我々はカーボンニュートラル、そして水素社会の実現に向けて日本でもっとも進んだ企業体となりました。我々の活動が世界の産業に大きな影響をあたえ、地球環境の保全のため水素社会への転換を促す大きなきっかけとなることを望んでいますわ。」と語り、今後の展開に期待をのぞかせた。
カムイとSUGOの共同開発するNeXX用水素エンジンは、すでに来季からの投入を念頭に開発が進められているという。エンジン形式、バッジネームなどの情報は未確認だが、来季のカムイエンジンに大きな注目が集まること間違いなしだ。


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■FNO(NeXX運営統括機構)、4thシーズンより変更のシャシーレギュレーションでDRSの撤廃へ

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★ピットブルのDRS。現状技術委員会はNeXXには不要との判断を下した。

FNOはシャシーデベロッパー各車が完全新型車を投入する予定の4thシーズンをメドに、DRSを撤廃する旨を発表した。DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、マシンの高性能化に伴いコース上での追抜きが激減したF1が、レースのエンターテインメント性をより向上させる手段として投入したデバイス。レースでは指定された区間でのみ使用可能で、直線でリアウィングのフラップを開くこで空気抵抗をなくし、追抜きをし易くすることを目的としたデバイスだ。
しかし、1stシーズンの全レース映像を分析したFNOの技術委員会は、NeXXにDRSは不必要と判断したようだ。技術部長のコルトン・バーレイはこう語る。「現在DRSはF1やWECなどで採用されているデバイスだが、F1ドライバー達は事あるごとに不要論を唱えているね。私も彼らと同感だ。だがF1は現在コーナリングスピードの向上とダウンフォース量の増大で、コーナーでの追抜きが難しくなっているため、F1ではDRSがないと追抜きは難しいだろう。しかしこのNeXXにおいては、DRSが不要であることは昨年のバトルを見れば明白だ。
NeXXのマシンレギュレーションではF1ほどのハイダウンフォースは獲得できないし、コーナリングでの姿勢制御はF1より難しく、ハードなブレーキングが要求される。DRSゾーン以外での追抜きも多く見られており、DRSがなくともオーバーテイクが可能なマシンであることが1stシーズンで証明された。正直これは我々技術部門も想定していなかったことだが、不要なものにいつまでも執着する必要はない。そのため撤廃を決断した。逆に通常なら追いつけないような状態からのDRS使用で、多重クラッシュが多く起きていることも分かった。競技の安全面から考えても、4thシーズン以降のDRS撤廃は妥当な判断と考えるよ。」
デベロッパー各社にはすでに、技術委員会より通達済みというDRSの撤廃。これにより4thシーズンからのレース模様は、どのように変化するのか? 現在シグマテックに軍配が上がっているデベロッパー間の力関係にも、変化が生ずるかもしれない。

■ヨコスカが3rdシーズンに向け、新コンパウンドのハードタイヤを開発中。早ければ今季終盤の投入も?
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★参戦2年目のヨコスカは、今季やや苦戦気味だ

現在NeXXにタイヤを供給するサプライヤー2社のうち、日本のヨコスカが次期シーズンより新コンパウンドのハードタイヤを投入することが分かった。これまで1stシーズンから計23戦を戦い、ヴァシュロン勢が16勝に対し、ヨコスカ勢は7勝とヨコスカはやや劣勢。さらにノックアウト方式に変更された今季の予選では、ヨコスカ勢が圧倒的な不利を被っている。ヨコスカユーザーの各チームからは、ハードタイヤの性能向上を求める声が多く上がっており、これに対しヨコスカは早急なハードタイヤのコンパウンドの性能改善に着手した。
ヨコスカの開発担当チーフ玉島裕久氏は「今供給しているハードタイヤは耐久性重視で、決勝でのロングライフを実現するためにコンパウンドをかなり固いものにしていたんですけど、今季からの予選方式に対応できていないことはもう明白で・・。中段よりうしろのチームが予選でかなり苦戦していることはわかっているので、今予選でも戦えるハードコンパウンドをテストしているところです。」と語る。 
「予選方式変更の通達があったときから、ちょっと苦しいかもという話は出ていたんです。ただ、グリップ云々ではなくてタイヤ自体の耐久性の問題があるんで、早急には投入できませんでした。なのでひとまず来季からの予定で動いてますが、早ければ今季の終盤戦から投入できるかもしれません。」とのこと。 
「グリップと耐久性の両立は非常に悩ましい問題で、コストの関係もあるんで劇的な性能アップは現状難しいですが、予選を戦えるように改善する必要は必須です。もしかすると決勝でやや使いにくいタイヤになる可能性もありますが、予選を通過しないことにはという声はユーザーから多く上がっていたので、まず予選での戦闘力向上を念頭において開発を進めています。
ウチの売りはライフが長いことでストラテジーに幅を持てるという部分ですから、そこをスポイルしないようなハードタイヤを目指して、今ことを進めてます。」 
昨季はヨコスカ勢の活躍も目立ったが、特に今季はヴァシュロン勢にやられている印象が強いヨコスカ。決勝ではその耐久性の高さから、全スティントでソフトタイヤを使う「オールソフト作戦」など、幅のある戦略をとれることがメリットとなっているが、玉島チーフの話にも合った通り予選ではハードタイヤのグリップの低さに足を引っ張られるチームが多いのも事実。こういったデメリットを考慮してか、今季参入の3チームもヨコスカをチョイスしなかった。 
このままでは来季の契約チーム数が減ることも考えられ、死活問題となってくる。早ければ今季後半にも投入予定というヨコスカの新ハードタイヤに、ユーザーは期待を注ぐ。

  
NeXX2ndシーズンは第6戦イギリスGPから、ヨーロッパラウンドへ突入する。イギリス以降第8戦イタリアまでは高速トラックでの3連戦だが、第9戦オランダから11戦チェコまでは低速トラックが連続し、各チームの戦い方も非常に難しくなってくる。ここまで5戦を消化したNeXXだが、これまで低速と呼べる性格のトラックでのレースはなく、この中盤の低速3連戦では現在上位のチームの苦戦、そして中段以下に沈むチームの躍進も十分考えられるカレンダーだ。全18戦の選手権で、その後の展開を大きく左右するのがこの中盤戦。ますます激化するNeXXの選手権争い、ヨーロッパラウンドの戦いにも注目だ!!