☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

Formula NeXXtream 2ndシーズン・18

『Formula NeXXtream 2nd』
□第18戦 アメリカ ロングビーチ市街地サーキット

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 1周:3.17km
 特性:「高速」「市街地」
 ターン数:24(96周)

2ndシーズンのチャンピオンシップもあと1戦となった。泣いても笑ってもこれ
が最後、完全決着戦の舞台は今季もアメリ東海岸カリフォルニア州ロングビー
チだ。前戦カナダではラムダが独走で今季4勝目、これで第16戦日本GP終了時
点でバトラーが僅か1ポイントリードしていたランキングは、ラムダの9ポイント
リードへと変わった。昨季はバトラーの圧倒的有利な状況で最終戦を迎えたが、今
季は変わってラムダ優勢。果たして今季はどちらがタイトルを手にするだろうか。
舞台となるロングビーチは1976~83年までF1が開催され、それ以降は常に
インディカーシリーズのカレンダーに名を連ねる伝統の市街地コースだ。しかし来
季からアメリカGPはインディアナポリスでの開催が決まっており、NeXXの開
催はひとまずこれが最後ととなる。
古くから重工業と観光業で栄え若者文化の発信地として知られるこの街は、アメリ
カンモータースポーツとの関わりが深く、マリーナベイに近くてアップダウンの多
い地形からも『西海岸のモナコ』と呼ばれた。コースはロングビーチの海にほど近
い『パイク』と呼ばれるエリアにある、ロングビーチコンベンションセンター
ショッピングモールを囲む形で敷設されており、NeXXではインディカーと同様
のレイアウトを使用する。1周3.167kmのショートトラックは11のコーナ
ーで構成されている。大きな幹線道路を使用した緩やかに右に弧を描くホームスト
レート、コントロールラインはカーブの前半に設置される。噴水のある花壇を回り
込むように設置されたクランク型シケインのターン2、3や、下りながら左にクリ
アしてゆくターン10などテクニカルな難所はあるが、平均速度域は高くどちらか
というと高速ストリートコースの部類に入る。またアメリカの市街地特有の荒れた
路面が、このコースを難所たらしめている。
昨季はバトラーの20ポイントリードで迎えた最終戦、今季は逆にラムダの9ポイ
ントリードで迎えるがバトラーvsラムダのタイトル争いの図式は変わらなかった。
レースは96周、その果てに待っているのはバトラーの連覇かラムダの初戴冠か?
レースは想像以上に白熱した展開となった。

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:アレックス・バトラー(マーキュリー)
ラムダの9ポイントリードという、圧倒的ラムダリードの条件で迎えた予選だった
がそこでPPを獲得したのはバトラーだった。雲の隙間から所々青空が覗くような
うすぐもりの予選、圧倒的不利な状況でもバトラーはあきらめず全開アタックを見
せた。Q3の最後にタイムを出したラムダは、結局直前にトップタイムをマークし
たバトラーのタイムを抜けなかった。これでポイントリーダーのラムダのリードは
6ポイントと縮まり、ラムダは2番手からのスタートとなった。そして3番手には
ボナパルトがつけた。これまで予選ではそれほどのインパクトを残してこなかった
ボナパルトだが、ラムダの援護のため2列目を確保。ピットブルは総力戦の構えだ。
4番手には後半戦絶不調をかこったファング、得意の高速市街地で速さを見せた。
5番手には地元アメリカのロッソ、6番手ゲラと今季の選手権を盛り上げた伏兵が
サードローにつける。そして7番手には地元の雄カジワラ、8番手にはチャップマ
ンがつけた。9番手には終盤戦に調子を上げてきた宋、10番手には同じく後半戦
復調してきたリンドホルムがつけた。
一方でチームタイトル3位のノルディックはハイデンフェルド12番手、ラムスッ
セン17番手と2台とも中団以降に沈む。さらに前戦4位入賞、市街地マイスター
の日向も今回は15番手と中団に埋もれた。同じく市街地が得意なカレッジも18
番手に沈む、来季移籍するアントネッティの地元で良いところを見せたかったが、
カレッジも後方に沈む。そして一番の問題はマルケーナスが22番手に沈んだこと
だ。ピットブルに36ポイント差をつけられてはいるが、マーキュリーにもまだま
だわずかだが逆転でのチームタイトル獲得の可能性があった。しかしマルケーナス
が後方に沈んだことで、事実上マーキュリーのタイトル獲得の可能性はほぼなくな
ってしまった。
終戦の予選落ちはヴィックス、カブロン、セプター、デ・ランジェリスの4台。
プルトンの2台はカナダに続いて2戦連続2台とも予選落ちで今季ラストを飾れず。
カムイエンジンの載る来季に期待したい。そして今季2勝をあげたセプターも予選
落ちを喫した。2勝をあげながらも今季3度目の予選落ちとなったセプターは、ま
だ来季のシートが決まっていない。果たして来季の去就はどうなるのだろうか。


<決勝レース>
決勝は前戦カナダ同様、抜けるような青空のもと行われた。12月のカリフォルニ
アは温暖で過ごしやすい。雨だけが心配されたが快晴でのレースとなった。荒れた
路面の市街地コースだが、コーナー数も少なくタイヤへの負担はそれほど大きいコ
ースではない。よってほとんどのドライバーがソフトタイヤをチョイスした。ヨコ
スカ勢の中には例によってオールソフト作戦を企図している者もいたようだ。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>      <ヨコスカ>
M.ポルボローネ
A.ファーシマス
J.グーデリアン
J.カレッジ

   
◆SOFT
<ヴァシュロン>      <ヨコスカ>
N.ラムダ         A.バーンズ 
M.ボナパルト       J.バロン
A.バトラー        日向 俊郎 
K.マルケーナス     J.カジワラ 
S.シエナ         J.チャップマン                       D.ファング
Z.ゲラ          D.ファング
K.ラスムッセン      L.ソリス
M.ハイデンフェルド    宋 昇龍 
A.ラ・ポルタ          
A.フィリオ              
A.ロッソ       
D.リンドホルム        
B.リヴィエール  
C.タンデイ 

=ユーズドタイヤ


◆王座決定条件  

 ラムダ   バトラー   ポイント差
 191   185      6
※バトラーには第18戦PPポイント加算済み

・順位別獲得可能ポイント

       <ラムダ>        <バトラー>
 優勝    191+25=216   185+25=210
 2位    191+18=209   185+18=203
 3位    191+15=206   185+15=200
 4位    191+12=203   185+12=197
 5位    191+10=201   185+10=195
 6位    191+ 8=199   185+ 8=193
 7位    191+ 6=197   185+ 6=191
 8位    191+ 4=195   185+ 4=189
 9位    191+ 2=193   185+ 2=187
10位    191+ 1=192   185+ 1=186

※ファステストラップ獲得で2ポイント加算

ラムダ → 優勝なら文句なしで王座獲得。また何位であれラムダがバトラーに先
      着すれば文句なしで王座はラムダのものとなる。
      しかしラムダが2位でバトラーに優勝された場合、バトラーに1ポイ
      ント逆転されてしまうためこのケースでラムダが王座を獲得するため
      にはファステストラップの獲得が絶対条件となる。
      ラムダがノーポイントの場合はバトラーが8位以下であればラムダの
      王座は確定、7位の場合バトラーがFLを獲得していればバトラーの
      逆転王座となる。

バトラー→ 基本的にラムダより前でフィニッシュすることが絶対条件で、優勝以
      外だと大きく順位差をつけていなければ逆転王座は望めない。バトラ
      ーが2位でラムダが5位、のように最低3つの順位差をつけてフィニ
      ッシュしたいところだ。
      また取れるポイントは全て取りたいバトラー、逆転王座の為にはFL
      獲得は絶対条件と言える。

※条件によっては同ポイントで並ぶ可能性もあるが、バトラーは優勝回数でラムダ
 に負けているため、同点の場合はラムダが王座獲得となる。
 (ラムダ4勝、バトラー3勝)


レースは大きな混乱なくスタート。グリッド順のままトップからバトラー、ラムダ
ボナパルト、ファングの隊列でターン1へなだれ込む。中団では8番手スタートの
チャップマンが、カジワラをかわして7番手に浮上。後方でもいくつかの順位変動
はあるものの大きな動きなく進んでゆく。
バトラーからファングの前4台のペースは速い、しかし地元で張り切るロッソがペ
ースアップ。開幕戦以来の優勝を狙いファング、ボナパルトを追い落とし3番手に
浮上する。

6番手のゲラ以降はついて行けずやや離される。スタートでチャップマンに先行さ
れたカジワラが、チャップマンを抜き返し大喝采。チャップマンはどこかでミスが
あったのか宋、リンドホルムにもかわされ10番手まで後退してしまう。中団は相
変わらず大混乱だ。さらに後方では事故発生。ターン8の侵入でオーバーテイク
しかけたカレッジにフィリオが接触。2台に大きなダメージはなかったものの、そ
れぞれポジションを落としてしまう。

そしてここでなんと快調にトップを征くバトラーにトラブル発生。左リアタイヤ
違和感を感じたバトラーのペースがガクっと落ちる。どうやらスローパンクチャの
ようだ。バトラーの異変を察知したラムダはマシンを左右に振ってプレッシャーを
かけるも、バトラーは巧みなブロックラインで防ぎきる。そしてバトラーは4ター
ン目、予定外のピットストップを強いられるのだ。

新品ソフトでスタートしたバトラーは、ユーズドハードに繋ぎレース復帰。ファン
グの後ろ5番手でコースに戻る。逆転王座の為には少なくともラムダに先着しなけ
ればならないバトラー、しかしここからの挽回は容易ではない。
一方トップに立ったラムダは快調に飛ばす。2番手に上がったロッソはややペース
ダウン。後ろにまわったボナパルトがしきりに前をうかがい、一瞬のスキを突いた
ボナパルトがポジションを奪い返す。これでピットブルは1-2体制だ。

中段もなかなかの大混戦、宋、ゲラ、リンドホルムの熾烈な6番手争いが展開され
る。その後方でSLOのマシンが1台ピットインしてきた。サントス・フィリオだ
った。サントス・フィリオは前のターンにカレッジと接触、マシンにダメージはな
かったものの、右フロントタイヤの内圧が低下していた。更に先ほどの接触で10
秒ストップのペナルティも課せられており、タイヤ交換と合わせてペナルティを消
化。ハードタイヤへ交換しコースへ出てゆく。
そしてレースは5ターン目にアクシデント発生、地元アメリカのカジワラがマシン
後方から派手に白煙を上げマシンを止めてしまった。エンジンブローで最終戦を飾
れなかったカジワラはコースの片隅にマシンを止めリタイヤ、このレース最初のセ
ーフティカー出動となる。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ニコ・ラムダ
 2.ミシェル・ボナパルト
 3.アレンザンダー・ロッソ
 4.アレックス・バトラー
 5.デイヴィス・ファング
 6.ゾルタン・ゲラ
 7.宋 昇龍
 8.デイヴィス・リンドホルム
 9.ジョンブル・チャップマン
10.セドリック・タンデイ

ピットオープンとなった7ターン目、トップのラムダがこのタイミングでピットイ
ン。ユーズドハードに繋いで5番手でコース復帰。そしてピットブルはボナパルト
をバトラーに対する「防壁」としてステイアウトさせた。ボナパルトもラムダ同様
ソフトタイヤでスタート、本来ならばボナパルトもタイヤ交換のタイミングだが、
チームは彼の驚異的なタイヤマネジメント能力を活かす作戦に出た。

しかしリスタートとなった8ターン目、ピットブルの作戦はまず一つバトラーに打
ち破られる。バトラーが完璧なリスタートを決め、ボナパルトの前に出てしまった
のだ。ピットブル陣営はバトラーのリスタート時の動きに問題があったとし、スチ
ュワードに抗議したが却下された。ボナパルトのリスタートが特別悪かったわけで
はない。要するにピットブル陣営が抗議せざるを得ないほど、バトラーが完璧なリ
スタートを決めたのだった。

こうなるとボナパルトがピットインを引っ張る意味ももはやないかと思われたが、
ボナパルトはまだ入らない。ピットブルがボナパルトの1回目のピットストップを
遅らせた理由は、もう一つあった。2回のストップを終わらせたラストスティント
でソフトをフルグリップで使わせるため、1回目のピットストップを遅らせていた
のだった。ピットブルは文字通り手を変え品を変えの総力戦を企図していた。

トップグループではファングが9ターン目にピットイン、ユーズドハードへ繋いで
コースへ出ていた。そして1回目のストップを遅らせたボナパルトは10ターン目
にピットイン。こちらもユーズドハードへと繋いでゆくが、ピットブルのクルーが
やや作業に手間取り、ボナパルトはこれでいったん5番手まで後退する。最初のリ
スタート時の作戦を失敗したピットブル、綿密に見えた作戦にこのあたりから徐々
にほころびが生じ始める。

上位グループが全員ピットインしたことで、レースはトップバトラー、2番手ラム
ダの展開に戻る。タイヤはともにユーズドハード、しかしどうやらバトラーの方が
ユーズドハードとの相性が良かったようでバトラーは快調にラムダの前をゆく。逆
にタイヤに熱を入れるのにやや苦労したラムダ、ペースが思うように上がらず後ろ
のファングに突かれるようになる。
しかし後ろでは5番手に下がったボナパルトがペースアップ、ゲラをかわして4番
手に浮上していたボナパルトはすぐにファングにも追いつき、そのままオーバーテ
イクしてしまった。これでボナパルトは3位に復帰、隊列は再びバトラーをピット
ブルの2台が追う形となる。

そして11ターン目、後方で大きな多重事故が発生する。まずシエナとサントス・
フィリオの19番手争いで、サントス・フィリオの仕掛けをブロックしたシエナ
接触。2台が絡み合ってストップしていたところにマルケーナスがグーデリアン
オーバーテイクしようと接近。接触した2台にさらに接触した2台が突っ込むこと
になり、このレース2度目のセーフティカー出動となった。
2セット目のユーズドハードが好感触でラムダを引き離しにかかっていたバトラー
のリードが、これでリセットされる形になったマーキュリー。しかも事故に絡んだ
のがマルケーナスとあれば、マーキュリー首脳陣は頭を抱えるばかりだ。これでタ
イトル争いは完全にバトラーvsピットブル勢の図式となった。マルケーナスは結
局このレース、最後まで一人”蚊帳の外”であっただけでなく、バトラーの快走も
台無しにしてしまった。

ピットオープンの13ターン目、4ターン目に交換したバトラーのユーズドハード
はやや限界に近かったが、バトラーはステイアウト。残りのターン数を考えラスト
スティントをソフトに繋ぐかハードにするか選択のしどころだったが、このタイミ
ングでステイアウトしたことにより、バトラーは最後のスティントをソフトに繋ぐ
可能性が出てきた。それにしてもレースの残りはまだ10ターン以上。今のタイヤ
をもたせられるかも微妙なところ。バトラーは賭けに出た。

14ターン目、2度目のリスタートでは大きな混乱はなし。6番手のゲラがロケッ
トスタートを決め4番手まで浮上した。15ターン目に入ってバトラーのタイヤは
完全に限界を迎えていた。思うようにペースが上げられなくなっていたが、ラムダ
のタイヤも”1段目のガケ”が来ていた。ペースの上がらないラムダを守るように
ボナパルトはラムダの後ろにぴったりついて走る。4番手ゲラがボナパルトに接近
してくるもボナパルトは行かせない。バトラーとラムダの差も徐々に詰まりはじめ
2番手以降がやや数珠繋ぎになり始めた。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレックス・バトラー 
 2.ニコ・ラムダ
 3.ミシェル・ボナパルト
 4.ゾルタン・ゲラ
 5.デイヴィス・ファング
 6.アレンザンダー・ロッソ
 7.ジョンブル・チャップマン
 8.ジェストン・バロン
 9.宋 昇龍
10.日向 俊郎

16ターン目、トップのバトラーと2番手ラムダの差はマージン1。しかしお互い
タイヤは限界に近い。となればどっちが先に入るか我慢比べの様相だが、バトラー
の方が状況的に厳しいのは明らか。はたしてどう動く?
トップ3に続く後続にトラブル発生。4番手を走行していたゲラが急に大きくペー
スダウンした。ギアボックスからオイル漏れの兆候があり、マシンの後ろから白煙
も出ている。これはどこまでもつか・・・
そして後方のチャップマンも、DRSが開かないというトラブルに見舞われていた。
さらに後方ではラ・ポルタとリンドホルムが接触。互いに無傷ではあったがポジシ
ョンを落としてしまった。オイル漏れトラブルのゲラは次ターンにリタイヤした。

17ターン、ついにバトラーが最後のピットイン。レースは残り8ターンだが、バ
トラーは新品ソフトタイヤをチョイス。2セット目のユーズドハードを実に13タ
ーンもたせてのタイヤ交換だった。なんとか最後のスティントをソフトに繋いだバ
トラーだが、しかしピットブル勢はこのあとソフトに交換する。最後までフルグリ
ップで戦えるピットブルの方が終盤は有利だ。ピットブル勢がタイヤ交換するまで
の何ターンかがバトラーの勝負所だ。
バトラーのこの状況に対し、マーキュリーピットも快心の作業でバトラーをコース
へ送り出す。バトラーのピットアウトと時を同じくしてホームストレートにはボナ
パルトが戻ってくる。バトラーとしてはここでボナパルトの前に出たかったが、ボ
ナパルトがバトラーを制する。ボナパルト会心のブロック、バトラーを3番手に封
じ込めることに成功した。ラムダはこのあとタイヤ交換。それまでボナパルトはバ
トラーを抑えきれるか?

18ターン目、ラムダはもう1ターンのステイアウトを選択する。ピットブルの作
戦はこうだ。トップのラムダのタイヤはすでに限界だが、マージン1つ分進むこと
ができボナパルトがそれについて行ければ、このターンでバトラーはフルグリップ
のソフトタイヤを追抜きではなく、ボナパルトに追いつくために使わざるを得ない。
バトラーがフルグリップでバトルできる機会を削りたいというのがピットブルの作
戦だった。しかしこのターンラムダはペースを上げられず・・・
かたやバトラーはむやみにバトルするリスクを鑑み、このターンは動かず。最後の
新品ソフトのフルグリップに賭けたいラムダだが、どうも雲行きが怪しくなってき
た。

後方では中団勢が続々ピットイン。ファング、チャップマン、そして単独スピンを
喫しポジションを落としていたロッソも、ソフトタイヤで最後のスティントを戦う。
そして19ターン目、ついにラムダがピットイン、こちらも当然ソフトタイヤでコ
ースに出てゆく。作業時間は無難なものだったが、かたやバトラー側は快心の作業
でコースに出ている。ピットアウト後の位置関係は果たしてどうか?

トップに立ったボナパルトは可能な限りプッシュ。バトラーが離されずについてゆ
くが、ボナパルトはとうに限界を迎えていた2セット目のユーズドハードでバトラ
ーを抑え込み、その間に3番手でコース復帰したラムダは猛然と追い上げてくる。
20ターンに入ってもボナパルトはまだピットに入らない。ピットブル陣営はラム
ダがバトラーの尻尾を捉えられる位置に来るまで、ボナパルトにバトラーを抑え込
ませる作戦だ。
しかしボナパルトのユーズドハードは既に11ターンを経過、かたや後ろのバトラ
ーはまだフルグリップ状態を維持している新品ソフトタイヤ。ボナパルトのタイヤ
は驚異的なもちだが20ターン目についに力尽きた。ついにここでバトラーがボナ
パルトの前に出てトップに立った。レースは残り4ターンだ。

21ターン目、前が空いたバトラーは渾身のラップをたたき出す。バトラーのソフ
トタイヤのフルグリップはこのターンが最後。最後の力を振り絞ってピットブル勢
とのマージンを築く。そしてボナパルトはついにここでピットイン。驚異的なタイ
ヤマネジメントを見せたボナパルトも、最後はソフトに交換する。
フルグリップのラムダは懸命にバトラーを追うが、前が空いたバトラーのペースは
なかなか落ちない。このままいけばタイトルは2年連続バトラーのものだが、果た
してどうなる?

22ターン以降、後続4番手以降はポジションキープのため大きく動かず。依然と
してトップはバトラー、ラムダは懸命に追うがなかなか差は詰まらない。そしてこ
こにきてラムダは、ややエンジンのパワーダウンを感じていた。
ラムダは結局終盤、ECUのトラブルでペースを上げられず。このままバトラーが
優勝しても、ファステストラップを獲得していれば211vs210でラムダが1
ポイント上回っての王座奪還となったが、ラムダはこの時点でレースファステスト
となっていたバトラーのラップタイムを上回ることもできず。

レースは序盤のタイヤトラブルを跳ね返し、土壇場の驚異的な速さでバトラーが優
勝。バトラーと終始激しいバトルを繰り広げたピットブル勢はラムダ2位、ボナパ
ルト3位と続いた。4位には久々に速さを見せつけたファング、そしてスピンでポ
ジションを落としたロッソが見事なリカバリーで5位に入賞した。
6位には今季5度目、北米ラウンド連続入賞の宋、そして17番手スタートのラス
ムッセンが7位入賞。8位には終盤ミスファイアに見舞われながら走り切った日向
9位は20番手スタートのビッゲスト・ムーバー、バロンが入った。そして10位
にはハイデンフェルド、ノルディックは最終戦なんとかW入賞を果たした。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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これにて全日程を終了したNeXX2ndシーズン、ドライバーズタイトルの行方
はこれで2年連続バトラーのものと決した。
終戦を迎えた時点で9ポイントあったラムダとの差だが、バトラーは驚異的な粘
りで王座を自身のもとへ手繰り寄せていった。予選でのPP獲得で3ポイント縮め、
そしてレースでは完全にピットブル勢を抑え込み優勝で25ポイントを獲得。さら
にはファステストラップをマークし2ポイントを獲得するという念の入れよう。
今季からFLポイントが付与されるようになったがPP、優勝、FLと完全優勝
果たした初のドライバーとなり終わってみればバトラー212ポイント、ラムダ2
09ポイントとわずか3ポイントラムダを上回ったバトラー。これ以上ない劇的な
逆転戴冠劇だった。ちなみにFLをラムダに取られていたら、ラムダ211vsバ
トラー210と、1点差で王座はラムダのものとなっていた。
昨季は勝利数でラムダに軍配が上がったが(ラムダ4勝、バトラー3勝)、今季は
共に4勝をあげ実力は昨年以上に伯仲。そんな中土壇場の驚異的な粘りが、今季の
明暗を分けた。

チームタイトルは305ポイントを上げたピットブルが堂々の連覇達成。ポイント
数も300の大台を超えてきた。最終戦を見てもわかる通り、しっかりと計算でき
るドライバーを二人揃え、継続的に好パフォーマンスを出せる状態を維持する。そ
のマネジメント能力あってこその戴冠と言えるだろう。シーズン途中でのドライバ
ー交代もあったが、あのままマイネを起用していてもタイトルは獲れたのではない
か? しかしタイトルを狙う体制に妥協を許さなかったからこそ、300ポイント
オーバーでの戴冠を果たせたのだろう。そこをいけばマーキュリーは、シーズン途
中からマルケーナスをやや蚊帳の外に置きがちだったように思う。
マーキュリーはもともとF1の中堅チームが前身で、総合的に強い”チーム”を組
織するためのノウハウがやや不足している感は否めない。来季もチームタイトをも
狙うのであれば、それが強化ポイントと言えるだろう。


初年度同様最終戦まで目の離せない白熱の展開となった、2ndシーズンのNeX
X世界選手権。ドライバーズタイトルはバトラーの2連覇、チームタイトルはピッ
トップルの2連覇に終わったが、今季は3つの新参チームが、ドライバーも新しい
メンツが加わって選手権は初年度以上に白熱したものとなった。3rdシーズンと
なる来季は、ドライバーの入れ替わりもありさらに白熱した展開になるだろう。さ
らに来季は来る4thシーズンへ向け、現行エンジンフォーマット最後の年となる
とともに、現行シャシー最後の年でもある。
3rdシーズンの開幕まで、しばしの休養だ。3rdシーズンをお楽しみに!