☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

Formula NeXXtream 2ndシーズン・7

 『Formula NeXXtream 2nd』

□第7戦 フランス ポールリカールサーキット
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 1周:5.80km
 特性:「高速」「常設」
 ターン数:23(54周)

前戦第6戦イギリスGPよりヨーロッパラウンドに突入したNeXX世界
選手権。選手権第7戦は、ヨーロッパラウンド第2戦フランスGPだ。
舞台は昨年と同じ、スーパーハイスピードトラックとして有名なポールリ
カールサーキットだ。フランス南部最大の港町マルセイユから東に40k
mほど、山間の村ル・キャステレにあるオールドコースが舞台だ。
70~80年代にかけてF1GPが開催されたオールドコースは、200
2年にヘルマン・ティルケによる大規模改修を受け、ハイテク・テストト
ラックへと変貌をとげ、2017年からは再びF1が開催されている。
コースにはショートカットが無数に張り巡らされ、組み合わせ次第で16
7通りのレイアウトが選択可能。F1ではその中でも最長の5.842k
mのレイアウトを使用するが、NeXXではF1レイアウトよりやや短い
5.80kmのレイアウトを使用する。これは、「ミストラル」と呼ばれ
るバックストレートの途中にあるシケインを使わないレイアウトで、Ne
XX使用のレイアウトでの「ミストラル」の全長は約1.8kmを超える。
途中いくつかの中低速コーナーもあるが、コーナー数は計14と全長5k
mを超えるサーキットとしては非常に少なく、全開区間の極めて長いスー
パーハイスピードトラックだ。
昨季は4番手からスタートしたマーキュリーのマルケーナスが、中盤から
トップに立ち、終盤のファングとのマッチレースを制し初優勝を飾ったフ
ランスGP。昨季の覇者は今季ここまでやや苦戦気味だが、チームメイト
で昨季王者のバトラーはここまで2勝をあげランキング首位にいる。また
ここまではバトラーが2位に39ポイント差をつけており、バトラーを追
うのは誰なのかがまだ見えてこない状態だ。さて今回はどのようなレース
になるのか?


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
予選PPはまたしてもラムダが獲得した。前戦イギリスではPPを逃した
が、第3戦から第5戦まで3戦連続PPを獲得しており、今回でなんと7
戦中4度目のPP獲得となった。選手権をリードするバトラーはPPこそ
ラムダに譲ったものの、きっちりとフロントロー2番手につけた。
セカンドロー3番手には、3戦連続で予選シングルグリッドのラ・ポルタ
がつけ、4番手にはバーンズ。そして5番手には、ペナルティで出場停止
のタンデイにかわりステアリングを握る、ガジャックのリザーブドライバ
ーのロハスがつけた。前戦では予選落ちを喫したロハスだが、母国で奮起
サードローを獲得して見せた。
前年の覇者マルケーナスは6番手、そして4、5列目にはカブロン、シエ
ナ、日向、グーデリアンとレラシャシー勢がつけ、レラの新空力パッケー
ジが、カレンダー中最速を誇るハイスピードトラックで見事に戦闘力を発
揮した。
一方で開幕戦覇者ロッソは18番手、ラムダのチームメイトマイネは19
番手、さらにノルディック勢、セプター、ファングなども後方に沈み、相
も変わらずスターティンググリッドからして大混戦模様となった。
今回の予選落ちはティルクム、ヴィックス、カジワラ、宋昇龍の4名。宋
以外の3名はこれで今季2度目の予選落ち、そして宋にいたっては今季7
戦目で3度目の予選落ちとなった。開幕戦2位表彰台の宋も、高速ラウン
ドに入り苦戦を強いられている。


<決勝レース>(太字)
6月初旬の南フランスはカラッとしていて、夏に向けて熱くなり始める時
期。地中海からほど近いポールリカールは、予選から一貫して快晴。決勝
もスカッと晴れ渡った青空のもと行われた。決勝は午後1時スタート、こ
の日は午前中から気温がぐんぐんあがり、決勝スタート前には27度。路
面温度は40度に達し、バシュロン勢はほとんどがハードタイヤをチョイ
ス。ハード2、ソフト1で繋ぐ作戦。対するヨコスカ勢はバロンを除く7
台全員がソフトをチョイス。ソフト2、ハード1での走破を目論む。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ       バロン 
マイネ
バトラー
マルケーナス 
ポルボローネ 
シエナ
ゲラ 
ファーシマス
ラスムッセン 
ハイデンフェルド 
ラ・ポルタ 
フィリオ
ロッソ
リンドホルム 
グーデリアン  
ロハス

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
リヴィエール    バーンズ
カレッジ      日向 
          チャップマン 
          デ・ランジェリス
          カブロン
          ファング 
          セプター 

=ユーズドタイヤ

スタートはPPのラムダが決める。が、となり2番手のバトラーがやや立ち
遅れる。無難にスタートを決めたラ・ポルタが、バトラーの前を行き2番手
に上がる。バトラーのスタート失敗のあおりを受け、後ろではマルケーナス
がカブロンに前に行かれてしまう。
マルケーナスはスピードに乗り切る前にどんどん後続に抜かれ、シエナ、日
向にも前に行かれてしまった。さらに後方では10番手グーデリアンと11
番手リンドホルムのマシンがヒット。グーデリアンは15番手まで後退して
しまった。
2ターン目には、ペースの良いラ・ポルタがラムダをかわし一時トップに立
つ。ここ3戦予選でも2、4、3番手と絶好調のラ・ポルタ。決勝でも好調
ぶりを見せるが、3ターン目にはラムダがトップを奪い返し、やはりレース
はラムダが引っ張る展開となる。中段ではスタートで7番手に上がったカブ
ロンがシエナとのバトルで単独スピンを喫し、大きくポジションを落として
しまった。しかし多少の混乱はあったものの、レースは大きなアクシデント
なく進む。

3ターン目以降はラムダが隊列を引っ張るが、ラ・ポルタも離されずについ
てゆく。そしてその後ろでは、地元の雄ロハスが大躍進。序盤ペースの上が
らないバトラー、そして3番手で様子見のバーンズもかわし3番手に浮上。
スタンドからはやんやの完成が注がれた。
そんな中4ターン目にアクシデント発生。後方集団、ポルボローネとデ・ラ
ンジェリスの13番手争いで2台が接触。接近していたチャップマン、カレ
ッジ、そしてマイネを巻き込んだ5台の多重クラッシュで、このレース最初
のセーフティカー出動となる。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ニコ・ラムダ
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.フェリック・ロハス
 4.アレン・バーンズ
 5.アレックス・バトラー
 6.スティラノ・シエナ
 7.日向 俊郎
 8.カーティス・マルケーナス
 9.デイヴィス・リンドホルム
10.ジェストン・バロン

トップのラムダはリスタートも問題なく決める。その後ろではラ・ポルタ、
ロハス、そしてバーンズが3ワイド。バーンズが地元ロハスを追い落とし3
番手を奪取する。さらに8ターン目にラムダがスーパーラップをマーク、2
番手ラ・ポルタとの差を一気に広げにかかる。
8ターン目にはソフト勢が最初のタイヤ交換。ユーズドソフトのヨコスカ勢
の先陣を切ってセプター、ファングがピットイン。ともに新品ソフトへ交換
して出てゆく。ヴァシュロン勢はタイヤを酷使したリヴィエールがピットイ
ン、ハードへチェンジした。

9ターン目にアクシデント発生。3番手ラ・ポルタに仕掛けたロハスが体勢
を崩してハーフスピン。ロハスは後続のバトラーと接触してしまう。ロハス
バトラーともポジションは落とさなかったものの、マシンにダメージを負っ
てしまう。さらにアクシデントは後方でも。ロッソとグーデリアンがバトル
接触。こちらは双方大きくポジションを落とし、ダメージの大きかったグ
ーデリアンはそのままリタイヤしてしまう。

10ターン目には2番手をゆくバーンズ、4番手日向が同時ピットイン。そ
れぞれソフトからソフトに繋ぐが、トライアンフ会心のピット作業で日向
をコースへと送り出す。日向はバーンズの前5番手でコース復帰した。
11ターン目、ハードタイヤをチョイスしたヴァシュロン勢も、そろそろ1
回目のタイヤ交換のタイミング。しかしトップを行くラムダも、2番手ラ・
ポルタもまだ入らない。バトラーはヨコスカ勢のピットインで一時的に3番
手に浮上したが、接触のダメージが影響しペースが上がらない。バトラーは
すぐ後ろ4番手に浮上していたマルケーナスを手招きし、前に行かせた。
そんな折後方でまたもアクシデント発生。ファーシマスとシエナ接触、接
近していたハイデンフェルド、カブロン、ラスムッセンらを巻き込んだ5台
の『ビッグワン』が発生。各々マシンに深刻なダメージを負い、一気に5台
がリタイヤ、2度目のセーフティカー出動となる。

13ターン目、ピットオープンとなったタイミングで、ヴァシュロン勢が次
々ピットイン。トップのラムダ、2番手ラ・ポルタ、3番手に浮上したマル
ケーナスらも入り全員ハードへと繋いでゆく。初夏の南フランス、スタート
時は40度に達しようかという路面温度だったが、この日は風が強く思いの
ほか気温が上がらなかったため、ヴァシュロン勢はハードトゥハードであれ
ばタイヤ交換は1回でいけると判断。ヴァシュロンハード勢は全車1ストッ
プ作戦へと切り替えていた。
そしてレースは2度目のリスタート。しかしなんとこのリスタートラップで
再度アクシデント発生。後方でリンドホルム、ロハス、ゲラの多重接触が起
こり、レースはリスタート直後に3度目のセーフティカー出動となる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレン・バーンズ
 2.日向 俊郎
 3.ジェストン・バロン
 4.ニコ・ラムダ
 5.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ビル・リヴィエール
 8.デイヴィス・ファング
 9.ジョリー・セプター
10.フェリック・ロハス

レースは前半が終了し、早くも11台が姿を消した大荒れの展開。16ター
ン目には3度目のリスタート。今度は混乱なく進む。
トップ2台は順位変わらずも、ラムダが良いリスタートを決め日向の前に出
る。3番手浮上だ。その後ろではそれぞれマルケーナス、ファングが1つず
つポジションをあげる。17ターン目にはラムダが日向をかわして2番手浮
上、ひたひたとトップに忍び寄る。
NeXX初優勝に向けてトップをひた走るバーンズ、しかし2番手のラムダ
もペースが良い。そして、バーンズはもう1回タイヤ交換を控えていた。
19ターン目、バーンズが2度目のピットイン、ついにここでラムダがトッ
プに立つ。バーンズは2番手でコース復帰。

ラムダは十分なマージンを築きトップを快走。後方ではファングがソフトタ
イヤを利してぐんぐんペースアップ。22ターン目には日向をかわして4番
手まで浮上する。そして最終ターンにはベストラップをマーク、2番手まで
浮上する。

レースは1ストップ作戦のピットブル、ラムダが今季2勝目。今季の選手権
大本命に挙げられながら、ここまでミッショントラブルに泣かされてきたラ
ムダが、ようやくタイトル争いに絡んできた。最後のスティントで猛プッシ
ュを見せたファングが、今季3度目の2位表彰台。そして、途中トップを快
走したバーンズが今季初表彰台、3位でフィニッシュした。4位ラ・ポルタ
は今季3度目の入賞、そして5位のバロンは開幕戦以来の入賞となった。
8位のリヴィエールは今季3度目の入賞。新参チームながら安定した活躍が
光る。一方で接触でダメージを受け、途中応急修理のためのピットストップ
を余儀なくされたバトラーは、結局12位で完走。痛恨のノーポイントでレ
ースを終えた。

ドライバーズ選手権はバトラーが97ポイントでトップをキープ。しかし、
今回ノーポイントに終わり、ポールトゥウィンを飾ったラムダが80ポイン
トとしランキング2位に浮上。バトラーとのポイント差を17と詰めてきた。
3位には今季未勝利ながら、すでに3度の2位表彰台を記録するファングが
62ポイントで続く。4位には59ポイントでロッソ、5位には51ポイン
トでラスムッセンが続いている。
チームランキングはここにきて、129ポイントでトップのマーキュリーに
対してピットブルが122ポイントと、なんと7ポイント差まで詰めてきた。
3位のノルディックは88ポイントとやや離され、今季もチームタイトルは
マーキュリーvsピットブルの様相を呈してきた。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ニコ・ラムダ(ピットブル)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓(太字)

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次回はヨーロッパラウンド高速3連戦の最後の舞台、ムジェロで行われるイ
タリアGPだ。イモラとの隔年開催となるムジェロ。高低差40m以上、ア
ップダウンの激しい高速テクニカルコースで行われるハイスピードバトルを
お楽しみに!!

NeXXtream Press  「2ndシーズン序盤戦号」

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◆シーズン序盤戦号

大盛況で幕を閉じた1stシーズンだが、新たに開幕した2ndシーズンもここまで5戦で5人のウィナーが誕生し、今季も変わらず大混戦の展開を見せるNeXX。5戦を消化した時点でドライバーは昨季王者のバトラーが、チームはマーキュリーが首位にいるもののポイント差は僅差で、今季も1戦消化する毎に目まぐるしく順位が入れ替わってゆくこと必至のNeXX世界選手権。前回は開幕から3戦のダイジェストをお伝えしたが、今回は第4・5戦の中南米ラウンドの模様を振り返り、そして今後の選手権の展開を展望してゆこう。また、各チーム・サプライヤーなどの気になる噂、情報もたっぷりと紹介してゆく。第6戦からは舞台をヨーロッパに移し、選手権はさらなる展開をみせてゆく。2ndシーズンは今後どのようなドラマをみせるのか!?

■レースリポート

◇第4戦・ブラジル サンパウロ市街地サーキット

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第3戦までで3人のウィナーが誕生し、昨年同様の混戦模様で迎えた第4戦ブラジル。昨季は王者となったバトラーが初優勝を飾ったが、今季は?予選PPは2戦連続でラムダが獲得。フロントローにはF1からのライバル関係にあるファングが並んだ。バトラーは3番手、そして新規参戦のマルドゥーク、リヴィエールが初のシングルグリッド6番手につけた。決勝は曇りのち晴れ、スタートでは中段から後方でのアクシデントにより、序盤からセーフティカーが出動する展開となる。さらにリスタート後にラムダがリタイヤ。2戦連続のミッションブローで、ラムダは序盤で姿を消す。レースはファングが引っ張り、バトラーが続く展開。そして3番手にリヴィエールが続く。しかしトップを行くファングのマシンにギアトラブルが発生。ギアがスタックしペースが落ちた一瞬を見逃さず、バトラーが先頭に立つ。その後はタイヤ交換で順位を入れ替えつつ終盤へ。最終的にトップに立ったバトラーは、終盤になってFLを連発しファングを突き放してゆく。レースは昨季同様バトラーが、ブラジルで今季初優勝。2位にはファングが入り、マルドゥークのリヴィエールが初入賞を3位表彰台で決めた。

◇第5戦・メキシコ エルマノス・ロドリゲスサーキット

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第5戦は今季初開催となるメキシコ。標高2300mの高地決戦だ。予選PPはなんと3戦連続でラムダが獲得。今度こそ完走、優勝をはたしたい。2番手にはラ・ポルタが続き、3番手にはノルディックの2台がつけた。一方バーンズ、マイネといった実力者が早くも2度目の予選落ち。決勝も波乱が予想された。レースはラ・ポルタがスタートを決め、ラムダをかわしてトップに立つ。2位にハイデンフェルドが続き、ラムダは3番手に後退。レースはここからハイデンフェルドが引っ張ってゆく。中盤、5番手にデ・ランジェリス、10番手にチャプマンが浮上し、ここまでノーポイントのアブラモビッチ勢にW入賞のチャンス到来。中段ではペースの上がらないファングがズルズル後退し、9番手バトラーを抑え込む格好になっていた。中盤にはいってもハイデンフェルドは独走、かたや追走するラムダはまたもや、マシンから白煙を上げてストップ。3戦連続のミッションブローでリタイヤに終わった。これにより追走するラスムッセンが2位にあがり、ノルディックの1-2体制となる。レースはハイデンフェルドが独走で初優勝。2位にラ・ポルタ、3位にはロッソが入り、一時2番手まで浮上したラスムッセンはピット作業のミスもあり7番手。またここまで唯一ノーポイントだったアブラモビッチ勢はデ・ランジェリス4位、チャップマン5位とW入賞。20番手からスタートしたバトラーは、意地で9位入賞をはたした。

◇第5戦終了時点でのドライバーズランキング
 1位 アレックス・バトラー          72
 2位 アレンザンダー・ロッソ         58
 3位  ケリー・ラスムッセン         41
 4位  デイヴィス・ファング         36
 5位  ニコ・ラムダ             34
 6位  アレン・バーンズ           33
 7位  ミック・ハイデンフェルド       31
 8位 アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ  26
 9位 ジョリー・セプター           25
10位 宋 昇龍                24
10位 ルドルフ・マイネ            24

序盤の5戦を終了し、選手権はバトラーがリードする展開だ。2番手には開幕戦の覇者ロッソが付け、昨季3位のラスムッセンが今季も3位につけている。4位にはファング、5位にはラムダがつけ、やはり有力視されていた面々が上位につける。ここで注目すべきは1位のバトラーの安定感だ。2位ロッソが5戦中入賞3回、ファングは2回、ラスムッセンが4回なのに対し、バトラーは1勝含む全戦入賞。予選もメキシコ以外は安定してトップ10圏内を確保している。対して昨季2位のラムダは5戦でなんと3回のPP、1勝をあげているが4度のリタイヤを喫している。しかもリタイヤの原因はいずれもマシントラブルである。トップのバトラー以外の戦績には安定感がなく、安定感の面で言えばバトラーが頭抜けている。マーキュリーのマシンには今のところ目立ったトラブルもなく、相棒のマルケーナスともども完走率は100%を誇る。一方でラムダは第3戦から3戦連続のミッショントラブルに見舞われ、予選で3戦連続PPを獲得しながらもフイにする展開に。このまま選手権が展開するならば、2ndシーズンの王座もバトラーのものになる可能性が高いが、そう簡単にはいかないのがNeXX世界選手権だ。バトラーは昨季、中盤で一時失速。そして王座がかかった最終戦ではスタート直後に接触しリタイヤするなど、脆さも見せた。また、2位のロッソは1勝3位2回と入賞は全て表彰台、4位のファングも入賞2回はいずれも2位表彰台だ。3位のラスムッセンは上位入賞こそ少ないものの、5戦中4戦入賞、決勝レースではリタイヤ続きのラムダも、予選では3連続PPと速さがさび付いたわけではない。選手権は全18戦、そのうちまだ5戦が終了したにすぎないのだ。現時点でトップから10位までのポイント差は48。優勝、PP、FLで1レース最大30ポイントが獲得可能な選手権においては、当然まだまだ逆転が可能。この先13戦でどう転んでゆくかはわからない。ラムダは昨季も同じように前半躓いたが、後半に怒濤の追い込みを見せた。またラスムッセンのように堅実にポイントを重ねる存在も、後々上位に残る可能性は高い。今のところポイント上では、上位11名全員にチャンスがある状態だ。
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★昨季のディフェンディングチャンピオンで、
 今季もランキングトップを行くA.バトラー


◇第5戦終了時点でのチームランキング
1位 マーキュリー・レーシング         86
2位 ノルディック・モータースポーツ      72
3位 アントネッティオートスポーツ      59
4位 ピットブル・エクストリーム・レーシング  55
4位 チャイナドラゴン・レーシングチーム    49

チームランキングは御覧の通り。トップはマーキュリーだが、14ポイント差でノルディックが追い、ピットブルが4位につけ、上位に顔を出す面々は昨季と大きく変わらない。この3チームの強みは、No.2ドライバーがポイントを計算できる存在である点。対して3位のアントネッティはNo.2のリンドホルムがここまで1ポイントと、思いのほか苦戦しており4位タイのチャイナドラゴンは、二人とも思いのほかポイントが伸びずにいる。やはり所属ドライバー二人がきっちりポイントを拾ってこれるマーキュリー、ノルディック、ピットブルの3チームが最終的には、選手権を争う存在となってくるのではないか。来季以降この3チームに戦いを挑むつもりの他チームは、やはりきっちりとポイントを拾えるドライバーを二人揃える必要があるだろう。
第6戦からはヨーロッパラウンドに入ってゆくNeXX、今後の展開に大いに注目したい!! 


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パドックプレス

◇ピットブル、シーズン途中でのドライバー交代もある? マイネはシート喪失の危機!? ラムダは3戦連続のギアボックストラブルでおかんむり

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★(左)第3戦から3戦連続でミッショントラブルに悩まされたラムダは、立て続けに同内容の
トラブルに見舞われ呆れ顔。(右)F1でも大いに注目されていた才能、今季中のデビューも噂
されるボナパルト

昨季のチャンピオンチーム、ピットブルが苦しんでいる。開幕戦でNo.2のマイネが予選落ちを喫したのを皮切りに、第3戦から3戦連続でラムダのミッションがブローアップし、ポイントを落としている。またマイネが2度目の予選落ちを喫したメキシコでは、マイネのマシンは予選からミッションにトラブルを抱え満足に走行ができず、ラムダのギアボックスはは決勝レースの終盤でブローアップ。メキシコでリタイヤしたラムダは、マシンを降りてからしばらくマシン後方をのぞき込み、納得の行かない様子を見せた。チームは現在このミッショントラブルの原因究明に躍起で、パーツ1点1点の再確認・リファイン、ミッションオイルの変更など様々な対策を講じているという。
「まともに走れば戦えるマシンだ、ましてや私が操るのだから当然だ。しかし今の我々はその手前の段階にいる。優勝かリタイヤかなんて、セミオートマ黎明期の話だよ。一刻も早く原因を特定しなければ。走ってみなければわからないでは、勝負はできない。」とラムダもおかんむりだった。 
そんなピットブルについて今ささやかれているのが、No.2シート交代の噂だ。第3戦終了後の合同テストでは、リザーブドライバーのボナパルトにテストプログラムのメインを託し、No.2のマイネはやや蚊帳の外におかれていた感がある。F1でも結果の出ないドライバーは、容赦なく2ndチームに格下げしてきたピットブル。もしマイネがピットブルを追われるようなことがあれば、受け入れ先はあるのだろうか?F1のように、1つのチームがいわゆる「セカンドチーム」を持つことを禁じているNeXXでは、残留する為には他チームへの移籍しか選択肢はない。一時期F1に参戦していたカムイにゆかりのあるマイネは、トライアンフがカジワラの後釜にリストアップしているという噂もあるがはたして?  
昨季1勝をあげピットブルの王座獲得に貢献したマイネだが、早くも2年目にして正念場を迎えている。

◇チャイナドラゴン、共同オーナーの参画とともにチーム名変更か?
チャイナドラゴンのオーナーである李舜英は、かねてから準備していた共同オーナー体制への移行は今季中に行われることを明言し、来季からのチーム名変更の可能性にも言及した。
チャイナドラゴンチームの共同オーナー体制への移行については、昨季オフに李舜英氏から既に発表があり、世界的映画スターのジャッキー・チュン(無天老師様ではない) が参画するということから注目が集まっていた。
以前の李氏の発表によると、体制移行は早ければ今季前半戦中にとのことだったが、チームの株式売買手続きには今少し時間がかかる見通しだ。また、正式にチーム体制の変更を申請できるのは2ndシーズンが終了以降のため、今季中は焦らず新体制へ向けた準備を進めるようだ。
新体制に移行後は李氏とジャッキーの持ち株比率は51対49となる見通しで、チームの実権自体は李氏が掌握するものの、ジャッキー側もチームに対して大きな発言権を持つことになるとみられている。無類のクルマ好きでレース好きとして知られるジャッキー・チュン氏はWECをはじめとするいくつかのカテゴリで「ジャッキー・チュンDC レーシング」という自身のチームを参戦させており、モータースポーツとの関わりは深い。また持ち株比率から、これを機にチーム名もジャッキーのレース活動にまつわるものになるのでは?との憶測を呼んでいる。
それについて李氏は「ははは、それについては今のところなんとも言えませんね。変わるかもしれませんし、そうではないかもしれません。でも私は現在のチーム名を気に入っているんですよ。あとはジャッキーの意見も聞いてみないとね。」と語り、チャイナドラゴンというチーム名には愛着があることを主張。ともかくも、中国企業の世界でのより大きな飛躍をめざし、ハリウッドスターとのタッグを選んだ李舜英氏。チャイナドラゴンチームの来季以降の活躍に期待しよう。

◇マルドゥーク家が4thシーズン以降のドバイGPの、市街地での開催を計画中

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★(左)市街地コースの敷設が予定されている『ドバイ・モーターシティ』。(右)マルドゥーク
チームのオーナーでドバイ皇太子のダムハン殿下


今季からマルドゥークチームを率いてNeXXに新規参戦している、ドバイの王家マルドゥーク家が、4thシーズン以降のドバイGPの開催をドバイ市街地で計画していることがわかった。第4戦ブラジルGPの舞台サンパウロに姿を現した、マルドゥークチームオーナーのダムハン殿下は、プレスの囲み取材に応じ市街地開催計画があることを語った。 
「私は開幕戦のサーファーズパラダイスを見、そして今回サンパウロの市街地コースを見て、市街地でのレースがいかに心を刺激するかを改めて思い知らされた。我が国には常設のサーキットがあるが、いずれはドバイの街の中を走るレースを開催したい。実はコースにする区画には、ある程度めぼしをつけているんだ。」と語り、ダムハン殿下の中ではある程度「ドバイ市街地コース」の構想が練りあがっていることを明かし、詳細についても語った。
殿下によると、コース敷設を予定しているのはドバイオートドロームに隣接する道路を使用したコースで、モーターシティと呼ばれる区画とスタジオシティと呼ばれる区画を結ぶ約5.5kmの区間とのこと。くつろいだ雰囲気の高級住宅地、ジュメイラ地区にも隣接し、ゴーカート場を囲むように敷設されるという。またレース時間は今季同様ナイトレースになるだろうとの見解も示し、計画がかなり詳細な部分まで練りこまれていることをうかがわせた。
一国の主がチームのオーナーであり、開催国の主催者でもあるという特異な立場だからこそできる計画だが、実現すればNeXXに新たな「名物レース」が加わることになる。カレンダー全18戦中最もゴージャスなレースになることは間違いない。今後のマルドゥーク家の動向にも注目していきたい。

◇3rdシーズンに移籍が噂されるドライバーたち
今季設立2年目を迎える新カテゴリNeXX、2季目の開幕にあたり飛躍を目指してドライバーラインナップを刷新するチームもあったが、1stから2ndシーズンの切り替わりで、移籍をしたドライバーは今季アントネッティから参戦するロッソだけだ。しかし来季3季目を迎えるともなると、移籍市場はいよいよ活況を呈してくる。モーターレーシングの世界では、ストーブリーグまたはプールリーグと呼ばれる移籍に関する動きは毎年付き物だが、1stシーズンオフにロッソ以外の目立った移籍劇がなかったため3rdシーズンに向けた移籍に関する憶測は、早くも2ndシーズン前半戦のこの時期に飛び交い始めた。今回は今現在NeXXのパドックで噂されている、移籍に関する主だった噂を取り上げてみよう。

1.ルドルフ・マイネ 移籍先:トライアンフ

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マイネに関しては度々お伝えしているが、現所属チームのピットブルのマイネに関する評価はそれほど高くないようだ。昨季1PP、1勝で実績は十分だが、コースの性格によって戦績にムラがあり下位に沈むこともしばしば。また今季すでに2度の予選落ちを喫していることも、マイネの立場を危うくさせている大きな要因と言える。
現在マイネについて上がっている噂で、有力視されているものはトライアンフへの移籍だ。F1参戦時は現在トライアンフにエンジンを供給するカムイが率いるチームに所属していた縁もあり、またトライアンフ側もカジワラに代わるドライバーをピックアップしているという動きがある。ピットブル側もマイネよりも、リザーブドライバーのボナパルトに将来性を見出しているフシがある。この情報は現在、かなり確度の高いものとしてパドックでは扱われている。

2.カーティス・マルケーナス 移籍先:エヴァー・グラハム

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マルケーナスについては、地元オーストラリアのエヴァー・グラハムが獲得を狙っているとの噂がある。昨季「F1四天王」の一人として迎えたバーンズが期待外れに終わったことに起因するものだ。しかし今季はここまで、2度の予選落ちはあるものの昨季を上回る活躍を見せている。予選でもPPを獲得するなど活躍を見せ、2度の予選落ちもマシンのトラブルによるもの。チームの評価は昨年ほど低くない。この移籍が実現するとしたら、それは今季ここまで開幕戦以来入賞のないバロンとの交代という形で実現するかもしれない。
ともあれマーキュリー側が現時点で、マルケーナスの評価について目立った発言をしていないため、実現する可能性については未知数だ。しかしマルケーナスもここまで、リザルトではバトラーに大きく水をあけられており、マーキュリー側の評価いかんで今後の彼の立場は変わってくる。また「F1四天王」において唯一ここまで、優勝のないのがバーンズで、エヴァー・グラハムのバーンズに対するそもそもの評価がそれほど高くないという噂も。やはりマルケーナスの移籍は、バーンズの今季の戦績次第だろう。
 
3.ゾルタン・ゲラ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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昨季第16戦日本で優勝して以来、ゲラのパドックでの評価はウナギのぼりだ。運営規模の小さいチームにあって、なかなか走らぬマシンを駆っての健闘。今季は参戦台数が増え一層の苦戦を強いられているが、それでも2度の入賞を果たし、7ポイントを獲得している。遅咲きのハンガリー人の獲得を狙っているチームは少なくない。
しかし、現状獲得が噂されるチームはそれぞれNo.1シートが安泰で、移籍するとなると2ndシートにおさまることが濃厚。さらなる飛躍を目指すゲラが、この状況をどう考えるかが移籍のポイントとなるだろう。

4.ファン・カレッジ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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ゲラ同様複数のチームが獲得を狙っていると噂されるのが、今季初参戦の「驚異の新人」カレッジだ。ガジャックという新参チーム、そして今季も苦戦するピジョンエンジン搭載のマシンを駆って、全戦予選通過。大雨となった第2戦インドネシアの予選ではセカンドローを獲得してみせた。この走りには各チーム大いに驚嘆し、パドックで彼の 評価はぐんぐん上がっている。
いまのところはゲラ同様、ビッグチームの2ndシートへとの噂が有力だ。しかし新参チームガジャックにとっても手放しがたい才能であることは間違いない。今後のガジャックとの交渉次第で、2年目でのステップアップもある。

ほかにもいくつか噂はあがっているが、現状有力視されている噂は上記4件だ。とはいえシーズンはまだまだ序盤戦が終了したばかり。今後どのようにプールリーグが展開してゆくかは、今後の選手権の状況如何でも大きく変わってくるだろう。今後の展開に注目だ。

◇カムイ、SUGOと技術提携。開発体制の強化を図る

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★3rdシーズンより純和製タッグを組んでの参戦となる、SUGOとKAMUIに日本の期待が集まる

トライアンフ、リナルディにエンジンを供給するカムイが、来季から日本の発動機メーカー「SUGO」と技術提携し、開発体制の強化を図ることを発表した。
NeXX発足後いち早く参戦を表明し、F1から活躍の場を移したカムイだが、現状やや苦戦を強いられアシュトンバーキン、DMWといったメーカー勢の後塵を拝する形となっている。この苦境を打開すべく、日本で自動車の他に飛行機、船舶など発動機開発で幅広く活躍するSUGOと技術提携を結んだ。現在水素エンジンで空を飛ぶ飛行機「水素ジェット」の国産機開発で、国内他社をリードしているといわれるスゴウ。自動車の水素エンジンについても独自に開発を進めているSUGOは、NeXX用エンジンの開発に携わることでの市販車への技術的なフィードバックを期待し、今回の提携に至ったという。
SUGOの自動車部門を統括するSUGO・ASURADA・ジャパンの菅生あすか社長は次のように語った。「このたびNeXXで活躍する日本企業カムイとの技術提携契約を締結できたことを、心よりうれしく思います。これからの自動車の在り方について世界では未だ様々な可能性が叫ばれていますが、当社は「水素燃料を使った内燃機関」に最も大きな将来性を見出しています。NeXXに参戦し、カムイ社と技術を共有することでSUGOは今後も大きく成長し、来るべき水素社会の実現に大きな貢献を果たすことができると確信しています。」 
すでにカムイとSUGOは、北海道は河西郡更別村にレースエンジン開発の為のファクトリーを建設し、十勝スピードウェイを専用テストコースとして使用することも発表。来季用のエンジンについての開発作業を開始していることも発表した。 
カムイの神麗華社長も「SUGOとの技術提携は間違いなく、我がカムイの競争力を大きく飛躍させてくれることでしょう。そして我々の活動がSUGOの技術開発に好影響をもたらすことも悦ばしく思います。今現在我々はカーボンニュートラル、そして水素社会の実現に向けて日本でもっとも進んだ企業体となりました。我々の活動が世界の産業に大きな影響をあたえ、地球環境の保全のため水素社会への転換を促す大きなきっかけとなることを望んでいますわ。」と語り、今後の展開に期待をのぞかせた。
カムイとSUGOの共同開発するNeXX用水素エンジンは、すでに来季からの投入を念頭に開発が進められているという。エンジン形式、バッジネームなどの情報は未確認だが、来季のカムイエンジンに大きな注目が集まること間違いなしだ。


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■FNO(NeXX運営統括機構)、4thシーズンより変更のシャシーレギュレーションでDRSの撤廃へ

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★ピットブルのDRS。現状技術委員会はNeXXには不要との判断を下した。

FNOはシャシーデベロッパー各車が完全新型車を投入する予定の4thシーズンをメドに、DRSを撤廃する旨を発表した。DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、マシンの高性能化に伴いコース上での追抜きが激減したF1が、レースのエンターテインメント性をより向上させる手段として投入したデバイス。レースでは指定された区間でのみ使用可能で、直線でリアウィングのフラップを開くこで空気抵抗をなくし、追抜きをし易くすることを目的としたデバイスだ。
しかし、1stシーズンの全レース映像を分析したFNOの技術委員会は、NeXXにDRSは不必要と判断したようだ。技術部長のコルトン・バーレイはこう語る。「現在DRSはF1やWECなどで採用されているデバイスだが、F1ドライバー達は事あるごとに不要論を唱えているね。私も彼らと同感だ。だがF1は現在コーナリングスピードの向上とダウンフォース量の増大で、コーナーでの追抜きが難しくなっているため、F1ではDRSがないと追抜きは難しいだろう。しかしこのNeXXにおいては、DRSが不要であることは昨年のバトルを見れば明白だ。
NeXXのマシンレギュレーションではF1ほどのハイダウンフォースは獲得できないし、コーナリングでの姿勢制御はF1より難しく、ハードなブレーキングが要求される。DRSゾーン以外での追抜きも多く見られており、DRSがなくともオーバーテイクが可能なマシンであることが1stシーズンで証明された。正直これは我々技術部門も想定していなかったことだが、不要なものにいつまでも執着する必要はない。そのため撤廃を決断した。逆に通常なら追いつけないような状態からのDRS使用で、多重クラッシュが多く起きていることも分かった。競技の安全面から考えても、4thシーズン以降のDRS撤廃は妥当な判断と考えるよ。」
デベロッパー各社にはすでに、技術委員会より通達済みというDRSの撤廃。これにより4thシーズンからのレース模様は、どのように変化するのか? 現在シグマテックに軍配が上がっているデベロッパー間の力関係にも、変化が生ずるかもしれない。

■ヨコスカが3rdシーズンに向け、新コンパウンドのハードタイヤを開発中。早ければ今季終盤の投入も?
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★参戦2年目のヨコスカは、今季やや苦戦気味だ

現在NeXXにタイヤを供給するサプライヤー2社のうち、日本のヨコスカが次期シーズンより新コンパウンドのハードタイヤを投入することが分かった。これまで1stシーズンから計23戦を戦い、ヴァシュロン勢が16勝に対し、ヨコスカ勢は7勝とヨコスカはやや劣勢。さらにノックアウト方式に変更された今季の予選では、ヨコスカ勢が圧倒的な不利を被っている。ヨコスカユーザーの各チームからは、ハードタイヤの性能向上を求める声が多く上がっており、これに対しヨコスカは早急なハードタイヤのコンパウンドの性能改善に着手した。
ヨコスカの開発担当チーフ玉島裕久氏は「今供給しているハードタイヤは耐久性重視で、決勝でのロングライフを実現するためにコンパウンドをかなり固いものにしていたんですけど、今季からの予選方式に対応できていないことはもう明白で・・。中段よりうしろのチームが予選でかなり苦戦していることはわかっているので、今予選でも戦えるハードコンパウンドをテストしているところです。」と語る。 
「予選方式変更の通達があったときから、ちょっと苦しいかもという話は出ていたんです。ただ、グリップ云々ではなくてタイヤ自体の耐久性の問題があるんで、早急には投入できませんでした。なのでひとまず来季からの予定で動いてますが、早ければ今季の終盤戦から投入できるかもしれません。」とのこと。 
「グリップと耐久性の両立は非常に悩ましい問題で、コストの関係もあるんで劇的な性能アップは現状難しいですが、予選を戦えるように改善する必要は必須です。もしかすると決勝でやや使いにくいタイヤになる可能性もありますが、予選を通過しないことにはという声はユーザーから多く上がっていたので、まず予選での戦闘力向上を念頭において開発を進めています。
ウチの売りはライフが長いことでストラテジーに幅を持てるという部分ですから、そこをスポイルしないようなハードタイヤを目指して、今ことを進めてます。」 
昨季はヨコスカ勢の活躍も目立ったが、特に今季はヴァシュロン勢にやられている印象が強いヨコスカ。決勝ではその耐久性の高さから、全スティントでソフトタイヤを使う「オールソフト作戦」など、幅のある戦略をとれることがメリットとなっているが、玉島チーフの話にも合った通り予選ではハードタイヤのグリップの低さに足を引っ張られるチームが多いのも事実。こういったデメリットを考慮してか、今季参入の3チームもヨコスカをチョイスしなかった。 
このままでは来季の契約チーム数が減ることも考えられ、死活問題となってくる。早ければ今季後半にも投入予定というヨコスカの新ハードタイヤに、ユーザーは期待を注ぐ。

  
NeXX2ndシーズンは第6戦イギリスGPから、ヨーロッパラウンドへ突入する。イギリス以降第8戦イタリアまでは高速トラックでの3連戦だが、第9戦オランダから11戦チェコまでは低速トラックが連続し、各チームの戦い方も非常に難しくなってくる。ここまで5戦を消化したNeXXだが、これまで低速と呼べる性格のトラックでのレースはなく、この中盤の低速3連戦では現在上位のチームの苦戦、そして中段以下に沈むチームの躍進も十分考えられるカレンダーだ。全18戦の選手権で、その後の展開を大きく左右するのがこの中盤戦。ますます激化するNeXXの選手権争い、ヨーロッパラウンドの戦いにも注目だ!!

Formula NeXXtream 2ndシーズン・6

『Formula NeXXtream 2nd』

□第6戦 イギリス ブランズハッチサーキット

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 1周:4.21km
 特性:「高速」「常設」
 ターン数:27(73周)

第5戦メキシコは、今季から参戦したハイデンフェルドの初優勝で幕を閉じた
NeXX。第5戦を終了した時点で選手権は、バトラーがトップにいるものの
まだまだ予断を許さない展開が続いている。チームランキングにいたっては
ノルディックが2位浮上、そしてピットブルが一気に4位転落と、こちらは
ドライバーズ選手権以上に混沌としてきた。そんな状態でNeXXは
いよいよ中盤戦ヨーロッパラウンドを迎える。第6戦は伝統のクラシカル
トラック、ブランズハッチで行われるイギリスGPだ。
全長4.21kmのショートコースだが、森と丘を舞台に敷設された
トラックは起伏に富んだテクニカルなレイアウトが特徴。長い直線などは
ないものの、ショートストレートの入り口やホームストレートエンドが
下り勾配となっており、スピードに乗りやすい高速トラックだ。
ホームストレートからターン1「パドックヒル・ベンド」を経由して、唯一の
低速コーナー「ドルイドヘアピン」に向かって一気に下り降りるセクションは
1番の難所。またホームストレートが直線形状をしておらず、やや右に傾斜
しながらゆるやかにカーブしているのもこのコースの特徴だ。
現代のサーキットにはない自然の地形を生かしたアンジュレーションが
このトラックを難所足らしめている。まさにヨーロッパラウンドの開幕を
飾るのにふさわしい舞台だ。またNeXXには現在英国圏にルーツを持つ
ドライバーが6名参戦しており、イギリスをホームGPと捉えるドライバー
も多い。そういった意味でも特別な意味を持つのがNeXXイギリスGPだ。
果たして今回はどんなレースとなるのか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ルドルフ・マイネ(ピットブル)
PPを獲得したのは前戦メキシコで予選落ち、今季すでに2度の予選落ちを
喫しているピットブルのマイネ。予選での速さに相変わらずムラは大きい
ものの高速コースでの速さは折り紙付きだ、昨季PPを3度獲得した実力は
伊達ではない。そしてこれでピットブルは第3戦以降4戦連続PP獲得と
なった。フロントロー2番手には、前戦20番手に沈んだバトラーがつけた。
3番手にはラムダ、今度こそトラブルなしで決勝レースを走り切りたい。
4番手には前戦フロントローのラ・ポルタがつけた。3列目5番手には
ファング、4列目8番手にはチャップマンと地元の雄がつける。
また12、13番手にはファーシマス、ゲラのロムニ・ダキア勢。今季
ここまで8ポイントで15チーム中14位に沈むチームに、ポイントを持ち
帰りたい。一方第3戦の覇者セプターは17番手、唯一の日本人日向は20番手
と苦戦。さらには3戦ぶりに予選を通過したバーンズは24番手、前戦の
覇者ハイデンフェルドは25番手、開幕戦の覇者ロッソは最後尾と実力者が
後方に沈む。また前戦で接触の原因を作ったとしてペナルティを科された二人
のうちシエナは、5グリッド降格で22番手スタート。そして今回含め2戦の
出場停止処分を科されたガジャックのタンデイは、リザーブドライバーの
フェリック・ロハスにシートを譲ったが、ロハスの予選通過はならなかった。

<決勝レース>
予選では晴れていたブランズハッチだが、決勝レースは雲が厚く垂れこめ
いまにも降り出しそうな天候でのスタート。今回は序盤から勝負に出る
ドライバーはほとんどおらず、8割以上のドライバーがハードタイヤを選択。
しかも、その多くがユーズドタイヤでのスタートを選択した。上位陣では
PPのマイネだけがソフトをチョイス。バトラーは新品ハード、ラムダは
ユーズドハードをチョイスした。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ      日向
バトラー      ヴィックス
マルケーナス   ファング 
ポルボローネ   ティルクム 
シエナ
ゲラ
ファーシマス 
ラスムッセン
ハイデンフェルド 
ラ・ポルタ
フィリオ 
ロッソ 
リンドホルム 
リヴィエール 
カレッジ

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
マイネ       カジワラ
バーンズ     チャップマン 
          デ・ランジェリス
          カブロン
          セプター

=ユーズドタイヤ

スタートは2番手のバトラーが決める。PPのマイネがやや立ち遅れ
1コーナーはバトラーが先頭で下ってゆく。3番手ラムダはポジション
キープでスタート。中段ではリヴィエールがダッシュスタートを決め、
ポジションを二つ上げる。ブラジルでの表彰台で何かつかんだか、
リヴィエールは14番手に浮上する。バトラーが先頭でレースは展開、
序盤はマイネもバトラーの前をうかがうも、バトラーが要所でブロックし
前に行かせてもらえない。

序盤から早くもバトラー、マイネ、ラムダの前3台が飛び出す展開。
しかし2番手のマイネはバトラーに抑え込まれて前に出られず、後ろの
ラムダとの間に挟まれる格好。チームはここで早くもオーダーを発動、
マイネにポジションを譲らせラムダを前に行かせる。後方でははやくも
接触事故、地元英国のファングがラ・ポルタに仕掛けて接触
それぞれポジションを落とし、マシンにもダメージを負ってしまう。
各車とも序盤から難コースにてこずり、いたるところでスピン・接触事故
が発生。後方ではデ・ランジェリス、ハイデンフェルドが単独スピン。
デ・ランジェリスはマシンを大破させ序盤でリタイヤを喫した。

3ターンを過ぎると3番手マイネはやや先頭から離され、レースは
バトラーとラムダのマッチレースの様相を呈してくる。少し離れた4番手
には復調気配を見せていたリンドホルムがいたが、突然のペースダウン。
後ろにいた地元英国勢のファング、チャップマンに前に行かれてしまう。
リンドホルムはブレーキにトラブルを抱えていた。そして後方では、
久々に予選通過24番手からレースを進めていたバーンズの、左リアタイヤ
がバースト。コース序盤でのバーストだったため、ピットには戻れず
バーンズはそのままリタイヤした。

ラムダとバトラーのバトルはつかず離れず、接近することでのマシンへの
影響を嫌うラムダはときおりややバトラーと距離を取りながら、機を見て
接近しプレッシャーを与えるも、バトラーも動じる気配はない。
そんな中5ターンを終了したレース、コースにはぽつぽつと雨粒が落ちて
路面をうっすらと濡らし始めた。

★5ターン終了時のトップ5
 1.アレックス・バトラー
 2.ニコ・ラムダ
 3.ルドルフ・マイネ
 4.ジョンブル・チャップマン
 5.ケリー・ラスムッセン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.デイヴィス・ファング
 8.アンドレアス・サントス・フィリオ
 9.ミケーネ・ポルボローネ
10.デイヴィス・リンドホルム

小雨がコースを濡らしはじめた6ターン目、トップのバトラーと2番手
ラムダが同時ピットイン。両者ひとまず浅溝のインターミディエイトタイヤ
へ交換する。マーキュリーの作業は速かったが、ピットブルが会心の作業で
ラムダを送り出す。順位はピットレーン内で逆転、ラムダが先頭でコースに
復帰する。ピットブルは先にラムダを入れたため、マイネは1ターン待たされる
ことになる。後続は続々とピットイン、全車がインターミディへと交換する。
そして翌ターンにマイネ、更にはバトラーのタイヤ交換でこちらも1ターン
待たされたマルケーナスがピットイン。しかしマイネ、マルケーナス共に
やや作業に時間がかかってしまう。

雨は徐々に強くなり、各車おいそれとバトルを仕掛けられなくなってくる。
そんな中地元で4番手まで浮上していたチャップマンが、マイネの前を
うかがって単独スピン。さしものチャップマンも雨では立て直しできず、
マシンはコースアウトしクラッシュ。母国でのレースをあっけなく終えた。
そんな中雨の得意な連中は積極的だ。ここまでいいところのないバトラーの
同僚マルケーナスが、ラスムッセンをかわして4番手に浮上。後方でも
11番手スタートのサントス・フィリオが7番手まで進出する。

先頭は相変わらずラムダとバトラーのマッチレース。雨が大得意のバトラーも
ラムダの巧みなブロックラインに抑え込まれる。3番手争いもピットブル
vsマーキュリー、マルケーナスが仕掛けるもマイネも行かせない。
そんな中もうひとり、雨が大得意なファングが5番手を取り返す。
中盤戦に入っても雨は降り止まず、「犠牲者」を増やしてゆく。
9ターン目にはヴィックスが単独スピン、10ターン目にはカレッジと
リンドホルムが接触し、それぞれリタイヤしていた。

そして12ターン目、ついにバトラーがラムダの前に。再びトップを
奪い返す。レースはやや荒れた展開になるも、危険度の高い大きな事故がなく
ここまでセーフティカーの出動はなし。中段では激しいポジション争いが
繰り広げられているものの、全体としては大きな動きのないまま
再びバトラーが引っ張るレースは後半戦へ。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレックス・バトラー
 2.ニコ・ラムダ
 3.ルドルフ・マイネ
 4.デイヴィス・ファング
 5.ケリー・ラスムッセン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ジョリー・セプター
 8.アンドレアス・サントス・フィリオ
 9.ゾルタン・ゲラ
10.アレオ・ファーシマス

16ターン目、やや雨脚が強くなり各車再びタイヤ交換の為ピットイン。
トップを争うバトラーとラムダが、またも同じタイミングで入ってくる。
今度はマーキュリーよりピットブルの作業にやや時間がかかり、バトラーに
少し遅れてラムダがピットアウト。後方でもファング、マルケーナス、
セプター、サントス・フィリオとポイント圏内にいる面々は続々とピットイン、
ヘヴィーウェットに交換しコースに出てゆく。バトラーとは大きく差が
あるため、マルケーナスはバトラーの作業が終了した直後にピットイン。
しかしマーキュリーの作業がやや手間取り、セプターに前に行かれてしまう。
2台立て続けの同ターン作業を敢行したマーキュリーだが、あとに入った
マルケーナスはやや割を食ったかっこうになってしまった。

17ターン目には、前ターンにピットインを待った連中が続々ピットイン。
順位が大きく錯綜する。トップ争いはここにきてバトラーが、ラムダとの
マージンを少し開きつつある。「雨のバトラー」の真骨頂だ。ラムダも
無理をして追いかけない、3番手とは大きく水をあけており、ポジション
キープの構えか。3戦連続ミッショントラブルでのリタイヤが続いている
ラムダは、雨に気を使いつつマシンをいたわりながらレースを進める。

中段ではこの雨でもバトルが激化、ラスムッセン、ファング、マイネ
マルケーナス、セプターらが目まぐるしく順位を入れ替えながら、綱渡りの
レースを戦う。しかし完走台数は確実に減っていき、18ターン経過時には
9台が姿を消していた。そして19ターン目にまた事故発生。後方集団
ティルクムとシエナのバトルでティルクムが体勢を崩しスピン。それに
端を発し後続のシエナ、そして日向が追突。3台の多重クラッシュにより
ここにきて、このレース初めてセーフティカーが出動する。

20、21ターンがセーフティカーラップとなり、21ターンにはピット
オープン。しかし結局最後まで雨は止まず、タイヤ交換などの動きもなく
リスタートへ。リスタートも「雨のバトラー」が決め、大勢は決す。
むしろバトルが激化したのは中段。17番手スタートのセプターは、この時点
で3番手まで浮上していた。逆にリスタート時に4番手にいたファングだが、
終盤徐々にポジションを下げ7番手まで後退する。
またポイント圏内確保の争いも激しい。ロムニ・ダキアの2台がギリギリの
位置で踏みとどまるも、リヴィエール、サントス・フィリオ、そして
序盤のスピンで最後方にいたハイデンフェルドも浮上し、熾烈な争いが
繰り広げられていた。

雨のため事故が多発、完走は14台のサバイバルとなったこのレース、
結局最後までバトラーが危なげなく首位を守り切り優勝。今季2勝目
をあげた。雨のため最後はバトラー追撃をあきらめたラムダが、ここ3戦の
不運を払しょくし2位表彰台、そしてポールスタートのマイネが3位表彰台
と、ピットブルはW表彰台をゲット。一方バトラーのチームメイト
マルケーナスは惜しくも表彰台ならず、4位フィニッシュとなった。
5番手には昨季ランキング3位のラスムッセン、今季は今一つ突き抜けきれ
ないレースが続くも確実にポイントは拾っている。地元ファングは序盤に
マシンに負ったダメージの影響もあり6番手。第3戦の優勝以外入賞のない
セプターが7位に入り、マルドゥークのリヴィエールが8位入賞。雨での
速さも見せつけた。9位にはサントス・フィリオが入り、最後までポイント
圏内を争ったロムニ・ダキアの2台は最後の最後で脱落。かわりに終始
最後方でレースを戦ったハイデンフェルドが、滑り込みで入賞をはたした。

一方で最後方スタートとなったランキング2位のロッソ、完走ははたした
ものの入賞ならず、ノーポイントでバトラーとのポイント差は39と
大きく開いた。

ラムダは今回の2位でランキング3位に浮上、一方ラスムッセンは4位
ファングは5位と後退。マイネは今回の3位入賞でランキング6位に浮上
してきた。現状バトラーが頭一つ半抜け出したかっこうだが、選手権は
18戦中6戦とまだ1/3が終了したところ。今後の展開は全く予測不能だ。
しかしトップのバトラーは2勝を含む6戦全戦入賞、いまだリタイヤのない
抜群の安定感が強みだ。一方2位以下は10位のセプターまでが27ポイント
差で、1勝で順位が大きく入れ替わる大混戦状態。はたしてバトラーの連続
入賞はどこまで続くか? 追いかける面々に付け入るスキはあるか?

チームランキングはマーキュリーが123ポイントとしトップ、しかし
今回W表彰台のピットブルもポイントを積み重ね91ポイントで2位、さらに
ノルディックが83ポイントで3位と続いている。こちらはトップ3が昨季
と同様の面々に。追いかけるアントネッティ、チャイナドラゴンはNo.2
の活躍次第でまだまだ逆転も有り得るが果たして?
いずれも今後の展開から目が名離せない。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次回はヨーロッパラウンド第2戦にして、4戦続く西ヨーロッパゾーンの
2戦目である選手権第7戦フランスGPだ。全長1.8kmの長ロング
ストレートを擁するスーパーハイスピードトラック、ポールリカールで
行われる。NeXX随一の高速トラックで行われる、スーパーハイスピード
バトルをお楽しみに!!!

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・5

『Formula NeXXtream 2nd』

□第5戦 メキシコ エルマノス・ロドリゲスサーキット

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 1周:4.30km
 特性:「中速」「常設」
 ターン数:25(69周)

前回の第4戦ブラジルでは、昨季同様マーキュリーのバトラーが
シーズン初優勝をあげ、4戦で4人のウィナーが誕生と今季も混戦模様の
NeXX。第5戦の舞台は中米メキシコだ。昨季はブラジルのあと南米大陸
を南下しアルゼンチンへと転戦したNeXXだが、今季は北上し中米は
メキシコへとやってきた。舞台となるのはメキシコの首都メキシコシティ
ある、エルマノス・ロドリゲスサーキットだ。1962年開設のオールド
コースは、近年ヘルマン・ティルケによる改修を受け、近代的な中速
テクニカルトラックへと生まれ変わっている。基本的には従来のレイアウト
に沿っての改修となっているが、路面の舗装を全面的にやり直し、最終区間
にはもともとあった野球場の観客席をそのまま利用したスタジアムセクション
が新設された。全長1km以上のホームストレートのある前半区間では、
コース最速を記録するハイスピードセクションだが、後半はS字をメイン
とするテクニカルセクションで、コース終盤のスタジアムセクションは
観客席の真ん中をマシンが低速で旋回する、このコース一番のビューポイント
だ。全18戦のトラックの中でも、最もライブ感のあるセクションだろう。
また標高約2300m地点にあるこのサーキットは、空気が薄くダウン
フォース量も少ないため、特異なセッティングが必要な難所となっている。
今季からカレンダーに新たに加わった難所で、どのような戦いが見られるか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
PPはなんと3戦連続でピットブルのラムダが獲得。過去2戦連続で
ミッショントラブルのためPPスタートながらリタイヤを喫したラムダ、
今回こそ予選結果を決勝レースにつなげたい。そしてフロントロー2番手には
開幕戦6位以降入賞のないラ・ポルタ、ここで上位入賞を果たし波に乗りたい
ところだ。2列目にはノルディックの2台、3番手ハイデンフェルド、
4番手にはラスムッセンがつける。ここまで波に乗り切れないノルディック勢、
是が非でも優勝が欲しいところだ。3列目5番手にはドバイの覇者セプター、
6番手には開幕戦ウィナーのロッソが続く。7番手にはここまで2度の
2位表彰台のファング、ファングもそろそろシーズン初優勝がほしいところ。
一方でマルケーナスが18番手、ランキングトップのバトラーは20番手と
マーキュリー勢は一休みか。そして今回の予選落ち4名はバーンズ、
リンドホルム、ティルクム、マイネの4名。マイネとバーンズ、そして
リンドホルムの3名は早くも今季2度目の予選落ちだ。中でもマイネは今回
ミッショントラブルでまともにアタックができず。過去2戦ラムダに
同様のトラブルが発生しているように、ミッションのトラブルは現状チーム
が抱える重大なトラブル。マイネは決勝すら走れずレースを終えた。
開幕から3連続入賞で好調かと思われたバーンズは、2戦連続の予選落ち。
改めてNeXXの予選のシビアさが浮き彫りとなった。


<決勝レース>
予選から終始うす曇りの中行われたメキシコGP。決勝も天候はくもり、
標高2000mを超える高地のため、比較的冷涼なメキシコシティだが
この日も気温、路面温度とも高くなく。出走26台のうち6割以上が
ソフトをチョイス。そしてソフト勢はポルボローネ一人を除いて全員が
新品タイヤをチョイスした。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
デ・ランジェリス  カジワラ
ゲラ        宋
ラスムッセン 
フィリオ 
リヴィエール 
グーデリアン
タンデイ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ       日向
バトラー      チャップマン
マルケーナス    カブロン
バロン       ヴィックス
ポルボローネ   ファング
シエナ       セプター
ファーシマス    
ハイデンフェルド
ラ・ポルタ
ロッソ
カレッジ

=ユーズドタイヤ


上位勢では4番手ラスムッセン以外は皆ソフトをチョイス。一方
ラスムッセンは後半の追い込みを企図し、ユーズドのハードでスタート。
後方に沈んだポイントリーダーのバトラーは、大方の上位陣同様の
ソフトスタート。序盤から1つでも上を目指してゆく構えだ。

スタートはフロントロー、2番手のラ・ポルタが決める。
PPのラムダに並びかけ、長い直線終わりのターン1にトップで侵入する。
後ろではさらに3番手ハイデンフェルドがラムダに並びかける。
ハイデンフェルドもラムダの前に出、ラムダは3番手に後退してしまう。
序盤からラ・ポルタが先頭を行く展開も、うしろのハイデンフェルドの方が
ペースが良い。3ターン目にはハイデンフェルドがラ・ポルタの前に出て、
NeXX参戦5戦目で早くもラップリードを記録。
レースはここから、ハイデンフェルドが引っ張る展開となってゆく。

出だしは良かったラ・ポルタだが、3ターン目にはラムダにもかわされ
3番手に後退。やはり直線の長い高速セクションでは、シグマテック勢の方に
分があるようだ。後方ではカレッジとヴィックスの10番手争いが激化。
互いにゆずらない接近戦が展開される。
そんななか14番手をゆくチャップマンが派手にスピンオフ。
しかし驚異的なマシンコントロールでレース復帰、日向に前を行かれるが
ポジションロスト1でそのままレースを続行する。

先頭集団、ラ・ポルタもやられているばかりではない。
5ターン目にはハイデンフェルドとラムダの直線での攻防についてゆく
ラ・ポルタが、ターン1でラムダから2番手を奪い返す。
後ろでは4番手争い、セプターがラスムッセンをかわして4番手浮上。
さらに接近していたロッソまでもがラスムッセンを追い落とし、
ラスムッセンは6番手まで後退。チームメイトとは対照的にどんどんと
ポジションを下げてしまう。上位陣で唯一ハードタイヤを選んでスタート
したラスムッセン、序盤は苦戦を強いられる。

後方ではプルトンのヴィックスが、サントス・フィリオをかわして
9番手浮上。今季も苦戦の続くプルトンに、ポイントを持ち帰れるか?
そして後方20番手スタートのバトラーはチャップマンに抑え込まれ、
チャップマンの後ろ15番手にいた。

★5ターン終了時のトップ5
 1.ミック・ハイデンフェルド
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.ニコ・ラムダ
 4.ジョリー・セプター
 5.アレンザンダー・ロッソ
 6.ケリー・ラスムッセン
 7.デイヴィス・ファング
 8.アレオ・ファーシマス
 9.トゥーリ・ヴィックス
10.フェリオ・デ・ランジェリス

中段争いは接近戦、ヴィックスをかわした日向が10番手に浮上。
久しぶりのポイント獲得を狙う。その後ろでは13番手争いのカレッジと
マルケーナスがやりあうも、マルケーナスはカレッジに手を焼く。
その間に後ろにバトラーが接近すると、マルケーナスはバトラーに
前を譲る。バトラーのポイント圏内浮上をアシストするオーダーだ。

前方ではロッソとセプターの4番手争い。しかし激しいバトルは接触
引き起こす。双方マシンに大きなダメージはなくセプターは4番手をキープ
するも、ロッソは大きくコースアウトしてしまい、9番手まで順位を下げた。
そしてヴァシュロンのソフト勢はこのあたりから、タイヤ交換でのピット
ストップが出始める。ファーシマス、カレッジといった比較的タイヤに
キツイ面々が入り始める。

8ターン目にはトップ3ハイデンフェルド、ラムダ、ラ・ポルタが
ピットイン。ハイデンフェルドがユーズドハードにつないだのに対し、
後ろのラムダ、ラ・ポルタは2セット目のソフトにつなぐ。2スティント目
に勝負をかける作戦に出た。ピットインでトップ3の順位は変わらず。

ハイデンフェルドのペースは、ハードにスイッチしても変わらず。
対する2、3番手勢はハイデンフェルドを捉えるほどペースが上がらず。
後方ではセプター、デ・ランジェリス、日向といったヨコスカ勢が
ピットインし、ユーズドハードにスイッチ。ヨコスカ勢はソフト2セットを
長めに使えるため、2スティント目にユーズドハードを持ってきて
短くつなぐ作戦に出た。
後方ではポルボローネとタンデイの接触事故発生。ポルボローネはなんとか
レースに復帰したが、タンデイはマシンのダメージが大きくその場で
マシンを降り、リタイヤを喫した。さらにタンデイには事故の原因を作った
として、次戦から2戦出場停止のペナルティが科せられた。

トップ3は依然ポジション変わらず。ソフトで追うラムダ、ラ・ポルタの
2人に対し、ユーズドハードのハイデンフェルドはソフト勢と変わらない
ペースでトップを快走。後方ではチャップマンがペースをあげ、日向を
かわして10番手に浮上。同僚のデ・ランジェリスが5番手につけており
2台でポイント圏内を走行、ここまで唯一ノーポイントのアブラモビッチ
だったが、ようやく初ポイントが見えてきたか。

ハイデンフェルドが快調にトップを行く展開だが、後方は激しいバトル。
6番手ファングが前を行くデ・ランジェリスにしかけるも、デ・ランジェリス
が巧みにブロック。逆にファングの一瞬のスキをつき、ヴィックスが前へ。
ヴィックス7番手浮上。さらにその後ろではチャップマンが猛然とペース
アップ。ファングを追い落として8番手まで浮上する。
逆にファングはペースが上がらず、ポイント圏内目前まで浮上していた
バトラーの前をふさぐかっこうになる。

後方ではまた接触事故発生。リヴィエールとカレッジが、バトルで接触
しかし双方軽傷のためレース続行。レースはスタートから15ターンを経過
してもセーフティカーが出ない、珍しい展開で進む。

そして上位勢は2スティント目をソフトでつないだラムダ、ラ・ポルタが
先にピットイン。結局追いかける面々はソフトでもトップを捕まえられず
ユーズドハードへ交換する。レースはここからハイデンフェルドの一人旅の
様相を呈してくる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.ミック・ハイデンフェルド
 2.ニコ・ラムダ
 3.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 4.ケリー・ラスムッセン
 5.トゥーリ・ヴィックス
 6.アレンザンダー・ロッソ
 7.フェリオ・デ・ランジェリス
 8.ジョンブル・チャップマン
 9.アレックス・バトラー
10.デイヴィス・ファング

16ターンを迎えたところで信じられない光景が。
2位をゆくラムダのマシンが後方から大きく白煙を吹いてスローダウン。
なんと3戦連続でミッションがブローアップしリタイヤとなった。
コース脇にマシンをとめたラムダは、しばらくマシン後方をのぞき込み
憤懣やるかたないといった様子でピットガレージへと戻った。
ラムダは3戦連続でPPを獲得しながら、3戦連続ミッションブローで
リタイヤ。またもレース途中で姿を消してしまった。

そんななか、4番手でペースアップしていたラスムッセンが、前をゆく
ラ・ポルタをオーバーテイク。ラムダがリタイヤしたため2番手浮上となり
この瞬間ノルディックは、今季初の1-2体制での走行となる。

ハイデンフェルドと後方とのマージンは9、盤石だ。
一方20番手スタートのバトラーは、しぶとく9番手まで浮上していた。
しかし、ファーシマスに抜き返され10番手後退、さらにペースを上げて
追いついてきた同僚のマルケーナスが、バトラーの一瞬のミスを突き
10番手浮上。バトラーはポイント圏外に後退する。

19ターン目にはトップのハイデンフェルド含め、2スティント目を
ハードでつないだ面々が最後のピットイン。各車最後のスティントはソフト
につないでコースへと出てゆく。各車がほぼピットストップを終えても
ノルディックの1-2体制は崩れず。チームとしてはラスムッセン
勝たせたいところだが、ハイデンフェルドとのマージンがありすぎる。
チームとしての王座獲得が第一目標のノルディックとしては、最悪どちらが
優勝でも1-2フィニッシュであれば問題はなかった。そして1ターン
遅れて20ターン目に、2番手のラスムッセンが最後のピットイン。
しかしなんとここで、ラスムッセンのピット作業でトラブル発生!!
右フロントのナットが外れずに大きく時間をロス。ラスムッセン
最後の最後で6番手に転落してしまう。
ラスムッセンは作業中、ステアリングを両手で叩いて悔しがる。

トップのハイデンフェルドは独走でクルージング体勢。あとに続くラ・ポルタ
ロッソもポジションキープで無理はしない。そして続く4、5番手には
デ・ランジェリス、チャップマンのアブラモビッチ勢。アブラモビッチ
ようやく初入賞が現実のものとなってきた。

結局レースはハイデンフェルドが独走で優勝。NeXX参戦5戦目にして
初優勝を飾った。2位は開幕からやや苦戦の続いたSLOのラ・ポルタ、
そして開幕戦の覇者ロッソが3位表彰台をゲット。序盤の接触がなければ
と思わせる展開だった。そして4位、5位にはアブラモビッチ
デ・ランジェリスとチャップマンがW入賞。実力派コンビといわれながら
ここまでノーポイントに終わっていた面々がようやく初入賞を果たした。
6位にはプルトンのヴィックスが入り、エースカブロンを上回るポイントを
獲得。一方で最後のピットストップで大きく順位をロスしたラスムッセン
最終的に7番手フィニッシュ。ノルディックの1-2フィニッシュは
夢と消えた。8位にはマルケーナス、バトラーは9位入賞。それぞれ
18番手、20番手と後方スタートのマーキュリー勢は、しぶとくW入賞を
果たした。また10位にはロムニ・ダキアのファーシマスが入り、ようやく
今季初入賞を果たした。
開幕から5戦で初めて、セーフティカーが1度も出動しなかったこのレースで
見事独走での優勝を飾ったハイデンフェルド。今後はもしかすると、
ハイデンフェルドも選手権争いに絡んでくる存在になるかもしれない。

一方で3戦連続PPスタートながら、3戦連続同じトラブルでリタイヤと
なったラムダは失意のレースとなった。

ドライバーズポイントではバトラーが72ポイントでトップをキープ。
このレースで3位入賞したロッソが58ポイント、14ポイント差で
2位に続く。3位にはかろうじて41ポイントでラスムッセンがつけるが
バトラーとの差は詰まらない。4位以下ファング、ラムダ、バーンズも
ノーポイントでバトラーを脅かすには至らず。一方今回初優勝を飾った
ハイデンフェルドが31ポイントでランキング7位に浮上してきた。

また、チームランキングはマーキュリーが86ポイントでトップにいる
ものの、ハイデンフェルドの初優勝で72ポイントとしたノルディックが
2位に浮上。かたや今回ノーポイントに終わったピットブルは
アントネッティにも抜かれ4位に後退。チームランキングは1位から6位
が46ポイント差におさまっており、1レースの結果で容易に順位が
入れ替わる状態だ。

ドライバーランキングは抜群の安定感と強さを誇るバトラーがトップを
キープしているが、その他の実力者連中はまだ本領を発揮できていない状態。
シーズンはまだ5戦を消化したところ、中盤戦以降の戦績如何ではまだまだ
どうとでもなる展開だ。はたして今季はこのままバトラーがトップを
ゆくのか、それとも実力者たちの逆襲が始まるのか? 
今後の展開に注目だ。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:ミック・ハイデンフェルド(ノルディック)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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選手権は次戦第6戦からヨーロッパラウンドに突入!
第6戦は伝統のオールドコース、ブランズハッチで行われるイギリスGPだ。
F1をはじめとする様々なレースで、様々なドラマの舞台となってきた
イギリスを代表するクラシカルトラックでのハイスピードバトル!
お楽しみに!!!

Formula NeXXtream 2stシーズン・4

『Formula NeXXtream 2nd』
□第4戦 ブラジル サンパウロ市街地サーキット

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 1周:4.08km
 特性:「高速」「市街地」
 ターン数:27(74周)

開幕戦はA.ロッソ、第2戦はN.ラムダ、そして第3戦はJ.セプターと
今季も開幕から3戦で3人のウィナーが誕生し、混戦模様の選手権となっている
NeXX。オーストラリアから東南アジア、中東を経由した選手権はここから
中南米ラウンドへ突入してゆく。第4戦の舞台は南米ブラジル。
伝説のF1王者アイルトン・セナの生まれたサンタナ地区に施設される
ストリートサーキットが舞台だ。3本のミドルストレートが主体の、ストップアンド
ゴーの高速トラックは、ホームストレートがアスファルトではなくコンクリート
舗装路面で、非常にミューが低く滑りやすいうえこの時期は雨の心配もある。
また、ピットレーンがホームストレート上ではなく、ホームストレートの先の
ターン4とターン5の間のミドルストレート沿いに敷設されるという特徴的なつくり
のトラックだ。昨季は、年間王者を獲得したA.バトラーがこのGPで初優勝。
初代王座獲得へはずみをつけたレースとなったが、今季はどうか?
今季もここまでバトラーは未勝利、しかし開幕からきっちりと3戦連続で上位入賞を
はたしているバトラーは、シーズン未勝利もランキングトップだ。
今季もここを制するような展開になれば、2年連続の王座獲得も視野に入ってくる。
開幕戦覇者のロッソが2ポイント差で追っているが、はたしてどんな展開になるか?
初代王者が頭一つ抜け出すか、はたまた追いかけるライバル勢が肉薄するか。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
第3戦に続きPPはピットブルのラムダが獲得。PQ、Q3はともにハードタイヤ
でアタック、ラスト2セッションにソフトを温存する余裕の展開でQ2、Q3とも
トップタイム。堂々の連続PP獲得だ。フロントローにはF1時代からのラムダの
ライバル、ファングがつける。ポイントリーダーのバトラーが3番手、そして
ラムダのチームメイトマイネが4番手とピットブル勢が好調。
そして、これまでの3戦では予選から苦戦していた新規参戦チーム、マルドゥークの
一角リヴィエールがサードロー6番手を獲得。新規参戦3チームの中でいまだ
ノーポイントだったマルドゥークに、初ポイントを持ち帰ることができるか?
4列目にはトライアンフの日向と、前回初ポイント獲得のリナルディのシエナ
9番手には新鋭ティルクムと、クラークソンが初めて2台揃ってトップ10入りを
はたした。一方で開幕戦の覇者ロッソは18番手、そして前戦第3戦の覇者
セプターは24番手と苦戦。そして開幕から好調を維持し、連続入賞を続けていた
バーンズがなんと、今季初の予選落ちを喫した。今回の予選落ち4台はバーンズ、
デ・ランジェリス、ヴィックス、宋昇龍の4名。F1王者バーンズや開幕戦2位表彰台
の実力者宋をもってしても、通過することが容易ではないNeXXの予選。
これまでの4戦の予選結果は、参戦する誰にでも予選落ちの可能性があるという
NeXXの予選のシビアさを、あらためて示す形となった。
また、2度のクラッシュの原因を作ったとして第4戦出場停止の裁定を下されていた
ノルディックのハイデンフェルドだったが、ノルディックチームの正式な抗議を受け
FNOは協議の結果、ハイデンフェルド個人に対する制裁金のみのペナルティに
とどめ出場停止を撤回した。ノルディック側はこの一連の騒動に対して、FNOに
あらためて抗議、そしてペナルティ決定から撤回までの経緯についての調査を
要求しており、今後の展開が注目される。


<決勝レース>

昨季は小雨の降る中でスタートとなったが、今季は予選はくもり、決勝は晴れと
終始ドライコンディションで行われた。予選方式が刷新されてから3戦を戦って
予選の戦い方を熟知してきた各チーム。ラムダ、バトラー、ファングの3台以外は
全台がPQをソフトで戦った。路面のミューが低く、コンクリート舗装箇所もあり
タイヤへの負担が大きいサンパウロ市街地、各車のタイヤ戦略に注目が集まった。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>(太字
マイネ      日向 
バトラー      カジワラ
マルケーナス    ティルクム 
ポルボローネ    バロン 
シエナ 
ゲラ 
ラスムッセン 
フィリオ
リンドホルム 
グーデリアン
タンデイ
カレッジ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ        チャップマン     
ファーシマス    カブロン
ハイデンフェルド  ファング  
ラ・ポルタ     セプター
ロッソ
リヴィエール

=ユーズドタイヤ

出走全台のうち6割強がハードをチョイス。かたやPP獲得のラムダ、2番手の
ファングはスタートダッシュを狙ってソフトをチョイス。先行逃げ切り作戦だ。
一方でバトラーはハードを選択。得意の後半の追い込みにかける。ヨコスカ勢は状況に
よってソフトを2セット使える可能性があるが、一方のヴァシュロン勢はハードの
2セット使用は避けられずタイヤ戦略が重要なレースとなる。

スタートでは大きな混乱はなし。フロントロー2台の出足があまりよくなかった
ものの、3番手バトラーの飛び込みをファングが1コーナーで封じ2番手堅持。
中団ではそのあおりを食ってシエナがもたつき、ティルクム、ラスムッセンが前へ。
さらにフィリオにも先行をゆるし、シエナはシングルグリッド8番手スタートを
フイにする。前方から中団では混乱なしも、後方でアクシデント発生。
23番手よりうしろの3台、バロン、タンデイ、セプターが多重接触
レ―スはのっけからセーフティカーが出動する展開となる。

ピットオープンとなった3ターン目にはバロン、タンデイ、セプターの3台が
揃ってピットイン。それぞれマシンに重篤なダメージを抱えており、ここで
リタイヤとなった。またトライアンフのカジワラもピットインしマシンを停めた。
ブレーキディスクの破損でカジワラも早々にリタイヤとなった。

4ターン目のリスタートでは、ラムダが素晴らしいリスタートを決め
頭一つ出た状態で1コーナーへ。しかしファングもぴったり1秒差以内につけ
離されない。3番手以下バトラー、マイネはやや間をあけられる。そしてその後ろ
5番手争いで順位変動。6番手のリヴィエールがゲラを出し抜いて5番手浮上。
今季いまだノーポイントのチームへ、初ポイントを持ち帰れるか?
その直後信じられない光景が・・・ トップを行くラムダのマシン後方から
白煙があがる。ラムダはゆるゆるとスローダウンし、コースサイドにマシンを停めた。
前回同様ミッションがブローアップしてしまったのだ。
マシンをおりたラムダはステアリングを投げつけ、お手上げだと言わんばかりの
ジェスチャーを見せた。ラムダは2戦連続ポールシッターとなりながら、
2戦連続ミッショントラブルで姿を消した。

ラムダのマシンがコース上にストップしたため、早くも2度目の
セーフティカーが出動する。

★5ターン終了時のトップ5
 1.デイヴィス・ファング
 2.アレックス・バトラー
 3.ルドルフ・マイネ
 4.ビル・リヴィエール
 5.日向 俊郎
 6.ゾルタン・ゲラ
 7.アリエル・ティルクム
 8.ケリー・ラスムッセン
 9.アンドレアス・サントス・フィリオ
10.スティラノ・シエナ

再びリスタートの7ターン目、トップのファングがダッシュを決め2番手の
バトラーとの差をやや広げる。3番手争いも熾烈。4番手リヴィエールがマイネに
並びかけるも、マイネが行かせない。ストレートスピードはアシュトンバーキン
分があるようだ。さらにその後ろから日向がしかけてくるも、ビルにブロックされ
逆に後ろのゲラの進出をゆるしてしまう。
レースはファングが引っ張り、少し後ろからバトラー、やや離れてマイネ、
リヴィエールなどの3番手集団と続く。

マイネも意地を見せ、9ターン目にファステストラップを記録。前をゆくバトラーを
かわして2番手に浮上する。そしてここでリヴィエールが全車の口火を切って
ピットイン。ソフトからユーズドハードに履き替えたビルは8番手で復帰する。
さらには10ターン目、先頭のファングがピットイン。ソフトからユーズドハードに
換装しマイネ、バトラーに続く3番手でコースに戻る。
2度のセーフティカー出動でタイヤを延命させたソフト勢が、このあたりで
一斉にピットインしてくる。

11ターン目にはバトラーがマイネをかわしてトップに。ユーズドハードで
スタートしたマイネのタイヤはすでに限界に達していた。タイヤ交換で3番手に
後退したファングも、徐々にマイネとの差を詰めてくる。後ろでは4番手のゲラ、
8番手ラスムッセン、さらにはカブロン、シエナといったポイント圏ギリギリにいる
面々もピットイン。順位の錯綜が始まる。
12ターン目には日向がピットイン。13ターン目にはフィリオ、ティルクム。
そして14ターン目には1セット目のハードを引っ張ったバトラーが、ついに最初の
ピットイン。ソフトへと交換し2番手でコース復帰してゆく。
タイヤが限界のマイネもここでピットイン。マイネは5番手まで落ちてしまう。

★15ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.アレックス・バトラー
 3.ビル・リヴィエール
 4.ルドルフ・マイネ
 5.ゾルタン・ゲラ
 6.アンドレアス・サントス・フィリオ
 7.ケリー・ラスムッセン
 8.日向 俊郎
 9.ミック・ハイデンフェルド
10.アリエル・ティルクム

16ターン目、快調に飛ばしていたファングに異変。突然ラップタイムがガクッと
落ちた。ファングのマシンのミッションが誤作動を起こし、一瞬ギアがスタックして
しまったのだ。その後はレースペースを取り戻すが、ファングはレース終了まで
たびたびミッションのマイナートラブルに苦しめられながらのドライブを強いられる。
後ろの3~5番手争いではマイネ、リヴィエール、フィリオ、そしてラスムッセン
といった面々が激戦を繰り広げ、度々順位が変動していた。
17ターン目にリヴィエールが2度目のピットイン。最後のスティントはハードを
選択したリヴィエールは8番手まで後退。表彰台圏内まで戻れるか?

ファングとバトラーのトップ争いは一進一退。ハードではなかなかペースを
上げられないファングだが、バトラーのユーズドソフトもガケが来ており、思うように
ペースアップできない。そして20ターン目には、バトラーが先に動く。
最後のスティントはフレッシュソフトでの追い込みを期し、3番手でコース復帰する。
後方ではタイヤ交換で8番手まで後退したリヴィエールが、毎ラップファステストを
更新しながら驀進。バトラーの後ろ4番手まで浮上していた。

21ターン目にはファングが最後のピットイン。ソフトへ換装しラストスティントに
かけるが、クルーがやや作業に手間取る。2番手マイネも同タイミングでピットイン
しており、ファングはトップで復帰もバトラーがすぐ後ろまで迫っていた。
この時点でトップ3のファング、バトラー、リヴィエールの3台がマージン0で
集団を形成する形となる。そして22ターン目、ついにバトラーがファングをとらえ
トップに立つ。今季初優勝が見えてきた。

トップのバトラーは23ターン目、そして24ターン目にスーパーラップをマークし
ファングとの差を開いてゆく。ファングは中盤に負ったミッショントラブルの影響も
あり、バトラーを追うことができない。それでも3番手をゆくリヴィエールには
差を縮めさせず2番手をキープ。リヴィエールも後ろのマイネとはやや差があり
トップ3は盤石の状態となる。しかし5番手以降は相変わらず、接近した集団での
バトル。フィリオ、ラスムッセン、ゲラ、ティルクムが続く。

レースは終盤トップに立ったバトラーが優勝。昨季同様ここブラジルでシーズン
初優勝を飾った。トラブルに泣いたファングも速さを見せ2番手、そして3位表彰台
にはリヴィエールが入り、ようやくチームに初ポイントをもたらすと共に、初入賞が
表彰台という偉業をやってのけた。4番手にはマイネ、5番手にはフィリオが入り
ラスムッセンが6番手。7番手には苦戦するロムニ・ダキアのゲラがなんとか入賞。
そして8~10番手ティルクム、グーデリアン、リンドホルムの3名が今季初入賞。
特にティルクム、グーデリアンは各々チームメイトとのW入賞、そしてリンドホルムは
ファイナルターンでハイデンフェルドを追い落としての10位入賞となった。
これでバトラーは4戦連続入賞、70ポイントとしランキングを大きくリードする。
チームランキングでは昨季同様マーキュリーとピットブルが上位につけているが
ノルディックに昨季ほどの勢いを感じないのが気がかりだ。

いずれにしてもシーズンは全18戦中4戦を消化したのみ。
今後の展開はどうとでも転んでゆく。最終戦の最後の最後まで目が離せないのが
NeXXだ。今後の展開も注目してゆこう。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦第5戦は、F1やフォーミュラEでもおなじみのエルマノス・ロドリゲス
サーキットで開催されるメキシコGPだ。メキシコのモータースポーツ人気は高く
既設の野球場のスタンドをそのまま使用した最終ターン手前のスタジアム
セクションでは、大観衆のオベーションが待ち受ける。
ブラジル以上の熱狂必至のメキシコGP、どうぞお楽しみに!!

 

NEXXTREAM PRESS 「2ndシーズン開幕号」

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◆シーズン開幕号

12チーム24台が選手権を戦った昨季から3チームが新たに加わり、30チーム
15台での激戦となる2ndシーズンのNeXX。これまで本誌では昨季オフから
年明け、そして開幕直前とチーム・ドライバーをはじめNeXXを取り巻く状況を
つぶさにお伝えしてきた。そして今号は、いよいよ開幕した2ndシーズンの進行
状況にあわせ、現在の選手権の模様ほか様々な情報を「シーズン開幕号」と銘打って
お伝えしていく。
ハイレベルのコンペティションの構築・確立とともに、環境負荷の少ない持続可能な
技術を開発・確立、そして駆使し自動車産業を「意義あるもの」として未来へ継承
させるべく始まったNeXXは、激しい戦いの一方で様々な新技術を生み出し、
これからも時代とともに変容してゆくだろう。近い将来にまたNeXXの技術規則を
大きく変えるであろう技術も生まれつつある。
今号では選手権の熱い戦いと、一方で行われている未来に向けた技術開発についても
紹介してゆく。ぜひお楽しみいただきたい。

■レースリポート
◇開幕戦 オーストラリアGP

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今季も開幕戦の舞台となったのはオーストラリア、サーファーズパラダイス市街地
コースだ。今季から3チームが新規参入、15チーム30台で争われることとなった
NeXX。そしてこの開幕戦では、そのニューカマーがビッグサプライズを演じた。
予選PPはなんと、新規参戦のアントネッティのロッソが獲得。バトラー、日向、
バーンズといった実力者が続く。その一方でピットブルのNo.2、実力者マイネが
予選落ちを喫する波乱の予選となる。ロッソは決勝でも速さを見せスタートから頭一つ
飛び出すも、直後に多重クラッシュが発生しセーフティカーが出動する展開に。
昨季王者バトラー、日本期待の日向が追走する展開も、昨季終盤にデビューした
中国人ドライバー宋昇龍が速さを見せ、レース中盤には2番手へ浮上する。
ラスムッセン、バトラーといった昨季選手権を争った実力者達を置き去りにし
快走を見せたロッソは、1度目のタイヤ交換で3番手にポジションを下げた以外は
終始トップを独走。終盤宋に差を詰められたもののトップを守り切り優勝。
なんと新参チームがデビュー戦でポールトゥウィンを達成してしまった。
2位の宋はデビュー4戦目にして初の表彰台と、高いポテンシャルを見せつけた。
ラスムッセンが3位、バトラーは5位と、昨季の主役は脇へと追いやられた開幕戦。
新たな展開の幕開けを予感させる、波乱含みの開幕戦となった。

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◇第2戦 インドネシアGP

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波乱の開幕戦に続き、第2戦インドネシアも波乱の展開となった。予選では1時間以上
も大雨が降り止まず、セッション開始を1時間遅らせたにも関わらずコンディション
は改善せず。大雨のなか行われた予選では、新規参入のマルドゥークの2台が揃って
予選落ちを喫した。PPは昨季とはうって変わって開幕から好調のバーンズ。スタート
も混乱なく、スムーズに飛び出したバーンズはしばしトップを行く。しかし1度目の
タイヤ交換をハードで引っ張った11番手スタートのラムダが、ソフトに履き替え
猛然とペースアップ。バーンズからトップを奪う。しかし、途中セーフティカーの出動
でタイヤを温存できたバーンズは、オールソフト作戦で終盤戦での巻き返しを
狙っていた。ラムダの後ろにはライバルファングがつけ、バーンズは3番手。開幕戦で
予選落ちの屈辱を味わったマイネが4番手と続く。バトラーは今回も精彩を欠き、
5番手に沈んでいた。しかしレースも最終盤に入った時点で、突然のスコール襲来。
全車泡を食ってピットインし、レインタイヤに履き替える。すでに2度のタイヤ交換を
済ませていたバーンズは、完全に計算が狂ってしまった。快晴で幕を開けたレースは
予想だにしなかったウォータースクリーンバトルで幕を閉じる。天候を味方につけた
ラムダが優勝し2位ファング、3位バトラー、5位日向と、雨を得意とする面々が
最終的には上位を独占。PPのバーンズは6位に終わった。

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◇第3戦 ドバイGP

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第3戦の舞台は中東、今季から新規参戦のマルドゥークチームの本拠地である
ドバイだ。今季は開幕から2戦とも何かと雨に祟られてきたNeXXだが、第3戦の
舞台は砂漠の国。今季初めて予選から決勝の全セッションが、ドライコンディションで
行われた。予選は前戦の覇者ラムダがPP、フロントローにはポルボローネが並んだ。
また今回の予選ではマルケーナス、リンドホルム、ファング、日向の実力者4名が
予選落ち。改めて予選の厳しさが浮き彫りになった。決勝は午後7時スタートの
ナイトセッション。ラムダが引っ張りラ・ポルタ、ラスムッセンといったあたりが
追いかける展開となる。また、開幕戦の覇者ロッソ、ペナルティによる出場停止明け
のセプターなどが追い上げる。レースはセーフティカーが3度出動する荒れた展開。
そんななかラムダはいずれのタイミングもリスタートで失敗、レース中盤には
セプターにとトップを明け渡す。レース終盤はセプター、ロッソ、ラムダが優勝圏内
を争う展開となったが、のこり2ターンというところでラムダのミッションがブロー。
リタイヤしたラムダに代わって、後半大きくペースアップしたバトラーがファステスト
連発で2位に浮上する。しかしレースはセプターがトップを守り切り優勝。2位
バトラー、3位ロッソ。4位にラスムッセンが続き、リナルディが6、7位とW入賞
を果たした。

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■テストリポート

開幕から2戦を消化し終えた3月第4週、2ndシーズンを戦う全チームはフランスに
集結していた。今季初の全チーム合同テストに参加する為である。マシンもエンジンも
カスタマー運用であるNeXXは、それぞれ購入後のチーム独自での開発は認められて
いるものの、マシンに関しては形状が大きく変わるような、エンジンについては大きく
出力アップにつながるようなアップデートをチームが施すことは、レギュレーションで
禁止されている。チームが許されているのは各パーツの信頼性向上を目的とした
アップデートが基本であり、マシンやエンジンの性能にかかわるような大きなアップ
デートを施せるのは各メーカーだ。
またNeXXではシーズン中のプライベートテストを全面的に禁止しているため、
アップデートの効果を検証する機会も決して多くはない。具体体に挙げるならば、
各GPで設けられている計3回のフリー走行と、年3回設けられているこの全チーム
合同テストだけだ。そういった意味で日ごろの開発の成果を確認し、トラブルシュート
をする重要な機会であり、メーカー同席のもとメーカーの施したアップデートを試し、
データを積み上げて長いシーズンを戦い抜くうえで、合同テストは各チームにとって
最重要のミッションなのである。

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★ポールリカール・サーキット全景

今季の合同テストは昨季同様3回組まれており、第1回はフランスのポールリカール、
第2回は5月の第2週にポルトガルエストリル、そして8月の第3周にドイツの
ホッケンハイムで3回目の合同テストが予定されている。2ndシーズン最初となる
今回は、ポールリカールで行われた。
プロヴァンス地方の中心都市マルセイユから東に40kmの地点にあるポールリカール
は、NeXXをはじめF1ほか様々なレースが行われているが、以前はテスト専用
サーキットとしてF1最高責任者であったバーニー・エクレストンが所有していた。
1970年開設のオールドコースだが、サーキットデザイナーのヘルマン・ティルケ
によって大規模な改修が施され、2002年にハイテク・テストトラックとして
生まれ変わった経緯を持つ。コースは1970年開設当時のレイアウトを元にしている
が本コースの内外にいくつものサブコースが張り巡らされ、様々なレイアウトに変更が
可能。人工的にウェットコンディションを再現するための散水装置まである。
今回は実際にNeXXのフランスGPでも使用されるロングディスタンスのレイアウト
に加え、「ミストラル」と呼ばれる1.8kmのバックストレッチの途中にシケイン
を追加した、F1で採用されるレイアウトで行われた。テストセッションは火・水・木
と3日間行われ、各チームとも精力的にロングディスタンスの走行をこなした。
またお抱えのリザーブドライバーを帯同させるチームもあり、ピットブルや
トライアンフなどはテストプログラムのメインを、リザーブドライバーがこなした。
その中で光る走りを見せたのがピットブルのボナパルトである。ボナパルト
ピットブルの長距離走行メニューの6割をこなし、セッション2日目にはトップタイム
をマークした。3日間のセッションで、ラップタイムトップ5に顔を出した
リザーブドライバーはボナパルトだけだった。全セッションの記録は以下の通り。

≪セッション別走行距離・タイムトップ5≫
◇1日目
<走行距離>             
1位:T.ヴィックス(プロトン)      379.73km   
2位:J.バロン(エヴァー・グラハム)   368.05km
3位:B.リヴィエール(マルドゥーク)   363.55km
4位:M.ボナパルト(ピットブル)     350.52km
5位:J.ノーデンバロウ(アントネッティ) 350.52km
<ラップタイム>
1位:A.バトラー(マーキュリー)     1:32:596
2位:B.リヴィエール(マルドゥーク)   1:32:789
3位:N.ラムダ(ピットブル)       1:33:214
4位:D.リンドホルム(アントネッティ)  1:33:691
5位:宋 昇龍(チャイナドラゴン)     1:33:887

◇2日目
<走行距離>
1位:A.サントス・フィリオ(SLO)   408.94km
2位:F.デ・ランジェリス(アブラモビッチ)381.55km
3位:C.エルドラード(チャイナドラゴン) 379.73km
4位:柴嵜 みのる(トライアンフ)     350.52km
5位:K.マルケーナス(マーキュリー)   348.64km
<ラップタイム>
1位:M.ボナパルト(ピットブル)     1:30:356
2位:A.ロッソ(アントネッティ)     1:30:761
3位:N.ラムダ(ピットブル)       1:31:475
4位:J.チャップマン(アブラモビッチ)  1:31:556
5位:A.ティルクム(クラークソン)    1:32:412

◇3日目
<走行距離>
1位:S.バロシュ(マーキュリー)     412.55km
2位:C.タンデイ(ガジャック)      379.73km
3位:M.ポルボローネ(リナルディ)    374.05km
4位:M.ボナパルト(ピットブル)     368.72km
5位:柴嵜 みのる(トライアンフ)     350.52km
<ラップタイム>
1位:A.ロッソ(アントネッティ)     1:29:639
2位:N.ラムダ(ピットブル)       1:30:356
3位:B.リヴィエール(マルドゥーク)   1:31:002
4位:J.グーデリアン(マルドゥーク)   1:31:256
5位:M.ボナパルト(ピットブル)     1:32:991

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★2日目のセッションで全体トップのタイムをマークしたM.ボナパルト


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パドックプレス

◇ピットブル、期待のフランス人ドライバーをテストで起用

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★ピットブルのリザーブドライバーM.ボナパルト ★ボナパルトはテストの間中、ラムダと
                         綿密なコミュニケーションをとっていた

第2戦インドネシア終了後、フランスはポールリカール・サーキットで行われた
全15チームの合同テスト。そこで昨季王者チームピットブルは、今季からリザーブ
ドライバー契約を結んだ期待のフランス人、ミシェル・ボナパルトを起用した。
F1では名門マ○ラーレンでデビュー、その後ルノ○に移籍し3年目を迎える今季。
フランス人王者誕生の期待を背負いF1を戦っているが、今季はやや精彩を欠いており
ルノ○との関係悪化も噂されるボナパルト。しかし、テストではF1でも定評のある
極めてスムーズなドライビングを随所に見せ、3日間のうち2日目ではなんと
全体トップのタイムをマーク。関係者を驚かせた。
今回のテストでは全走行距離の6割以上をボナパルトがこなしたピットブル。
ガレージではエースのラムダとコクピットにおさまったボナパルトが、綿密に言葉を
かわすシーンが見られた一方で、2ndドライバーのマイネは初日に200km
程度を走行したあとはブリーフィングに時間を費やし、3日目はサーキットにすら
現れなかった。このことからプレスの間では、ピットブルは来季2ndシートに
ボナパルトを採用するとの憶測が早くも流れている。
チームは昨季初年度の王者に輝き、セカンドシートに座るマイネも1勝をあげ
王座獲得に貢献したが、今季は開幕戦でまさかの予選落ちを経験したマイネ。
高速トラックでは速さを見せるものの、戦績のムラが大きく首脳陣の絶対的な信頼を
勝ち取るには至っていない感があるマイネ。昨季の「寡黙な功労者」も2シーズン目に
して早くも正念場を迎えたか?

トライアンフ、カジワラの後釜をピックアップか?
日本のレースファンの期待を一身に背負いNeXXを戦う、純和製チーム
トライアンフ。その2ndシートをめぐる動きが活発化している。
トライアンフチームは、もともとF1に参戦していた日本系チームのレラが
北海道の企業グループSJBとタッグを組んで参戦したF1ゆかりのチーム。
そしてその2ndシートにおさまるのが、F1時代からチームと苦楽を共にしてきた
日系アメリカ人ドライバーのジョー・S・カジワラだ。しかし、初年度では
No.1シートに座った日本人日向俊郎との戦績で大きく水をあけられ、日向が2勝を
含む103ポイントを獲得したのに対し、最高位5位を含むわずか4度の入賞で
20ポイントに終わったカジワラ。今季は早くも開幕戦で予選落ちを喫してしまった。
F1時代からカジワラの面倒を見てきたマネージャーの真田幸治も、カジワラの
活躍には満足しておらず、去就についてのプレスの問いには歯切れが悪い。
チームは現在イタリア人のカペロと日本人の柴嵜という2人のリザーブを抱えている。
しかもカペロは昨季2戦のみスポット参戦し、デビュー戦で9位入賞をはたしている。
今後のカジワラの戦績いかんでは、シーズン途中での交代もありうるかもしれない。
また、昨年エヴァー・グラハムから途中参戦し活躍、今季はクラークソンの
リザーブにおさまっている英国人のワーノックと、ジュニアフォーミュラ時代から
親交のある真田が接触したとの噂もあり、更にはF1でカムイチームから参戦していた
マイネを招聘するのではとの憶測も飛び交っている。2ndシーズンはまだまだ
序盤戦だが、3rdシーズンのシートをめぐるストーブリーグは、春から活発だ。

アブラモビッチオーナーが、ここまでの戦績に不満をあらわ
開幕から3戦を終え(ドバイ終了時点)、ここまでノーポイントに終わっている
アブラモビッチ。ポールリカールでの合同テストに姿を現したチームオーナーの
ロマン・アブラモビッチ氏は、チームの現状に不満があるとプレスに向け語った。
NeXX初年度の昨季から参戦しているチームは、昨季も前半戦で躓き苦戦。
しかし後半戦でロッソが1勝をあげ、チームとして117ポイントを獲得。
ランキング8位につけたアブラモビッチ。トラブル続きで苦戦した前半戦も
第2戦ではロッソ、グリエコがW入賞をはたし、第3戦ではロッソがPP獲得、
2位表彰台と光る活躍は見せていた。しかし、ドライバーを一新した今季はいまだ
1ポイントも獲得できていない。1stシートにおさまる英国人チャップマンは
第2戦では予選5番手と一発の速さは見せるものの確実性に乏しく、第3戦では
予選7番手のタイムをたたき出しながらも、第2戦で受けたグリッド降格ペナルティで
17番手スタートを余儀なくされた。また2ndシートのデ・ランジェリスは予選、
決勝とも目立った速さを見せられていない。また昨季テクニカルディレクターを務めた
ジョン・オクスレイド=ライアンがチームを去り、ロビー・ハーンが加入したことも
少なからず関係があるだろう。既存のエンジニアスタッフたちはチームに残留したため
体制に大きな変化はないものの、開発の方向性が大きく変わったことが序盤の苦戦の
原因とみる向きもある。「我々は今季体制を大きく変更した。ロビーはよくやって
くれている。二人のドライバーも、初年度ということを考えればここまでは
及第点だろうね。でも私が目指すのはもっと高みだよ。こんな成績では到底満足は
できない。時間は必要だ、しかし同時に結果も必要だ。」とプレスを前に語った
アブラモビッチ氏。これまでほとんどメディアに対して公式には発言をしてこなかった
アブラモビッチ氏が、このように語るのは異例のことだ。チームの強化には時間が
かかることを承知しつつも、結果が欲しいとはっきり口にしたアブラモビッチ氏。
ロビー・ハーンは、そして二人のドライバーたちは今季中に、オーナーの求める
一定の結果を残せるのだろうか?

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アブラモビッチ氏は我々プレスの前で今季の戦績への不満を吐露

プルトン、3rdシーズン以降のカムイエンジン搭載で合意か?

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★現在カムイとリナルディの2チームへエンジンを ★プルトンの大株主であるペトロナスはマレーシ
 供給している日本のカムイ            の石油企業だ      

マレーシアに本拠を置くアジア系チームプルトン。初年度、今季と2シーズンに
わたってフランスのピジョンエンジンを使用しているプルトンだが、ここにきて
日本のカムイエンジンと3rdシーズン以降の使用契約に合意をしたとの情報が
入ってきた。マレーシアの自動車メーカーであるプルトン、昨季オフの段階で本誌は
かねてから進んでいたプルトンとピジョンの業務提携がご破算になったとの情報を
掴み、親会社であるマレーシアの石油会社ペトロナスが、NeXXにおいての
ピジョンエンジンの使用に難色を示している旨を掲載したが、話はどうやら本誌の
推測した通りの展開で進んでいたようだ。現状NeXXのエンジンサプライヤー
それぞれが特定の燃料メーカーと一体で開発を進めており、ペトロナスを使用する
サプライヤーは現状カムイエンジンである。そのため、ピジョンを使用できない場合
プルトンが取り得る選択はカムイとの契約に絞られる。ペトロナスが他のエンジン
サプライヤーとの契約に変更する可能性も考えられたが、どうやら来季以降も
ペトロナスはひとまずカムイとの供給契約を変更しないようだ。
さすがにまだシーズン序盤のためペトロナス側からの公式発表はないが、カムイの
神麗華社長は「来季から供給先が1つ増えるかもしれません。現段階ではどことは
言えませんがアジア圏のモーターレースが今以上に活気づくことになるでしょう。」
と語った。昨季はピジョンエンジンのパワー不足に苦しめられ、今季も状況に劇的な
改善は見られないプルトン。トライアンフや、今季のリナルディの活躍を見る限り
では、エンジン変更が来季以降の成績向上に作用する可能性は大いにある。
ピジョンとの業務提携解消から降って涌いたエンジン変更話だが、災い転じて福と
なせるか。また日本のカムイエンジンが供給先を拡大するのは、我々日本のレース
ファンにとっても悦ばしいことだ。今後の展開に注目しよう。

◇ノルディック、第3戦ドバイでのハイデンフェルドへのペナルティに抗議
第3戦ドバイ、予選6番手の好位置からレースを進めたミック・ハイデンフェルドに
とっては結果的に「踏んだり蹴ったり」のレースとなった。一時は表彰台圏内の
3番手を走行しながら、度重なる接触事故の当事者認定を受け、あげくリタイヤして
しまったのである。ノルディックチームは、昨季2ndドライバーのリンドホルム
の後半戦での大失速が原因で、チームタイトルを逃してしまった。この教訓をいかす
為、今季はF1でも活躍したハイデンフェルドを招聘し、必勝態勢で臨んでいた。
そのハイデンフェルドも開幕戦、トラブルでリタイヤに終わったものの予選Q2では
いきなりトップタイムをマークし、最終的には9番手を獲得。第2戦は予選15番手
とふるわなかったものの、決勝では7位入賞をはたし早速その速さを発揮していた。
そして第3戦では3番手を走行、チームメイトのラスムッセンとのW表彰台も狙える
位置で走行を続けた。しかし、レース中盤で前方のラ・ポルタにオーバーテイク
仕掛けた際に2台は接触。応急修理のため21番手まで後退を余儀なくされた。
その後レーススチュワードに事故当事者認定されたハイデンフェルドは、10秒の
ペナルティストップを科されたうえ、さらに終盤発生した多重事故の当事者としても
認定され、第4戦の5グリッド降格ペナルティを科されリタイヤした。
それぞれの事故状況を改めて動画で確認したという、ノルディックのマネージャーで
F1王者経験者でもあるチチ・ソルベルグは「あんなペナルティはバカげている!」
と語気を荒げた。「ミックは何一つアンフェアなことなどしていない! 画像を見れば
判る。いずれの事故もミックは無理な動きなどしていないし、追抜きのセオリーに
則ったフェアなものだ! 2度目の接触は、相手のバロンの方がかぶせてきている。
あれはいずれもレーシングアクシデントだ! この件はFNOに厳重に抗議する!」
と息巻いた。確かに2度目の接触は追抜かれるバロンも体勢を崩しており、見方の
分かれそうな状況ではある。また2度目の事故は5台が絡む大事故のため、誰かに
責任を科さねばならないとのFNO側の思惑もあったかもしれない。それがビッグ
アクシデントにも関わらず、次戦の5グリッド降格という軽いペナルティで収まった
理由との見方も。当のハイデンフェルドは「ついてないね、ハードラックだ・・・」
とのみ語り、肩を落としてサーキットを後にした。

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★ハイデンフェルドへの度重なるペナルティについて不満を訴えるソルベルグ

アメリモータースポーツの雄デンプシーが第3のシャシーメーカー?
3rdシーズンに向けNeXXを統括するFNOは、第3のシャシーメーカーとの
契約を検討しているようだ。ここまでの2シーズンはフランスのシグマテックと、
日本のレラの2メーカーが参戦しているが、FNO側としては3社のコンペティション
が理想と考えているようである。FNOの運営統括部長を務める元F1世界王者の
デイトン・ビルは、ポールリカールのテストウィークに米国に渡りいくつかの交渉を
行った。今季からアメリカの名門アントネッティが参戦し、それにあたって第6の
エンジンメーカーシェブロンが参戦を開始したNeXX。それに伴い、北米企業の
さらなる参画を促すため交渉に赴いたようだ。米国はインディカーやNASCAR
等独自のモータースポーツ文化を育んできたレース大国。F1ではハ○スチームが活躍
し、毎年30万人以上の観客が訪れるインディ500は、1日の集客では世界最大を
誇るビッグイベントだ。そんな米国で今回は主にシャシーコンストラクターとの
交渉を持ったようで、元インディカードライバーの日本人タカ竹下がCEOを務める
ツウィスト社や、米国最大のレーシングカンパニー、デンプシー社等と交渉を持った。
なかでもデンプシーはNeXXに強い興味を示したようで、第3のシャシーメーカー
として3rdシーズン以降の参戦も有り得るとされる。「今回の訪米では様々な交渉を
行ったよ。今後のレース開催の継続とその場所や、メディアの放映権について
などね。シャシーサプライについても話をした。ビッグカンパニーのひとつが大きな
興味を示してくれたよ。」とはデイトン・ビルのコメントだ。仮にデンプシーの
参戦が決定すれば、NeXXはより激しコンペティションの舞台となるだろう。
デンプシーは長くインディカーに参戦し、最強を誇るビッグチーム。NASCAR
等にも参戦し、F1参戦歴もある。また、創始者のドジャー・デンプシーは先ごろ
インディアナポリス・モータースピードウェイのオーナーとなり、北米モーターレース
の象徴とも呼べる存在となっている。  

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★デンプシーは長らくインディカーで「最強」チ ★デンプシーチームの「御大」ドジャー・デンプシー
 ームとして君臨してきたビッグカンパニーだ   現在は一線を退いている。

◇リナルディ、第3戦ドバイのW入賞で今季の手ごたえつかむ
昨季はシーズン通して34ポイントの獲得にとどまり、全12チーム中最下位に
終わったリナルディが、第3戦ドバイで今季初入賞をはたし、今季の躍進に手ごたえ
をつかんだようだ。第3戦終了時点で14ポイント獲得でのランキング9位は、昨季を
上回る躍進を予感させる。オーナーのカルロ・バニラは「ミケーネもスティラノも、
本当によくやってくれた。昨季は限られた予算で運営した為、ドライバー二人も経験の
浅い若手を起用し、開発ペースも上がらなかった。しかし今季は我々を支援してくれる
ビッグスポンサーもついたし、F1経験者の二人をドライバーに迎えることができた。
第3戦のW入賞は望外だよ。」と語った。レラシャシーとカムイエンジンの相性の良さ
は昨季トライアンフが2勝をあげたことで証明されている。躍進できる下地はあった
わけだが、F1経験者を2名招聘できたことで第3戦ドバイではそのポテンシャルが
発揮された形となった。開幕戦で予選落ちの屈辱を味わったNo1.ポルボローネ
第3戦では予選フロントローを獲得し、その実力の一端を見せつけた。一方シエナ
3戦ともきっちり予選通過を果たし、決勝でも度々入賞圏内に顔を出している。
「今季はもう少しやれそうだね。彼ら二人ならそのうち、表彰台にも登ってくれる
んじゃないかと思っているよ。」と語るバニラ。F1では果たせなかった野望に
向けて、リナルディは邁進する。

◇新鋭3チームのここまで
2ndシーズンより新たに3チームが参戦し、全15チームで選手権が争われる
今季のNeXX。アメリカのレース一家が率いるアントネッティ、中東はドバイの
王家が率いるマルドゥーク、そして昨季NeXXに参戦した元ドライバーの立ち上げた
フランスのガジャックが新たに加わり、激戦が繰り広げられている。
とはいえ新参3チームは、昨季1シーズンを戦った12チームと比べ経験、そして
開発の積み上げがない分、アドバンテージの無い状況であることは否めない。
そんな状況でも、果敢に初めてのシーズンに漕ぎ出している3チーム。
ここまで3戦を消化し、各3チームの戦いぶりはどうなのか検証してみよう。

アントネッティオートスポーツ

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★開幕戦で1年生チームにデビューウィンをもたらしたA.ロッソ

新参チームとしてはこれ以上望むべくもない、最高のスタートを切ったのが
このアントネッティだ。なんと開幕戦で、エースドライバーのロッソが予選PP
そして決勝で優勝と、デビュー戦でポールトゥウインを達成したのである。
ロッソは昨年アブラモビッチで1勝をあげているし、インディカーでも活躍した
ドライバー。チームはといえばアメリカのレース一家が率いて、インディカー
もちろんフォーミュラEなどでも活躍するレースのプロ集団ではある。
しかし、開幕戦で新参チームが優勝を飾ろうとは、誰しもが予想していなかった。
ロッソは第3戦でも3位表彰台と活躍。早くも今季の「台風の目」となっている。
問題は2ndシートのリンドホルムがポイントを獲得できていないこと。
昨季ノルディックのタイトル逸の戦犯扱いをされたリンドホルムだが、このままでは
今季もまた評価を下げてしまいそうだ。とはいえ、チームとしてみれば望外の活躍。
「デキる転校生」が、クラス全員を慌てさせている状態だ。

・マルドゥーク・レーシング・ドバイ
ドバイ王家の率いるチームとして大きな注目を集めたが、ここまではやや
苦戦している印象だ。リヴィエールとグーデリアンという華のある二人を揃えたが
入賞圏内までもう一つというところ、中団でややもがいている状態だ。
二人のドライバーとも決勝では光る走りを見せるものの予選が今一つで、
なかなかタイムを伸ばせずに中団グリッドに埋没してしまう状況が続いており、
第2戦では早くも揃って予選落ちを経験している。前にさえ出られれば戦える二人
であるだけに、予選での活躍が今後重要になってくる。シェブロンエンジンも
アントネッティの優勝で戦闘力は証明済みだ。リヴィエール、グーデリアンの二人には
予選での上位進出を期待したい。

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★「華麗なるファイター」リヴィエールもやや精彩を欠いている

・ガジャック・ルルーシュ・スポール
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★第2戦では大雨の予選でセカンドローを奪取したカレッジ
「驚異の新人」と、関係者の評価はうなぎのぼりだ

昨季NeXXに参戦したイワン・ガジャックが立ち上げたチームだが、参戦発表の
タイミングが遅かった為、チーム体制がなかなか整わず苦戦が予想されていた。
また、オールフレンチを標榜したため、昨季低迷したピジョンエンジンを採用。
それも苦戦は免れないとの予想が大勢を占めた要因だろう。そう考えるとここまで
4ポイント獲得は予想を上回る活躍と言っていいだろう。
しかもタンデイ、カレッジそれぞれが入賞をはたしている。所属ドライバーが二人とも
ポイントを獲得しているのは、新参3チームのなかでこのガジャックだけだ。
タンデイは開幕戦こそ予選落ちを喫したものの、第2戦の予選Q1ではトップタイム
をマークするなど速さを見せ、第3戦で9位入賞。また一方のカレッジはここまで
全戦予選通過、第2戦インドネシアでは大雨の予選でセカンドロー4番手を獲得、
決勝ではこちらも9位入賞し、タンデイ同様2ポイントを獲得している。
タンデイのベテランらしい勝負強さと、若いカレッジの一発の速さがこのままうまく
機能すれば、上位進出も夢ではない。

という具合にそれぞれここまで明暗は分かれているが、3チームともポテンシャルを
存分に発揮していることに疑いの余地はない。しかもシーズンはまだ序盤、あと15戦
もあるのだ。それぞれさらなる躍進の可能性を大いに秘めている。既存の12チーム
もうかうかしてはいられない。やはり今季もNeXXは混戦模様だ。

◇e-fuel、再来季には実用化の見通し
現在NeXXは、液体水素燃料を使用した内燃機関によって動力を得るマシンを
競技車として使用している。そしてその液体水素燃料は、水を電気分解する事によって
得られる水素で作られているわけだが、現状この液体水素燃料を生成するには
あくまでも「燃料生成」を目的とした「燃料資源としての水」を調達している状況だ。
しかし、今後はその燃料生成について、大きな変革がもたらされることになる。
かねてから望まれていたエコ水素燃料「e-fuel」が、NeXXにおいて実用化される
ことがこのほどFNOから発表されたのだ。

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★2017年1月のダボス会議で発足した「水素評議会」


2017年1月に開催された世界経済フォーラム(通称ダボス会議)で発足した
水素評議会はこれまで「より環境に負荷をかけない液体水素燃料の開発」を進めて
きたが、ついにその実用化にこぎつけた。それが「e-fuel」である。
「e-fuel」は、燃料生成を目的とした水資源の調達はせず、産業レベルで発生した
「余剰水素」を二酸化炭素と合体させ、更に再生エネルギーを使用して生成する
究極の「エコ水素燃料」だ。これにより「自然エネルギーの使用」+「廃棄物再利用」
=「CO2排出0の完全エコ燃料」という構図が実現でき、カーボンニュートラル社会
の実現に向けて大きく前進するとともに、「環境負荷の無いモーターレーシング」の
実現にも大きく貢献することとなる。今後は実際のエンジン、マシンを使用した
燃焼テスト、耐久テスト、そして事故での安全性の検証などテストを重ね、4th
シーズンにはレース用燃料としての採用を目指すという。また、FNOは「e-fuel」
実用化後のエンジンのターボ化も検討しているという。

 

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■今季導入の予選新システムを徹底解説!!

今季NeXXでは、予選システムを大きく変更した。初年度の昨季は24人の
ドライバー全員が制限時間内に2度のタイムアタックを行い、速い方のタイムを採用
してグリッドが決められた。しかし今季は参戦台数が30台に増えたこともあり
予選をよりエキサイティングなセッションにするため、FNOは予選方式を大きく
したのだ。採用したのはF1をはじめとするFIAの多くの選手権で採用されている
ノックアウト方式。だが、参戦台数の多いNeXXでは、セッション数や使用する
タイヤに関するルールなど、独自のものが設定されている。ここでは、今季から
新採用の予選システムについて解説してゆく。

◇予選セッション
予選は全4セッションで行われる。

PQ(プレ・クオリファイ)
参加30台全車が1回アタックし、下位4台が予選落ちとなる。

Q1
予選通過26台が全車1回アタックし、上位16台がQ2へ進出。
Q1の結果により17番手~26番手までの順位が決定。

Q2
Q1上位16台が全車1回アタックし、さらに上位10台がQ3へ進出。
Q2の結果により11番手~16番手までの順位が決定。

Q3
残った10台で上位グリッドを争う。PP~10番手までの順位が決定。

◇タイヤ使用に関するルール
・予選で使用するタイヤはハード、ソフトそれぞれ1セットずつとする。
・予選で使用できるセッション数はハード、ソフトそれぞれ最大2セッションとする。
・決勝では、予選で使用したタイヤを必ず1セット使用しなければならない。
・ハード、ソフトの両方を予選で使用した場合、決勝使用のために選択できるセットに
 制限は設けないものとする(どちらを選んでも良い)。

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ここまでの予選はドライコンディションで行われたセッションが1回しかないため
なんとも言えないが、ここまで実力者の予選落ちが相次いでいるため、各車とも今後は
まずPQ突破のためよほど自信のある状態でなければ、全車ソフトでPQに挑む
だろう。そのうえで残りの3セッションを戦うわけだが、決勝で使うユーズドタイヤ
をハードにするか、ソフトにするかでQ1以降どのセッションにグリップの良い
ソフトを持ってくるかも、悩みどころになるはずだ。ヴァシュロン勢とすれば
予選はソフトで好タイムを目指したいものの、予選でソフトを酷使すると決勝での
タイヤ戦略にも影響する。一方でヨコスカ勢は、ソフトの耐久力が高いため決勝での
戦略に幅は出るが、ハードタイヤのグリップ力が劣るため予選での苦戦は免れない。
昨季は後方グリッドからの上位進出もしばしば見られたものの、やはり予選ポジション
が決勝レースに大きく影響するのは揺るがぬ事実だ。
第3戦ドバイでは今季初めて予選がドライで行われ、好位置から発進したリナルディ
の2台がW入賞を果たすなど、予選ポジションの重要さが改めて浮き彫りになった。
第4戦以降も、予選から激しい戦いが見られそうだ。

シャシーメーカー2社、新型は4thシーズンから

現在NeXXにシャシーを供給しているシグマテック、レラの2社は、現在の
コンセプトを一新した完全新型の投入を4thシーズンとすることで合意したと
FNOが公式発表した。昨季オフに会合を持ったFNO、シグマテック、レラの3者は
第2戦終了後、ポールリカールでのテストウィークにFIA本部のあるフランスは
パリで会合を持ち、この条件での合意に至ったという。会合にはFNO側からは
会長のラックス・ロズレイ、技術部長のコルトン・バーレイが出席し、シグマテック
CEOのビショップ・ミノー、レラの社長兼技術部長である森崎智恭が出席。
前述のとおり新型シャシー投入について昨オフに両メーカーと一度会合を持っていた
FNOはその際両メーカーには3rdシーズンに合わせて新型シャシーを用意するには
開発期間とデータが不足しているとの見解を示されていた。FNOとしては今季新たに
3チームの新規参入を容認したこともあり、3rdシーズンからの新型投入により
一度全チームの戦力のリセットを図りたいとの思惑があったが、両メーカーの見解は
前回の会合の時から変わらず。昨オフの会合での両メーカーからの提言を、FNO側が
受け入れた形となった。また、当初FNO側が見込んでいた第3のシャシーメーカー
の参入の可能性が4thシーズンにずれ込みそうな状況を鑑み、4thシーズンから
3社が足並みを揃えられるようFNO側が配慮したとの見方もある。
「今季の改良はうまく機能しています。第3戦でセプターが勝ってくれましたからね、
開発が進んでいることをいい形で証明してくれました。我々は確実にシグマテック
との差を縮められていると確信しています。しかし、今後のことを考えるとFNO側
が提示する予算に適合する開発ペースではやはり、シャシーコンセプトの刷新には
最短でも3シーズンの開発期間が必要だと考えます。ミノーさんともその点では
前回の会議の時に意見が一致していますし、そのときから現在まで互いの認識は
変わっていません。」とはレラの森崎氏。
両メーカーはそれぞれ初年度の昨季から、すでに新型シャシーの開発に着手しているが
来季もう1シーズン現行シャシーに細かな改良を加えた状態で使用し、4thシーズン
に新型を投入する。また新型と呼ばれるシャシーも基本的には現行のコンセプトに
基づいて開発されていると言われており、シャシー自体の持つ性格は基本的に
現行モデルのものを色濃く受け継いでいるといわれる。そのため、本当の意味での
「新型」が登場するのは6thシーズン以降だと予測する向きもある。
今回のデイトン・ビル運営統括部長の訪米でアメリカのデンプシーが第3のシャシー
メーカーとなることが確実視されているが、それも本来FNOは3rdシーズン
からの参入を思い描いていたため、参戦時期が後ろ倒しになったことで本当に4th
シーズンから第3のシャシーメーカーの参戦があるのか疑問視するジャーナリストも
少なくない。いずれにせよ新規参入があるかないかは別として、新型シャシーの投入は
最低でももう1年待たなければならないのは確実のようだ。

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★新型シャシの投入時期についての「トップ会談」に参加した
 レラ・エンジニアリング社長兼技術部長の森崎智恭氏


■中・南米ラウンド展望  

3戦が終了し3名のウィナーが誕生と、昨季同様混戦模様のNeXX。この後の
第4、5戦はブラジル、メキシコと中南米ラウンドへと入ってゆく。昨季はブラジル
ののちアルゼンチンへと転戦したNeXXだが、今季はアルゼンチンにかわって
F-1やフォーミュラEでも人気の高い、エルマノス。ロドリゲス・サーキットで
行われるメキシコGPがカレンダーインした。序盤戦の山場ともいえる中南米ラウンド
果たしてどのような展開になるのか?

◇第4戦ブラジルGP

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舞台は昨季と変わらず、サンパウロ市街地で行われる。今は亡きF-1王者
アイルトン・セナの出生地であるサンタナ地区で行われるこのレース。コースは
1周4kmちょっとのショートコースだが、長短3本のストレートがコースの2/3
を締めており、全開率の高いハイスピードコースだ。また最も長いホームストレートは
コンクリート舗装となっており、数ある市街地サーキットの中でもとりわけ路面の
ミューが低い難所だ。さらにこの時期のサンパウロはまとまった降雨もあり、気を
抜けないサーキットである。昨季はピットブルのマイネが予選PPを獲得、また
市街地コースを得意とするトライアンフのカジワラがフロントローにつけた。
しかし、ドライコンディションだった予選とはうって変わって、小雨のぱらつく
セミウェットでスタートした決勝は、雨の得意なマーキュリーのバトラーが優勝。
このレースでNeXX初優勝を飾った「魔術師」は、ここからチャンピオンロード
歩み始めた。今季もバトラーはここまで未勝利、連覇へ向けて初優勝を飾るのか?

◇第5戦メキシコGP

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昨季はオスカルガルベスで行われたアルゼンチンGPが第5戦だったが、今季は
中米メキシコで行われる。メキシコでのモータースポーツ人気は高く、近年はF-1や
フォーミュラEなどの世界選手権の舞台となっている。しかし今回、開催権料の高騰
が原因で今季のF-1のカレンダーから外れることが決まり、同時にNeXXの開催が
決定した。舞台となるエルマノス・ロドリゲスは1962年開設と古くからある
オールドコース。F-1は1992年まで開催され、その後20年以上の空白を経て
2015年にカレンダーに復帰していた。ヘルマン・ティルケの手によって改修が
施されたコースは、基本的にもともとのレイアウトを活かす形でリファインされたが、
最終コーナーの「ペラルタ」は従来のRの大きな右180度旋回の高速ターンから
大きな客席で囲われた低速テクニカルセクションへと変貌を遂げている。
また、サーキットのあるメキシコシティは標高2300mの高地にあり、空気が薄く
ダウンフォース量が減少するため特殊なセッティングが求められる。1990年代
以前は空気密度の薄さがエンジンパワーにも影響し、1km以上のロングストレート
での最高速が300km/hに届かないこともある特異なトラックだった。
改修前は路面の舗装が荒くバンピーなコースで有名だったが、2015年の改修で
舗装は全面的に改善された。しかし、周囲の環境がそうさせるのかダスティな路面は
相変わらずで、特にホームストレートではマシンが砂塵のごとき埃を巻き上げて
走行するシーンがよく見られる。NeXX初開催となるメキシコ、果たして
どんな戦いが見られるだろうか?


2ndシーズンもまだまだ始まったばかり。選手権は中南米ラウンド2戦を戦って
ようやく中盤戦、ヨーロッパを迎える。その後選手権はユーラシア大陸を横断して
アジアへ渡り、北米大陸で幕を閉じるのだ。ここまで3戦を消化した選手権だが
残りはあと15戦。まだまだ今後の展開の予測はつかない。
今季も文字通り世界を股にかけて行われるNeXX世界選手権、今後の展開から
目が離せない!!


★次号は「中南米ラウンド」、そして欧州戦線「西ヨーロッパラウンド」の特集
 をお届け。また、エストリルテストの模様も特集します。お楽しみに!!

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・3

『Formula NeXXtream 2nd』

□第3戦 ドバイ ドバイ・オートドローム

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 1周:5.39km
 特性:「中速」「常設」
 ターン数:24(56周)

開幕戦は新参チーム、アントネッティのロッソが優勝し
のっけから波乱の展開となった2ndシーズンだが、前戦はピットブルの
ラムダが優勝。チームメイトのマイネとのW入賞でランキングトップに立ち
先輩チームとしての威厳をみせつけた形となったNeXX。そして迎えた第3戦は
舞台を中東はドバイに移して行われる。こちらも今季から参戦の新参チーム
マルドゥークのホームGPとなるレースは、かつてはA-1GPなども開催された
常設サーキット『ドバイ・オートドローム』でのドバイGPだ。
砂漠地帯の気候を考慮し、レースはナイトセッションでの開催となる。
はたしてどんな展開が待っているのか?
1周5.39kmのコースは2本のミドルストレートを有するが、そのほかに
ヘアピン状の低速コーナーやいくつかの大きく回り込む中低速コーナーが存在し
全体的な性格としては中速テクニカルトラックの様相を呈する。
ペルシャ湾に面したドバイモーターシティの区画に隣接しており、近くには
競馬界一の高額賞金レース『ドバイワールドカップ』の舞台となる
メイダン競馬場もある。そして新参チームマルドゥークのオーナーは、チーム
ゴドルフィンを率いて世界の競馬界にその名を轟かせるドバイ王家マルドゥーク家の
ダムハン殿下である。各チームの活躍はもちろんのこと、ドバイ王家率いるチーム
のホームレースでの活躍に注目が集まった。前戦で2台揃っての予選落ちという
苦杯をなめたマルドゥークの巻き返しは? そしてこの砂漠のGPを制するのは
果たして誰か?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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赤字は前戦のペナルティによりグリッド降格

セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)

開幕以来の2戦いずれも波乱続きで、予想外のドライバーが予選で姿を消しているが
今回も御多分に漏れず予選は波乱の展開となった。今回予選不通過の面々は
K.マルケーナス、D.リンドホルム、D.ファング、日向俊郎の4名。
いずれ劣らぬ実力者達であり、ルンドホルム以外の3人はNeXXでの優勝経験者だ。
リンドホルムはフリー走行時に負ったアンダーパネルのダメージが影響しタイムが
伸びず。またマルケーナスとファングはセッション中のメカニカルトラブルで脱落。
日向はタイムアタック時に大きくコースアウト。まさかのドライビングミスで
予選落ちとなった。そんななかPPを獲得したのはピットブルのラムダ。
全セッションを通して好タイムをマークし、最上位を獲得した。
そしてここドバイで躍進したのが、リナルディのM.ポルボローネだ。
開幕戦で予選落ちを経験したポルボローネは、予選落ちだけは避けたいとPQで
ソフトタイヤをチョイスしアタックすると、なんとトップタイムをマーク。
その後Q1、Q2をハードでアタックしQ1は8番手、Q2はラムダに次ぐ
2番手で通過。そしてソフトで臨んだQ3もラムダに次ぐ2番手タイムをマーク。
リナルディは初のフロントローをゲットする。3番手には3戦目にしてようやく
Q1突破をはたしたラスムッセンが続き、4番手には開幕から好調を維持している
バーンズが続いた。クラークソンの新鋭ティルクムが10番手と初のトップ10入り。
そして出場停止明けのセプターが8番手と実力の片鱗を見せつけた。
地元マルドゥークの2台は無事PQを突破。Q1ではリヴィエールが4番手、
グーデリアンが2番手タイムをたたき出すも、Q2では15、16番手となり
惜しくも地元でQ3進出はならなかった。また前戦でペナルティを科された
チャップマンは、Q3で7番手タイムをマークしたものの、10グリッド降格で
17番手スタートとなってしまった。

<決勝レース>

午後7時スタートのナイトレースは、当然のことながら極めて降水量の少ない
砂漠地方のため晴れ。ドライコンディションで行われた。しかし、乾燥した気候で
周りは砂漠地帯の為、砂を被ったコースは極めてダスティなコンディション。
開幕以来2戦ともなにかと雨に祟られたNeXXだったが、第3戦ドバイは
ドライとはいえど一筋縄ではいかないレースとなることが予想された。
各チームのタイヤチョイスは以下の通り↓↓↓

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
バトラー      バロン 
シエナ      デ・ランジェリス 
ラスムッセン 
リヴィエール
カレッジ

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ        バーンズ
マイネ       カジワラ
ポルボローネ    チャップマン
ゲラ        カブロン
ファーシマス   ヴィックス 
ハイデンフェルド  ティルクム
ラ・ポルタ     宋
フィリオ      セプター
ロッソ
グーデリアン
タンデイ

=ユーズドタイヤ

フロントローセカンドローの4台は問題なくスタート、
後方では5番手スタートのSLOラ・ポルタがロケットスタートを決め
2台抜きで3番手にジャンプアップする。かたや予選ではあまり振るわなかった
前年王者のバトラーは、ティルクムに先行を許し10番手に後退する。
さらに12番手のロッソにも先行を許し、ロッソは10番手に浮上。
中団では地元のグーデリアンも2ポジションアップをはたしていた。

PPのラムダは序盤ペースが上がらず苦労するも、2番手ポルボローネ
仕掛けを抑えてトップを死守。反対にポルボローネはレースが進むと
レースペースの差を埋められず、ズルズルと5番手まで後退する。
予選での速さはなりを潜めた。中段では軽い接触事故あり。地元のグーデリアン
ガジャックのカレッジが接触。スタートでジャンプアップをきめたグーデリアン
だったが、カレッジともどもポジションダウンを強いられる。

ユーズドのソフトでスタートのラムダは序盤からペースを上げられず。
その後ろではノルディックの2台ラスムッセンが3番手、ハイデンフェルドが
5番手に浮上。昨季最後の最後で無冠に終わったノルディックが
トップのラムダに迫る。ラムダは十分なマージンを築けないままユーズドタイヤの
『ガケ』を迎えていた。とここで後方でアクシデント発生。24番手を走行していた
カジワラが前を行くフィリオに仕掛けスピンを喫してしまった。カジワラは
マシンを中破しリタイヤ。ここでセーフティカーが出動する展開となる。
ピットオープンとなった7ターン目にはラムダ、ラスムッセンポルボローネ
タンデイといった面々がタイヤ交換のためピットインする。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ニコ・ラムダ
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.ケリー・ラスムッセン
 4.アレン・バーンズ
 5.ミック・ハイデンフェルド
 6.ミケーネ・ポルボローネ
 7.アレンザンダー・ロッソ
 8.ジョリー・セプター
 9.アレックス・バトラー
10.セドリック・タンデイ

そして8ターン目にレースはリスタート。ここでタイヤ交換で4番手に後退していた
ラムダは、ロッソ、セプターにもかわされ6番手に後退してしまう。
また中団に埋もれる格好のバトラーもリスタートに失敗。なかなか上位に
進出できない。9ターン目にはハイデンフェルド、ロッソもピットイン。
しかしバーンズ、セプターといったヨコスカ勢はまだ入らない。ヨコスカ勢得意の
セーフティカーを利したオールソフト作戦か? 
はたして10ターン目、ようやくバーンズとセプターがピットイン。
さらにチャイナドラゴンのクルーが会心の作業を見せ、2番手でピットインした
セプターは4番手でコース復帰。セプターには久々に勝機が見え始めた。
思うようにペースを上げられないラムダを先頭に、以下ロッソ、ラスムッセン
セプターと続く。

11ターン目にはユーズドハードを引っ張ったバトラーがピットイン。
ソフトへ換装してコース復帰。これでバトラーは12番手まで後退。
上位勢がすべてタイヤ交換を消化しトップはラムダだったが、すぐ後ろに
ラスムッセンが迫っていた。そして3番手にはセプターがひたひたと忍び寄る。
13ターン目、ついにラムダ、ラスムッセン、セプターのトップ3の差は
1秒以内に接近。そして2番手ラスムッセンがラムダを抜きあぐねている隙をつき
セプターがラスムッセンオーバーテイク。そしてついにラムダまでをもかわし
セプターがトップに立つ。ここでまたもアクシデント発生。
4番手争いの中でラ・ポルタにしかけたハイデンフェルドが、後続のバーンズ
をも巻き込んだ多重接触を引き起こし、ここで2度目のセーフティカー出動。
ラ・ポルタ、ハイデンフェルドはこの間に応急修理のためピットイン。
ダメージの小さかったバーンズは、そのままステイアウトする。

2度目のリスタートとなった15ターン目、セプターは良いリスタートを決めるも
ラムダがついていけず。しかし3番手のラスムッセンがそのあおりを受け
スピードが乗らずロッソの先行を許す。これでラスムッセンは4番手後退。
トップ3はセプター、ラムダ、ロッソの順に。
その後もセプターは順調に後続とのマージンを築いてゆく。そして後方では
ソフトに換装したバトラーが徐々にペースを上げつつあった。
さらにポイント圏内の10番手付近の争いが激化。ティルクム、シエナ、そして
チャップマンが熾烈な入賞争いを繰り広げる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.ジョリー・セプター
 2.ニコ・ラムダ
 3.アレンザンダー・ロッソ
 4.ケリー・ラスムッセン
 5.セドリック・タンデイ
 6.アレン・バーンズ
 7.ミケーネ・ポルボローネ
 8.アリエル・ティルクム
 9.アレックス・バトラー
10.スティラノ・シエナ

先頭グループはセプター、ラムダ、ロッソが僅差で接近戦を展開。
しかしハード→ハードでつないだ4番手ラスムッセンは、若干水をあけられ始めた。
後方ではソフトタイヤに交換したバトラーが7番手に浮上、
そしてリナルディのシエナがティルクムをかわして9番手に浮上していた。
リナルディはポルボローネシエナが共に入賞圏内におり、W入賞での
初ポイント獲得のまたとないチャンスを迎える。
ソフトタイヤし交換したバトラーは俄然ペースが良い。前を行く6番手バーンズが
ピットインし、さらにタイヤのタレが顕著なタンデイにも追いつき5番手浮上。
『魔術師』が本領を発揮し始めた。

18ターン目、2番手ラムダ、3番手ロッソが相次いでピットイン。
最後のタイヤ交換を済ませる。2人とも最後のスティントはソフトで挑むが
それぞれクルーが交換に手間取りややタイムロス。はたしてこれが今後の展開に
どう影響してくるか? 後続の上位陣も続々とピットイン。
タンデイ、ポルボローネ、ティルクム、バロンと、全車最後のスティントは
ソフトに履き替えて出てゆく。そして19ターン目、先頭を行くセプターも
満を持してピットイン。2番手に浮上していたラスムッセンともども
ソフトに交換してピットアウトしてゆく。ここから上位勢は全車ソフトで
ラストスティントが始まる。そしてアウトラップでタイヤにうまく熱の入らない
ラムダをついに、ロッソがオーバーテイクし2番手に浮上する。

そのとき後方でビッグアクシデント発生!!
バロンにオーバーテイクを仕掛けたハイデンフェルドが接触
接近していた後続を巻き込んで大クラッシュを引き起こしてしまう。
これにより当事者のバロン、ハイデンフェルドに加え、後ろに連なっていた
マイネ、ヴィックス、ゲラまでもが巻き添えを食う羽目に。
事故に絡んだ上記5台は全てリタイヤを喫し、レースは最終盤にきて
セーフティカーが出動する展開となる。今レース3度目のセーフティカーだ。

13ターン目のラ・ポルタとの接触に引き続き
このレース2度目の事故当事者認定をされてしまったハイデンフェルド。
今度の事故はブロックしたバロンも体勢を崩しており、状況としては微妙で
あったものの被害台数の多い複合事故のためレーススチュワードは
仕掛けたハイデンフェルドを当事者認定。次戦第4戦での5グリッド降格ペナルティ
の裁定を下した。1度目の事故後にはマシンの応急修理に時間を費やし、
その上でピットスルーペナルティまで受けながらも18番手を走行していた
ハイデンフェルドだったが、報われない結果でレ―スを終えた。

そしてこのセーフティカーラップで、2スティント目のソフトを引っ張った
バトラーが最後のタイヤ交換でピットイン。マーキュリーのクルーも最高の作業で
送り出し、バトラーはタンデイの前6番手でコース復帰する。
レースは21ターン目にリスタート。
残り3ターンのウルトラショートスティントとなった。

リスタートを決めたのはトップのセプターとロッソ。
セプターは集団から頭一つ抜け出し、ロッソもそれに続く。
一方ラムダはやや立ち遅れる。しかし後ろのラスムッセンは何とか抑え3番手を死守。
さらに22ターン目にはセプターがレースファステストを記録。
ロッソとの差を拡げにかかる。そのすぐ後方で白煙!!
なんと、3番手走行のラムダのマシンからであった。ラムダはゆるゆると
コース脇にマシンをとめてリタイヤ。ミッションがブローしレースを終えた。
ポールトゥウィンでの連勝を目論んでいたラムダが、終盤で消えた。

レースはセプターがトップを死守。
しかしその後ろではやや水をあけられたロッソに、ラスムッセンをかわして
3番手に浮上したバトラーが追いつく。バトラーは22ターン目に
レースファステストをマーク。そしてついに23ターン目にはロッソをもかわす。
さらにレースファステストを更新したバトラーは、怒濤の追い上げで
ついに2番手に浮上してきた。

しかしレースはセプターがトップを守り切り、昨季開幕戦以来の優勝。
13ターン目にトップに立ってからは、一度も他車にポジションを譲らなかった。
2位は終盤怒濤の追い上げを見せたバトラー。3位には開幕戦の覇者ロッソが入った。
以下4位ラスムッセン、5位は3戦連続入賞のバーンズ。そして6位ポルボローネ
7位シエナとリナルディの2台が揃って初入賞。チームに14ポイントを持ち帰った。
8位には宋が入り、チャイナドラゴンもW入賞。そして9位タンデイ、
10位カブロンは今季初入賞となった。

前戦の覇者ラムダだったが、開幕戦と第3戦をリタイヤし
ノーポイントでランキングは4位。開幕戦の覇者ロッソが43ポイントで2位も
3位のバーンズ、そしてトップのバトラーは未勝利。昨季王者のバトラーは
高い安定性を発揮し、第3戦を終えて未勝利もポイントランキングのトップにいる。
またセプターはこの優勝でランキング7位に登場、宋の活躍もあり
チャイナドラゴンはチームランキング2位につける。実質セプター一人で戦っていた
昨季とは大きな違いだ。また、昨季の王者ピットブルはノーポイントで4位に後退。
トップはマーキュリーで、それを4ポイント差でチャイナドラゴンが追う展開。
3位にはアントネッティがつけ、好調バーンズの活躍でエヴァー・グラハムが
5位につけている。

第3戦が終わって、昨季同様に3戦で3人のウィナーが誕生。
今季も混戦模様がデフォルトのNeXX。昨季は不振におわったリナルディや
エヴァー・グラハムなどの躍進も光る。またドライバーでは、昨季前半不調だった
ロッソが新チームで躍動している感がある。シーズンはまだまだ序盤、
あと15戦で展開がどう変わるかは、現時点では全く予測のつかない状態だ。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ジョリー・セプター(チャイナドラゴン)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦第4戦は、開幕戦以来3戦ぶりの市街地レース。
ブラジルはサンパウロ市街地でのブラジルGPだ。
相も変わらず混戦模様のチャンピオンシップは、情熱の国でどんな展開を迎えるか?
こうご期待!!