☆ぽんつかのあたまんなか☆

◆ぽんつかの妄想から生まれた架空のレースカテゴリ  ・現代のF1に限界を感じたぽんつかが、F1でもない、インディでもない   フォーミュラeでもない架空のカテゴリを構想☆  ・独自開発による『すごろく式PC上ボードゲーム』としてレースを展開☆  ・それをただただ何シーズンもプレイしてセカイを構築してゆくだけの   旧究極の一人遊び☆  そのプレイ記事、レース経過・結果、シーズン総括などを載せてゆく。  それだけ!!(byケロちゃん)

Formula NeXXtream 2ndシーズン・9

『Formula NeXXtream 2nd』
□第9戦 オランダ TTサーキットアッセン

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 1周:4.55km
 特性:「低速」「常設」
 ターン数:26(72周)

前戦イタリアGPではリナルディのポルボローネが劇的な初優勝を飾り、ま
た新たなウィナーが誕生したNeXX。ランキング首位のバトラーが8位と
下位に沈んだのに対し、バトラーを追う選手権3位のファングが2位、2位
のラムダが3位と表彰台に上り、バトラーとファングの差は21、そしてバ
トラーとラムダのポイント差は6と大接近、選手権は中盤に入り混戦模様を
色濃くする。そして第9戦からは低速コースの続く三連戦、その1stラウ
ンドは今季からカレンダーインしたオランダGPだ。
ひとまず今季単年の開催契約を結んだオランダGP、来季以降の開催は不透
明だが古くからF1をはじめとするイベントが数多く開催され、モーターレ
ース人気は高い。さらにロムニ・ダキアから参戦するアレオ・ファーシマス
が、隣国ルクセンブルク人ということもあり、ファーシマスの大応援団がつ
めかけた。選手権も大混戦模様となり、スタンドは熱狂に包まれることが予
想された。
ドレンテ州アッセンにあるこのサーキットは、1955年に現コースの元と
なるコースが開設され、2006年のコース改修を受け現在のレイアウトと
なった。主に二輪の世界選手権の舞台となってきたが、今回2007年のチ
ャンプカー以来の四輪の選手権開催となる。ターン8とターン9の間の区間
が最長のストレートとなるが、加速性能の高いMotoGPのマシンをもっ
てしても最高速が300km/hに届かないという低速トラックだ。
180度まわりこむ低速コーナーも多く、ツイスティで抜きどころのない難
コースである。また地理的要因から天候の変化が激しく、晴天が広がってい
たと思ったら突然曇天になり、雹が降り出すこともあるという。この「ダッ
チウェザー」がレースにどう影響するかも注目だ。
ちなみにサーキット近くには教会があり、日曜にミサが行われるために決勝
レースは土曜日に開催された。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)

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PP:デイヴィス・ファング(クラークソン)
PPは今季初めてクラークソンのファングが獲得した。ここまで4度の2位
表彰台を記録しており、そろそろ今季初勝利を飾ってバトラーに肉薄したい
ところ。フロントローは今季ベストグリッドのゲラ。決勝では苦戦が続くが
低速トラックは得意とするところ、上位進出を狙いたい。3番手にはロッソ
4番手には ここ数戦好調のリヴィエールがつけ、バトラーを追う選手権2
位のラムダは5番手につけた。隣国ルクセンブルクから応援団が大挙してつ
めかけたファーシマスは8番手と健闘、また7番手宋、10番手日向と低速
コースが得意なアジア勢も上位につけた。
一方でラスムッセンは21番手、そしてバトラーは22番手に沈み、選手権
争いに影を落とす。また前戦イタリアで初優勝をあげたポルボローネは15
番手と中段からのスタートとなった。
そして今回カブロン、ティルクム、セプター、サントス・フィリオの4台が
予選落ちとなった。サントス・フィリオとセプターは今季初の予選落ち、カ
ブロンは今季2度目。この3人は決勝でも苦戦が続いている。そしてティル
クムは今季4度目、3戦連続の予選落ちとなった。ティルクムについてはク
ラークソンのサポート体制も疑問視されており、ティルクムは早くも移籍を
画策しているとの噂。果たしてどうなるか?


<決勝レース>
猫の目のように変わる「ダッチ・ウェザー」が有名なアッセンだが、今回は
予選から終始快晴。決勝スタート前も雲一つない青空だった。しかし各チー
ムともいつどうなってもいいように、ウェットタイヤの準備は万端。天候を
含めたレース展開に注目が集まった。タイヤチョイスはメーカーで割れた。
ヨコスカ勢は全台がソフトをチョイス、一方のヴァシュロン勢は7割がハー
ドスタートを選択した。後方に沈んだ選手権上位勢、バトラーとラスムッセ
ンは後方からの上位進出を期し、ソフトスタートを選択した。


◆HARD
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
Z.ゲラ
A.ロッソ
B.リヴィエール
N.ラムダ
R.マイネ 
A.ファーシマス
J.グーデリアン 
D.リンドホルム 
M.ポルボローネ
S.シエナ 
C.タンデイ 
J.カレッジ
A.ラ・ポルタ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>    <ヨコスカ>
M.ハイデンフェルド  D.ファング
K.マルケーナス    宋 昇龍
A.バトラー     日向 俊郎
K.ラスムッセン    A.バーンズ
            T.ヴィックス
            J.チャップマン 
            J.カジワラ 
            J.バロン
            デ・ランジェリス

=ユーズドタイヤ

PPのファングがスタートで飛び出す。後続もミスなくスタートを決めるが
ダッシュスタートを決めたファングが頭一つ飛び出す格好だ。中段ではマル
ケーナスがいいスタートを決め、ハイデンフェルドの前に出ていた。
スタートで大きな混乱はなくレースは進む。ファングはスタートを決めたも
ののレースペース自体はさほど速くはなく、後続との差は広がらない。そん
ななか3番手のロッソに早くもトラブル発生。いくつかのギアをロストする
ミッショントラブルで、ペースが上げられない。

後方では宋、ファーシマス、グーデリアンが次々とマイネをオーバーテイク
レースセッティングがうまくいかなかったマイネは、ペースを上げられずに
どんどんポジションを落としていく。中段ではハイデンフェルドがコースア
ウト、無傷で復帰するも順位を1つ落とす。さらに後方では19番手走行の
タンデイにブレーキトラブル発生。抜きにかかったチャップマンと接触して
しまう。スタートでアクシデントは起こらなかったものの、2ターン目の中
段ではトラブルが続発していた。

ギアロストのトラブルを抱えるも、2ターン目はポジションを守り切ったロ
ッソだが、3ターン目にピットイン。ブレーキトラブルを抱えたタンデイと
もども、長時間のピットストップを余儀なくされる。これによりロッソは2
5番手、タンデイは最後尾に転落する。そうこうしている間に前方では5番
手スタートのラムダがポジションアップ。3番手に浮上しゲラとテイルトゥ
ノーズとなる。逆に4番手のリヴィエールはラムダにやや離される。
そんな中中段でスタートを決め、レースペースの良いマルケーナスがポジシ
ョンを6つあげて7番手に浮上してきた。かたやバトラーは後方集団でポジ
ションをあげられずに苦しんでいた。

ラムダは徐々にペースをあげ、ついにゲラをかわして2番手浮上。さらにマ
ケーナスも宋をかわして6番手浮上。マルケーナスはスタートから5ター
ンで、7つもポジションをあげていた。14番手スタートのバーンズも、序
盤から連続してファステストラップをマーク。7番手まで浮上してきた。

★5ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.ニコ・ラムダ
 3.ゾルタン・ゲラ
 4.ビル・リヴィエール
 5.ジャッキー・グーデリアン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.アレン・バーンズ
 8.宋 昇龍
 9.日向 俊郎
10.アレオ・ファーシマス

トップ争いはしばし膠着。ファングのペースは上がらずも、2番手ラムダは
冷静に機をうかがう。4、5番手にはマルドゥークの2台。グーデリアン
しきりにリヴィエールの前をうかがうも、リヴィエールもいかせない。逆に
マルケーナスがグーデリアンをかわし、なんと5番手浮上。バトラーが後方
に沈んでいる分、マーキュリーのNo.2が奮闘を見せる。

7ターン目にはいってもトップはファング。しかし後方2番手のラムダの方
がレースペースは速い。しかしラムダはファングが次ターンにタイヤ交換す
るであろうことを見越し、バトルせずに静観の構え。3番手ゲラはラムダに
迫れず、リヴィエールがついにゲラをかわして3番手に浮上する。中段は大
混戦、4番手ゲラ以降マルケーナス、バーンズ、グーデリアン、宋、日向が
がポジションを入れ替えながら接近戦を展開する。

そんな中後方でアクシデント。どんどんとポジションを落としていったマイ
ネに、ハイデンフェルドがバトルをしかけマイネが単独スピン。グラベル
つかまったマイネは、脱出できずにリタイヤとなってしまう。
そしてここでヴァシュロンのソフト勢が、タイヤ交換の為ピットインし始め
る。ともに予選で後方に沈んだ16番手バトラー、18番手のラスムッセン
が揃ってタイヤ交換。それぞれハードにスウィッチしコース復帰。バトラー
はユーズドソフトを引っ張るつもりだったが、遅いマシンに前をふさがれ局
面打開のため早めのストップに踏み切った。

8ターン目にはトップのファングがピットイン。ソフトからユーズドハード
へ繋ぎ、最後のスティントはソフトで勝負する作戦だ。これでトップに浮上
したラムダはハードタイヤ。このまま次もハードに繋ぎ、こちらも最後のス
ティントにソフトで勝負に出る作戦だった。
ファングはゲラの前3番手復帰。後ろ4番手にはバーンズがつける、スター
トからポジションを10上げて、表彰台を狙える位置まで来た。

ハードタイヤのままステイアウトのラムダがトップを快走。同じくハードで
ステイアウトのリヴィエールが2番手につけるが、リヴィエールはラムダに
追いつくまでにいたらない。そんな中後続は続々と1回目のタイヤ交換。マ
ケーナス、バーンズ、宋、日向といった入賞圏内勢も次々とピットインを
こなしてゆく。後方に埋もれたバトラーだったが、フレッシュタイヤに換え
てもペースは上がらない。バトラーはタイヤに異常を感じていた。
11ターンにはハード勢で最初にリヴィエールがピットイン。ユーズドハー
ドへと繋ぐ。次ターンにはラムダ、ゲラ、グーデリアンといった面々がピッ
トイン。ヴァシュロン勢は全員が、2スティント目にもハードをチョイスし
ていた。

セッティングの決まらないマシンで苦戦するファングだが、ラムダのピット
インのタイミングで再びトップに立っていた。しかし、ヨコスカ勢のファン
グは低グリップのハードタイヤで苦戦。ラムダとテイルトゥノーズ状態が続
くが、ファングも全力でブロックしラムダを前に行かせない。そして3番手
には差のない状態でリヴィエールが続いていた。トップ3は熾烈なバトルだ。

★15ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.ニコ・ラムダ
 3.ビル・リヴィエール
 4.ゾルタン・ゲラ
 5.カーティス・マルケーナス
 6.アレン・バーンズ
 7.ジャッキー・グーデリアン
 8.宋 昇龍
 9.日向 俊郎
10.トゥーリ・ヴィックス

16ターン目、ついにラムダがファングをとらえトップに立つ。さらにファ
ングのすぐ後ろにはリヴィエール、そして4番手ゲラまでも含んでトップ4
が大接近戦だ。だがハードタイヤのファングは、ペースが上げられずじり貧
だ。後方ではラスムッセンがヴィックスをかわし、ついに10番手浮上。2
1番手からついに入賞圏内まで浮上してきた。かたやバトラーは足元に違和
感をかかえたままペースをあげられず、17番手と後方に封じ込められてい
た。17ターン目にはリヴィエールがファングをオーバーテイク。2番手に
浮上する。今季2度目の表彰台はおろか、初優勝も狙える位置につける。
18ターン目にはゲラがファングを捉え3番手、ファングはついに表彰台圏
外に追いやられてしまう。

20、21ターン目には各車最後のタイヤ交換。ゲラ、ファング、バーンズ
といった面々が先陣を切って20ターン目にピットイン。トップのラムダ、
2番手のリヴィエールは21ターン目にタイヤ交換し、それぞれソフトタイ
ヤでラストスティントにかける。ここでフレッシュソフトに履き替えたラム
ダが真骨頂を見せ、2番手リヴィエールとの差をぐんぐん広げにかかる。そ
の差はあっという間にマージン5差まで拡大していた。

一気にセーフティリードを築いたラムダ、リヴィエールも猛プッシュするが
ラムダとの差は縮まらない。2度目のタイヤ交換でソフトに交換したファン
グも、3番手で踏みとどまる。逆に4番手のゲラはファングとの差を詰めら
れず、後続のバーンズに先行を許す。ゲラは5番手に後退してしまう。
24ターン目にはラムダはクルージングに入る。後続のリヴィエールの猛プ
ッシュは続くも、タイヤにガケがきてしまい追い詰めることができない。一
方3番手ファングはリヴィエールにアタックするも、バトルで体勢を崩した
間に4番手バーンズに前に行かれてしまう。バーンズはここで表彰台圏内の
3位に浮上。

レースは最後のスティントでセーフティリードを築いたラムダが優勝。今季
3勝目をマークした。2位には前戦3位のリヴィエールが入り、連続表彰台
を記録。初優勝は近い。そして3位には最後の最後でファングをかわしたバ
ーンズ、今季2度目の表彰台だ。PPのファングは結局4番手フィニッシュ、
またも今季初勝利はかなわなかった。5位はゲラ、6位は日向、そして7位
にはグーデリアンが入り、マルドゥークは今季3度目のW入賞。20番手か
ら粘りの走りを見せたカレッジが10位に入り、今季2度目の入賞をはたし
た。かたや一時4番手を走行したマルケーナスは、2度目のピット作業で大
きくタイムロスしてしまい最終的には8番手フィニッシュ。中盤タイヤの内
圧低下によってペースを上げられなかったバトラーは17番手に沈み、ノー
ポイントに終わった。

心配された「ダッチ・ウェザー」も鳴りを潜め、予選・決勝すべてのセッシ
ョンで快晴だったオランダGP。この結果によりドライバー選手権はついに
逆転、ラムダがトップに立った。ラムダとバトラーのポイント差は19、前
半戦好調だったバトラーの流れがここ最近悪いのに対し、ラムダは第6戦以
降4戦2勝2度の表彰台と流れは上向きだ。またランキング3位のファング
もバトラーとの差は6ポイント。ここまで未勝利のファングだが、王者を狙
える位置にきっちりつけている。選手権は中盤に差し掛かり、今後のタイト
ル争いはひとまずこの3人を中心に進んでいきそうだ。
チームタイトルはピットブルが176ポイントで首位、2位のマーキュリー
が137ポイントと足踏み中。2台がきっちりポイントを稼いでくるチーム
はあいかわらずこの2チームのため、チームタイトル争いはピットブルとマ
ーキュリーに絞られた感がある。今後の展開はNo.2ドライバーの働き次
第だろう。
中盤に入ってようやく方向性が見えてきた各選手権。この先どのような展開
となるのか? 低速テクニカルラウンドはあとスウェーデンチェコの2戦、
今後の展開に注目してゆこう。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ニコ・ラムダ(ピットブル)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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選手権は第9戦オランダで前半戦が終了。次戦第10戦は選手権の折り返し、
そして低速テクニカルラウンド第2戦のスウェーデンGPだ。昨季に続いて
舞台はオールドコースのアンデルストープ。森の中のツイスティなオールド
コースでどんな戦いが繰り広げられるか? こうご期待!!

 

 

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・8

『Formula NeXXtream 2nd』

□第8戦 イタリア ムジェロサーキット

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 1周:5.24km 
 特性:「高速」「常設」 
 ターン数:23(53周)

舞台をヨーロッパに移してはや3戦、第8戦を迎えたNeXX。
ヨーロッパラウンドは第6戦イギリスから、第7戦フランス、そしてこの第8戦
イタリアと、今季のカレンダーは名うての高速サーキットが続く「高速3連戦」だ。
このムジェロでのレースは、イモラとの隔年開催でイタリアGPとして行われる。選手権は前回のラムダの優勝、そしてバトラーがノーポイントに終わったことで一層行方が分からなくなった。トップのバトラーと2位ラムダのポイント差は17。中盤に入った選手権だが、ドライバーランキングは未だ50ポイント差に7人がひしめいている。チーム選手権はややマーキュリーとピットブルの2チームに絞られてきた格好だが、ドライバー選手権争いは熾烈を極めている。
舞台となるムジェロがあるのは、イタリア中部のトスカーナ。モトGPイタリアGPの舞台であり、2020年にはF1も開催された。イタリアを代表する高級スポーツカーメーカー、フェラ○リが所有するサーキットだ。
約40mの高低差を利用して作られた起伏豊かな高速テクニカルトラックで全長5.24kmのロングトラックだが、敷設されるコーナー数は15個。コーナー数が少ないうえ、ほとんどのコーナーが速度域の高い中高速コーナーで、切り返しのコーナーが多くドライバーが息をつく暇もない。ホームストレートは約1kmあり、ここでは最高速を記録する。アクセル全開でクリアするコーナーもあり、旋回速度は230~240km。ドライバーにかかるGは4Gから4.5Gになるといわれている。まさに速さとテクニックを競うにはうってつけの舞台と言える。
ここにきて選手権はバトラー、ラムダ、そしてファングの主導権争いの様相を見せ始めた。しかしもちろん追いかける面々にもまだまだチャンスはある。中盤に入り激戦の様相を呈するNeXX世界選手権、今回はどのようなレースになるのだろうか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ミケーネ・ポルボローネ(リナルディ)
予選結果は大きなサプライズをもたらした。なんとリナルディのポルボローネがPPを獲得したのだ。これまでも第3戦ドバイでのフロントローをはじめ、予選でセッショントップタイムをマークするなど一発の速さを見せていたポルボローネだが、今回はPQトップ、Q1:3位、Q2:2位、そしてQ3トップと、すべてのセッションにおいて好タイムをマーク。自身、そしてリナルディチームとしても初めてのPPを、自身とチームの地元イタリアで獲得して見せた。さらに同僚のシエナも6番手とシングルグリッドを確保し、大躍進を見せた。Q3終了後のリナルディピットは、まるで優勝したような喜びようで、チーム史上最大の歓喜に包まれた。
2番手には前戦フランスの覇者ラムダがつけ。選手権をリードするバトラーは4番手。そして3番手にグーデリアン、5番手にはリヴィエールと、好調マルドゥークの2台が 2列目、3列目につけた。7番手にはセプター、前戦では初優勝にあと一歩とせまったバーンズが8番手。9番手にはロッソ、そして選手権3位のファングは10番手につけた。エースドライバーが選手権を争うマーキュリー、ピットブル、クラークソンの3チームだが各々No.2ドライバーはやや苦戦気味。ランキング7位のマイネは12番手、10位のマルケーナスは14番手、そして未だ獲得ポイント4のティルクムは予選落ち。ティルクムは今季3度目の予選落ちとなってしまった。
今回の予選落ちはティルクムの他にカジワラ、そしてノルディックの2台だったが、ノルディックはラスムッセンフリー走行での大クラッシュを受け、チーム自体の出走取りやめにより予選落ちとなった。

ラスムッセンは命に別状はなく目だった外傷も見られなかったが、1コーナーへの侵入のためにブレーキングを開始した際のスピンで、時速270kmで1コーナーアウト側のグラベルに飛び出し、セーファーウォールにフロント左側面から激突。頭部を左側のハロとステアリングに強打したラスムッセンは脳震盪を起こしており、出走をとりやめた。
その後ノルディックチームはラスムッセンのクラッシュが、フロントのタイロッドエンドの破損にあったことを発表。前回、2台ともマシンを破損してリタイヤしているノルディックチームは、今回2台とも新品のシャシーを持ち込んでいた。新品シャシーでは考えられない箇所の破損を受け、ノルディックチームはシグマテック側とシャシー部品の再チェックを行うとし、イタリアGPへのチームとしての出走を取りやめるに至った。
また、Q3で6番手につけたファーシマスだったが、前戦フランスで多重クラッシュの原因を作ったことによるペナルティとして、10グリッド降格処分となり16番手スタート。せっかくのシングルグリッドは幻となってしまった。

<決勝レース>
決勝の天候は晴れ、しかし雲の多い天気で気温、路面温度共に低く、ヴァシュロン勢の一部は前回フランス同様、1ストップ作戦を企図していた。上位陣ではラムダ、バトラー、マルケーナス、ロッソらが1ストップ勢。その他では前戦入賞で調子を上げてきたバロン、グーデリアンなども1ストップ作戦をとるものと見られた。対するPPのポルボローネはソフトスタートで2ストップ作戦。ピット作戦がどうレースに影響するかに注目が集まった。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ      バロン 
マルケーナス 
バトラー      
ゲラ 
フィリオ 
リンドホルム 
グーデリアン
タンデイ
ラ・ポルタ

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
マイネ       バーンズ
ポルボローネ    日向 
シエナ       チャップマン
ファーシマス    デ・ランジェリス
カレッジ      カブロン         
リヴィエール    ファング           
          宋          
          セプター  
          ヴィックス

=ユーズドタイヤ

ポルボローネ、ラムダともにスタートはうまく決めた。対して3番手グーデリアン以降はやや出足がつかず。6番手シエナが1つ前に行き、リヴィエーは6番手に後退する。また7番手のセプターは、クラッチミート不良で後続4台に前に行かれてしまう。
トップをゆくポルボローネのペースは快調。ソフトスタートで2ストップ作戦のポルボローネは今のうちに、ラムダに対してマージンを築いておきたい。一方ラムダはやや差をあけられても泰然自若の構え。しかし3番手キープのグーデリアンはハードタイヤでやや苦しそう。ラムダの前に出たいところだがラムダも行かせる気はない。ラムダに迫れないグーデリアンは、バトラーにかわされ4番手に後退。さらにはスタートでポジションをあげたシエナも、グーデリアンをかわしにかかる。このあたりの攻防は一進一退だ。

入賞圏内は接近戦。そんな中アクシデント発生。8番手のファングが前をゆく7番手バーンズに仕掛け、守勢で体勢を崩したバーンズがスピンアウト。バーンズはグラベルにつかまり、リタイアとなってしまった。
先頭はポルボローネ、1ストップ作戦のラムダはハードタイヤのためペースは上げられず。3番手のバトラーも1ストップ、4番手走行のシエナにかわされなんとリナルディが1-3体制となる。
そして後方で再びアクシデント発生。チャップマンvsヴィックスの18番手争いにタンデイがからみ、3台が接触。ヴィックス、タンデイのダメージは軽かったものの、チャップマンのマシンは左のサイドポンツーンのカウルに穴が開いてしまう。チャップマンは次ターンでカウル交換のためピットイン。大きく離れた最後尾まで後退してしまった。
一方3番手スタートで1ストップ作戦のグーデリアン、ハードタイヤで思うようにペースを上げられずに6番手走行も、前をゆく5番手リヴィエールのソフトタイヤには早くも「ガケ」が来ており、リヴィエールをかわしたグーでリアンは5番手にポジション回復。中段は激戦だ。

★5ターン終了時のトップ10 
 1.ミケーネ・ポルボローネ
 2.ニコ・ラムダ
 3.スティラノ・シエナ
 4.アレックス・バトラー
 5.ジャッキー・グーデリアン
 6.アレンザンダー・ロッソ
 7.ビル・リヴィエール
 8.デイヴィス・ファング
 9.ルドルフ・マイネ
10.ゾルタン・ゲラ

快調に先頭を行くポルボローネだが、6ターン目にはソフトタイヤの「ガケ」が到来。ペースが落ちてくる。しかし2番手のラムダもポルボローネを追い詰めるには至らない。4番手のバトラーも前のシエナを追うが、かわすまでには至らない。選手権を争うトップ3が、いずれも地元の雄リナルディの2台に抑え込まれているかっこうだ。
そんな中、8番手を行くファングがピットイン。ユーズドソフトで思うようにペースを上げられなかったファングは、ハードに交換。ラストスティントの新品ソフトに賭けるか。
3番手のシエナはついにタイヤが限界を迎える。バトラー、グーデリアンに相次いでかわされ5番手まで後退。そんななか7番手走行のリヴィエールのタイヤもすでに限界。タイヤ交換しユーズドハードに繋ぎ出てゆく。マルドゥークピットも最高のピット作業でリヴィエールを送り出す。その後もセプター、そしてバーンズのリタイヤで2ストップ作戦へ変更したバロンがピットイン。いずれもソフトにつないでコースに戻ってゆく。

8ターン目、トップを行くポルボローネがピットイン。ソフトに繋いでコースに出てゆく。最後のスティントにユーズドハードを持ってきて、それまではできる限りソフトで逃げる作戦だ。トップを行くポルボローネの作業を優先したため、すでにタイヤに「ガケ」がきていたシエナはタイヤ交換作業を1ターン後回しにされることに。9ターン目にようやくピットインしたシエナは、ユーズドハードに繋いでコースに出てゆく。

レースは中盤にさしかかり、トップはラムダ。ポルボローネは2番手と、いまだ優勝射程圏内にいる。フレッシュタイヤに交換できたシエナも、ぺースのあがらないバトラーをかわし5番手に浮上する。そんな折、サーキットの上を厚い雲が多いはじめる。一雨きそうな雲行きにも見えるが、果たしてこの先天候はどうなるのか?

1ストップ作戦でステイアウトし続けるラムダだが、ソフトに繋いだポルボローネがラムダに追いついてくる。こうなるとラムダの計算にやや狂いが生じてくる。そして11ターン目、ポルボローネはラムダをかわしトップを奪返いす。レースの行方はまだわからない。
そんな中後方でアクシデント発生。19番手走行中のタンデイが単独スピン。コースアウトして大破したマシンがコース内に戻ってきてストップしたため、ここでこのレース初めてセーフティカーが出動する。

13ターン目にピットオープン。これに乗じて1ストップ勢がタイヤ交換を敢行する。上位陣では2番手ラムダ、3番手グーデリアン、5番手バトラーがイン。ラムダは新品ハード、他2台はユーズドハードに交換しコース復帰してゆく。
レースは14ターン目にリスタート。ここで上位陣のピットインによりトップがポルボローネ、2番手シエナのリナルディ1-2体制が出来上がる。
セーフティカーラップでステイアウトし、5番手に上がっていたファングがジャンプスタート。一気に3番手まで進出する。ファングは次ターンに最速ラップを記録。シエナをかわして2番手まで浮上する。リスタートで波に乗ったファングは、ついにポルボローネとテイルトゥノーズ状態まで差を詰めていた。

★15ターン終了時のトップ
  1.ミケーネ・ポルボローネ
 2.デイヴィス・ファング
 3.スティラノ・シエナ
 4.ビル・リヴィエール
 5.ニコ・ラムダ
 6.ルドルフ・マイネ
 7.ジョリー・セプター
 8.ジャッキー・グーデリアン
 9.アレックス・バトラー
10.宋 昇龍

16ターン目にトップのポルボローネが最後のピットイン。ラストスティントはユーズドハード、はたしてトップを守り切れるか?これで一時的にファングがトップに立つ、しかし彼は次のターンに最後のタイヤ交換が待っている。上位の順位は果たしてどうなる?
17ターン目にはファングがピットインし、これでほんの一瞬だが先頭は翌ターンにタイヤ交換をひかえたシエナに。しかしすぐ後ろにポルボローネが迫っており、シエナポルボローネにトップを明け渡す。ピットインしたファングは、3番手をゆくラムダの後ろでコース復帰した。

中段ではポジション争いが熾烈。入賞圏内で走るマルドゥークの2台は、1ストップのグーデリアンの方がペースが良く、グーデリアン5番手、リヴィエールが6番手。ここまで成績ではリヴィエールに上を行かれているグーデリアンが奮起を見せる。また12番手スタートから5番手まで浮上してきたマイネは、ここで最後のピットイン。ソフトへ交換して最後のスティントにかける。
マイネはバトラーの前8番手でコース復帰、一方1ストップ作戦を選択したバトラーは9番手と低迷。ハードタイヤでのマシンバランスに問題を抱えていたバトラーは、タイヤ交換でポジションを10位に下げそこから浮上できずにいた。

18ターン目にはシエナが2回目のピットイン。リナルディの束の間の1-2体制はここで終わりを告げる。シエナのピットインで2番手となったファングは、ここからポルボローネ追走のためペースを上げる。ファングにも今季初優勝のチャンスが巡ってくる。かたやバトラーは、全スティント通じてやや精彩を欠き、タイヤ交換で10番手に落ちてからは前をセプターやマルドゥーク勢などの実力者たちに阻まれ、下位に沈んでいた。

終盤に入ってもポルボローネのペースが落ちる気配はない。ファングが追うもポルボローネも快調に飛ばしている。3番手にはラムダ、ラムダは無理をせずポイント確保最優先の走りだ。後方では激しいバトルが続いており、シエナがリヴィエールをかわして5番手浮上。そして10番手と入賞圏内ギリギリにいたセプターが、ベストラップを記録。前2台をかわして8番手まで浮上していた。また5番手前後を走行していたマイネも、ソフトでつないだ最後のスティントでベストラップを記録し、一時ラムダを抜き3位に浮上するなど、中段は目まぐるしく順位が入れ替わる。

中段は熾烈なバトルも、先頭はポルボローネが快走。ファングが追いかけるも結局最後までトップのしっぽはつかめず。
終始軽快な走りを見せたポルボローネがNeXX初優勝、リナルディチームにも参戦2年目にしての初優勝をもたらした。F1で『跳ね馬の騎手』を務めた経験もある実力者が、見事に地元イタリアで勝利の美酒に酔った。
そして今季4度目の2位にはファング、3位にはラムダが入った。ラムダは終盤チームメイトのマイネにかわされ4位に後退するも、チームオーダーでポジションを譲ったマイネにかわり3位表彰台登壇となった。4位は不承不承ラムダに表彰台を譲ったマイネ、そして5位にはグーデリアンが入り、初めてチームメイトの順位を上回ってのフィニッシュ。そして6位にはシエナが入り、リナルディはW入賞。チームに合計36ポイントを持ち帰った。7位にはセプター、そして最後までセプターに抑え込まれたバトラーが8位フィニッシュ。9位にはロッソが入り、10にはリヴィエールでマルドゥークもうれしいW入賞となった。

ドライバーズ選手権は未だバトラーがトップをゆくものの、今回の結果で2位ラムダ、3位ファングとの差は大きく縮まった。バトラー101ポイントに対し、2位のラムダは6ポイント差の95、そして3位ファングも21ポイント差の80まで迫る。4位のロッソも61ポイントと40ポイント差につけており、次戦の結果次第ではラムダ、ファングに逆転のチャンスが生まれた。
チームタイトルはW入賞を果たしたピットブルが151ポイントでトップ、2位のマーキュリーは足踏みし133ポイントにとどまる。その差は18ポイントで1レースでも逆転可能だが、マルケーナスが思いのほか苦戦している今季のマーキュリー。はたしてこの先逆転することができるだろうか?

ここにきてドライバー選手権はバトラー、ラムダ、そしてファングの3名に、チームタイトルはピットブルとマーキュリーに絞られてきたか? しかし選手権は次の第9戦でようやく前半戦の折り返しというところ、まだまだ先の展開を見通すのは難しい状況だ。また、ここまで「高速3連戦」を戦ったヨーロッパラウンドだが、次戦から3戦は中低速テクニカルトラックでの3連戦となるため、また新しい展開が生まれる可能性もある。次戦第9戦オランダGPは、NeXX初開催のTTサーキット・アッセンが舞台となる。次戦の戦いにも注目だ。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ミケーネ・ポルボローネ(リナルディ)
ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次回からの3戦はアッセン、アンデルストープ、ブルノの中低速テクニカルトラックが続く「中低速ラウンド」。第9戦オランダGPは、NeXX初開催のTTサーキット・アッセンで行われる。モトGPやSBKではおなじみのサーキットだが、4輪の開催は少なくNeXXは初開催。タイトなコーナーの多い、ツイスティなテクニカルトラックでのバトルにこうご期待!!

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・7

 『Formula NeXXtream 2nd』

□第7戦 フランス ポールリカールサーキット
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 1周:5.80km
 特性:「高速」「常設」
 ターン数:23(54周)

前戦第6戦イギリスGPよりヨーロッパラウンドに突入したNeXX世界
選手権。選手権第7戦は、ヨーロッパラウンド第2戦フランスGPだ。
舞台は昨年と同じ、スーパーハイスピードトラックとして有名なポールリ
カールサーキットだ。フランス南部最大の港町マルセイユから東に40k
mほど、山間の村ル・キャステレにあるオールドコースが舞台だ。
70~80年代にかけてF1GPが開催されたオールドコースは、200
2年にヘルマン・ティルケによる大規模改修を受け、ハイテク・テストト
ラックへと変貌をとげ、2017年からは再びF1が開催されている。
コースにはショートカットが無数に張り巡らされ、組み合わせ次第で16
7通りのレイアウトが選択可能。F1ではその中でも最長の5.842k
mのレイアウトを使用するが、NeXXではF1レイアウトよりやや短い
5.80kmのレイアウトを使用する。これは、「ミストラル」と呼ばれ
るバックストレートの途中にあるシケインを使わないレイアウトで、Ne
XX使用のレイアウトでの「ミストラル」の全長は約1.8kmを超える。
途中いくつかの中低速コーナーもあるが、コーナー数は計14と全長5k
mを超えるサーキットとしては非常に少なく、全開区間の極めて長いスー
パーハイスピードトラックだ。
昨季は4番手からスタートしたマーキュリーのマルケーナスが、中盤から
トップに立ち、終盤のファングとのマッチレースを制し初優勝を飾ったフ
ランスGP。昨季の覇者は今季ここまでやや苦戦気味だが、チームメイト
で昨季王者のバトラーはここまで2勝をあげランキング首位にいる。また
ここまではバトラーが2位に39ポイント差をつけており、バトラーを追
うのは誰なのかがまだ見えてこない状態だ。さて今回はどのようなレース
になるのか?


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
予選PPはまたしてもラムダが獲得した。前戦イギリスではPPを逃した
が、第3戦から第5戦まで3戦連続PPを獲得しており、今回でなんと7
戦中4度目のPP獲得となった。選手権をリードするバトラーはPPこそ
ラムダに譲ったものの、きっちりとフロントロー2番手につけた。
セカンドロー3番手には、3戦連続で予選シングルグリッドのラ・ポルタ
がつけ、4番手にはバーンズ。そして5番手には、ペナルティで出場停止
のタンデイにかわりステアリングを握る、ガジャックのリザーブドライバ
ーのロハスがつけた。前戦では予選落ちを喫したロハスだが、母国で奮起
サードローを獲得して見せた。
前年の覇者マルケーナスは6番手、そして4、5列目にはカブロン、シエ
ナ、日向、グーデリアンとレラシャシー勢がつけ、レラの新空力パッケー
ジが、カレンダー中最速を誇るハイスピードトラックで見事に戦闘力を発
揮した。
一方で開幕戦覇者ロッソは18番手、ラムダのチームメイトマイネは19
番手、さらにノルディック勢、セプター、ファングなども後方に沈み、相
も変わらずスターティンググリッドからして大混戦模様となった。
今回の予選落ちはティルクム、ヴィックス、カジワラ、宋昇龍の4名。宋
以外の3名はこれで今季2度目の予選落ち、そして宋にいたっては今季7
戦目で3度目の予選落ちとなった。開幕戦2位表彰台の宋も、高速ラウン
ドに入り苦戦を強いられている。


<決勝レース>(太字)
6月初旬の南フランスはカラッとしていて、夏に向けて熱くなり始める時
期。地中海からほど近いポールリカールは、予選から一貫して快晴。決勝
もスカッと晴れ渡った青空のもと行われた。決勝は午後1時スタート、こ
の日は午前中から気温がぐんぐんあがり、決勝スタート前には27度。路
面温度は40度に達し、バシュロン勢はほとんどがハードタイヤをチョイ
ス。ハード2、ソフト1で繋ぐ作戦。対するヨコスカ勢はバロンを除く7
台全員がソフトをチョイス。ソフト2、ハード1での走破を目論む。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ       バロン 
マイネ
バトラー
マルケーナス 
ポルボローネ 
シエナ
ゲラ 
ファーシマス
ラスムッセン 
ハイデンフェルド 
ラ・ポルタ 
フィリオ
ロッソ
リンドホルム 
グーデリアン  
ロハス

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
リヴィエール    バーンズ
カレッジ      日向 
          チャップマン 
          デ・ランジェリス
          カブロン
          ファング 
          セプター 

=ユーズドタイヤ

スタートはPPのラムダが決める。が、となり2番手のバトラーがやや立ち
遅れる。無難にスタートを決めたラ・ポルタが、バトラーの前を行き2番手
に上がる。バトラーのスタート失敗のあおりを受け、後ろではマルケーナス
がカブロンに前に行かれてしまう。
マルケーナスはスピードに乗り切る前にどんどん後続に抜かれ、シエナ、日
向にも前に行かれてしまった。さらに後方では10番手グーデリアンと11
番手リンドホルムのマシンがヒット。グーデリアンは15番手まで後退して
しまった。
2ターン目には、ペースの良いラ・ポルタがラムダをかわし一時トップに立
つ。ここ3戦予選でも2、4、3番手と絶好調のラ・ポルタ。決勝でも好調
ぶりを見せるが、3ターン目にはラムダがトップを奪い返し、やはりレース
はラムダが引っ張る展開となる。中段ではスタートで7番手に上がったカブ
ロンがシエナとのバトルで単独スピンを喫し、大きくポジションを落として
しまった。しかし多少の混乱はあったものの、レースは大きなアクシデント
なく進む。

3ターン目以降はラムダが隊列を引っ張るが、ラ・ポルタも離されずについ
てゆく。そしてその後ろでは、地元の雄ロハスが大躍進。序盤ペースの上が
らないバトラー、そして3番手で様子見のバーンズもかわし3番手に浮上。
スタンドからはやんやの完成が注がれた。
そんな中4ターン目にアクシデント発生。後方集団、ポルボローネとデ・ラ
ンジェリスの13番手争いで2台が接触。接近していたチャップマン、カレ
ッジ、そしてマイネを巻き込んだ5台の多重クラッシュで、このレース最初
のセーフティカー出動となる。

★5ターン終了時のトップ10
 1.ニコ・ラムダ
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.フェリック・ロハス
 4.アレン・バーンズ
 5.アレックス・バトラー
 6.スティラノ・シエナ
 7.日向 俊郎
 8.カーティス・マルケーナス
 9.デイヴィス・リンドホルム
10.ジェストン・バロン

トップのラムダはリスタートも問題なく決める。その後ろではラ・ポルタ、
ロハス、そしてバーンズが3ワイド。バーンズが地元ロハスを追い落とし3
番手を奪取する。さらに8ターン目にラムダがスーパーラップをマーク、2
番手ラ・ポルタとの差を一気に広げにかかる。
8ターン目にはソフト勢が最初のタイヤ交換。ユーズドソフトのヨコスカ勢
の先陣を切ってセプター、ファングがピットイン。ともに新品ソフトへ交換
して出てゆく。ヴァシュロン勢はタイヤを酷使したリヴィエールがピットイ
ン、ハードへチェンジした。

9ターン目にアクシデント発生。3番手ラ・ポルタに仕掛けたロハスが体勢
を崩してハーフスピン。ロハスは後続のバトラーと接触してしまう。ロハス
バトラーともポジションは落とさなかったものの、マシンにダメージを負っ
てしまう。さらにアクシデントは後方でも。ロッソとグーデリアンがバトル
接触。こちらは双方大きくポジションを落とし、ダメージの大きかったグ
ーデリアンはそのままリタイヤしてしまう。

10ターン目には2番手をゆくバーンズ、4番手日向が同時ピットイン。そ
れぞれソフトからソフトに繋ぐが、トライアンフ会心のピット作業で日向
をコースへと送り出す。日向はバーンズの前5番手でコース復帰した。
11ターン目、ハードタイヤをチョイスしたヴァシュロン勢も、そろそろ1
回目のタイヤ交換のタイミング。しかしトップを行くラムダも、2番手ラ・
ポルタもまだ入らない。バトラーはヨコスカ勢のピットインで一時的に3番
手に浮上したが、接触のダメージが影響しペースが上がらない。バトラーは
すぐ後ろ4番手に浮上していたマルケーナスを手招きし、前に行かせた。
そんな折後方でまたもアクシデント発生。ファーシマスとシエナ接触、接
近していたハイデンフェルド、カブロン、ラスムッセンらを巻き込んだ5台
の『ビッグワン』が発生。各々マシンに深刻なダメージを負い、一気に5台
がリタイヤ、2度目のセーフティカー出動となる。

13ターン目、ピットオープンとなったタイミングで、ヴァシュロン勢が次
々ピットイン。トップのラムダ、2番手ラ・ポルタ、3番手に浮上したマル
ケーナスらも入り全員ハードへと繋いでゆく。初夏の南フランス、スタート
時は40度に達しようかという路面温度だったが、この日は風が強く思いの
ほか気温が上がらなかったため、ヴァシュロン勢はハードトゥハードであれ
ばタイヤ交換は1回でいけると判断。ヴァシュロンハード勢は全車1ストッ
プ作戦へと切り替えていた。
そしてレースは2度目のリスタート。しかしなんとこのリスタートラップで
再度アクシデント発生。後方でリンドホルム、ロハス、ゲラの多重接触が起
こり、レースはリスタート直後に3度目のセーフティカー出動となる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレン・バーンズ
 2.日向 俊郎
 3.ジェストン・バロン
 4.ニコ・ラムダ
 5.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ビル・リヴィエール
 8.デイヴィス・ファング
 9.ジョリー・セプター
10.フェリック・ロハス

レースは前半が終了し、早くも11台が姿を消した大荒れの展開。16ター
ン目には3度目のリスタート。今度は混乱なく進む。
トップ2台は順位変わらずも、ラムダが良いリスタートを決め日向の前に出
る。3番手浮上だ。その後ろではそれぞれマルケーナス、ファングが1つず
つポジションをあげる。17ターン目にはラムダが日向をかわして2番手浮
上、ひたひたとトップに忍び寄る。
NeXX初優勝に向けてトップをひた走るバーンズ、しかし2番手のラムダ
もペースが良い。そして、バーンズはもう1回タイヤ交換を控えていた。
19ターン目、バーンズが2度目のピットイン、ついにここでラムダがトッ
プに立つ。バーンズは2番手でコース復帰。

ラムダは十分なマージンを築きトップを快走。後方ではファングがソフトタ
イヤを利してぐんぐんペースアップ。22ターン目には日向をかわして4番
手まで浮上する。そして最終ターンにはベストラップをマーク、2番手まで
浮上する。

レースは1ストップ作戦のピットブル、ラムダが今季2勝目。今季の選手権
大本命に挙げられながら、ここまでミッショントラブルに泣かされてきたラ
ムダが、ようやくタイトル争いに絡んできた。最後のスティントで猛プッシ
ュを見せたファングが、今季3度目の2位表彰台。そして、途中トップを快
走したバーンズが今季初表彰台、3位でフィニッシュした。4位ラ・ポルタ
は今季3度目の入賞、そして5位のバロンは開幕戦以来の入賞となった。
8位のリヴィエールは今季3度目の入賞。新参チームながら安定した活躍が
光る。一方で接触でダメージを受け、途中応急修理のためのピットストップ
を余儀なくされたバトラーは、結局12位で完走。痛恨のノーポイントでレ
ースを終えた。

ドライバーズ選手権はバトラーが97ポイントでトップをキープ。しかし、
今回ノーポイントに終わり、ポールトゥウィンを飾ったラムダが80ポイン
トとしランキング2位に浮上。バトラーとのポイント差を17と詰めてきた。
3位には今季未勝利ながら、すでに3度の2位表彰台を記録するファングが
62ポイントで続く。4位には59ポイントでロッソ、5位には51ポイン
トでラスムッセンが続いている。
チームランキングはここにきて、129ポイントでトップのマーキュリーに
対してピットブルが122ポイントと、なんと7ポイント差まで詰めてきた。
3位のノルディックは88ポイントとやや離され、今季もチームタイトルは
マーキュリーvsピットブルの様相を呈してきた。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:ニコ・ラムダ(ピットブル)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓(太字)

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次回はヨーロッパラウンド高速3連戦の最後の舞台、ムジェロで行われるイ
タリアGPだ。イモラとの隔年開催となるムジェロ。高低差40m以上、ア
ップダウンの激しい高速テクニカルコースで行われるハイスピードバトルを
お楽しみに!!

NeXXtream Press  「2ndシーズン序盤戦号」

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◆シーズン序盤戦号

大盛況で幕を閉じた1stシーズンだが、新たに開幕した2ndシーズンもここまで5戦で5人のウィナーが誕生し、今季も変わらず大混戦の展開を見せるNeXX。5戦を消化した時点でドライバーは昨季王者のバトラーが、チームはマーキュリーが首位にいるもののポイント差は僅差で、今季も1戦消化する毎に目まぐるしく順位が入れ替わってゆくこと必至のNeXX世界選手権。前回は開幕から3戦のダイジェストをお伝えしたが、今回は第4・5戦の中南米ラウンドの模様を振り返り、そして今後の選手権の展開を展望してゆこう。また、各チーム・サプライヤーなどの気になる噂、情報もたっぷりと紹介してゆく。第6戦からは舞台をヨーロッパに移し、選手権はさらなる展開をみせてゆく。2ndシーズンは今後どのようなドラマをみせるのか!?

■レースリポート

◇第4戦・ブラジル サンパウロ市街地サーキット

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第3戦までで3人のウィナーが誕生し、昨年同様の混戦模様で迎えた第4戦ブラジル。昨季は王者となったバトラーが初優勝を飾ったが、今季は?予選PPは2戦連続でラムダが獲得。フロントローにはF1からのライバル関係にあるファングが並んだ。バトラーは3番手、そして新規参戦のマルドゥーク、リヴィエールが初のシングルグリッド6番手につけた。決勝は曇りのち晴れ、スタートでは中段から後方でのアクシデントにより、序盤からセーフティカーが出動する展開となる。さらにリスタート後にラムダがリタイヤ。2戦連続のミッションブローで、ラムダは序盤で姿を消す。レースはファングが引っ張り、バトラーが続く展開。そして3番手にリヴィエールが続く。しかしトップを行くファングのマシンにギアトラブルが発生。ギアがスタックしペースが落ちた一瞬を見逃さず、バトラーが先頭に立つ。その後はタイヤ交換で順位を入れ替えつつ終盤へ。最終的にトップに立ったバトラーは、終盤になってFLを連発しファングを突き放してゆく。レースは昨季同様バトラーが、ブラジルで今季初優勝。2位にはファングが入り、マルドゥークのリヴィエールが初入賞を3位表彰台で決めた。

◇第5戦・メキシコ エルマノス・ロドリゲスサーキット

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第5戦は今季初開催となるメキシコ。標高2300mの高地決戦だ。予選PPはなんと3戦連続でラムダが獲得。今度こそ完走、優勝をはたしたい。2番手にはラ・ポルタが続き、3番手にはノルディックの2台がつけた。一方バーンズ、マイネといった実力者が早くも2度目の予選落ち。決勝も波乱が予想された。レースはラ・ポルタがスタートを決め、ラムダをかわしてトップに立つ。2位にハイデンフェルドが続き、ラムダは3番手に後退。レースはここからハイデンフェルドが引っ張ってゆく。中盤、5番手にデ・ランジェリス、10番手にチャプマンが浮上し、ここまでノーポイントのアブラモビッチ勢にW入賞のチャンス到来。中段ではペースの上がらないファングがズルズル後退し、9番手バトラーを抑え込む格好になっていた。中盤にはいってもハイデンフェルドは独走、かたや追走するラムダはまたもや、マシンから白煙を上げてストップ。3戦連続のミッションブローでリタイヤに終わった。これにより追走するラスムッセンが2位にあがり、ノルディックの1-2体制となる。レースはハイデンフェルドが独走で初優勝。2位にラ・ポルタ、3位にはロッソが入り、一時2番手まで浮上したラスムッセンはピット作業のミスもあり7番手。またここまで唯一ノーポイントだったアブラモビッチ勢はデ・ランジェリス4位、チャップマン5位とW入賞。20番手からスタートしたバトラーは、意地で9位入賞をはたした。

◇第5戦終了時点でのドライバーズランキング
 1位 アレックス・バトラー          72
 2位 アレンザンダー・ロッソ         58
 3位  ケリー・ラスムッセン         41
 4位  デイヴィス・ファング         36
 5位  ニコ・ラムダ             34
 6位  アレン・バーンズ           33
 7位  ミック・ハイデンフェルド       31
 8位 アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ  26
 9位 ジョリー・セプター           25
10位 宋 昇龍                24
10位 ルドルフ・マイネ            24

序盤の5戦を終了し、選手権はバトラーがリードする展開だ。2番手には開幕戦の覇者ロッソが付け、昨季3位のラスムッセンが今季も3位につけている。4位にはファング、5位にはラムダがつけ、やはり有力視されていた面々が上位につける。ここで注目すべきは1位のバトラーの安定感だ。2位ロッソが5戦中入賞3回、ファングは2回、ラスムッセンが4回なのに対し、バトラーは1勝含む全戦入賞。予選もメキシコ以外は安定してトップ10圏内を確保している。対して昨季2位のラムダは5戦でなんと3回のPP、1勝をあげているが4度のリタイヤを喫している。しかもリタイヤの原因はいずれもマシントラブルである。トップのバトラー以外の戦績には安定感がなく、安定感の面で言えばバトラーが頭抜けている。マーキュリーのマシンには今のところ目立ったトラブルもなく、相棒のマルケーナスともども完走率は100%を誇る。一方でラムダは第3戦から3戦連続のミッショントラブルに見舞われ、予選で3戦連続PPを獲得しながらもフイにする展開に。このまま選手権が展開するならば、2ndシーズンの王座もバトラーのものになる可能性が高いが、そう簡単にはいかないのがNeXX世界選手権だ。バトラーは昨季、中盤で一時失速。そして王座がかかった最終戦ではスタート直後に接触しリタイヤするなど、脆さも見せた。また、2位のロッソは1勝3位2回と入賞は全て表彰台、4位のファングも入賞2回はいずれも2位表彰台だ。3位のラスムッセンは上位入賞こそ少ないものの、5戦中4戦入賞、決勝レースではリタイヤ続きのラムダも、予選では3連続PPと速さがさび付いたわけではない。選手権は全18戦、そのうちまだ5戦が終了したにすぎないのだ。現時点でトップから10位までのポイント差は48。優勝、PP、FLで1レース最大30ポイントが獲得可能な選手権においては、当然まだまだ逆転が可能。この先13戦でどう転んでゆくかはわからない。ラムダは昨季も同じように前半躓いたが、後半に怒濤の追い込みを見せた。またラスムッセンのように堅実にポイントを重ねる存在も、後々上位に残る可能性は高い。今のところポイント上では、上位11名全員にチャンスがある状態だ。
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★昨季のディフェンディングチャンピオンで、
 今季もランキングトップを行くA.バトラー


◇第5戦終了時点でのチームランキング
1位 マーキュリー・レーシング         86
2位 ノルディック・モータースポーツ      72
3位 アントネッティオートスポーツ      59
4位 ピットブル・エクストリーム・レーシング  55
4位 チャイナドラゴン・レーシングチーム    49

チームランキングは御覧の通り。トップはマーキュリーだが、14ポイント差でノルディックが追い、ピットブルが4位につけ、上位に顔を出す面々は昨季と大きく変わらない。この3チームの強みは、No.2ドライバーがポイントを計算できる存在である点。対して3位のアントネッティはNo.2のリンドホルムがここまで1ポイントと、思いのほか苦戦しており4位タイのチャイナドラゴンは、二人とも思いのほかポイントが伸びずにいる。やはり所属ドライバー二人がきっちりポイントを拾ってこれるマーキュリー、ノルディック、ピットブルの3チームが最終的には、選手権を争う存在となってくるのではないか。来季以降この3チームに戦いを挑むつもりの他チームは、やはりきっちりとポイントを拾えるドライバーを二人揃える必要があるだろう。
第6戦からはヨーロッパラウンドに入ってゆくNeXX、今後の展開に大いに注目したい!! 


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パドックプレス

◇ピットブル、シーズン途中でのドライバー交代もある? マイネはシート喪失の危機!? ラムダは3戦連続のギアボックストラブルでおかんむり

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★(左)第3戦から3戦連続でミッショントラブルに悩まされたラムダは、立て続けに同内容の
トラブルに見舞われ呆れ顔。(右)F1でも大いに注目されていた才能、今季中のデビューも噂
されるボナパルト

昨季のチャンピオンチーム、ピットブルが苦しんでいる。開幕戦でNo.2のマイネが予選落ちを喫したのを皮切りに、第3戦から3戦連続でラムダのミッションがブローアップし、ポイントを落としている。またマイネが2度目の予選落ちを喫したメキシコでは、マイネのマシンは予選からミッションにトラブルを抱え満足に走行ができず、ラムダのギアボックスはは決勝レースの終盤でブローアップ。メキシコでリタイヤしたラムダは、マシンを降りてからしばらくマシン後方をのぞき込み、納得の行かない様子を見せた。チームは現在このミッショントラブルの原因究明に躍起で、パーツ1点1点の再確認・リファイン、ミッションオイルの変更など様々な対策を講じているという。
「まともに走れば戦えるマシンだ、ましてや私が操るのだから当然だ。しかし今の我々はその手前の段階にいる。優勝かリタイヤかなんて、セミオートマ黎明期の話だよ。一刻も早く原因を特定しなければ。走ってみなければわからないでは、勝負はできない。」とラムダもおかんむりだった。 
そんなピットブルについて今ささやかれているのが、No.2シート交代の噂だ。第3戦終了後の合同テストでは、リザーブドライバーのボナパルトにテストプログラムのメインを託し、No.2のマイネはやや蚊帳の外におかれていた感がある。F1でも結果の出ないドライバーは、容赦なく2ndチームに格下げしてきたピットブル。もしマイネがピットブルを追われるようなことがあれば、受け入れ先はあるのだろうか?F1のように、1つのチームがいわゆる「セカンドチーム」を持つことを禁じているNeXXでは、残留する為には他チームへの移籍しか選択肢はない。一時期F1に参戦していたカムイにゆかりのあるマイネは、トライアンフがカジワラの後釜にリストアップしているという噂もあるがはたして?  
昨季1勝をあげピットブルの王座獲得に貢献したマイネだが、早くも2年目にして正念場を迎えている。

◇チャイナドラゴン、共同オーナーの参画とともにチーム名変更か?
チャイナドラゴンのオーナーである李舜英は、かねてから準備していた共同オーナー体制への移行は今季中に行われることを明言し、来季からのチーム名変更の可能性にも言及した。
チャイナドラゴンチームの共同オーナー体制への移行については、昨季オフに李舜英氏から既に発表があり、世界的映画スターのジャッキー・チュン(無天老師様ではない) が参画するということから注目が集まっていた。
以前の李氏の発表によると、体制移行は早ければ今季前半戦中にとのことだったが、チームの株式売買手続きには今少し時間がかかる見通しだ。また、正式にチーム体制の変更を申請できるのは2ndシーズンが終了以降のため、今季中は焦らず新体制へ向けた準備を進めるようだ。
新体制に移行後は李氏とジャッキーの持ち株比率は51対49となる見通しで、チームの実権自体は李氏が掌握するものの、ジャッキー側もチームに対して大きな発言権を持つことになるとみられている。無類のクルマ好きでレース好きとして知られるジャッキー・チュン氏はWECをはじめとするいくつかのカテゴリで「ジャッキー・チュンDC レーシング」という自身のチームを参戦させており、モータースポーツとの関わりは深い。また持ち株比率から、これを機にチーム名もジャッキーのレース活動にまつわるものになるのでは?との憶測を呼んでいる。
それについて李氏は「ははは、それについては今のところなんとも言えませんね。変わるかもしれませんし、そうではないかもしれません。でも私は現在のチーム名を気に入っているんですよ。あとはジャッキーの意見も聞いてみないとね。」と語り、チャイナドラゴンというチーム名には愛着があることを主張。ともかくも、中国企業の世界でのより大きな飛躍をめざし、ハリウッドスターとのタッグを選んだ李舜英氏。チャイナドラゴンチームの来季以降の活躍に期待しよう。

◇マルドゥーク家が4thシーズン以降のドバイGPの、市街地での開催を計画中

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★(左)市街地コースの敷設が予定されている『ドバイ・モーターシティ』。(右)マルドゥーク
チームのオーナーでドバイ皇太子のダムハン殿下


今季からマルドゥークチームを率いてNeXXに新規参戦している、ドバイの王家マルドゥーク家が、4thシーズン以降のドバイGPの開催をドバイ市街地で計画していることがわかった。第4戦ブラジルGPの舞台サンパウロに姿を現した、マルドゥークチームオーナーのダムハン殿下は、プレスの囲み取材に応じ市街地開催計画があることを語った。 
「私は開幕戦のサーファーズパラダイスを見、そして今回サンパウロの市街地コースを見て、市街地でのレースがいかに心を刺激するかを改めて思い知らされた。我が国には常設のサーキットがあるが、いずれはドバイの街の中を走るレースを開催したい。実はコースにする区画には、ある程度めぼしをつけているんだ。」と語り、ダムハン殿下の中ではある程度「ドバイ市街地コース」の構想が練りあがっていることを明かし、詳細についても語った。
殿下によると、コース敷設を予定しているのはドバイオートドロームに隣接する道路を使用したコースで、モーターシティと呼ばれる区画とスタジオシティと呼ばれる区画を結ぶ約5.5kmの区間とのこと。くつろいだ雰囲気の高級住宅地、ジュメイラ地区にも隣接し、ゴーカート場を囲むように敷設されるという。またレース時間は今季同様ナイトレースになるだろうとの見解も示し、計画がかなり詳細な部分まで練りこまれていることをうかがわせた。
一国の主がチームのオーナーであり、開催国の主催者でもあるという特異な立場だからこそできる計画だが、実現すればNeXXに新たな「名物レース」が加わることになる。カレンダー全18戦中最もゴージャスなレースになることは間違いない。今後のマルドゥーク家の動向にも注目していきたい。

◇3rdシーズンに移籍が噂されるドライバーたち
今季設立2年目を迎える新カテゴリNeXX、2季目の開幕にあたり飛躍を目指してドライバーラインナップを刷新するチームもあったが、1stから2ndシーズンの切り替わりで、移籍をしたドライバーは今季アントネッティから参戦するロッソだけだ。しかし来季3季目を迎えるともなると、移籍市場はいよいよ活況を呈してくる。モーターレーシングの世界では、ストーブリーグまたはプールリーグと呼ばれる移籍に関する動きは毎年付き物だが、1stシーズンオフにロッソ以外の目立った移籍劇がなかったため3rdシーズンに向けた移籍に関する憶測は、早くも2ndシーズン前半戦のこの時期に飛び交い始めた。今回は今現在NeXXのパドックで噂されている、移籍に関する主だった噂を取り上げてみよう。

1.ルドルフ・マイネ 移籍先:トライアンフ

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マイネに関しては度々お伝えしているが、現所属チームのピットブルのマイネに関する評価はそれほど高くないようだ。昨季1PP、1勝で実績は十分だが、コースの性格によって戦績にムラがあり下位に沈むこともしばしば。また今季すでに2度の予選落ちを喫していることも、マイネの立場を危うくさせている大きな要因と言える。
現在マイネについて上がっている噂で、有力視されているものはトライアンフへの移籍だ。F1参戦時は現在トライアンフにエンジンを供給するカムイが率いるチームに所属していた縁もあり、またトライアンフ側もカジワラに代わるドライバーをピックアップしているという動きがある。ピットブル側もマイネよりも、リザーブドライバーのボナパルトに将来性を見出しているフシがある。この情報は現在、かなり確度の高いものとしてパドックでは扱われている。

2.カーティス・マルケーナス 移籍先:エヴァー・グラハム

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マルケーナスについては、地元オーストラリアのエヴァー・グラハムが獲得を狙っているとの噂がある。昨季「F1四天王」の一人として迎えたバーンズが期待外れに終わったことに起因するものだ。しかし今季はここまで、2度の予選落ちはあるものの昨季を上回る活躍を見せている。予選でもPPを獲得するなど活躍を見せ、2度の予選落ちもマシンのトラブルによるもの。チームの評価は昨年ほど低くない。この移籍が実現するとしたら、それは今季ここまで開幕戦以来入賞のないバロンとの交代という形で実現するかもしれない。
ともあれマーキュリー側が現時点で、マルケーナスの評価について目立った発言をしていないため、実現する可能性については未知数だ。しかしマルケーナスもここまで、リザルトではバトラーに大きく水をあけられており、マーキュリー側の評価いかんで今後の彼の立場は変わってくる。また「F1四天王」において唯一ここまで、優勝のないのがバーンズで、エヴァー・グラハムのバーンズに対するそもそもの評価がそれほど高くないという噂も。やはりマルケーナスの移籍は、バーンズの今季の戦績次第だろう。
 
3.ゾルタン・ゲラ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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昨季第16戦日本で優勝して以来、ゲラのパドックでの評価はウナギのぼりだ。運営規模の小さいチームにあって、なかなか走らぬマシンを駆っての健闘。今季は参戦台数が増え一層の苦戦を強いられているが、それでも2度の入賞を果たし、7ポイントを獲得している。遅咲きのハンガリー人の獲得を狙っているチームは少なくない。
しかし、現状獲得が噂されるチームはそれぞれNo.1シートが安泰で、移籍するとなると2ndシートにおさまることが濃厚。さらなる飛躍を目指すゲラが、この状況をどう考えるかが移籍のポイントとなるだろう。

4.ファン・カレッジ 移籍先:マーキュリー、アントネッティなど

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ゲラ同様複数のチームが獲得を狙っていると噂されるのが、今季初参戦の「驚異の新人」カレッジだ。ガジャックという新参チーム、そして今季も苦戦するピジョンエンジン搭載のマシンを駆って、全戦予選通過。大雨となった第2戦インドネシアの予選ではセカンドローを獲得してみせた。この走りには各チーム大いに驚嘆し、パドックで彼の 評価はぐんぐん上がっている。
いまのところはゲラ同様、ビッグチームの2ndシートへとの噂が有力だ。しかし新参チームガジャックにとっても手放しがたい才能であることは間違いない。今後のガジャックとの交渉次第で、2年目でのステップアップもある。

ほかにもいくつか噂はあがっているが、現状有力視されている噂は上記4件だ。とはいえシーズンはまだまだ序盤戦が終了したばかり。今後どのようにプールリーグが展開してゆくかは、今後の選手権の状況如何でも大きく変わってくるだろう。今後の展開に注目だ。

◇カムイ、SUGOと技術提携。開発体制の強化を図る

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★3rdシーズンより純和製タッグを組んでの参戦となる、SUGOとKAMUIに日本の期待が集まる

トライアンフ、リナルディにエンジンを供給するカムイが、来季から日本の発動機メーカー「SUGO」と技術提携し、開発体制の強化を図ることを発表した。
NeXX発足後いち早く参戦を表明し、F1から活躍の場を移したカムイだが、現状やや苦戦を強いられアシュトンバーキン、DMWといったメーカー勢の後塵を拝する形となっている。この苦境を打開すべく、日本で自動車の他に飛行機、船舶など発動機開発で幅広く活躍するSUGOと技術提携を結んだ。現在水素エンジンで空を飛ぶ飛行機「水素ジェット」の国産機開発で、国内他社をリードしているといわれるスゴウ。自動車の水素エンジンについても独自に開発を進めているSUGOは、NeXX用エンジンの開発に携わることでの市販車への技術的なフィードバックを期待し、今回の提携に至ったという。
SUGOの自動車部門を統括するSUGO・ASURADA・ジャパンの菅生あすか社長は次のように語った。「このたびNeXXで活躍する日本企業カムイとの技術提携契約を締結できたことを、心よりうれしく思います。これからの自動車の在り方について世界では未だ様々な可能性が叫ばれていますが、当社は「水素燃料を使った内燃機関」に最も大きな将来性を見出しています。NeXXに参戦し、カムイ社と技術を共有することでSUGOは今後も大きく成長し、来るべき水素社会の実現に大きな貢献を果たすことができると確信しています。」 
すでにカムイとSUGOは、北海道は河西郡更別村にレースエンジン開発の為のファクトリーを建設し、十勝スピードウェイを専用テストコースとして使用することも発表。来季用のエンジンについての開発作業を開始していることも発表した。 
カムイの神麗華社長も「SUGOとの技術提携は間違いなく、我がカムイの競争力を大きく飛躍させてくれることでしょう。そして我々の活動がSUGOの技術開発に好影響をもたらすことも悦ばしく思います。今現在我々はカーボンニュートラル、そして水素社会の実現に向けて日本でもっとも進んだ企業体となりました。我々の活動が世界の産業に大きな影響をあたえ、地球環境の保全のため水素社会への転換を促す大きなきっかけとなることを望んでいますわ。」と語り、今後の展開に期待をのぞかせた。
カムイとSUGOの共同開発するNeXX用水素エンジンは、すでに来季からの投入を念頭に開発が進められているという。エンジン形式、バッジネームなどの情報は未確認だが、来季のカムイエンジンに大きな注目が集まること間違いなしだ。


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■FNO(NeXX運営統括機構)、4thシーズンより変更のシャシーレギュレーションでDRSの撤廃へ

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★ピットブルのDRS。現状技術委員会はNeXXには不要との判断を下した。

FNOはシャシーデベロッパー各車が完全新型車を投入する予定の4thシーズンをメドに、DRSを撤廃する旨を発表した。DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、マシンの高性能化に伴いコース上での追抜きが激減したF1が、レースのエンターテインメント性をより向上させる手段として投入したデバイス。レースでは指定された区間でのみ使用可能で、直線でリアウィングのフラップを開くこで空気抵抗をなくし、追抜きをし易くすることを目的としたデバイスだ。
しかし、1stシーズンの全レース映像を分析したFNOの技術委員会は、NeXXにDRSは不必要と判断したようだ。技術部長のコルトン・バーレイはこう語る。「現在DRSはF1やWECなどで採用されているデバイスだが、F1ドライバー達は事あるごとに不要論を唱えているね。私も彼らと同感だ。だがF1は現在コーナリングスピードの向上とダウンフォース量の増大で、コーナーでの追抜きが難しくなっているため、F1ではDRSがないと追抜きは難しいだろう。しかしこのNeXXにおいては、DRSが不要であることは昨年のバトルを見れば明白だ。
NeXXのマシンレギュレーションではF1ほどのハイダウンフォースは獲得できないし、コーナリングでの姿勢制御はF1より難しく、ハードなブレーキングが要求される。DRSゾーン以外での追抜きも多く見られており、DRSがなくともオーバーテイクが可能なマシンであることが1stシーズンで証明された。正直これは我々技術部門も想定していなかったことだが、不要なものにいつまでも執着する必要はない。そのため撤廃を決断した。逆に通常なら追いつけないような状態からのDRS使用で、多重クラッシュが多く起きていることも分かった。競技の安全面から考えても、4thシーズン以降のDRS撤廃は妥当な判断と考えるよ。」
デベロッパー各社にはすでに、技術委員会より通達済みというDRSの撤廃。これにより4thシーズンからのレース模様は、どのように変化するのか? 現在シグマテックに軍配が上がっているデベロッパー間の力関係にも、変化が生ずるかもしれない。

■ヨコスカが3rdシーズンに向け、新コンパウンドのハードタイヤを開発中。早ければ今季終盤の投入も?
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★参戦2年目のヨコスカは、今季やや苦戦気味だ

現在NeXXにタイヤを供給するサプライヤー2社のうち、日本のヨコスカが次期シーズンより新コンパウンドのハードタイヤを投入することが分かった。これまで1stシーズンから計23戦を戦い、ヴァシュロン勢が16勝に対し、ヨコスカ勢は7勝とヨコスカはやや劣勢。さらにノックアウト方式に変更された今季の予選では、ヨコスカ勢が圧倒的な不利を被っている。ヨコスカユーザーの各チームからは、ハードタイヤの性能向上を求める声が多く上がっており、これに対しヨコスカは早急なハードタイヤのコンパウンドの性能改善に着手した。
ヨコスカの開発担当チーフ玉島裕久氏は「今供給しているハードタイヤは耐久性重視で、決勝でのロングライフを実現するためにコンパウンドをかなり固いものにしていたんですけど、今季からの予選方式に対応できていないことはもう明白で・・。中段よりうしろのチームが予選でかなり苦戦していることはわかっているので、今予選でも戦えるハードコンパウンドをテストしているところです。」と語る。 
「予選方式変更の通達があったときから、ちょっと苦しいかもという話は出ていたんです。ただ、グリップ云々ではなくてタイヤ自体の耐久性の問題があるんで、早急には投入できませんでした。なのでひとまず来季からの予定で動いてますが、早ければ今季の終盤戦から投入できるかもしれません。」とのこと。 
「グリップと耐久性の両立は非常に悩ましい問題で、コストの関係もあるんで劇的な性能アップは現状難しいですが、予選を戦えるように改善する必要は必須です。もしかすると決勝でやや使いにくいタイヤになる可能性もありますが、予選を通過しないことにはという声はユーザーから多く上がっていたので、まず予選での戦闘力向上を念頭において開発を進めています。
ウチの売りはライフが長いことでストラテジーに幅を持てるという部分ですから、そこをスポイルしないようなハードタイヤを目指して、今ことを進めてます。」 
昨季はヨコスカ勢の活躍も目立ったが、特に今季はヴァシュロン勢にやられている印象が強いヨコスカ。決勝ではその耐久性の高さから、全スティントでソフトタイヤを使う「オールソフト作戦」など、幅のある戦略をとれることがメリットとなっているが、玉島チーフの話にも合った通り予選ではハードタイヤのグリップの低さに足を引っ張られるチームが多いのも事実。こういったデメリットを考慮してか、今季参入の3チームもヨコスカをチョイスしなかった。 
このままでは来季の契約チーム数が減ることも考えられ、死活問題となってくる。早ければ今季後半にも投入予定というヨコスカの新ハードタイヤに、ユーザーは期待を注ぐ。

  
NeXX2ndシーズンは第6戦イギリスGPから、ヨーロッパラウンドへ突入する。イギリス以降第8戦イタリアまでは高速トラックでの3連戦だが、第9戦オランダから11戦チェコまでは低速トラックが連続し、各チームの戦い方も非常に難しくなってくる。ここまで5戦を消化したNeXXだが、これまで低速と呼べる性格のトラックでのレースはなく、この中盤の低速3連戦では現在上位のチームの苦戦、そして中段以下に沈むチームの躍進も十分考えられるカレンダーだ。全18戦の選手権で、その後の展開を大きく左右するのがこの中盤戦。ますます激化するNeXXの選手権争い、ヨーロッパラウンドの戦いにも注目だ!!

Formula NeXXtream 2ndシーズン・6

『Formula NeXXtream 2nd』

□第6戦 イギリス ブランズハッチサーキット

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 1周:4.21km
 特性:「高速」「常設」
 ターン数:27(73周)

第5戦メキシコは、今季から参戦したハイデンフェルドの初優勝で幕を閉じた
NeXX。第5戦を終了した時点で選手権は、バトラーがトップにいるものの
まだまだ予断を許さない展開が続いている。チームランキングにいたっては
ノルディックが2位浮上、そしてピットブルが一気に4位転落と、こちらは
ドライバーズ選手権以上に混沌としてきた。そんな状態でNeXXは
いよいよ中盤戦ヨーロッパラウンドを迎える。第6戦は伝統のクラシカル
トラック、ブランズハッチで行われるイギリスGPだ。
全長4.21kmのショートコースだが、森と丘を舞台に敷設された
トラックは起伏に富んだテクニカルなレイアウトが特徴。長い直線などは
ないものの、ショートストレートの入り口やホームストレートエンドが
下り勾配となっており、スピードに乗りやすい高速トラックだ。
ホームストレートからターン1「パドックヒル・ベンド」を経由して、唯一の
低速コーナー「ドルイドヘアピン」に向かって一気に下り降りるセクションは
1番の難所。またホームストレートが直線形状をしておらず、やや右に傾斜
しながらゆるやかにカーブしているのもこのコースの特徴だ。
現代のサーキットにはない自然の地形を生かしたアンジュレーションが
このトラックを難所足らしめている。まさにヨーロッパラウンドの開幕を
飾るのにふさわしい舞台だ。またNeXXには現在英国圏にルーツを持つ
ドライバーが6名参戦しており、イギリスをホームGPと捉えるドライバー
も多い。そういった意味でも特別な意味を持つのがNeXXイギリスGPだ。
果たして今回はどんなレースとなるのか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ルドルフ・マイネ(ピットブル)
PPを獲得したのは前戦メキシコで予選落ち、今季すでに2度の予選落ちを
喫しているピットブルのマイネ。予選での速さに相変わらずムラは大きい
ものの高速コースでの速さは折り紙付きだ、昨季PPを3度獲得した実力は
伊達ではない。そしてこれでピットブルは第3戦以降4戦連続PP獲得と
なった。フロントロー2番手には、前戦20番手に沈んだバトラーがつけた。
3番手にはラムダ、今度こそトラブルなしで決勝レースを走り切りたい。
4番手には前戦フロントローのラ・ポルタがつけた。3列目5番手には
ファング、4列目8番手にはチャップマンと地元の雄がつける。
また12、13番手にはファーシマス、ゲラのロムニ・ダキア勢。今季
ここまで8ポイントで15チーム中14位に沈むチームに、ポイントを持ち
帰りたい。一方第3戦の覇者セプターは17番手、唯一の日本人日向は20番手
と苦戦。さらには3戦ぶりに予選を通過したバーンズは24番手、前戦の
覇者ハイデンフェルドは25番手、開幕戦の覇者ロッソは最後尾と実力者が
後方に沈む。また前戦で接触の原因を作ったとしてペナルティを科された二人
のうちシエナは、5グリッド降格で22番手スタート。そして今回含め2戦の
出場停止処分を科されたガジャックのタンデイは、リザーブドライバーの
フェリック・ロハスにシートを譲ったが、ロハスの予選通過はならなかった。

<決勝レース>
予選では晴れていたブランズハッチだが、決勝レースは雲が厚く垂れこめ
いまにも降り出しそうな天候でのスタート。今回は序盤から勝負に出る
ドライバーはほとんどおらず、8割以上のドライバーがハードタイヤを選択。
しかも、その多くがユーズドタイヤでのスタートを選択した。上位陣では
PPのマイネだけがソフトをチョイス。バトラーは新品ハード、ラムダは
ユーズドハードをチョイスした。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ      日向
バトラー      ヴィックス
マルケーナス   ファング 
ポルボローネ   ティルクム 
シエナ
ゲラ
ファーシマス 
ラスムッセン
ハイデンフェルド 
ラ・ポルタ
フィリオ 
ロッソ 
リンドホルム 
リヴィエール 
カレッジ

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
マイネ       カジワラ
バーンズ     チャップマン 
          デ・ランジェリス
          カブロン
          セプター

=ユーズドタイヤ

スタートは2番手のバトラーが決める。PPのマイネがやや立ち遅れ
1コーナーはバトラーが先頭で下ってゆく。3番手ラムダはポジション
キープでスタート。中段ではリヴィエールがダッシュスタートを決め、
ポジションを二つ上げる。ブラジルでの表彰台で何かつかんだか、
リヴィエールは14番手に浮上する。バトラーが先頭でレースは展開、
序盤はマイネもバトラーの前をうかがうも、バトラーが要所でブロックし
前に行かせてもらえない。

序盤から早くもバトラー、マイネ、ラムダの前3台が飛び出す展開。
しかし2番手のマイネはバトラーに抑え込まれて前に出られず、後ろの
ラムダとの間に挟まれる格好。チームはここで早くもオーダーを発動、
マイネにポジションを譲らせラムダを前に行かせる。後方でははやくも
接触事故、地元英国のファングがラ・ポルタに仕掛けて接触
それぞれポジションを落とし、マシンにもダメージを負ってしまう。
各車とも序盤から難コースにてこずり、いたるところでスピン・接触事故
が発生。後方ではデ・ランジェリス、ハイデンフェルドが単独スピン。
デ・ランジェリスはマシンを大破させ序盤でリタイヤを喫した。

3ターンを過ぎると3番手マイネはやや先頭から離され、レースは
バトラーとラムダのマッチレースの様相を呈してくる。少し離れた4番手
には復調気配を見せていたリンドホルムがいたが、突然のペースダウン。
後ろにいた地元英国勢のファング、チャップマンに前に行かれてしまう。
リンドホルムはブレーキにトラブルを抱えていた。そして後方では、
久々に予選通過24番手からレースを進めていたバーンズの、左リアタイヤ
がバースト。コース序盤でのバーストだったため、ピットには戻れず
バーンズはそのままリタイヤした。

ラムダとバトラーのバトルはつかず離れず、接近することでのマシンへの
影響を嫌うラムダはときおりややバトラーと距離を取りながら、機を見て
接近しプレッシャーを与えるも、バトラーも動じる気配はない。
そんな中5ターンを終了したレース、コースにはぽつぽつと雨粒が落ちて
路面をうっすらと濡らし始めた。

★5ターン終了時のトップ5
 1.アレックス・バトラー
 2.ニコ・ラムダ
 3.ルドルフ・マイネ
 4.ジョンブル・チャップマン
 5.ケリー・ラスムッセン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.デイヴィス・ファング
 8.アンドレアス・サントス・フィリオ
 9.ミケーネ・ポルボローネ
10.デイヴィス・リンドホルム

小雨がコースを濡らしはじめた6ターン目、トップのバトラーと2番手
ラムダが同時ピットイン。両者ひとまず浅溝のインターミディエイトタイヤ
へ交換する。マーキュリーの作業は速かったが、ピットブルが会心の作業で
ラムダを送り出す。順位はピットレーン内で逆転、ラムダが先頭でコースに
復帰する。ピットブルは先にラムダを入れたため、マイネは1ターン待たされる
ことになる。後続は続々とピットイン、全車がインターミディへと交換する。
そして翌ターンにマイネ、更にはバトラーのタイヤ交換でこちらも1ターン
待たされたマルケーナスがピットイン。しかしマイネ、マルケーナス共に
やや作業に時間がかかってしまう。

雨は徐々に強くなり、各車おいそれとバトルを仕掛けられなくなってくる。
そんな中地元で4番手まで浮上していたチャップマンが、マイネの前を
うかがって単独スピン。さしものチャップマンも雨では立て直しできず、
マシンはコースアウトしクラッシュ。母国でのレースをあっけなく終えた。
そんな中雨の得意な連中は積極的だ。ここまでいいところのないバトラーの
同僚マルケーナスが、ラスムッセンをかわして4番手に浮上。後方でも
11番手スタートのサントス・フィリオが7番手まで進出する。

先頭は相変わらずラムダとバトラーのマッチレース。雨が大得意のバトラーも
ラムダの巧みなブロックラインに抑え込まれる。3番手争いもピットブル
vsマーキュリー、マルケーナスが仕掛けるもマイネも行かせない。
そんな中もうひとり、雨が大得意なファングが5番手を取り返す。
中盤戦に入っても雨は降り止まず、「犠牲者」を増やしてゆく。
9ターン目にはヴィックスが単独スピン、10ターン目にはカレッジと
リンドホルムが接触し、それぞれリタイヤしていた。

そして12ターン目、ついにバトラーがラムダの前に。再びトップを
奪い返す。レースはやや荒れた展開になるも、危険度の高い大きな事故がなく
ここまでセーフティカーの出動はなし。中段では激しいポジション争いが
繰り広げられているものの、全体としては大きな動きのないまま
再びバトラーが引っ張るレースは後半戦へ。

★15ターン終了時のトップ10
 1.アレックス・バトラー
 2.ニコ・ラムダ
 3.ルドルフ・マイネ
 4.デイヴィス・ファング
 5.ケリー・ラスムッセン
 6.カーティス・マルケーナス
 7.ジョリー・セプター
 8.アンドレアス・サントス・フィリオ
 9.ゾルタン・ゲラ
10.アレオ・ファーシマス

16ターン目、やや雨脚が強くなり各車再びタイヤ交換の為ピットイン。
トップを争うバトラーとラムダが、またも同じタイミングで入ってくる。
今度はマーキュリーよりピットブルの作業にやや時間がかかり、バトラーに
少し遅れてラムダがピットアウト。後方でもファング、マルケーナス、
セプター、サントス・フィリオとポイント圏内にいる面々は続々とピットイン、
ヘヴィーウェットに交換しコースに出てゆく。バトラーとは大きく差が
あるため、マルケーナスはバトラーの作業が終了した直後にピットイン。
しかしマーキュリーの作業がやや手間取り、セプターに前に行かれてしまう。
2台立て続けの同ターン作業を敢行したマーキュリーだが、あとに入った
マルケーナスはやや割を食ったかっこうになってしまった。

17ターン目には、前ターンにピットインを待った連中が続々ピットイン。
順位が大きく錯綜する。トップ争いはここにきてバトラーが、ラムダとの
マージンを少し開きつつある。「雨のバトラー」の真骨頂だ。ラムダも
無理をして追いかけない、3番手とは大きく水をあけており、ポジション
キープの構えか。3戦連続ミッショントラブルでのリタイヤが続いている
ラムダは、雨に気を使いつつマシンをいたわりながらレースを進める。

中段ではこの雨でもバトルが激化、ラスムッセン、ファング、マイネ
マルケーナス、セプターらが目まぐるしく順位を入れ替えながら、綱渡りの
レースを戦う。しかし完走台数は確実に減っていき、18ターン経過時には
9台が姿を消していた。そして19ターン目にまた事故発生。後方集団
ティルクムとシエナのバトルでティルクムが体勢を崩しスピン。それに
端を発し後続のシエナ、そして日向が追突。3台の多重クラッシュにより
ここにきて、このレース初めてセーフティカーが出動する。

20、21ターンがセーフティカーラップとなり、21ターンにはピット
オープン。しかし結局最後まで雨は止まず、タイヤ交換などの動きもなく
リスタートへ。リスタートも「雨のバトラー」が決め、大勢は決す。
むしろバトルが激化したのは中段。17番手スタートのセプターは、この時点
で3番手まで浮上していた。逆にリスタート時に4番手にいたファングだが、
終盤徐々にポジションを下げ7番手まで後退する。
またポイント圏内確保の争いも激しい。ロムニ・ダキアの2台がギリギリの
位置で踏みとどまるも、リヴィエール、サントス・フィリオ、そして
序盤のスピンで最後方にいたハイデンフェルドも浮上し、熾烈な争いが
繰り広げられていた。

雨のため事故が多発、完走は14台のサバイバルとなったこのレース、
結局最後までバトラーが危なげなく首位を守り切り優勝。今季2勝目
をあげた。雨のため最後はバトラー追撃をあきらめたラムダが、ここ3戦の
不運を払しょくし2位表彰台、そしてポールスタートのマイネが3位表彰台
と、ピットブルはW表彰台をゲット。一方バトラーのチームメイト
マルケーナスは惜しくも表彰台ならず、4位フィニッシュとなった。
5番手には昨季ランキング3位のラスムッセン、今季は今一つ突き抜けきれ
ないレースが続くも確実にポイントは拾っている。地元ファングは序盤に
マシンに負ったダメージの影響もあり6番手。第3戦の優勝以外入賞のない
セプターが7位に入り、マルドゥークのリヴィエールが8位入賞。雨での
速さも見せつけた。9位にはサントス・フィリオが入り、最後までポイント
圏内を争ったロムニ・ダキアの2台は最後の最後で脱落。かわりに終始
最後方でレースを戦ったハイデンフェルドが、滑り込みで入賞をはたした。

一方で最後方スタートとなったランキング2位のロッソ、完走ははたした
ものの入賞ならず、ノーポイントでバトラーとのポイント差は39と
大きく開いた。

ラムダは今回の2位でランキング3位に浮上、一方ラスムッセンは4位
ファングは5位と後退。マイネは今回の3位入賞でランキング6位に浮上
してきた。現状バトラーが頭一つ半抜け出したかっこうだが、選手権は
18戦中6戦とまだ1/3が終了したところ。今後の展開は全く予測不能だ。
しかしトップのバトラーは2勝を含む6戦全戦入賞、いまだリタイヤのない
抜群の安定感が強みだ。一方2位以下は10位のセプターまでが27ポイント
差で、1勝で順位が大きく入れ替わる大混戦状態。はたしてバトラーの連続
入賞はどこまで続くか? 追いかける面々に付け入るスキはあるか?

チームランキングはマーキュリーが123ポイントとしトップ、しかし
今回W表彰台のピットブルもポイントを積み重ね91ポイントで2位、さらに
ノルディックが83ポイントで3位と続いている。こちらはトップ3が昨季
と同様の面々に。追いかけるアントネッティ、チャイナドラゴンはNo.2
の活躍次第でまだまだ逆転も有り得るが果たして?
いずれも今後の展開から目が名離せない。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次回はヨーロッパラウンド第2戦にして、4戦続く西ヨーロッパゾーンの
2戦目である選手権第7戦フランスGPだ。全長1.8kmの長ロング
ストレートを擁するスーパーハイスピードトラック、ポールリカールで
行われる。NeXX随一の高速トラックで行われる、スーパーハイスピード
バトルをお楽しみに!!!

 

 

 

 

Formula NeXXtream 2ndシーズン・5

『Formula NeXXtream 2nd』

□第5戦 メキシコ エルマノス・ロドリゲスサーキット

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 1周:4.30km
 特性:「中速」「常設」
 ターン数:25(69周)

前回の第4戦ブラジルでは、昨季同様マーキュリーのバトラーが
シーズン初優勝をあげ、4戦で4人のウィナーが誕生と今季も混戦模様の
NeXX。第5戦の舞台は中米メキシコだ。昨季はブラジルのあと南米大陸
を南下しアルゼンチンへと転戦したNeXXだが、今季は北上し中米は
メキシコへとやってきた。舞台となるのはメキシコの首都メキシコシティ
ある、エルマノス・ロドリゲスサーキットだ。1962年開設のオールド
コースは、近年ヘルマン・ティルケによる改修を受け、近代的な中速
テクニカルトラックへと生まれ変わっている。基本的には従来のレイアウト
に沿っての改修となっているが、路面の舗装を全面的にやり直し、最終区間
にはもともとあった野球場の観客席をそのまま利用したスタジアムセクション
が新設された。全長1km以上のホームストレートのある前半区間では、
コース最速を記録するハイスピードセクションだが、後半はS字をメイン
とするテクニカルセクションで、コース終盤のスタジアムセクションは
観客席の真ん中をマシンが低速で旋回する、このコース一番のビューポイント
だ。全18戦のトラックの中でも、最もライブ感のあるセクションだろう。
また標高約2300m地点にあるこのサーキットは、空気が薄くダウン
フォース量も少ないため、特異なセッティングが必要な難所となっている。
今季からカレンダーに新たに加わった難所で、どのような戦いが見られるか?

<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
PPはなんと3戦連続でピットブルのラムダが獲得。過去2戦連続で
ミッショントラブルのためPPスタートながらリタイヤを喫したラムダ、
今回こそ予選結果を決勝レースにつなげたい。そしてフロントロー2番手には
開幕戦6位以降入賞のないラ・ポルタ、ここで上位入賞を果たし波に乗りたい
ところだ。2列目にはノルディックの2台、3番手ハイデンフェルド、
4番手にはラスムッセンがつける。ここまで波に乗り切れないノルディック勢、
是が非でも優勝が欲しいところだ。3列目5番手にはドバイの覇者セプター、
6番手には開幕戦ウィナーのロッソが続く。7番手にはここまで2度の
2位表彰台のファング、ファングもそろそろシーズン初優勝がほしいところ。
一方でマルケーナスが18番手、ランキングトップのバトラーは20番手と
マーキュリー勢は一休みか。そして今回の予選落ち4名はバーンズ、
リンドホルム、ティルクム、マイネの4名。マイネとバーンズ、そして
リンドホルムの3名は早くも今季2度目の予選落ちだ。中でもマイネは今回
ミッショントラブルでまともにアタックができず。過去2戦ラムダに
同様のトラブルが発生しているように、ミッションのトラブルは現状チーム
が抱える重大なトラブル。マイネは決勝すら走れずレースを終えた。
開幕から3連続入賞で好調かと思われたバーンズは、2戦連続の予選落ち。
改めてNeXXの予選のシビアさが浮き彫りとなった。


<決勝レース>
予選から終始うす曇りの中行われたメキシコGP。決勝も天候はくもり、
標高2000mを超える高地のため、比較的冷涼なメキシコシティだが
この日も気温、路面温度とも高くなく。出走26台のうち6割以上が
ソフトをチョイス。そしてソフト勢はポルボローネ一人を除いて全員が
新品タイヤをチョイスした。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
デ・ランジェリス  カジワラ
ゲラ        宋
ラスムッセン 
フィリオ 
リヴィエール 
グーデリアン
タンデイ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ       日向
バトラー      チャップマン
マルケーナス    カブロン
バロン       ヴィックス
ポルボローネ   ファング
シエナ       セプター
ファーシマス    
ハイデンフェルド
ラ・ポルタ
ロッソ
カレッジ

=ユーズドタイヤ


上位勢では4番手ラスムッセン以外は皆ソフトをチョイス。一方
ラスムッセンは後半の追い込みを企図し、ユーズドのハードでスタート。
後方に沈んだポイントリーダーのバトラーは、大方の上位陣同様の
ソフトスタート。序盤から1つでも上を目指してゆく構えだ。

スタートはフロントロー、2番手のラ・ポルタが決める。
PPのラムダに並びかけ、長い直線終わりのターン1にトップで侵入する。
後ろではさらに3番手ハイデンフェルドがラムダに並びかける。
ハイデンフェルドもラムダの前に出、ラムダは3番手に後退してしまう。
序盤からラ・ポルタが先頭を行く展開も、うしろのハイデンフェルドの方が
ペースが良い。3ターン目にはハイデンフェルドがラ・ポルタの前に出て、
NeXX参戦5戦目で早くもラップリードを記録。
レースはここから、ハイデンフェルドが引っ張る展開となってゆく。

出だしは良かったラ・ポルタだが、3ターン目にはラムダにもかわされ
3番手に後退。やはり直線の長い高速セクションでは、シグマテック勢の方に
分があるようだ。後方ではカレッジとヴィックスの10番手争いが激化。
互いにゆずらない接近戦が展開される。
そんななか14番手をゆくチャップマンが派手にスピンオフ。
しかし驚異的なマシンコントロールでレース復帰、日向に前を行かれるが
ポジションロスト1でそのままレースを続行する。

先頭集団、ラ・ポルタもやられているばかりではない。
5ターン目にはハイデンフェルドとラムダの直線での攻防についてゆく
ラ・ポルタが、ターン1でラムダから2番手を奪い返す。
後ろでは4番手争い、セプターがラスムッセンをかわして4番手浮上。
さらに接近していたロッソまでもがラスムッセンを追い落とし、
ラスムッセンは6番手まで後退。チームメイトとは対照的にどんどんと
ポジションを下げてしまう。上位陣で唯一ハードタイヤを選んでスタート
したラスムッセン、序盤は苦戦を強いられる。

後方ではプルトンのヴィックスが、サントス・フィリオをかわして
9番手浮上。今季も苦戦の続くプルトンに、ポイントを持ち帰れるか?
そして後方20番手スタートのバトラーはチャップマンに抑え込まれ、
チャップマンの後ろ15番手にいた。

★5ターン終了時のトップ5
 1.ミック・ハイデンフェルド
 2.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 3.ニコ・ラムダ
 4.ジョリー・セプター
 5.アレンザンダー・ロッソ
 6.ケリー・ラスムッセン
 7.デイヴィス・ファング
 8.アレオ・ファーシマス
 9.トゥーリ・ヴィックス
10.フェリオ・デ・ランジェリス

中段争いは接近戦、ヴィックスをかわした日向が10番手に浮上。
久しぶりのポイント獲得を狙う。その後ろでは13番手争いのカレッジと
マルケーナスがやりあうも、マルケーナスはカレッジに手を焼く。
その間に後ろにバトラーが接近すると、マルケーナスはバトラーに
前を譲る。バトラーのポイント圏内浮上をアシストするオーダーだ。

前方ではロッソとセプターの4番手争い。しかし激しいバトルは接触
引き起こす。双方マシンに大きなダメージはなくセプターは4番手をキープ
するも、ロッソは大きくコースアウトしてしまい、9番手まで順位を下げた。
そしてヴァシュロンのソフト勢はこのあたりから、タイヤ交換でのピット
ストップが出始める。ファーシマス、カレッジといった比較的タイヤに
キツイ面々が入り始める。

8ターン目にはトップ3ハイデンフェルド、ラムダ、ラ・ポルタが
ピットイン。ハイデンフェルドがユーズドハードにつないだのに対し、
後ろのラムダ、ラ・ポルタは2セット目のソフトにつなぐ。2スティント目
に勝負をかける作戦に出た。ピットインでトップ3の順位は変わらず。

ハイデンフェルドのペースは、ハードにスイッチしても変わらず。
対する2、3番手勢はハイデンフェルドを捉えるほどペースが上がらず。
後方ではセプター、デ・ランジェリス、日向といったヨコスカ勢が
ピットインし、ユーズドハードにスイッチ。ヨコスカ勢はソフト2セットを
長めに使えるため、2スティント目にユーズドハードを持ってきて
短くつなぐ作戦に出た。
後方ではポルボローネとタンデイの接触事故発生。ポルボローネはなんとか
レースに復帰したが、タンデイはマシンのダメージが大きくその場で
マシンを降り、リタイヤを喫した。さらにタンデイには事故の原因を作った
として、次戦から2戦出場停止のペナルティが科せられた。

トップ3は依然ポジション変わらず。ソフトで追うラムダ、ラ・ポルタの
2人に対し、ユーズドハードのハイデンフェルドはソフト勢と変わらない
ペースでトップを快走。後方ではチャップマンがペースをあげ、日向を
かわして10番手に浮上。同僚のデ・ランジェリスが5番手につけており
2台でポイント圏内を走行、ここまで唯一ノーポイントのアブラモビッチ
だったが、ようやく初ポイントが見えてきたか。

ハイデンフェルドが快調にトップを行く展開だが、後方は激しいバトル。
6番手ファングが前を行くデ・ランジェリスにしかけるも、デ・ランジェリス
が巧みにブロック。逆にファングの一瞬のスキをつき、ヴィックスが前へ。
ヴィックス7番手浮上。さらにその後ろではチャップマンが猛然とペース
アップ。ファングを追い落として8番手まで浮上する。
逆にファングはペースが上がらず、ポイント圏内目前まで浮上していた
バトラーの前をふさぐかっこうになる。

後方ではまた接触事故発生。リヴィエールとカレッジが、バトルで接触
しかし双方軽傷のためレース続行。レースはスタートから15ターンを経過
してもセーフティカーが出ない、珍しい展開で進む。

そして上位勢は2スティント目をソフトでつないだラムダ、ラ・ポルタが
先にピットイン。結局追いかける面々はソフトでもトップを捕まえられず
ユーズドハードへ交換する。レースはここからハイデンフェルドの一人旅の
様相を呈してくる。

★15ターン終了時のトップ10
 1.ミック・ハイデンフェルド
 2.ニコ・ラムダ
 3.アイウトン・フィリップス・ラ・ポルタ
 4.ケリー・ラスムッセン
 5.トゥーリ・ヴィックス
 6.アレンザンダー・ロッソ
 7.フェリオ・デ・ランジェリス
 8.ジョンブル・チャップマン
 9.アレックス・バトラー
10.デイヴィス・ファング

16ターンを迎えたところで信じられない光景が。
2位をゆくラムダのマシンが後方から大きく白煙を吹いてスローダウン。
なんと3戦連続でミッションがブローアップしリタイヤとなった。
コース脇にマシンをとめたラムダは、しばらくマシン後方をのぞき込み
憤懣やるかたないといった様子でピットガレージへと戻った。
ラムダは3戦連続でPPを獲得しながら、3戦連続ミッションブローで
リタイヤ。またもレース途中で姿を消してしまった。

そんななか、4番手でペースアップしていたラスムッセンが、前をゆく
ラ・ポルタをオーバーテイク。ラムダがリタイヤしたため2番手浮上となり
この瞬間ノルディックは、今季初の1-2体制での走行となる。

ハイデンフェルドと後方とのマージンは9、盤石だ。
一方20番手スタートのバトラーは、しぶとく9番手まで浮上していた。
しかし、ファーシマスに抜き返され10番手後退、さらにペースを上げて
追いついてきた同僚のマルケーナスが、バトラーの一瞬のミスを突き
10番手浮上。バトラーはポイント圏外に後退する。

19ターン目にはトップのハイデンフェルド含め、2スティント目を
ハードでつないだ面々が最後のピットイン。各車最後のスティントはソフト
につないでコースへと出てゆく。各車がほぼピットストップを終えても
ノルディックの1-2体制は崩れず。チームとしてはラスムッセン
勝たせたいところだが、ハイデンフェルドとのマージンがありすぎる。
チームとしての王座獲得が第一目標のノルディックとしては、最悪どちらが
優勝でも1-2フィニッシュであれば問題はなかった。そして1ターン
遅れて20ターン目に、2番手のラスムッセンが最後のピットイン。
しかしなんとここで、ラスムッセンのピット作業でトラブル発生!!
右フロントのナットが外れずに大きく時間をロス。ラスムッセン
最後の最後で6番手に転落してしまう。
ラスムッセンは作業中、ステアリングを両手で叩いて悔しがる。

トップのハイデンフェルドは独走でクルージング体勢。あとに続くラ・ポルタ
ロッソもポジションキープで無理はしない。そして続く4、5番手には
デ・ランジェリス、チャップマンのアブラモビッチ勢。アブラモビッチ
ようやく初入賞が現実のものとなってきた。

結局レースはハイデンフェルドが独走で優勝。NeXX参戦5戦目にして
初優勝を飾った。2位は開幕からやや苦戦の続いたSLOのラ・ポルタ、
そして開幕戦の覇者ロッソが3位表彰台をゲット。序盤の接触がなければ
と思わせる展開だった。そして4位、5位にはアブラモビッチ
デ・ランジェリスとチャップマンがW入賞。実力派コンビといわれながら
ここまでノーポイントに終わっていた面々がようやく初入賞を果たした。
6位にはプルトンのヴィックスが入り、エースカブロンを上回るポイントを
獲得。一方で最後のピットストップで大きく順位をロスしたラスムッセン
最終的に7番手フィニッシュ。ノルディックの1-2フィニッシュは
夢と消えた。8位にはマルケーナス、バトラーは9位入賞。それぞれ
18番手、20番手と後方スタートのマーキュリー勢は、しぶとくW入賞を
果たした。また10位にはロムニ・ダキアのファーシマスが入り、ようやく
今季初入賞を果たした。
開幕から5戦で初めて、セーフティカーが1度も出動しなかったこのレースで
見事独走での優勝を飾ったハイデンフェルド。今後はもしかすると、
ハイデンフェルドも選手権争いに絡んでくる存在になるかもしれない。

一方で3戦連続PPスタートながら、3戦連続同じトラブルでリタイヤと
なったラムダは失意のレースとなった。

ドライバーズポイントではバトラーが72ポイントでトップをキープ。
このレースで3位入賞したロッソが58ポイント、14ポイント差で
2位に続く。3位にはかろうじて41ポイントでラスムッセンがつけるが
バトラーとの差は詰まらない。4位以下ファング、ラムダ、バーンズも
ノーポイントでバトラーを脅かすには至らず。一方今回初優勝を飾った
ハイデンフェルドが31ポイントでランキング7位に浮上してきた。

また、チームランキングはマーキュリーが86ポイントでトップにいる
ものの、ハイデンフェルドの初優勝で72ポイントとしたノルディックが
2位に浮上。かたや今回ノーポイントに終わったピットブルは
アントネッティにも抜かれ4位に後退。チームランキングは1位から6位
が46ポイント差におさまっており、1レースの結果で容易に順位が
入れ替わる状態だ。

ドライバーランキングは抜群の安定感と強さを誇るバトラーがトップを
キープしているが、その他の実力者連中はまだ本領を発揮できていない状態。
シーズンはまだ5戦を消化したところ、中盤戦以降の戦績如何ではまだまだ
どうとでもなる展開だ。はたして今季はこのままバトラーがトップを
ゆくのか、それとも実力者たちの逆襲が始まるのか? 
今後の展開に注目だ。


最終リザルト↓↓↓

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Winner:ミック・ハイデンフェルド(ノルディック)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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選手権は次戦第6戦からヨーロッパラウンドに突入!
第6戦は伝統のオールドコース、ブランズハッチで行われるイギリスGPだ。
F1をはじめとする様々なレースで、様々なドラマの舞台となってきた
イギリスを代表するクラシカルトラックでのハイスピードバトル!
お楽しみに!!!

Formula NeXXtream 2stシーズン・4

『Formula NeXXtream 2nd』
□第4戦 ブラジル サンパウロ市街地サーキット

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 1周:4.08km
 特性:「高速」「市街地」
 ターン数:27(74周)

開幕戦はA.ロッソ、第2戦はN.ラムダ、そして第3戦はJ.セプターと
今季も開幕から3戦で3人のウィナーが誕生し、混戦模様の選手権となっている
NeXX。オーストラリアから東南アジア、中東を経由した選手権はここから
中南米ラウンドへ突入してゆく。第4戦の舞台は南米ブラジル。
伝説のF1王者アイルトン・セナの生まれたサンタナ地区に施設される
ストリートサーキットが舞台だ。3本のミドルストレートが主体の、ストップアンド
ゴーの高速トラックは、ホームストレートがアスファルトではなくコンクリート
舗装路面で、非常にミューが低く滑りやすいうえこの時期は雨の心配もある。
また、ピットレーンがホームストレート上ではなく、ホームストレートの先の
ターン4とターン5の間のミドルストレート沿いに敷設されるという特徴的なつくり
のトラックだ。昨季は、年間王者を獲得したA.バトラーがこのGPで初優勝。
初代王座獲得へはずみをつけたレースとなったが、今季はどうか?
今季もここまでバトラーは未勝利、しかし開幕からきっちりと3戦連続で上位入賞を
はたしているバトラーは、シーズン未勝利もランキングトップだ。
今季もここを制するような展開になれば、2年連続の王座獲得も視野に入ってくる。
開幕戦覇者のロッソが2ポイント差で追っているが、はたしてどんな展開になるか?
初代王者が頭一つ抜け出すか、はたまた追いかけるライバル勢が肉薄するか。


<予選>
予選結果は以下の通り↓↓↓

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セッション別リザルト↓↓↓

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予選落ち(DNQ)↓↓↓

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PP:ニコ・ラムダ(ピットブル)
第3戦に続きPPはピットブルのラムダが獲得。PQ、Q3はともにハードタイヤ
でアタック、ラスト2セッションにソフトを温存する余裕の展開でQ2、Q3とも
トップタイム。堂々の連続PP獲得だ。フロントローにはF1時代からのラムダの
ライバル、ファングがつける。ポイントリーダーのバトラーが3番手、そして
ラムダのチームメイトマイネが4番手とピットブル勢が好調。
そして、これまでの3戦では予選から苦戦していた新規参戦チーム、マルドゥークの
一角リヴィエールがサードロー6番手を獲得。新規参戦3チームの中でいまだ
ノーポイントだったマルドゥークに、初ポイントを持ち帰ることができるか?
4列目にはトライアンフの日向と、前回初ポイント獲得のリナルディのシエナ
9番手には新鋭ティルクムと、クラークソンが初めて2台揃ってトップ10入りを
はたした。一方で開幕戦の覇者ロッソは18番手、そして前戦第3戦の覇者
セプターは24番手と苦戦。そして開幕から好調を維持し、連続入賞を続けていた
バーンズがなんと、今季初の予選落ちを喫した。今回の予選落ち4台はバーンズ、
デ・ランジェリス、ヴィックス、宋昇龍の4名。F1王者バーンズや開幕戦2位表彰台
の実力者宋をもってしても、通過することが容易ではないNeXXの予選。
これまでの4戦の予選結果は、参戦する誰にでも予選落ちの可能性があるという
NeXXの予選のシビアさを、あらためて示す形となった。
また、2度のクラッシュの原因を作ったとして第4戦出場停止の裁定を下されていた
ノルディックのハイデンフェルドだったが、ノルディックチームの正式な抗議を受け
FNOは協議の結果、ハイデンフェルド個人に対する制裁金のみのペナルティに
とどめ出場停止を撤回した。ノルディック側はこの一連の騒動に対して、FNOに
あらためて抗議、そしてペナルティ決定から撤回までの経緯についての調査を
要求しており、今後の展開が注目される。


<決勝レース>

昨季は小雨の降る中でスタートとなったが、今季は予選はくもり、決勝は晴れと
終始ドライコンディションで行われた。予選方式が刷新されてから3戦を戦って
予選の戦い方を熟知してきた各チーム。ラムダ、バトラー、ファングの3台以外は
全台がPQをソフトで戦った。路面のミューが低く、コンクリート舗装箇所もあり
タイヤへの負担が大きいサンパウロ市街地、各車のタイヤ戦略に注目が集まった。

<タイヤチョイス>
◆HARD
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>(太字
マイネ      日向 
バトラー      カジワラ
マルケーナス    ティルクム 
ポルボローネ    バロン 
シエナ 
ゲラ 
ラスムッセン 
フィリオ
リンドホルム 
グーデリアン
タンデイ
カレッジ 

◆SOFT
<ヴァシュロン>  <ヨコスカ>
ラムダ        チャップマン     
ファーシマス    カブロン
ハイデンフェルド  ファング  
ラ・ポルタ     セプター
ロッソ
リヴィエール

=ユーズドタイヤ

出走全台のうち6割強がハードをチョイス。かたやPP獲得のラムダ、2番手の
ファングはスタートダッシュを狙ってソフトをチョイス。先行逃げ切り作戦だ。
一方でバトラーはハードを選択。得意の後半の追い込みにかける。ヨコスカ勢は状況に
よってソフトを2セット使える可能性があるが、一方のヴァシュロン勢はハードの
2セット使用は避けられずタイヤ戦略が重要なレースとなる。

スタートでは大きな混乱はなし。フロントロー2台の出足があまりよくなかった
ものの、3番手バトラーの飛び込みをファングが1コーナーで封じ2番手堅持。
中団ではそのあおりを食ってシエナがもたつき、ティルクム、ラスムッセンが前へ。
さらにフィリオにも先行をゆるし、シエナはシングルグリッド8番手スタートを
フイにする。前方から中団では混乱なしも、後方でアクシデント発生。
23番手よりうしろの3台、バロン、タンデイ、セプターが多重接触
レ―スはのっけからセーフティカーが出動する展開となる。

ピットオープンとなった3ターン目にはバロン、タンデイ、セプターの3台が
揃ってピットイン。それぞれマシンに重篤なダメージを抱えており、ここで
リタイヤとなった。またトライアンフのカジワラもピットインしマシンを停めた。
ブレーキディスクの破損でカジワラも早々にリタイヤとなった。

4ターン目のリスタートでは、ラムダが素晴らしいリスタートを決め
頭一つ出た状態で1コーナーへ。しかしファングもぴったり1秒差以内につけ
離されない。3番手以下バトラー、マイネはやや間をあけられる。そしてその後ろ
5番手争いで順位変動。6番手のリヴィエールがゲラを出し抜いて5番手浮上。
今季いまだノーポイントのチームへ、初ポイントを持ち帰れるか?
その直後信じられない光景が・・・ トップを行くラムダのマシン後方から
白煙があがる。ラムダはゆるゆるとスローダウンし、コースサイドにマシンを停めた。
前回同様ミッションがブローアップしてしまったのだ。
マシンをおりたラムダはステアリングを投げつけ、お手上げだと言わんばかりの
ジェスチャーを見せた。ラムダは2戦連続ポールシッターとなりながら、
2戦連続ミッショントラブルで姿を消した。

ラムダのマシンがコース上にストップしたため、早くも2度目の
セーフティカーが出動する。

★5ターン終了時のトップ5
 1.デイヴィス・ファング
 2.アレックス・バトラー
 3.ルドルフ・マイネ
 4.ビル・リヴィエール
 5.日向 俊郎
 6.ゾルタン・ゲラ
 7.アリエル・ティルクム
 8.ケリー・ラスムッセン
 9.アンドレアス・サントス・フィリオ
10.スティラノ・シエナ

再びリスタートの7ターン目、トップのファングがダッシュを決め2番手の
バトラーとの差をやや広げる。3番手争いも熾烈。4番手リヴィエールがマイネに
並びかけるも、マイネが行かせない。ストレートスピードはアシュトンバーキン
分があるようだ。さらにその後ろから日向がしかけてくるも、ビルにブロックされ
逆に後ろのゲラの進出をゆるしてしまう。
レースはファングが引っ張り、少し後ろからバトラー、やや離れてマイネ、
リヴィエールなどの3番手集団と続く。

マイネも意地を見せ、9ターン目にファステストラップを記録。前をゆくバトラーを
かわして2番手に浮上する。そしてここでリヴィエールが全車の口火を切って
ピットイン。ソフトからユーズドハードに履き替えたビルは8番手で復帰する。
さらには10ターン目、先頭のファングがピットイン。ソフトからユーズドハードに
換装しマイネ、バトラーに続く3番手でコースに戻る。
2度のセーフティカー出動でタイヤを延命させたソフト勢が、このあたりで
一斉にピットインしてくる。

11ターン目にはバトラーがマイネをかわしてトップに。ユーズドハードで
スタートしたマイネのタイヤはすでに限界に達していた。タイヤ交換で3番手に
後退したファングも、徐々にマイネとの差を詰めてくる。後ろでは4番手のゲラ、
8番手ラスムッセン、さらにはカブロン、シエナといったポイント圏ギリギリにいる
面々もピットイン。順位の錯綜が始まる。
12ターン目には日向がピットイン。13ターン目にはフィリオ、ティルクム。
そして14ターン目には1セット目のハードを引っ張ったバトラーが、ついに最初の
ピットイン。ソフトへと交換し2番手でコース復帰してゆく。
タイヤが限界のマイネもここでピットイン。マイネは5番手まで落ちてしまう。

★15ターン終了時のトップ10
 1.デイヴィス・ファング
 2.アレックス・バトラー
 3.ビル・リヴィエール
 4.ルドルフ・マイネ
 5.ゾルタン・ゲラ
 6.アンドレアス・サントス・フィリオ
 7.ケリー・ラスムッセン
 8.日向 俊郎
 9.ミック・ハイデンフェルド
10.アリエル・ティルクム

16ターン目、快調に飛ばしていたファングに異変。突然ラップタイムがガクッと
落ちた。ファングのマシンのミッションが誤作動を起こし、一瞬ギアがスタックして
しまったのだ。その後はレースペースを取り戻すが、ファングはレース終了まで
たびたびミッションのマイナートラブルに苦しめられながらのドライブを強いられる。
後ろの3~5番手争いではマイネ、リヴィエール、フィリオ、そしてラスムッセン
といった面々が激戦を繰り広げ、度々順位が変動していた。
17ターン目にリヴィエールが2度目のピットイン。最後のスティントはハードを
選択したリヴィエールは8番手まで後退。表彰台圏内まで戻れるか?

ファングとバトラーのトップ争いは一進一退。ハードではなかなかペースを
上げられないファングだが、バトラーのユーズドソフトもガケが来ており、思うように
ペースアップできない。そして20ターン目には、バトラーが先に動く。
最後のスティントはフレッシュソフトでの追い込みを期し、3番手でコース復帰する。
後方ではタイヤ交換で8番手まで後退したリヴィエールが、毎ラップファステストを
更新しながら驀進。バトラーの後ろ4番手まで浮上していた。

21ターン目にはファングが最後のピットイン。ソフトへ換装しラストスティントに
かけるが、クルーがやや作業に手間取る。2番手マイネも同タイミングでピットイン
しており、ファングはトップで復帰もバトラーがすぐ後ろまで迫っていた。
この時点でトップ3のファング、バトラー、リヴィエールの3台がマージン0で
集団を形成する形となる。そして22ターン目、ついにバトラーがファングをとらえ
トップに立つ。今季初優勝が見えてきた。

トップのバトラーは23ターン目、そして24ターン目にスーパーラップをマークし
ファングとの差を開いてゆく。ファングは中盤に負ったミッショントラブルの影響も
あり、バトラーを追うことができない。それでも3番手をゆくリヴィエールには
差を縮めさせず2番手をキープ。リヴィエールも後ろのマイネとはやや差があり
トップ3は盤石の状態となる。しかし5番手以降は相変わらず、接近した集団での
バトル。フィリオ、ラスムッセン、ゲラ、ティルクムが続く。

レースは終盤トップに立ったバトラーが優勝。昨季同様ここブラジルでシーズン
初優勝を飾った。トラブルに泣いたファングも速さを見せ2番手、そして3位表彰台
にはリヴィエールが入り、ようやくチームに初ポイントをもたらすと共に、初入賞が
表彰台という偉業をやってのけた。4番手にはマイネ、5番手にはフィリオが入り
ラスムッセンが6番手。7番手には苦戦するロムニ・ダキアのゲラがなんとか入賞。
そして8~10番手ティルクム、グーデリアン、リンドホルムの3名が今季初入賞。
特にティルクム、グーデリアンは各々チームメイトとのW入賞、そしてリンドホルムは
ファイナルターンでハイデンフェルドを追い落としての10位入賞となった。
これでバトラーは4戦連続入賞、70ポイントとしランキングを大きくリードする。
チームランキングでは昨季同様マーキュリーとピットブルが上位につけているが
ノルディックに昨季ほどの勢いを感じないのが気がかりだ。

いずれにしてもシーズンは全18戦中4戦を消化したのみ。
今後の展開はどうとでも転んでゆく。最終戦の最後の最後まで目が離せないのが
NeXXだ。今後の展開も注目してゆこう。

最終リザルト↓↓↓

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Winner:アレックス・バトラー(マーキュリー)

ラップチャート↓↓↓

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ドライバーズランキング↓↓↓

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チーム・マニュファクチャラーランキング↓↓↓

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次戦第5戦は、F1やフォーミュラEでもおなじみのエルマノス・ロドリゲス
サーキットで開催されるメキシコGPだ。メキシコのモータースポーツ人気は高く
既設の野球場のスタンドをそのまま使用した最終ターン手前のスタジアム
セクションでは、大観衆のオベーションが待ち受ける。
ブラジル以上の熱狂必至のメキシコGP、どうぞお楽しみに!!